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スーパーカーのブームは、漫画「サーキットの狼」を夢中で読んでいた子どもの頃に突然やってきた。当時は、サバンナRX-７をスーパーカーと間違えて、よく追いかけたものだ。 無口で怖かった父親も車を扱うときは、優しく見えた。勉強嫌いのお兄ちゃんも車の話をするときは、かっこよく見えた。子どもの頃、車は「かっこいい」の代名詞だったのかもしれない。友だちとは、「免許をとったらあの車を買う。いつかあの車に乗る。」そんな話をするようになっていた。学校が終わると、近くにあった解体屋を覗いたり、家に帰ると、壊れた機械をばらばらにしたり、組み立てたりした。 僕たちにとって車は、遠い存在でもあり、身近な存在でもあり、憧れだった。今、僕たちは、子どものころ憧れた車の傍にいる。そして、・・・20年たった今も、車の傍にいる。 車と共に歩んだ人生。夢中だったから時間が過ぎるのも忘れた。デートの時間に間に合わなかったことも何度もあった。もちろん、夢中になったのは僕だけじゃない。一緒に働く仲間は、みんなそう。だから車の傍には、いつも仲間がいた。 今思うと、車が好きだと思っていたが違ったのかもしれない。車の傍に大切な人がいたから、車の傍に大切な仲間がいたから、車が好きになったのかと。 僕らの子どもたちも、夢中になるぐらいのものと出逢えるといいな。それはきっと大切な人と出逢えた証だから。 |
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Last Up Date: 2022年5月2日 月曜日 2:08 pm
