自動車用語集 | あ・い・う・え・お
あ行
アイドリング |
英語でアイドルとは、休止状態、動いていない(仕事をしていない)という意味。自動車が走っていない(止まっている)ときに、エンジンが空回転している状態をさす。最低限の回転数をエンジンが維持している状態。 |
アーム |
力を伝えるための腕としての働き、部品をつなぐものです。まっすぐなものはロッドと呼ばれています。 |
アームレスト |
ひじかけ。ドアの内側に取り付けられ、ドアの開閉に使う把手と一体に作られたものが多く、各種のスイッチや灰皿を内蔵したもの。後席中央のアームレストは不要な時にはシートバックに収納できるようになっているのが普通。 |
アール |
@コーナーの半径のこと。通常、道路の中心線又は内側の線の半径が10メートル単位で示される。Aクルマや部品の角の部分の丸みのこと。図面にRと書かれているところからきた。 |
アールアール方式 |
二つのRはいずれもリヤを意味し、車両の後部にエンジンを搭載し後輪を駆動する方式。FR方式、FF方式と対照的に使われる用語。 |
アイシング |
キャブレター回りに氷が付着すること。キャブレター内に噴霧されたガソリンは気化するとき周囲の熱を奪う(気化熱)ので氷点に近い温度で湿度が高いとキャブレーターの可動部分に氷が付き作動不良を起こすことがある。また、エンジンルームに雪が吹き込んで一旦溶け、再び凍結してキャブレターの一部が動かなくなることもアイシングという。 |
アイスバーン |
ドイツ語でスケートリンクや橇路を意味し、転じて氷の張っている路面のことをいう。特に積もった雪がタイヤによって踏み固められ、固く締まって凍っている状態をさす場合が多い。 |
アイディアスケッチ |
クルマのエクステリア(外観)やインテリア(内装)などのデザインを行うにあたって、デザイナーが自由は発想のもとに、クルマのコンセプトに自身のアイディアを加えて視覚化したものをイメージスケッチといい、これに量産車として必要な内容を盛り込んで絵として仕上げたものをアイディアスケッチという。数多く描かれたものから選択されてスタイリングが検討される。 |
アイドラー |
エンジンでベルトやチェーンの張りを調整するために付けられているプーリーやスプロケット。カムシャフトを駆動するタイミングベルトやタイミングチェーン、補機類を駆動するベルトなどを押さえ、回転中心が動くようになっており、それぞれアイドラー・プーリー、アイドラー・スプロケットとも呼ばれる。 |
アイドラーアーム |
インディペンデントサスペンションではステアリングリンケージが長いので、ハンドル側をピットマンアームで、反対側をアイドラーアームで支持されている。アイドラーはなまけものという意味で、リンケージを支持するだけで力を伝える働きをしていないことからこの名がつけられた。車体への取付方法によって滑り式とねじり式がある。滑り式は軸受に樹脂のブッシュを使ったもの。ねじり式は軸受にゴムブッシュを使い、ハンドルを切った時にゴムがねじれて力を蓄え、ハンドルを戻す時に力が少なくてすむようにしたもの。 |
アイドラーギヤ |
アイドルギヤあるいは遊び歯車ともいい、二つのメインギヤの間に置かれてその位置を調整したり回転方向を変える目的で使用される歯車。このギヤから動力を取り出すことはないことからアイドラー(仕事をしない人、役立たず)と名付けられたもの。後退するときに使われるリバースギヤで回転方向を逆にするリバース・アイドラーギヤがその例。 |
アイドリング |
アイドルは仕事をしていないという意味で、アクセルペダルが踏まれず、エンジンが空転している状態のこと。このときのエンジンの回転数はエンジンが安定して回転できる最低限に抑えられている。 |
アイドリング振動 |
アイドリング時にフロア、シート、ハンドルなどがエンジンの振れと共振して揺れる現象で、エンジンの膨張行程ごとに起きる4気筒車の20〜35Hz、6気筒車の30〜50Hzのブルブル振動と、シリンダー間あるいはサイクル間の燃焼が一定でない場合に起こるユサユサ振動とがある。エンジンのトルク変動が起振力となって発生する場合が多いが、エンジンの燃焼が一定でないときや、エンジンやミッションの回転部分のアンバランスによって発生するケースもある。 |
アイドルアジャスト |
アイドリング時のエンジン回転数を調整すること。アイドリング状態のエンジンではスロットルバルブがわずかに開いているだけなので、ガソリンが不完全燃焼し一酸化炭素(CO)が発生しやすい。そこで燃料をメインジェットと別の小孔(アイドルポート)から、ミクスチャー・アジャストスクリューでコントロールしながらエンジンに供給し、COの発生をできるだけ少なく、かつエンジンが安定して回るように調整する。なお、スロットルバルブの開度を調整するねじはスロットル・アジャスト・スクリューと呼ばれる。 |
アイドルアップ |
アイドリング時のエンジン回転を一時的に高める装置。エアコンを使ったり、渋滞などでアイドリング状態が続くとクーラー用のコンプレッサーの負荷のためにエンジンの回転が低下し、エンストに至る可能性があるので、この装置によって回転をあげる。 |
アイドルコンペンセーター |
アイドリングの調整装置。コンペンセートは補償するという意味で、気温や気圧などの変化によってエンジンのアイドリング回転数が変わらないよう自主的に調整する装置のこと。気温の高い時などキャブレターのフロート室の温度が上がると、燃料蒸気が燃料をメインノズルから押し出し、混合気が濃くなることがある。この場合、スロットルバルブを適度に開いて適正な濃度に調整する装置をホットアイドルコンペンセーターと呼ぶ。 |
アイドルCO(idle CO concentration) |
アイドリング時に排出される一酸化炭素のこと。アイドリング状態のエンジンではスロットルバルブがわずかに開いているだけなのでガソリンが不完全燃焼し、一酸化炭素(CO)が発生しやすい。 |
アイドルシステム |
アイドル系。アイドルアジャストを行う装置の総称。 |
アイドル車外音 |
アイドリング状態のエンジンが発生する音で、ディーゼルエンジンはガソリンエンジンに比較してこの音が大きい傾向がある。 |
アイドルスピード |
アイドリング時のエンジンの回転数のこと。 |
アイドルスピード・コントロール |
アイドリング時のエンジンの回転数を制御すること。電子制御式エンジンで、アイドル回転数をあらかじめマイコンに記憶させておき、各センサーからの信号によってエンジンの状態を検知してこの目標回転数に自動的に調整することをいう。ISCと略される。 |
アイドル・ラフネス |
エンジンのアイドリング時に発生するハンチング(ブルッブルッという振動)のこと。 |
アウターミラー |
後方の状況を確認するための後写鏡で車外に取り付けられているもの。 |
アウターレース |
ボールベアリングやニードルベアリングなどのころがり軸受でボールやコロを挟んで転がる輪(軸道輪)のうち、外側の輪のこと。内側の輪はインナーレースと呼ばれる。 |
アウト・イン・アウト |
コーナリングテクニックの基本の一つで、車線の全幅を利用し、コーナーに外側(アウト)から入って内側(イン)を通り外側(アウト)に抜けていく走り方。旋回半径を大きくすることによってコーナリングスピードを高める。 |
アウトバーン |
ヒットラーの自動車政策の一環として1933年に着工されたドイツの自動車専用道路。軍事的な利用だけではなく道路網の整備による経済効果と失業者救済が目的であったと言われる。多くの国で最高速度に制限が加えられている中で、アウトバーンはその規制がないのが特徴。 |
アウトプットシャフト |
出力軸。エンジンやトランスミッションから動力を取り出すシャフト。 |
アウトボード・ジョイント |
インディペンデントサスペンションの駆動軸に使われる2個の等速ジョイントの内、ホイール側に使われるジョイントのこと。ボディ側に使われるインボート・ジョイントと対比して呼ばれる。 |
アウトボードブレーキ |
アウトボードは船の舷側(ボード)より外という意味で、クルマでは車体の外側をいい、サスペンションに取り付けられている一般的なブレーキのこと。ホイールブレーキともいう。車体に取り付けられているインボードブレーキと対比して使われる。 |
亜鉛メッキ鋼板 |
車体の錆を防ぐために亜鉛メッキを施した鋼板で、鋼板をカソード(陰極)として電気を使ってメッキする電気亜鉛メッキ鋼板、溶かした亜鉛の中に鋼板を浸して作られる溶融亜鉛メッキ鋼板、亜鉛メッキした鋼板を熱処理して表面を鉄と亜鉛の合金とした合金化亜鉛メッキ鋼板などがある。 |
赤旗法 |
1865年に制定され1896年まで続いた英国の交通規制法。歩行者を保護するため、自動車の走行速度を都市内で時速2マイル(3.2q/h)、郊外で4マイル(6.5q/h)に制限し自動車の前方を赤旗を持った人が先導しなくてはならないというもの。これは自動車の利点を著しく損ない、この法律によって、イギリスにおける自動車発達はドイツ、フランスに大きく遅れることになった。 |
アキシャルファン |
軸流ファン。流体がファンの回転軸にそって流入し、軸方向に流出するタイプのもので、エンジンの冷却ファンがその代表的なもの。 |
アクアプレーニング |
アクアは氷の意味でタイヤが水に浮いてクルマのコントロールが失われること。 |
アクスルシャフト |
ホイールを駆動する車軸。リジットアクスルではアクスルハウジングの中に組み込まれており、ボディ側はデファレンシャルギヤに、ホイール側はフルフローティングアクスルの場合アクスルハウジングの先端に、セミフォーティングアクスルの場合ハブに取り付けられる。 |
アクスルステア |
リジットアクスル・サスペンションのクルマがロールしたときアクスル(車軸)の向きが変わり、あたかも操舵(ステア)したかのように横力が発生すること。 |
アクスルトランプ |
@急発進時など急激な駆動力がかかった時、駆動軸や駆動輪が振動することによって生じる車体の激しい上下振動。ばね下の上下振動、駆動系のねじり振動、タイヤと路面の摩擦が関係する。A主としてリジッドアクスルサスペンションで左右のタイヤが上下逆方向に揺れるトランピングこと。 |
アクスルハウジング |
車軸管。リジッドアクスル・サスペンション(車軸懸加装置)でファイナルドライブとアクスルシャフトを覆うケース。ファイナルドライブが入っている部分の形によって楽器のバンジョー型、ハウジングをほぼ中央で左右に分割したスプリット型、ファイナルドライブのキャリア(ハウジング)にアクスルシャフトのケースを付けた形のキャリア型がある。 |
アクスルハブ |
FR車の前輪やFF車の後輪のように、駆動しないホイール(車輪)が取り付けられている円筒型の部品で、アクスル(車軸)としての働きをするもの。 |
アクスルビーム式サスペンション |
後端ビーム式とも呼ばれ、トーションビーム式サスペンションの一形式で、車軸の位置にクロスビーム(アクスルビーム)が設けてあるタイプのもの。鋼板を成形して作られたトレーリングアームで支持される場合が多く、横剛性を確保するためラテラルロッド(パナールロッド)がつけられる。 |
アクセルペダル |
スロットルペダルともいう。ガソリンエンジンでは空気の吸入量を、ディーゼルエンジンでは燃料の噴射量を調整し、エンジンの回転数をコントロールするためのペダル。ダッシュボードから吊り下げるペンダントタイプとフロアに取り付けられているオルガンタイプがある。 |
アクセルワーク |
アクセルを調整すること。一般的にはドライバーがアクセルペダルを操作することをいう。 |
アクチュエーター |
機械などを働かせるものという意味で、モーター、油圧シリンダー、ソレノイドなど、装置を動かすものの総称。 |
アクティブエキゾースト・システム |
三菱の可変排気システムの呼称。 |
アクティブコントロール・サスペンション |
1989年にトヨタセリカに採用されたセミアクティブサスペンションの名称。各種のセンサーによってクルマの走行状態を検知し、ハイドロニューマチック・サスペンションのシリンダー内のオイル量と圧力をコントロールして、クルマの姿勢変化を少なくするとともに路面状態の変化による揺れやショックを最小限におさえることを狙ったもの。 |
アクティブサスペンション |
ばねとダンパーの代わりに空気圧や油圧で作動するアクチュエーターを使い、各種のセンサーでクルマと路面の状態を検知してコンピューターによりこれらの動きをコントロールし、サスペンションとして働かせるシステム。コンピューターが状況を瞬時に判断して積極的に最適状態を作ることから、能動を意味するアクティブという言葉が使われる。通常のばねとダンパーからなり、ばねレートやショックアブソーバーの減衰力を可変としたセミアクティブ・サスペンションや、空気やガスをばねとして用いるサスペンションで低周波振動だけアクティブに制御する低周波アクティブ・サスペンションなどもあり、油圧シリンダーとサーボバルブだけで働くサスペンションをフルアクティブ・サスペンションと呼んで区別することもある。 |
アクティブセーフティ・システム |
自動車事故を起こしにくくする予防安全のためのシステム。ブレーキ性能、操縦性安定性、視認性などクルマの事故回避性能をよくするためのシステムをいい、事故が起こった時に乗員の負傷を防ぎ、たとえ負傷してもその度合いを軽くするパッシブセーフティと対照的に使われる用語。アクティブセーフティの直訳は能動的安全性。 |
アクティブノイズ・コントロールシステム |
ニッサンの車内騒音低減装置の名称で、ANCと略される。直列4気筒エンジンで、エンジン回転の2倍の周波数で発生する100〜200Hzのこもり音を小さくするため、4名の乗員の頭上付近の天井トリム裏にマイクを置いてこもり音のレベルと位相を検出し、コントローラーによってこの音をキャンセルするレベルと位相の音を左右の前席の下に設けられたスピーカーから瞬時に発するもの。 |
アクティブマフラー |
排気音の低減装置で、マフラーの中にスピーカーを入れ、排気騒音中の気流音と逆位相の音を出すと音波が互いに打ち消しあって気流音が低くなるという原理を利用するもの。 |
アクティブレストレイント・システム |
パッシブレストトレイント・システムと対照的に用いられる用語で、通常のシートベルトのように乗員が自分の手で着用する保護装置。 |
浅底リム |
リムの形状の一つで、記号SDCで示され、小型トラック用として使われている。片側のリムフランジ(耳)が取り外せるようになっており、このフランジをサイドリングと呼ぶ。 |
アシストグリップ |
アシストは助けることで、クルマの揺れが大きい時、乗員が握って身体を支えるもの。頭の位置に近いルーフに取り付けられているものが多いが、ドアや助手席のダッシュボード、シートの背面などに設けられる場合もある。握りがほぼ真っすぐなバー型と輪になっているリング型がある。 |
足回り |
サスペンション系の俗称。 |
アジャスタブルサスペンション |
ダッシュボードやセンターコンソールに設けられているスイッチによって、ショックアブソーバーの減衰力を2〜3段階で選べるようになっているもの。減衰力の強い方をポーツあるいはハード、弱い方をノーマルあるいはソフト等と表示されている。 |
アジャスタブル・ショックアブソーバー |
可変式ショックアブソーバー。通常ダイヤル調整式ショックアブソーバーのことをいうが減衰力可変式ショックアブソーバーを指す場合もある。 |
アジャスト機構 |
アジャストは調整することで、シートの位置、ショックアブソーバーの強さなどを調整するために設けられたメカニズムのこと。 |
アジャストスクリュー |
調整ねじ。部品の位置決めを行うために使用されるねじで、エンジンのバルブクリアランスを調整するためのねじなど自動車には多くのアジャストスクリューが使われている。 |
アジャストナット |
調整ねじ。ナットを回すことによって長さや圧力などの物理量を調整する場合、そのナットをアジャストナットという。 |
アシュトレイ |
たばこの灰皿のこと。耐熱性のあるフェノール系の樹脂で作られているのが普通。 |
アストロベンチレーション |
車室内の空気を排出する方法の一つで、クォーターパネルなどドア回りのボディに開口部を設けてここから空気を逃がすやり方。 |
アスベスト |
石綿。繊維状の鉱物の総称。自動車に使われるのはクリソタイルという鉱物をほぐしたもので、ディスクブレーキ・パッド、ブレーキシューのライニング、クラッチフェージングなどの摩擦材やアンダーコートなどの断熱材や吸音材としていろいろな部品に使われている。多量に吸うと肺機能を損ない、発癌性があるといわれ人体への影響をも及ぼすため使用量は少なくなりつつある。 |
アスベストフリー |
ガスケットやブレーキシューなどの素材としてアスベストを用いないこと。 |
アセンブリー |
一般に機械や機械部品を組み立てること、あるいは組み立てたものをいうが、自動車では複数の部品が組み立てられ一体になった部品の集合体をいうのが普通。略してアッシーと呼ばれることが多い。 |
アタック・アングル |
クルマの空力特性をあらわす用語の一つで、横から見たとき、クルマが受ける風速を合成したベクトルが、ばね上重心点を通る前後軸(X軸)となす角度(アングル)のこと。 |
アッカーマン・ジャントー方式 |
イギリスのアッカーマンが特許を得、さらに1878年フランスのジャントーによって改良されたステアリング機構の理論で、遠心力を無視できる極低速でタイヤに横滑りを生じることなくクルマが旋回するには、各車輪が共通の旋回中心を持たなくてはならないとし、左右の前輪の車軸の延長線が、リジッドアクスルの後輪車軸の延長線上で交わるようにしたもの。実際にはすべての舵の状態でこの理論を満足することはできず、インディペンデントサスペンションではレイアウトがより複雑になる上に、ある程度以上の速度で旋回するには遠心力にみあったコーナリングフォースが必要で、このためにはタイヤにスリップアングルがつくこともあり、現実には近似的な配置がとられている。 |
アッカーマンステアリング |
クルマが旋回するとき、タイヤに出来るだけ無理のかからないようにするには全車輪の描く円が同じ中心をもつ同心円であることが望ましい。この関係を満たすようにアッカーマン・ジャントー方式を基礎として実際のクルマの使用条件に合うように改良したステアリング機構のこと。 |
アッシー |
英語のアセンブリーを略したもの。アセンブリーは一般的に機械や機械部品を組み立てることだが、自動車では複数の部品を組み合わせて一つになった部品の集合体のことをいう。 |
圧縮行程 |
シリンダー内の混合気を圧縮する動きのこと。レシプロエンジンの場合、排気バルブ、吸入バルブ共に閉じた状態でピストンが上がり、ガソリンエンジンでは混合気が、ディーゼルエンジンでは空気が圧縮された温度と圧力が上昇する。ガソリンエンジンでは吸入された混合気中に霧状に分散しているガソリンの気化が進む。 |
圧縮点火 |
圧縮着火ともいい、ディーゼルエンジンの燃焼室における着火のこと。ディーゼルエンジンでは圧縮行程の終わり頃に空気が圧縮によって700℃程度の高温となっており、この空気中に発火温度200〜300℃の燃料を噴射すると短時間に気化し自然発火が起こる。ガソリンエンジンの火花点火に対比して使われる用語。 |
圧縮点火エンジン |
圧縮点火によって燃焼行程を始めるエンジンの総称。通常CIエンジンといい、火花点火エンジン(略称SIエンジン)と対照的に用いられる。 |
圧縮比 |
エンジンの圧縮行程で混合気がどれだけ圧縮されるかを、燃焼室の圧縮前の最大容積と圧縮後の最小容積の比で示すもの。レシプロエンジンでは下死点と上死点における燃焼室の容積の比で、ガソリンエンジンでは圧縮比が高いほど出力は大きくなるが、異常燃焼を起こすなど不具合が生じるので7〜10:1が一般的。ディーゼルエンジンではこの2倍以上の16〜23:1が普通。 |
圧送式潤滑方式 |
エンジンオイルをポンプでエンジンの必要な箇所に圧送して潤滑する方式で、現在多くのエンジンがこの方式をとっている。 |
圧電素子 |
圧力を加えると電圧が変化し(圧電効果)、逆に電圧を加えると伸び縮みする性質を持つ素子。古くから知られている水晶やチタン酸バリウムを焼結した圧電セラミックスもあるが、最も多く使われているのはチタン酸ジルコン酸鉛(略してPZT)で、ライターやガス器具の点火装置にみられるもの。自動車ではノックセンサーや各種の圧力センサーに使用されている。 |
アッパーアーム |
上下で一対になっているサスペンションアームのうち、上に取り付けてあるもの。アッパーコントロールアームあるいはアッパーリンクともいう。 |
アッパーバックパネル |
リヤウィンドガラスの下のパネル。3ボックスのセダンでは左右のクォーターピラーをつなぎ、キャビンとトランクルームの仕切りにもなっている。 |
アップドラフト |
キャブレターでベンチュリーを縦に配置し、空気を下から上に通すもの。 |
アップライト |
レーシングカーのハブキャリアのこと。フォーミュラーカーではハブを中心にアッパーアーム、ロアアーム、ブレーキキャリパーなどを取り付けるための軽合金で作られた構造体が置かれ、全体の形が直立した(アップライト)形に見えることからこのように呼ばれる。 |
圧力係数 |
車体表面の圧力分布をあらわすときに使われる無次元の数値で、ある測定部分の圧力と、車体の影響を受けない離れた場所の気流の静圧または空気圧との差を、同じく気流の乱れ内部分の動圧で割って得られる。 |
圧力センサー |
気体や液体の圧力の検出器や検知装置の総称。真空又は大気圧を基準にしてその圧力の差が測定される。検出器としてはブルドン管、ベローズ(じゃばら形)、ダイヤフラム(薄膜)、ストレインゲージ(歪み計)など様々なものが使用されている。自動車ではガソリンインジェクションのバキュームセンサー、エンジンの制御に用いられる高度補償センサー、ターボチャージャーの給気圧センサーなどに使用例がみられる。 |
圧力分布 |
クルマのまわりの圧力の分布を圧力係数に換算してあらわしたもの。通常、クルマの前後方向縦断面の図で示される。 |
アドバンスカー |
先行試作車。新技術の実車への採用の可否を検討したり、新しいデザインを追求するために作られる実験車のこと。 |
アナログメーター |
文字盤と指針を持ち、数量を連続的に示すメーター。アナログは似たものを意味し、指折り数えることを意味するディジタルと対照的に用いられる言葉で、私たちの日常生活のように(生活に類似した)、連続的に変化するもののこと。 |
アフターグロー・システム |
ディーゼルエンジンで低温時の始動直後に着火が遅れることによって発生するディーゼルノックを防ぐため、始動後しばらくの間グロープラグを作動させておいて着火を良くするシステム。 |
アフターバーナー |
排気管に空気を送って排気ガス中に含まれる有害な炭化水素や一酸化炭素を燃やす二次空気供給装置のこと。 |
アフターバーン |
アフターファイヤーともいい、燃焼室で燃え残ったガスが排気系の中で爆音を伴って爆発的に燃焼する現象。吸気系に異常があった時や急減速時に起こることがあり、マフラーや触媒コンバーターなどを傷める場合もある。 |
アフターマーケット |
アフター市場、補修市場などとも呼ばれ、新車として出荷された時点で装備されていた部品の補修、性能向上、ドレスアップなどを目的として販売される部品の市場をいう。 |
アブレシブ摩耗 |
摩耗の形態の一つで、相対的に軟らかい固体の表面が、固くて粗い表面をもつ固体に削られる現象。アブレーションともいう。 |
アプローチ |
接近するという意味だが、自動車用語としてはあるコーナーに対してブレーキをかけ、ハンドルを切るまでの区間をいう場合と、コーナーの入り口でハンドルを切った場合からクリッピングポイントまでの区間をいう場合とがある。 |
アプローチアングル |
近接角。クルマが急な坂に登ろうとしたり、突起物に乗り上げようとするとき、バンパーの下の部分がつかえないかどうかの目安となる数値で、クルマの先端の下部とタイヤのトレッド面に接する仮想平面と、路面とのなす角度をいう。 |
アペックスシール |
ロータリーエンジンのローターの三角形の頂点(アペックス)に取り付けられている部品で、ローターハウジングの内面を気密を保ちながら滑り、ペリフェラルポート式エンジンの場合吸排気バルブの働きを行うもの。マツダがバンケル型ロータリーエンジンの開発にあたって最も苦心したのは高温、高圧の燃焼ガスにさらされる摺動面に適度な油膜を保持することと、シール性と耐久性のよい高強度カーボンシールの開発であったといわれる。現在は特殊な金属で作られている。 |
アメリカ自動車技術会 |
SAE。1905年に設立された自動車を中心とする輸送技術に関する学術団体。自動車に関する規格(SAE standard)の制定をはじめとして各種会誌の発行、学術会議の開催などの活動を行っている。 |
アライメント |
ホイールが車体に対してどのように取り付けられているかを示すもの。 |
アラミド繊維 |
代表的な高強度高弾性率の合成繊維で、アラミドは70年代初めにケブラーという商品名でこの繊維を始めて市販したアメリカのデュポン社が、この全芳香族ポリアミドを脂肪族ポリアミドと区別するために用いた造語。帝人はテクノーラ、アクゾ社はトアロンという商品名で市販しており、自動車関係ではラジアルタイヤのベルトやホース類の芯材として多く使われている。レーシングスーツなどの耐熱服に使われるデュポンのノーメックスや帝人のコーネックスもアラミドで、その優れた耐熱性を利用したもの。 |
アルキレートガソリン |
石油から得られるオレフィンとイソパラフィンを反応させて作られたアルキレートを含むガソリン。オクタン価が高く、無鉛プレミアムガソリンに混入されている。 |
アルコール混合ガソリン |
アルコールを少量混合したガソリン。アルコールはオクタン価が高いのでガソリンのオクタン価向上剤としてガソリンの節約も兼ねてメタノールで5%程度、エタノールで10%以下が混ぜられ欧米で使用されている。 |
アルコール燃料 |
メタノール(メチルアルコール)、エタノール(エチルアルコール)など植物の醗酵や天然ガスなどから作られるアルコールを自動車エンジンの燃料として使うもの。石油資源に限りがあることから代替燃料の一つとして考えられた。 |
アルフィンドラム |
ブレーキドラムの一種。鋳鉄のブレーキドラムの外周にアルミ合金を接合し、フィンを設けたもの。放熱効果が良く、フェードを起こしにくい。 |
アルミニウムメタル |
軸受に使用されるアルミニウムと錫の合金。ベアリングの材料として使われている軟らかくてなじみ性のよいホワイトメタルと、硬くて耐疲労性の良いケルメットメタルの中間的な性質を持ち、両者の利点を兼ね備えていることから使用される例が多くなってきている。 |
アルミニウムメッキ鋼板 |
耐熱、耐腐食性に優れた鋼板で、冷間圧延鋼板にアルミニウムの溶融メッキを施したもので、マフラーや排出ガス対策装置などの排気系に使用されている。 |
アルミハニカム |
軽量で剛性の高い構造物の素材として航空機やレーシングカーに使われているサンドイッチ構造の代表的なもので、蜂の巣(ハニカム)状に作られている芯材の材料としてアルミニウムを使用したもの。 |
アルミブロック |
アルミニウム合金で作られたシリンダーブロック。市販車用としてはシリンダーに鋳鉄製ライナーを入れ、シリンダーの表面がピストンの摺動によって摩耗するというアルミの欠点を補ったものと、シリンダーライナーを使わないオールアルミ・シリンダーブロックとがある。 |
アルミホイール |
軽量で剛性の高いアルミニウム合金を素材として作られたホイールで、鋳造や鍛造によって作られた単体構造のワンピースホイールと、アルミ板を展延したリムと鋳造または鍛造によって作られたディスクを組み合わせたツーピースホイール及びスリーピースホイールがある。 |
アルミモノコックボディ |
モノコック全体がアルミニウムで作られたボディで、1990年にホンダが発売したNSXに採用され、鋼材で作れば350kgのホワイトボディがアルミ化によって210kgと軽量になった。アルミは鉄に比べて伸びにくいためプレス加工が難しく、また電気抵抗が小さいので溶接するのに特殊な電極と鉄の2〜3倍の電流が必要で、ホンダはNSXを製造するために新しい工場を作った。 |
合わせガラス |
2枚以上の板ガラスの間に合成樹脂の膜(中間膜)を入れ、接着して作られたガラスで、破損しても中間膜によってガラスが飛散しないようにしたもの。中間膜の材料としてはポリビニルブチラールが使われることが多い。 |
い行
イージーアクセスドア |
イージーアクセスとは出入りしやすいことを英語で言ったもので、トヨタソアラに採用されたドアの開閉機構の一つ。ドアを開くとき扉全体が前に移動し、乗り降りをしやすくしたもの。 |
イエローゾーン |
エンジンの回転計で黄色く(イエロー)塗られた部分のことで、これ以上エンジン回転を上げると危険になるという回転範囲を意味する。 |
息つき |
アクセルペダルを踏んで加速している途中で、エンジンの出力が低下する現象。ミスファイヤーなどで、出力低下が短時間に急激に起こる場合をスタンブル、出力低下がわずかでやや長く続く場合をサグと呼んで区別している。 |
イグナイター |
イグナイトは点火を意味する英語。トランジスター点火装置で点火系電子回路の制御を行う部品をいう。 |
イグニッション |
点火。ガソリンエンジンで、圧縮行程のほぼ終わった段階で混合気にスパークプラグの火花によってつけること。点火装置のことをいう場合もある。 |
イグニッション・カットオフスイッチ |
レーシングカーに安全装備の一つとして装着が義務付けられている電源開閉装置。メインスイッチとも呼ばれ、すべての電気回路を遮断(カットオフ)できるもの。運転席と運転席の反対側にあって外部からも操作できるようになっており、赤い稲妻のマークを青い三角で囲んだ記号が付けられている。 |
イグニッションコイル |
イグニッションは火をつけることを意味する。エンジンを起動するためのスイッチで、スタータースイッチとも呼ばれる。レーシングカーなど、このスイッチがメインスイッチと別になっているクルマがあるが、一般にはエンジンのスタートだけでなくメインスイッチとしても働き、盗難防止用のステアリングロック装置と一体になっている。 |
異形ヘッドランプ |
角形や隋円形のヘッドライト。ヘッドライトといえば丸いものが普通だったが、1960年代にヘッドライトとボディを一体にデザインしたクルマが登場して徐々に増え、今日では丸いヘッドライトが少なくなった。 |
イコライザー |
パーキングブレーキの部品で、ブレーキレバーの操作力を左右の後輪に均等に配分する装置。イコライズは等しくするという意味。 |
異常燃焼 |
ガソリンエンジンの膨張行程で発生する異常な燃焼状態の総称。燃焼状態によって細かく分類されており、プレイグニッション、表面着火など様々な現象がある。 |
位相差カムシャフト |
ニッサンの可変吸気システムを持つ4バルブエンジンの吸気側カムシャフトの名称。2個のインテークバルブの開閉時期をずらし、低速回転域と高速回転域で混合気の吸入量とその増減のタイミングを最適にするため、それぞれのバルブを駆動するカムの形状とローブの位置を変えたもの。 |
位相歯車機構 |
ロータリーエンジンでローターの回転運動を規制するための機構で、バンケル型エンジンではサイドハウジングに固定されている外歯歯車(固定歯車)とローターに取り付けられている内歯歯車(ローター歯車)のギヤ数の比を2:3とし、ローターと出力軸の回転数比が1:3になるように設定されている。 |
板ブレーキ |
ブレーキペダルを踏んだ時の感じが板を踏んだように硬いこと。 |
一時衝突 |
クルマがガードレールやほかのクルマなどと衝突し、その衝撃によって乗員がステアリングホイールやフロントガラスなどと衝突した場合、初めの衝突を一時衝突、後の衝突を二次衝突と呼ぶ。一時衝突では車体の損傷や衝撃エネルギーの吸入はあまり期待できない。インパネセフティーパッドとも呼ばれる。 |
1.5ボックス |
車室を一つの箱(ボックス)に見立てて、車室とエンジンルームを持つ2ボックスのクルマで普通の半分程度の大きさのコンパクトなエンジンルームのついたクルマをこう表現することがある。 |
イナーシャ |
慣性のこと。静止している物体が外から力が働かない限り動かず、運動している物体が外から力を加えない限りその運動を続けようとする性質。物理ではこれを慣性の法則あるいは運動の第一法則という。 |
イニシャル |
英語で最初のという意味から、ばねとダンパーからなるサスペンション・ユニットにあらかじめ力を加えて圧縮状態にしてあることをいい、セット状態での反発力をイニシャル荷重(セット荷重)、力を加えない状態からの縮みしろをイニシャルセット量、イニシャル荷重やセット量をある値に調整することをイニシャル調整という。 |
違法改造 |
法は通常道路運送車両の保安基準を指すが、そのほかの法律をいう場合もある。スポーツ用パーツには保安基準に適合し、認可を受けた工場で資格を持つ整備士によって交換されれば誰でも使えるものと、モータースポーツ専用で一般路上走行が認められないものとがある。保安基準に合わないサスペンションパーツやエンジンチューニングパーツが、クルマをドレスアップしたいマニアによって公道上で使われ、問題になっている。 |
イメージスケッチ |
クルマのエクステリア(外観)やインテリア(内装)などのデザインを行うにあたって、デザイナーが自由な発想のもとに、クルマのコンセプトに自身のアイディアを加えて視覚化したもの。 |
イルミネーテッドエントリー |
イルミネートは明るくすること、エントリーは入ることで、夜間にドアの把手を引くとライトがつき、ドアキーの穴、イグニッションのキー穴と足元が照明されるシステム。ライトの点灯は約5秒で、自動的に消える。 |
イレブンモード |
排出ガスの濃度を測定するための走行パターンで、50年規制に採用された。郊外の住宅地に住む人が幹線道路を経由して市街地に入るというケースを想定しており、冷えた状態のエンジンをかけて25秒間アイドリングし、11のモード(運転方法)を4回繰り返して排出ガスに含まれる成分の重量を測定する。 |
イレブンラップ |
北米の排出ガステスト中で、耐久試験に用いられる走行パターンで、決められた走り方を11(イレブン)回繰り返すもの。 |
引火点 |
火種を近づけたときに物が燃えだす最低の温度。液体や固体の表面から可燃性の気体が蒸発し始める温度でもある。 |
インサイドミラー |
ドライバーの前方にある室内のバックミラー。 |
インジェクター |
圧力を持った液体をノズルから噴出させる装置。ガソリンインジェクションではソレノイドコイルに電流を流してニードルバルブを開ける方式が一般的で、通電時間によって燃料の噴射量が決まる。ディーゼルエンジンでは、自動弁によって燃料の圧力が設定された値になった時噴射口が開いて燃料を噴射するのが普通。 |
インジェクターノズル |
インジェクターの先端の噴射口のこと。インジェクションノズルともいう。 |
インジケーター線図 |
エンジンの性能をあらわす図の一つで、運転中のエンジンのシリンダー内の圧力と体積の関係を示すもの。 |
インシュレーター |
熱や振動、電気などを遮る断熱、防振、絶緑などの働きをするものの総称。キャブレターと排気管の間に挟まれるヒートインシュレーター、エンジンとボディあるいはフレームとの間に置かれるインシュレーター(エンジンマウント)など自動車には多くのインシュレーターが使われる。 |
インストルメントクラスター |
インストルメントは計器、クラスターは類似品の集まりを意味し、インストルメントパネルのメーター類(コンビネーションメーター)の周囲を取り込む部分のこと。 |
インストルメントパネル |
計器盤。インストルメントは計器、パネルは制御盤を意味する。略してインパネ。英国ではダッシュボード、米国ではダッシュパネルとも呼ばれる。剛性樹脂の成型品がほとんどで、メーター類やスイッチが収められている部分だけでなく、オーディオシステムやエアコンユニットなどの収納部分も含めていい、パッドで覆われているのが普通。 |
インタークーラー |
過給機付きエンジンで、コンプレッサーと吸気マニホールドの間にセットされている空気の冷却装置。空気を圧縮すると温度が上昇し、ガソリンエンジンではノッキングしやすくなるので、これを冷却(インタークーリング)して空気の温度を下げ、ノッキングの防止をはかる。ディーゼルエンジンでは空気密度の低下による出力の減少を防ぐため、これを冷却して密度の回復をはかる。冷却方法によって空冷式インタークーラーと水冷式インタークーラーがある。 |
インタークーリング |
チャージクーリングともいい、ターボチャージャーに使われる用語で、圧縮されて温度が高くなり密度の低くなった空気を冷却すること。 |
インターセプトポイント |
ターボチャージャーエンジンでアクセル全開(全負荷)のとき、過給圧コントロールが始まる過給圧で、これ以上過給圧が高くならないポイント。このときのエンジン回転数をインターセプトポイント回転という。 |
インターフェース |
境界面の意味で、メカトロニクスで使われる言葉。コントローラー(マイコン)でアクチュエーターを動かすとき、マイコンの電気信号をアクチュエーターを動かす信号を処理してマイコンに伝えたり、微弱な信号を増幅するなど装置同士を結び付ける装置。 |
インターメディエイト・タイヤ |
インターメディエイトは中間的なの意味で、レーシングタイヤで湿った程度から若干水溜りのある路面を走行する目的で作られたタイヤをいう。カットスリックタイヤもこの一種。 |
インターメディエイト・ハウジング |
二つ以上のローターを持つロータリーエンジンのサイドハウジングで、各ローターの仕切りとして使用されるもの。インターメディエイトは中間を意味する。 |
インターメディエイト・プレート |
トランスミッションケースとエクステンション・ハウジングの間、つまりインターミディエイト(中間)に置かれているプレート。アウトプットシャフトとカウンターシャフトを支えるベアリングが取り付けられている。 |
インターメディエイト・レバー |
パーキングブレーキの部品で、ブレーキレバーの操作力をブレーキ本体に伝えるワイヤー系の途中(インターメディエイト)に設けられており、てこの原理を使って操作力を大きくする装置。 |
インターリング入りブッシュ |
サスペンションに使われるブッシュの一種で、外筒と内筒の二重に作られた金属性ブッシュの間にインターリングと呼ばれる金属の筒を入れたもの。 |
インターロック |
ギヤの二重噛み合いを防止する機構。マニュアル・トランスミッションで、ギヤチェンジの手ごたえを節度のあるものとし、二組のギヤが同時に噛み合うことのないようにするためのピンやボールをシフトフォークの間に置き、これを乗り越えてギヤチェンジを行うようにしてあるのが普通。 |
インディペンデントサスペンション |
サスペンションの基本的な様式の一つで、左右両輪がそれぞれ独自(インディペンデント)に動けるように車体に取り付けられているものをいい、乗用車のサスペンションはほとんどがこのタイプである。ばね下重量が軽いので乗り心地が良く接地性に優れ、アライメントが比較的自由に設定できるので操縦性、安定性のバランスもとり易いが、構造が複雑で整備が面倒になることとコスト高は避けられない。基本となる形式として、スイングアーム式、ダブルウィッシュボーン式、マクファーソンストラット式の三つに大きく分けられる。独立懸架式サスペンションともいい、かつては前輪のみ独立懸架式を採用しているものもあったが、現在は四輪独立式が主流である。 |
インテークシャッター |
運転中のディーゼルエンジンを止める装置の一つ。インテークマニホールドの入り口に設けられたシャッターで、これを閉じて空気を遮断しエンジンを止める。インテークは取り入れ口のこと。 |
インテークバルブ |
混合気や空気をエンジンに吸入するための弁。特殊鋼で作られ、バルブシートに密着し気密を保つ形状が重要。エキゾーストバルブと対をなして用いられる。インレットバルブ、吸気弁あるいは吸気バルブとも呼ばれる。 |
インテークヒーター |
ディーゼルエンジンの始動をスムースに行うため、始動時に吸入される空気を温める装置。インテークマニホールドに設けられており、電熱式とバーナーで熱する方式とがあって直接噴射式エンジンに使われることが多い。 |
インテークポート |
吸気ポート。ポートは港を意味する英語と同じ綴りだが、装甲車や城の壁に穿たれた銃眼を意味する。混合気や空気を燃焼室に吸入するための孔のこと。その寸法・形状はエンジンの吸入効率に大きな影響を与えるのでポート研磨はエンジンチューニングの第一歩と言われる。インダクションポートとも呼ばれる。 |
インテークマニホールド |
マニホールドは多岐管、枝別れしてパイプの意味。空気や混合気をシリンダーに導くパイプで、鋳鉄や鋼管あるいはアルミ合金で作られ、吸入抵抗が小さく各シリンダーに均等に配分されるよう工夫されている。 |
インテグラル型パワーステアリング |
パワーステアリングの形式の一つで、ステアリングギヤにパワーシリンダーとコントロールバルブが組み込まれているもの。コントロールバルブをステアリングシャフトで直接動かすため応答性が良く、コンパクトな構造で、乗用車に多く採用されている。 |
インテリアスペース |
自動車の内部空間。乗用車では乗員用の室内(キャビン)の大きさをいうことが多いが、荷物室の容積が加えられることもある。 |
インテリアデザイン |
車室内全体の設計のこと。 |
インテリアボリューム |
客室と荷物室(インテリア)の容積(ボリューム)という意味で、米国の自動車分類方法の一つ。1976年にEPA(米国環境保護庁)が自動車の大きさによって燃費の規制を行ったが、そのときの自動車のクラス分けの仕方で、客室と荷物室の長さや幅などから定められた式によって計算し、クラスが決められる。乗用車には六つのクラスがあり、小さい方から順に2シーター、ミニコンパクトカー、サブコンパクトカー、コンパクトカー、ミッドサイズカー、ラージカーとなっている。 |
インナーミラー |
ドライバー席にあるバックミラーでインサイドミラーとも呼ばれる。板ガラスに金属の反射膜を付けたもので、夜間の眩惑を防ぐため反射率を40〜50%におさえたクロム鏡が多い。 |
インナーライナー |
チューブレスタイヤの内面に張り付けられている気密性の高いゴムの層のことをいう。材料としては一般に空気を透過しにくいハロゲン化ブチルゴムが使用されている。 |
インナーレース |
ボールベアリングやニードルベアリングなどのころがり軸受でボールやコロを挟む輪の内側の輪のこと。外側の輪のことをアウターレースと呼ぶ。 |
インバーストラット・ピストン |
エンジンに使われるピストンの一種で、インバーまたはアンバーと呼ばれる鉄とニッケルの合金をピン・ボスの支え(ストラット)やスカート内のリングとし、一体鋳造によって作られたもの。インバーは不変鋼とも呼ばれ、熱による線膨張係数が鉄の十分の一で温度に関係なくほぼ一定のピストンクリアランスの保てる熱膨張の小さいピストンが得られる。 |
インオアネクラスター |
メーター類の周りを囲む部分のこと。 |
インパネ・リインホースメント |
計器盤(インパネ)の補強(リインホース)をするもの。一般に鋼管が使用されており、ステアリングを支持するのが主な働き。 |
インプットシャフト |
入力軸。トランスミッション、デファレンシャルギヤなど動力の伝達装置に動力を入れるシャフト。 |
インフレーター |
ふくらませるもの。クルマではタイヤの空気入れをいうこともあるが、通常、エアバックシステムのガス発生装置をいう。点火装置によってガス発生剤(アジ化ナトリウムが一般的)を瞬時に燃やし、窒素ガスを発生させてエアバックをふくらます。 |
インペラー |
羽根車。周囲に多くの羽を備え、流体によって回転するホイール。 |
インペラーブレード |
ターボチャージャーのインペラーに取り付けられている羽根のこと。複雑な三次元曲面によって構成された12〜20枚の羽根が放射状に取り付けられており、コンプレッサー側はアルミ製、タービン側は耐熱合金性がほとんどだが放射方向にまっすぐになっているラジアル型インペラーと、回転方向と逆の方向に歪曲したバックワード型インペラーがある。 |
インボードブレーキ |
主としてレーシングカーの後輪に採用されていたブレーキシステムで、ボードは船の舵側の意味からクルマの側面を指し、車体の中にディスクブレーキを配置したもの。ホイールからブレーキシステムを除くことによってばね下重量を軽減し、操縦性の向上を狙う。 |
インボリュートギヤ |
歯の形にインボリュート曲線(伸開線)を使った歯車。噛み合う歯車の中心間の距離が多少変化しても速度比が一定に保たれるという特徴を持つ。まっすぐな刃の工具で安く加工できることから、大部分の歯車はこの形に作られている。 |
インボリュート曲線 |
伸開線、斬伸線。円上の一点を展開した時に、この点が描く軌跡によってできる曲線。インボリュートギヤの歯の形として利用される。 |
う行
ウェーブ |
二輪車で高速コーナリング中にリヤから発生するヨーイングとローリングが複合した1〜3Hzのゆるやかな振れ。ウォッブルとも呼ばれる。 |
ウィスカー |
ひげ結晶とも呼ばれ、直径数μ(ミクロン)から数ミリ針状あるいは毛髪状の極めて強度の高い単結晶で、1952年にアメリカのベル研究所で電話線をショートさせる物質として偶然発見されたもの。金属、セラミックス、高分子化合物などから作られ、他の金属や高分子材料の補強用素材として利用されており、ウィスカーを補強材として使った材料を総称してウィスカー強化複合材料という。 |
ウィッシュボーン |
Vの形をしたサスペンションアームのこと。ウィッシュボーンと呼ばれる鳥のさ骨がこのような形をしていることから名付けられたもの。 |
ウィングカー |
F1カーでサイドボディ(サイドポンツーン)を飛行機の翼(ウィング)を上下逆さにした形にし、空気抵抗を大きくしないで路面にマシンを押しつける力(ダウンフォース)を得てコーナリングスピードを高くしたもの。ダウンフォースはベンチュリー効果によって得られることから、ベンチュリーカーとも呼ばれた。初めてのウィングカーはロータス78で1977年に登場し、78年以降全てのF1マシンがこの形になり、83年に車体下面を平らにする規定(フラットボトム)が適用されるまで続いた。 |
ウィングターボ |
88年ホンダレジェンドに搭載された可変A/Rターボシステム。タービンブレードの周辺に、これを囲む4枚の羽根(ウィング)は配置し、その向きを変えてA/Rを変化させるもの。 |
ウィンチ |
巻き揚げ式。4WD車に装備し、主としてクルマがスタックしたときの脱出や、スタックしている他のクルマを引き出すのに使われるもの。バッテリーを電源とする電動ウィンチと、エンジンを動力とするメカニカル・ウィンチとがある。 |
ウィンドガラス・アンテナ |
ラジオのアンテナで、リヤウィンドガラスにプリントしてあるもの。電波の受信量が弱いのでこれを増幅するアンプが必要な場合が多い。 |
ウィンドシールド |
自動車の風防ガラス、フロントガラスのこと。米国の呼称で、英国はウィンドスクリーンと呼ばれる。フロントガラスは和製英語。複雑な曲面を持ったガラスが用いられる。ウィンドシールドガラスともいう。 |
ウィンドシールドアングル |
ウィンドスクリーンアングルとも呼ばれ、ウィンドシールドと水平または鉛直線のなす角度。クルマのデザイン上はもとより空力特性上重要な要素。 |
ウィンドシールドワイパー |
雨などでウィンドシールドガラスが濡れたとき、これを拭く装置。取り付け方と動き方によって並行連動式、対向式、単独揺動式などに分類される。 |
ウィンドスロッブ |
ウィンドフラッターともいい、窓やサンルーフを開けて高速走行した時に発生することのある15〜20Hzというごく低い周波数の音。車室内への風の巻き込みによる車室空間の気柱振動で、音というよりも耳に圧迫感のある振動として感じられる。スロッブとは心臓の鼓動のこと。 |
ウィンドデフレクター |
サンルーフを開けて走行するとき、室内に風を巻きこんだり、ウィンドスロッブと呼ばれる低周波数の不快な空気振動が発生するのを防ぐため設けられている翼の形をしたもの。デフレクターは(風の進路を)そらせる、かたよらせることを意味する。 |
ウィンドフラッター |
ウィンドスロッブのこと。フラッターは鳥の羽ばたきや扇のパタパタという動きの意味。 |
ウィンドレギュレーター |
レギュレーターは調整する道具の意味で、窓の開閉装置。手でとってを回す方式と電動式のパワーウィンドがある。直接窓ガラスを動かそうとしてもとっては回らない仕組みになっている。 |
ウエストゲートバルブ |
ターボチャージャーで、余分な排気ガスを逃がすためのバイパスの開口部を開閉するバルブのこと。過給圧が設定された圧力を超えるとこのバルブが開いてタービンに流入する排気ガスをタービンの出口にバイパスし、タービンの出力を制御して過給圧をコントロールするもの。 |
ウエーバーキャブレター |
イタリアのウエーバー社製のキャブレターで、高出力、高回転エンジン用のサイドドラフトのデュアルキャブレターが有名。ベンチュリーやジェット類が簡単に交換できるのが特徴。かつてレーシングカーやスポーツカーに多用された。 |
ウェザーストリップ |
ストリップはよく知られた日本語になっているが、英語では細長いものという意味もある。車室やトランクルームを密閉し、外気や音が入らないようにするため、ドアやトランクリッドの周りに取り付けられているゴムのパッキンのこと。ドアを閉じたときのショックを吸収したり、走行中のドアやトランクリッドの振動を抑える働きもする。 |
ウエストシール |
ドアの上端とガラスとの間に取り付けられているゴム製のシール。室内にほこりや音が入らないように気密性を保ち、ドアを閉めたときの振動を吸収するほか、窓ガラスの開閉の都度ガラスについた水滴や汚れを落とす働きもする。軟質塩化ビニルで作られているのが普通で、ガラスとの摺動面にナイロン繊維を植毛してあるものが多い。 |
ウエストモールディング |
クルマのウエストラインに沿って取り付けられているメッキした金属や樹脂製のベルト状の部品のこと。 |
ウエストライン |
サイドボディの中央付近に水平の設けられている線で、車体を低く、前後に長くスマートに見せる効果があり、多くのクルマが採用している。ベルトラインともいう。 |
ウェッジ型燃焼室 |
断面がくさびの形をした燃焼室のことで、くさぼの片面に吸排気バルブを並べた形のもの。周囲をスキッシュエリアに出来るので圧縮渦流が得やすく、吸排気機構がシンプルで多くのエンジンに採用されている。燃焼室容積当たりの表面積が大きので熱損失の点では不利と言われる。 |
ウェッジシェイプ |
くさび形。クルマを横から見て、ボンネットとトランクリッドを結ぶ線から下のアンダーボディがくさびの形になっていること。車体の空気抵抗を小さくする手法の一つとして多くのクルマに採用されている。 |
ウェットグリップ |
濡れた路面におけるタイヤの摩擦力のこと。タイヤの摩擦力はタイヤと路面の接触面における粘着摩擦とトレッドゴムのヒステリシス摩擦によって得られるが、濡れた路面では水によって粘着摩擦はわずかになってしまうため、ヒステリシスロスの大きいゴムほどウェットグリップが良い。したがってころがり抵抗の小さい低燃費指向のタイヤはウェットグリップが低い傾向にある。 |
ウェットサンプ |
エンジンの一般的な潤滑方式で、サンプルに落ちてくるエンジンオイルをため、これをポンプでエンジンの各部に送って潤滑するというサイクルを繰り返すシステム。サンプはエンジン下部にあるオイル溜めのことで普通オイルパンと呼ばれている。ほとんどの市販車のエンジンがこの方式を採用しているが、高速コーナリング中にオイルが遠心力によって方より、オイルポンプが空気を吸い込むことがあるので、レーシングカーや一部のスポーツカーはドライサンプを採用している。 |
ウェットライナー |
水冷エンジンのシリンダーライナーで、その外側が直接冷却水と接するタイプのもの。ライナー自身は水に触れず、シリンダーブロックを隔てて冷却されるものはドライライナーと呼ばれる。 |
ウェビング |
シートベルトのベルト部分で、ナイロンやテトロンなどの織物で作られているもの。ウェブは織布のこと。 |
ウェビング感応式 |
衝突時にシートベルトのウェビングの引き出し速度を感知する装置がついていること。 |
ウェビングロック |
シートバルトの部品の一つで、衝突時にウェビングの引き出し速度を感知する装置がついていること。 |
ウォークイン機構 |
2ドア車の後ろの乗員の乗り降りがしやすいように前のシートに設けられているメカニズムで、前席のシートバックを前を倒すと同時にシートのロックが解除されてシート全体が前方にスライドし、後席の前のスペースが広くなるようにしたもの。この機構をもったシートをウォークインシートという。シートバックを戻すと、元の位置におさまるような記憶装置をもったものもある。 |
ウォークスルーバン |
箱形の荷物室を備えたバンで、運転席と荷物室の間に仕切りがなく、自由に移動出来て車外に出ることなく荷物を扱えるようになっているもの。 |
ウォータージャケット |
ジャケットは覆いを意味し、シリンダーの周囲に設けられている冷却水の通路のこと。シリンダーブロックとシリンダーヘッドの中に設けられ、シリンダーと燃焼室を主に冷却する。水はエンジンの下から上へと流れる。 |
ウォーターバルブ |
エンジンの冷却水を使用して車室内を暖めるタイプのヒーターで熱交換機の中を流れる水の量を調整するバルブ。 |
ウォーターフェード |
@ブレーキの摩擦材が水に濡れ、摩擦係数が小さくなってブレーキの効きが悪くなる現象。A冷却エンジンで冷却液が沸騰し、気泡を生じて冷却効果が著しく低下した状態のこと。 |
ウォーターポンプ |
水冷エンジンで冷却水を循環させるためのポンプ。通常エンジンの前部に置かれる遠心式の渦巻き型ポンプでクランクプーリーからのVベルトで駆動される。 |
ウォーニングランプ |
クルマに異常があると点灯し、ドライバーにこれを知らせる警告灯。テルテールともいう。 |
ウォームギヤ |
噛み合う歯車の回転軸が交差する食い違い軸歯車の一種で、ねじの形をしたウォームとこれと噛み合うウォームホイールからできている。ウォームが円筒形のものを円筒ウォームギヤ、つづみ形のものを鼓形ウォームギヤといい、かつてはファイナルギヤとして用いられたが、伝動効率が悪く発熱が大きいので今日では見られなくなった。 |
ウォームセクター式ステアリングギヤ |
ステアリングギヤの形式の一種。ステアリングシャフトの先にウォームギヤを設け、セクターに取り付けられているピットマンアームを動かして操舵を行うもの。ウォームの中細のつづみ形になっているヒンドレウォーム(ヒンドレは発明者の名)が使われるのが普通で、セクターの代わりにローラーを取り付けて摩擦を少なくしたウォームセクターローラー式もあるが、今日ではあまり使用されなくなっている。 |
ウォッシャー |
窓に洗浄液を噴射する装置。タンクに蓄えられたウォッシャー液をポンプで送り、ノズルから噴射する。ガラス面全体に均一に液を散布するため、噴射点を多くしたり、扇形に散布するほかアームやブレードにノズルを取り付けたものなどのタイプがある。ワイパーと連動しブレードの動くタイミングに合わせて作動するものもある。 |
ウォッシャー洗浄液 |
ウォッシャーに使用される洗浄液で、凍結しないようにアルコール系界面活性剤が混入されているほか洗剤や防錆剤も添加されている。 |
ウォッブル |
@四輪車で60q/h以下の比較的低い速度で走行している時、ステアリングホイールが回転方向に左右に振れる現象。ホイールの重量アンバランスが大きかったりアライメントに異常がある時などに、路面の凹凸やブレーキングをきっかけに発生することの多いキングピン軸まわりの自励振動で、ばね下の横揺れを伴う振幅の大きい振動のこと。低速シミーともいう。A二輪車で高速走行時にリヤから発生するヨーイングとローリングが複合した3〜4Hzの車体の振れをいう。また同様な振れで高速コーナリング中に発生することのある1〜3Hzのゆるやかな振れをウェーブと呼んで区別することがある。 |
雨滴感知式オートワイパー |
ウィンドシールドが濡れると自動的に作動するワイパー。ボンネットの上に設けられているセンサーに雨滴があたると、その衝撃や水の付着による静電容量の変化などを感知し、雨量によって払拭速度や間隔をコントロールするシステム。雨滴感応型オートワイパーとも呼ばれる。 |
ウレタンバンパー |
エネルギー吸収バンパーの一種で、鋼板のバンパーに発泡ウレタンの衝撃吸収材をウレタンゴムでカバーしたものを取り付け、衝突のショックを和らげるもの。 |
運行燃費 |
ある決められたルートを、ある決められた走り方で走行した時の燃料消費率のことで、燃料1リットルあたり何キロメートル走行できるかで示される。 |
え行
エアアジャスト・スクリュー |
エンジンがアイドル状態にある戸木、空気の供給をバイパスを使って行うタイプのキャブレターでは、アイドルアジャストを通常の燃料の量をほかの空気の量のコントロールでも行うことができる。このバイパスからエンジンに供給される空気量を調整するねじのこと。略してAASとも呼ばれる。 |
エアインジェクション・システム |
二次空気噴射装置。略してAISと呼ばれる。二次空気供給装置の一つで、エンジンによって駆動されるポンプでエキゾーストマニホールドに空気を送り、排気ガスを再燃焼させて浄化するシステム。空気の圧力は途中で付けられているエアコントロールユニットによって制御される。 |
エアインジェクション・リアクター |
エアインジェクション・システムの別な呼び方。リアクターは化学反応装置のこと。AIRと略させる。 |
エアクリーナー |
エアフィルター、エアストレーナーとも呼ばれ、エンジンに吸入される空気中のごみを除くフィルターで、吸気音を小さくする働きもする。エアクリーナーボックスに内蔵されるエレメントには紙や繊維を用いる乾式とオイルを使用する湿式がある。乾式が一般的だが、取り付け場所やサービス上の問題などでエレメントの交換が難しい場合湿式が用いられる。 |
エアクリーナー・ストレージ方式 |
燃料蒸発ガス排出抑止装置の一つで、燃料蒸発ガスをエアクリーナーケースに導き、エンジンの作動とともに吸気系に吸い取らせる方式。 |
エアサイレンサー |
吸気系の入り口に設けられている吸気騒音を低くする装置。 |
エアサクション・システム |
二次空気導入装置。エキゾーストマニホールド内の圧力は排気バルブが開いたときに高まり、閉じたときには負圧となる。この負圧を利用してマニホールド内に空気を吸い込み、燃焼室から出てきた排気ガスのHCやCOを完全に燃やして浄化するもの。空気はエアクリーナーから取り、入り口にマニホールドの方にだけ空気が流れるように金属の薄い板が付けられている。二次空気供給装置の一つで、ASSと略して呼ばれる。なおこの方式をいすずではP‐Air方式、ニッサンではEAI方式と呼んでいる。 |
エアサスペンション |
空気ばねを用いたサスペンションでエアサスと略して呼ばれることもある。空気の弾性を利用するため細かい振動を吸収し、乗り心地が良いことと、圧力のコントロールによって車高を一定にできるという特徴があり、優れたサスペンションだがコンプレッサーをはじめとする周辺機器が必要なので効果になるのが難点。 |
エアシール・リザーバー |
ブレーキ液を溜めておく容器で、ブレーキ液が外気に触れないようにダイヤフラムなどで密封してあるもの。ブレーキ液には吸湿性があり、水分を含むと沸点が低下してベーパーロックを起こしやすくなるのでこれを防ぐ。密封リザーバーともいう。 |
エアスイッチングバルブ |
二次空気供給装置の部品で、エキゾーストポートに供給される二次空気をコントロールするバルブ。 |
エアスクープ |
空気の取り入れ口。例えばディスクブレーキのブレーキダストカバーにはブレーキの冷却を良くするためのエアスケープが設けられている。スクープはすくうこと。 |
エアスターター |
圧縮空気や高圧の窒素ガスで駆動されるエンジンの始動装置。 |
エアダクト |
空気の通路。空気の取り入れ口から必要な箇所まで空気を導くためのパイプのこと。エンジンに吸入される空気を導くダクトやブレーキを冷却するためのブレーキエアダクトなどがその例。 |
エアダンパー |
空調システムで空気の流れを制御する装置。外気を導入するための内外気切り替えダンパー、エアミックスヒーターで暖気と外気の量をコントロールするエアミックスダンパーなどがある。 |
エアバッグシステム |
自動車の衝突時にドライバーとステアリングホイールの間、あるいは助手席の乗員とインストルメントパネルの間に瞬時にエアバッグを膨らませ、負傷を最小限にとどめるための装置。運転席洋はステアリングホイールに組み込まれており、シートベルトを装着していないドライバーを想定して大型エアバッグを使用するシステムと、3点式ベルトの装着を前提としたSRSエアバッグシステムと呼ばれるやや小型の顔面を保護を目的としたシステムとの2種類がある。また、エアバッグを膨らませる方式には衝突をセンサーによって電気的に感知してインフレーターに通電着火する電気式と、感知装置が衝突を検知して撃針が点火剤を発火させる機械式とがある。 |
エアバッグセンサー |
エアバッグシステムを作動させるため衝突を関するセンサー。ばねを使う機械式と、ひずみ計などを使う電気式があり、減速度があらかじめ設定された値より大き場合のみオンとなる。 |
エアピューリファイア |
空気浄化装置。車室内のちりや臭いを除く装置で、ブロワで空気を送り込み、フィルターでちりを除いた後活性炭に臭いを吸着させたり放電によって空気を浄化するもの。 |
エアファンネル |
燃料噴射式エンジンに多い管楽器の開口部に似た形の空気取り入れ口。その長さによって吸入効率の良いエンジン回転数があり、一般に高速回転用には短い方が、低速トルクを重視する場合には長い方が良いとされている。略してファンネルという。ファンネルは漏斗(じょうご)のこと。俗にトランペットともいわれる。 |
エアブリード |
泡管。ブレードには気体や液体を洩らすという意味があり、メインノズルに供給されるガソリンに空気を少しずつ入れて泡状にする装置のこと。ガソリンにエアを混入すると、パイプ内を流れやすく、メインノズルから吸い出された時に霧状になり易い。 |
エアブレーキ |
@空気ブレーキのこと。A空気抵抗をブレーキとして利用するもので、ドラッグスターのパラシュートが代表的なもの。1955年にメルセデスがル・マン24時間耐久レースでコックピットの後ろのパネルを開いてエアブレーキとして使った例もある。 |
エアフロメーター |
ガソリンインジェクションに使用されるセンサーで、エンジンに吸入される空気量をメーターの中を流れる空気の流量によって検出するもの。Lジェトロニックに採用されたシステムであることからL方式とも呼ばれ、計量方式としてオリジナルのフラップ式、後に開発された熱線式とカルマン泡式がある。 |
エアボックスパネル |
カウルトップ、略してカウルとも呼ばれ、左右のフロントピラーをつなぐ部材で、ウィンドシールドの下にあり、その構造や強度は車体剛性に大きな影響を与える。車室内に外気を導入するための装置やステアリングコラムを保持するためのブラケットが取り付けられているのが普通。 |
エアポンプ |
空気の圧力を高めて送り出す装置。エアサスペンションの圧縮空気を作る他に、排気ガスを完全に燃焼させるために排気系に空気を送る二次空気供給装置などに用いられる。 |
エアミックス温度コントロール |
空調システムの一部をなす装置で、ダッシュボードの温度コントロールレバーと連動したエアダンパーを作動させることによって温風、冷風、外気などを適宣ミックスし、快適な温度の風に調整するもの。 |
エアレーション |
@液体に空気を吹き込んで空気にさらすこと。A液体に空気が混ざること。例えばショックアブソーバーが強く揺さぶられてオイルの中に空気が混ざると減衰力が低下する。 |
エアロダイナミックポート |
ニッサンのインテークポートの名称。インテークマニホールドのエンジン側の径を絞り込んで吸気の流速を早め、ピストンスピードの遅い中低速時の回転域で充分な空気をシリンダーに導くようにしたもの。略してADポートと呼ばれる。 |
衛星航法システム |
ナビゲーションに電波航法を利用したシステムの一つ。複数の人工衛星から発射される時間信号を持つ電波の受信時間差から現在の位置を求めるもので、アメリカの国防総省を中心に開発が進められ、日本では90年代になってCD‐ROMと組み合わせたものがアフターマーケットのカーナビゲーションシステムの主流になっている。衛星測位システム、GPSなどとも呼ばれる。 |
エイトウエイ・アジャスタブルシート |
8方向に調整が可能なシートで、下から順にシートリフト、シートスライド、リクライニング、サイサポート、ランバーサポート、サイドサポート、ヘッドレストレインとを前後と上下に調整できる。高級車でドライバーの好みに最もよくマッチしたドライビングポジションが得られるならいで作られたもの。 |
液晶 |
流動性のある濁った液体で、固体と液体の中間の性質を持つ有機物。細長い分子形状で、分子の並び方によって光線の透過率が変わるので、この性質を利用して液晶ディスプレイや液晶防眩ミラーが作られた。 |
液晶ディスプレイ |
電子ディスプレイの一種で、液晶を用いた表示装置。透明な電極の付いた2枚のガラスの間に液晶を挟み、電圧を加えると、光の透過率が変化する現象を利用する。発光はないので夜間はバックライトやミラーで証明することが必要。 |
液晶防眩ミラー |
防眩ミラーの一種で、鏡と液晶を組み合わせ、液晶に通電した時に光の透過率が変わることを利用して防眩効果を得るもの。 |
液状ガスケット |
部品の接合部分を密封するガスケットで、使用時に液状のものを総称していう。かつては有機溶剤に樹脂やゴムを溶かしたものが一般的だったが、水性エマルジョンやシリコン・嫌気性シール材といった新しい素材が使われるようになった。また、形のあるガスケットの接着剤として補助的に使われるのが普通だったが、単独でも使われるようになってきている。 |
エキセントリックシャフト |
ロータリーエンジンから回転力を取り出す軸で、ローター軸十と接合されるロータージャーナル部と、サイドハウジングのメインベアリングに支えられるメインジャーナル部からできており、回転運動による慣性力とバランスをとるための重りが取り付けられている。また出力軸の前端にはVベルトを駆動するためのプーリーが、後端にはフライホイールが組み込まれる。 |
エキゾースト・システム |
エンジンの燃焼ガスを排出する装置やシステムの総称。 |
エキゾーストノート |
クルマの排気音を好ましくない排気騒音としてではなく、ドライビングを楽しむ要素の一つとして受け取る場合に使われる言葉。ノートは楽器から出る音を意味する。 |
エキゾーストパイプ |
エキゾーストマニホールド、マフラー、テールパイプなど排気系の部品をつなぎ、排気ガスを通すパイプ。 |
エキゾーストバルブ |
燃焼ガスを排出するための弁。耐熱性に優れた特殊鋼で作られ、バルブシートに密着し気密を保つ形状が重要。インテークバルブなど対で用いられ、排気弁あるいは排気バルブとも呼ばれる。 |
エキゾーストブレーキ |
排気ブレーキ。エキゾーストリーダーともいう。 |
エキゾーストマニホールド |
マニホールドは多岐管、枝別れしたパイプの意味。各シリンダーから排出された排気ガスを集めエキゾーストパイプに送る管で、耐熱性の良い鋳鉄が用いられるのが普通だがステンレス製もある。レースの高出力エンジンでは排気ガス温度が1000℃以上になるもので耐熱超合金が使われる。 |
液体封入式ブッシュ |
サスペンションブッシュで、ゴムブッシュの中に液室とオリフィスを設け、液体を封入した構造のもの。ブッシュに体力が加わると液体はオリフィスを通って液室間を移動するようになっており、このときの粘性抵抗を利用して高い減衰力効果が得られるもの。 |
液体封入式マウント |
エンジンマウントやボディマウントで、金属で補強したゴム製の容器の中に液体を封入した二つの室を設け、これらの室をオリフィスでつないだ構造のもの。ゴム製のマウントに比較してばね定数が低く、近年多く採用されている。 |
エキパイ |
排気ガスを通すエキゾーストパイプを略していうもの。 |
エクステリア |
クルマの外観のこと。内装を意味するインテリアと対照的に使われる用語。 |
エクステンション |
伸ばすこと、継ぎ足すことをいい、部品の一部を伸ばしたり、つないだりするための部品や伸ばされた部分のこと。 |
エクステンション・ハウジング |
エクステンションは延ばした部分、ハウジングは機械などの多いとかケースの意味で、FR車でトランスミッションケースの後ろに取り付けられ、アウトプットシャフト(変速機の出力軸)を覆っているカバーのこと。リアカバーとも呼ばれる。 |
エクスパンション・チャンバー |
膨張室。2サイクルエンジンの排気管をラグビーのボールに似た形にし、排出ガスの圧力変動を利用して燃焼室から燃焼ガスに続いて出ようとする新ガスを押し戻す働きをさせるもの。 |
エコノミーランニング・システム |
エコランシステムと呼ばれるトヨタのエンジン自動停止、始動装置のこと。信号町など停車時間の長い市街地走行での燃費向上を目的に開発されたエンジンで、車が停車するとエンジンが自動的に止まり、アクセルを踏み込むと始動するようにしたもの。1981年に製品化されたがその後使用されていない。 |
エッジライト照明 |
計器盤の照明方法の一つで、透明なプラスチックのプレートに文字や目盛りを印刷するか彫り込んでおき、プレートの端(エッジ)からポラスチックの中に光を入れて文字や目盛りをくっきりと見せるもの。 |
エネルギー吸収バンパー |
低速で衝突した時に車体が損傷を受けないように、クルマが衝突した時の機械的エネルギーを吸収するバンパー。北米では5マイル(8km/h)衝突エネルギー吸収バンパーの装備が法で義務付けられていたが、現在では4km/hに緩和された。各メーカーが様々なバンパーを開発しているが、大きく分けてウレタンなどの緩衝材を使うもの(例えばウレタンバンパー)と、オイルの粘性を利用するもの(例えばメナスコ式バンパー)がある。 |
エバポ・エミッション |
燃料蒸発ガスのこと。エバポはエバポレーティブを略したもので、エミッションは放出されるもののこと。 |
エマージェンシー・ローギヤ |
トラックや四輪駆動車の1速(ローギヤ)のこと。トラックが積車状態で坂道発進するときや四輪駆動車で急勾配や泥ねい地を走行するときなど、大きな駆動力やエンジンブレーキが必要な場合に使用される。なおこれらのクルマでは通常の発進はセカンドギヤで行われる。エマージェンシーは非常事態のこと。 |
エミッション |
ガスや煙など排出物を意味し、自動車の排気ガスのこと。排気管から出るガスや煙などのほかにブローバイガスや燃料蒸発ガスも含む。 |
エミッション・コントロールシステム |
排出ガスを浄化するシステム。自動車の排出する排気ガスを浄化装置、ブローバイガス還元装置、燃料蒸発ガス排出抑制装置の総称。エミッションは発散、放散を意味する。 |
エミッション・コントロールデバイス |
デバイスは装置でエミッション・コントロールシステムを構成する装置、または装置の一部や部品を指す用語。 |
エラストマー |
常温でゴム弾性を示す高分子物質の総称。ゴム弾性は物質が小さな応力で大きく変形し(低弾性率・高伸長率)熱を加えると張力が大きくなる(熱弾性)性質をいう。タイヤやウェザーストリップ、パッキンなどに使われる合成ゴムがその代表的なもの。 |
エルゴノミックス・デザイン |
略してエルゴデザインともいい、自動車を例にすれば、ドライバー(人間)とクルマ(機械)との関係を一つのシステムとして様々な面から科学的に研究(エルゴノミックス)し、その成果を安全で快適なドライビングに結び付ける設計手法のことをいう。エルゴノミックスは人間工学とも呼ばれる。 |
エレクトロクロミック式防眩ミラー |
防眩ミラーの鏡面にエレクトロクロミックを使用し、夜間の後続車のライトの眩しさを防ぐもの。エレクトロクロミックには電圧を加えると電気化学的な反応を起こし、光の透過度が変化する性質を持っており、この現象を防眩に利用するもの。 |
エレクトロニューマチック・サスペンション |
1984年にスバルレオーネに採用された電子制御エアサスペンションの名称。 |
エレクトロ・ルミネッセンス |
電場発行。蛍光体に電場を働かせたとき、電場によって加速された電子が衝突して発光する現象。この現象がメーター類のディスプレイに利用されることがある。 |
エロージョン |
材料の表面が局部的に衝撃的な力を受け、小片となって剥離する現象。個体だけでなく液体中の気泡や気体中の液滴(水滴)などの衝突によって発生することもある。コロージョン(腐食)と対に使われる用語で、エロージョンが単独で起こることは稀であり、気体や液体によるコロージョンを伴うことが多い。エンジンの冷却系に発生することのある腐食を伴うコロージョンはエロージョン・コロージョンと呼ばれる。 |
エンジニアリング・プラスチック |
機械的強度、耐熱性、耐摩耗性などに優れ、自動車をはじめ様々な機会に用いられる工業用のプラスチック。一般には略してエンプラとも呼ばれる。中でも大量に使われているナイロン(PA)、ポリアセタール(POM)、ポリカーボネート(PC)、ポリフェニレンオキサイド(PPO)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)を5大エンプラという。 |
エンジン |
機関。火力、風力、水力、電力などが持つ各種のエネルギーを継続的に機械エネルギー(動力)に変えてほかのものを動かす装置の総称。自動車の動力としては熱エネルギーを利用する熱機関と、電気エネルギーを利用するモーターが使われてきたが、現在、熱機関のうち火力を利用する燃焼機関が主流を占めている。燃焼機関は蒸気エンジンやスターリングエンジンなどの外燃機関と、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、タービンエンジンなどの内燃機関に分けられ、ガソリンエンジンは火花点火、ディーゼルエンジンは圧縮点火、タービンエンジンは連続的な燃焼を特徴としている。また、ガソリンエンジンにはピストンの往復運動を回転運動に変換するレシプロエンジンと混合気に爆発力をローターによって直接回転力に変えるロータリーエンジンがある。自動車用エンジンに要求される特性は多岐にわたるが、安全性、快適性、経済性、低公害性などが主要なもので、これらの特性を社会的な要請に照らしてどのようにバランスを取っていくかがエンジン開発のポイントとなっている。将来のエンジンとしては電気モーターとガスタービンが期待されており、燃料としては天然ガス、アルコール、水素、太陽光線などを使ったエンジンが一部実用化されている。 |
エンジンアブソーバー |
エンジンとエンジンマウンティングをつなぐショックアブソーバーで、エンジンの低い周波数での振動を抑える働きをするもの。 |
エンジンオイル |
エンジンの潤滑油。潤滑だけでなく各部分の冷却、清掃、防錆や燃焼室からのガス洩れを防ぐ働きもする。粘度によって分類され、世界的に使われているSAE粘度番号では数字が大きいほど粘度が高く、高温での使用に適している。アメリカではAPIサービス分類も利用されており、使用条件によってガソリンエンジン用がSA〜SE、ディーゼルエンジン用がCA〜CDに使い分けられている。 |
遠心型過給機 |
ターボチャージャーに使われている過給機で、圧縮気に遠心式コンプレッサーを使うタイプのもの。 |
エンジン・コンパートメント |
エンジンルームのこと。 |
エンジンシェーク |
エンジンがボディやサスペンションと共に7〜20Hzの低い周波数で振れる現象のうち、路面の凹凸とか、タイヤ・ホイールの重量アンバランスやノンユニフォミティ(剛性変動)によって発生するばね下振動が原因となるものをいう。 |
遠心式コンプレッサー |
圧縮機の一種。放射状に配置された羽根を持つコンプレッサーホイールをドーナツ型のハウジング内で回し、車軸付近から空気を取り入れ、羽根によって圧力を高められた空気を外周部から取り出すもの。 |
遠心式進角装置 |
進角装置の一種。ディストリビューターの回転で重りを回し、遠心力によって重りが外側に広がろうとする力を進角に使うもの。 |
エンジン性能曲線 |
エンジン出力曲線ともいい、エンジン回転数に対する軸出力、軸トルク、燃料消費率の三つをグラフにしたもの。エンジンの特性を示すのに最も多く用いられるのが、JIS、ISO、SAEなど規格によって試験方法が異なっている。 |
エンジン整備重量 |
エンジンが運転可能な状態における重量で、本体に取り付けられているスターター、オルタネーター、エアクリーナー、ファンなどや、エンジンオイル、冷却液を含むもの。 |
エンジン電子制御システム |
エンジンの運転のコントロールをコンピューターによって行うシステムの総称。 |
エンジンノイズ |
エンジン型発生する騒音の総称で、吸気系から発生する吸気騒音、エキゾーストパイプなどから出る排気騒音、エンジンのメカニカルな動きから発する機械騒音などをいう。 |
エンジンノック |
エンジンから発生するカリカリ、コンコン、キンキンといった打音で、通常、ガソリンエンジンのノッキングのことをいうが、ディーゼルエンジンのディーゼルノックをさすこともあり、ベアリングの損傷などの原因でこのような音が出ることもある。 |
エンジンフィン |
空冷式エンジンのシリンダーからシリンダーヘッドにかけてエンジンを冷却するために設けられている鰭(ひれ)状のもの。クーリングフィン、冷却フィン、シリンダーフィンとも呼ばれる。 |
エンジンブレーキ |
エンジンと駆動系がつながれた状態でアクセルを閉じたとき、ブレーキをかけたように減速する現象。駆動系からエンジンの出力より大きな入力が入ると、エンジンのポンピングロスと摩擦損失がブレーキ力となるもの。2ストロークエンジンには4ストロークエンジンの圧縮行程に相当する行程がないので、エンジンブレーキの効きが悪い。また、自動変速状態のATもその機構上の理由からエンジンブレーキの効きが悪い。 |
エンジンマウンティング |
エンジンマウントあるいはエンジンサポートとも呼ばれ、エンジンを支え、車体に固定する部品。エンジンの振動を車体に伝えにくいように防振機能を持ち、ゴムで作られたラバーマウンティングやゴムの中に液体を封入して振動の減衰力を大きくした液体封入エンジンマウンティングなどがある。 |
エンジンルーム |
エンジンが収納されている空間。 |
エンスト |
エンジン・ストールを略してエンスト、あるいはエンジン・ストップを略した和製英語という二つの説がある。いずれもエンジンが停止することで、英語のストールはこれだけでエンジンが止まることを意味する。 |
エンドプレート |
@エンジンの前後に取り付けられている板(プレート)で、エンジンに水やほこりが入ったりオイルが洩れるのを防ぐ働きをするもの。前にあるものをフロントエンドプレート、後ろにあるものをリヤエンドプレートと呼ぶ。A翼端板。レーシングカーのウィングの端に取り付けられているプレート。 |
エンブレム |
紋章、標章。自動車の先端やラジエターグリルの上に付けられており、メーカー名や社名を象徴したデザインとなっている。 |
エンベロープ特性 |
タイヤが小さな突起を乗り越すときに、トレッドがこの突起を包み込む(エンベロープ)性質をいい、その能力をエンベローピング・パワーという。ラジアルタイヤはトレッドの内部に曲げ剛性の高いベルトがあるため、バイアスタイヤに比較してエンベローピング・パワーが小さい。 |
エンリッチメント・システム |
エンリッチメントは濃くすることで、キャブレターや燃焼噴射装置で混合気を濃くする装置の総称。 |
お行
オゾン |
大気汚染物質の一つ。化学記号O?で示される科学的に不安定な気体で、容易にO?とOに分解する。O?は酸素分子で安定した気体だがOは発生期の酸素と呼ばれ強い酸化作用もつ。大気中の炭化水素と窒素酸化物が強い日光によって反応を起こして生じるとされるが、電気放電によっても発生する。 |
オットーサイクル |
ガソリンエンジンの循環(サイクル)運動で、内燃機関の熱サイクルのひとつ。定容サイクルとも呼ばれ、1876年にドイツのN.A.オットーがパテントを得た。エンジンの作動で圧縮行程に相当する熱の出入りのない圧縮(断熱圧縮)、燃焼行程に相当する体積一定で圧力だけが高くなる爆発(等容爆発)と熱の出入りのない膨張(断熱膨張)を繰り返すもので、通常縦軸に燃焼室の圧力、横軸に体積をとった図で示される。 |
オドメーター |
走行距離計。区間距離を示すトリップメーターに対して、これは総走行距離を示す。 |
オフザカー・バランサー |
タイヤの質量アンバランスを測定するバランサーで、ホイールをクルマから外し、バランサーにセットして計測の行われるタイプのもの。 |
オプション |
クルマの装備品のうち、あらかじめメーカーがそのモデル用として準備しており、ユーザーの希望によって取り付けられるもの。自動車の装備品はそのクルマに基本的に必要とされる標準装備と、エアコン、サンルーフ、CDプレーヤーなどユーザーによっては必ずしも費用でない物とがあり、これらのうちクルマを買う人の希望によってメーカーが工場で取り付けるものをメーカーオプション、代理店や販売店で取り付けるものをディーラーオプションという。英語のオプションは選択の意。 |
オフセットクラッシュ |
オフセット衝突あるいはラップ衝突ともいい、障害物に対するクルマの部分的な衝突のことをいう。衝突実験ではバリアに対して車の全幅のうちどれだけの幅が衝突したかを百分率で表し、○○%オフセット衝突と表現する。オフセットは中心を外れていることで、対向車との衝突や事故を回避しながら衝突を想定したもの。 |
オフセットピストン |
ピストンピンの中心をシリンダーの中心から1.0〜2.5mmずらしてある(オフセット)ピストン。普通クランクシャフトの回転方向、即ち膨張行程でピストンが押し付けられる側(スラスト側)にオフセットし、ピストンスラップを防ぐ。 |
オポーズドシリンダー型ディスクブレーキ |
ディスクブレーキの一型式で、ディスクをはさんで向かい合った(オポーズド)二つのシリンダーに油圧を送って両側からパッドでディスクを挟みつける仕組みになっているもの。ピストンが向かい合っていることから対向ピストン型ディスクブレーキ、キャリパーが固定されていることからキャリパー固定型ディスクブレーキとも呼ばれる。 |
オリフィス |
液体の通過量をコントロールする穴。ダンパー減衰力の調整に使用されるものがよく知られている。 |
オリフィスLSD |
オリフィス(穴)を通るオイルの粘性と油圧と利用して駆動力の伝達制御をおこなうオリフィス・カップリングを使った差動制限装置。オリフィス・カップリングは角の丸い四角形のカム面を持つハウジングと、ピストンを内蔵した先端の丸いシリンダーを向い合せに2個ずつペアにし、3組を六角星形に配置して中央にオイルを満たしたアキュームレーターからなり(蓄圧室)を設け、シリンダーとアキュームレーターをオリフィスでつないで構造のローターからなり、ハウジングは左側の駆動軸に、ローターは右側の駆動軸につながれている。ドライブシャフトに回転差が出来るとローターはハウジング内で回転し、ピストンが上下してオイルがアキュームレーターとシリンダーの間で移動しようとするが、オリフィスによってその流れが制限されるので、オリフィスの径を適当なものにすれば左右の回転速度差をコントロールすることができる。89年からニッサンのレーシングカー用LSDとして使用されている。 |
オルタネーター |
交流発電機。自動車用の発電機は直流式だったが、1960年代にダイオードを使った小型の交流発電機が開発され普及した。電波障害がなく耐久性に優れ、低回転でも発電力が強い。バッテリーに充電する際にダイオードで直流に整流する。 |
オンザカー・バランサー |
タイヤの質量アンバランスを測定するバランサーで、ホイールをクルマに取り付けたままで計測を行うことのできるタイプのもの。 |
音声表示システム |
クルマの異常を音声で警告する装置。例えばトヨタのスピークモニターでは、半ドア、パーキングブレーキをかけたままの発進、ライトの付け放し、キーを付けたままのドアロック、燃料不足の5項目に女性の声で注意が与えられる。 |
オンボード・ベーパーリカバリー |
給油中にクルマの給油口から漏れるガソリン蒸気(ベーパー)をクルマに装備されている(オンボード)装置によって回収する(リカバリー)こと。米国EPA(環境保護庁)が給油中のガソリンベーパー放出に対する規制を提案しており、自動車メーカー側はベーパーの回収装置はガソリンスタンドに設けるべきであると主張している。 |