自動車用語集 | な・に・ぬ・ね・の
な行
内開弁 |
内開き弁ともいい、ディーゼルエンジンの燃料噴射ノズルの形式の一つ。内部がじょうご形なっている噴孔にニードルが内側から接して弁を閉じており、噴射時にニードルが内方向に下がるタイプのもの。逆に噴孔の外から矢じり形のニードルが蓋をしていて、噴射時に燃焼室側に開くタイプのものを外側弁という。 |
内燃機関 |
エンジンの内部で燃料を燃やし、発生する燃焼生成物を作動流体として動力を得るもの。外燃機関と対照的に用いられる用語で、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどのピストンエンジンを指すのが普通だが、ガスタービンやジェットエンジンも含まれる。 |
内部冷却弁 |
高性能エンジンに使われている熱伝導性を良くしたバルブの一種。バルブステムを中空にして金属ナトリウムを内容積の40~60%封入し、融点95℃で液状になったナトリウムをステムの中でおどらせてバルブの伝熱性を良くし高温になりにくくしたもの。 |
内面オフセット |
トラックの後輪に多い複輪でリムの中心面とディスクのハブへのあたり面との間の距離。 |
ナインモード |
オーストラリアで重量トラックの排出ガスの測定に使用される運転方法。九つの定常モードから構成されるのでこの名がつけられた。 |
中子 |
中が空洞になった鋳物をつくるとき、空洞になる部分に入れる型のこと。 |
ナチュラリー・アスピレーテッド・エンジン |
自然吸気エンジン。ピストンが下がるときの負圧によって混合気や空気を吸入する普通のエンジンのこと。コンプレッサーでエンジンに吸入される空気の圧力を高めるスーパーチャージャーを備えたスーパーチャージド・エンジンと対照的に使用される用語。アスピレートは吸引するという意味。 |
ナックルアーム |
ステアリングナックルと一体に作られているアームで、タイロッドやドラッグリンクによって作動し、ステアリングナックルを動かす部品。ナックルはこぶしの指関節の部分のことで、機械の回転支持点をいう。直進状態で左右のナックルアーム軸の延長線はリヤアクスルの中心線上で交わるようにセットされている。これはクルマが旋回するとき、前後軸ともにタイヤがリヤアクスル中心線上の一点を中心とする同心円を描くようにするためで、このようなレイアウトをアッカーマン・ジャントー方式という。 |
ナックルストッパー |
ステアリングナックルの左右の動きの限界を決めるもので、ねじによってその位置が調整できるようになっている。 |
ナット |
中心に開けられている穴の中にめねじを刻み、ボルトと組み合わせて使われるもので、自動車の部品としては以下のようなものがある。 |
ナッハラウフ配置 |
ドイツ語で、クルマの前輪を横から見たとき、タイヤ中心がキングピン軸の中心線より後ろに来るようなキングピン軸の配置をいう。一般にキャスター角は小さいがトレールの大きい前軸にみられる。ナッハラウフとは後を追うことを意味する。 |
ナトリウムランプ |
ナトリウム蒸気の放電発光を利用したランプで、高速道路やトンネル、山岳路などの照明に使われる。人の目の感度が特に良い黄橙色の単光色で、照明効率が高いのが特徴。通電から発光までに時間がかかることと、肌色が灰黄色に見えるなど色が自然色から大きく変わって見えるのが難点。 |
ナビゲーションシステム |
経路誘導システム。飛行機や船の航路誘導システムの名をそのまま借用したもので、ディスプレイにマップとともに現在位置、進行方向、目的地までの距離などを表示するもの。車載のセンサーによって現在位置を推定する推測航法と通信設備と組み合わせて車外からの情報を利用する電波航法がある。 |
ナビゲーションランプ |
ラリーの夜間走行でコマ地図やルートマップを読むために設けられた室内照明で、自在に曲げられるフレキシブルチューブの先にライトを取り付け、ドライバーの運転の邪魔にならないようにしてある。 |
ならし運転 |
ならし走行ともいい、新車や、エンジンや駆動系をオーバーホールした車を走らせるとき、低速、低負荷で走行させ、回転部分や摺動部分にあたりをつけること。 |
ナンバープレートランプ |
番号灯。ナンバープレートを照明する灯火。保安基準では夜間、後方20mからナンバープレートの字が読めることが必要。ナンバープレートライト、ライセンスプレートランプなどと呼ばれることもある。 |
に行
2.5ボックス |
車室を一つの箱に見立てて、これにトランクルームと普通の半分程度の大きさのコンパクトなエンジンルームの付いたクルマをいう。3ボックスの乗用車でエンジンルームの小さいクルマのことのように表現することがある。 |
ニードルノーズ |
フォーミュラカー、特にF1の先端部分で、針とまではいかないが細く尖った形状のものをいう。最近のトレンドとして空力効果を考えてノーズが極端に細くなってきている。 |
ニードルバルブ |
フロートチャンバーの燃料供給口に設けられているバルブ。 |
ニードルベアリング |
針状ころ軸受。ころ軸受で、ころが針のように細長いもの。 |
ニールーム |
シートに座った時の膝回りのゆとりのこと。ニークリアランスともいう。 |
二球型燃焼室 |
半球型燃焼室の吸排気バルブ位置周辺の二つを半球形にした燃焼室のこと。 |
2系統ブレーキシステム |
ブレーキを2系統に分け、一方が故障した場合でも制御力を確保できるようにしたもの。 |
二次空気供給装置 |
排気管に新鮮な空気を送って排気ガス中に含まれる有害な炭化水素と一酸化炭素を燃やし、有害な水蒸気と二酸化炭素にするためのシステム。エンジンに混合気として吸入される空気を一次と考え、この空気を二次とするもので、ポンプによって空気を送り込むエアインジェクション・システムと、排気脈動を利用して空気を吸い込むエアサクション・システムがある。 |
二次衝突 |
クルマがガードレールや他の車などと衝突し、その衝撃によって乗員がステアリングホイールやフロントガラスなどと衝突した場合、はじめの衝突を一次衝突、あとの衝突を二次衝突と呼ぶ。一次衝突では主としてクルマの損傷が、二次衝突では主として乗員の負傷の程度が問題となる。 |
二次噴射 |
ディーザルエンジンで、燃料を噴射した直後に再度ノズルが開いて噴射が起こる現象。噴射によって噴射管内に周期的な圧力変化が生じて発生するもので、排気ガス中のHCが増加して排気温が上がり、燃費が悪化する。 |
二重スプリング |
バルブスプリングで固有振動数の異なる2個のスプリングを組み合わせたもの。 |
2層給気方式 |
エンジンの給気の仕方一つで、二つの吸気口からの濃度の異なる混合気を別々に供給するもの。 |
2速オートマチック |
DレンジとLレンジの2段が選べる自動変速機。 |
2段減速方式 |
OHCエンジンではクランクシャフトの回転数を半分に落としてカムシャフトを回す必要があるが、双方のシャフトをタイミングチェーンやタイミングベルトで直接に結ばず、間に減速用のタイミングプーリーで吸気または排気用のいずれかのカムシャフトを駆動し、他方のシャフトをチェーンやギヤで駆動するタイプもある。 |
ニップル |
乳首の意味。機械では潤滑用のグリースの押し込み口のことをいう。グリースを押しこむ道具はグリースガンと呼ぶ。 |
2点式シートベルト |
シートベルトで腰の左右2点を支持する形式のもの。ラップベルトともいう。ラップは腰かけた姿勢で腰から膝にかけてまでの部分をいう。 |
ニブリング |
ニブルは釣りでの魚のあたりなどのように軽く噛むことを意味する。直進走行中に市電のレールや路面の段差などによってタイヤが横向きの力を受け、ハンドル操作を行っていないのに車の進行方向が変わることをいう。路面の変化に敏感なサスペンションやショルダー部が角張った形になっているタイヤに発生しやすい。 |
日本機械学会 |
日本の機械工学分野における最大の学術団体。機械工学の学術・技術の発展をはかることを目的とし1897年に設立された。 |
日本工業規格 |
日本の鉱工業に関する規格で、工業標準化法に定められているもの。自動車に関連した規格はDに4桁の番号が付いている。 |
日本自動車研究所 |
日本で初めて本格的な高速周回路を持つ自動車高速試験場として、1969年に設立された自動車の総合的な技術研究所。 |
日本自動車工業会 |
日本の自動車メーカーが組織する業界団体。 |
日本自動車タイヤ協会 |
日本のタイヤメーカーが組織する業界団体。 |
日本モーターサイクルスポーツ協会 |
日本のモーターサイクルスポーツの統括する国際機関として国際モーターサイクリスト連盟に加盟し、モーターサイクルスポーツの普及指導、協議会の開催や公認などを行っている。 |
ニュートラル |
中立とも呼ばれ、トランスミッションで駆動軸への出力が断たれた状態のこと。シフト位置が表示される場合Nとあらわされる。 |
ニュートラルスタート・スイッチ |
AT車のスタータースイッチで、シフトレバーがNの位置にあるときのみエンジンの始動が可能にしてあるもの。エンジンがかかると同時にクルマが発進する危険を避けるための装置の一つである。 |
ニュートラルステア |
一定の操舵角で旋回し、速度を上げていっても旋回半径が変わらないことをいい、ステア特性がアンダーステアでもオーバーステアでもないこと。 |
ニュートラル・ステアポイント |
自動車が前後方向中心面に垂直な横力を受けた場合、旋回モーメトが発生しない中心面上の点のこと。 |
ニューマチックガバナー |
空気式調速機。ディーゼルエンジンの燃料の噴射量を調整するガバナーの一種で、吸気マニホールドに設けられたベンチュリーの負圧がエンジンの回転速度の上昇につれて大きくなることを利用し、ダイヤフラムでこれをとらえて燃料噴射量をコントロールする。 |
ニューマチックトレール |
スリップ角がついた状態で転動しているタイヤで、コーナリングフォースまたはサイドフォースの作用点と、タイヤの設置中心を結ぶ直線を、タイヤの進行方向またはタイヤの向きに平行な垂直面に投影した時の距離。コーナリングフォースまたはサイドフォースにこのニューマチックトレールを掛けたものがセルフ・アライニング・トルクで、例えばタイヤの空気圧が低いとタイヤが変形しやすくなり、ニューマチックトレールが長くなるので、その結果セルフ・アライニング・トルクが大きくなりハンドル操作が重く感じられる。 |
ぬ行
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ね行
ネガティブ・キングピンオフセット |
タイヤの設置中心がキングピン中心線の路面との交点より内側に来るように設定されているホイールアライメント制動した時にブレーキの片効きやタイヤと路面の摩擦力の違いなどによって左右のタイヤの制動力が異なる場合、クルマの重心回りにブレーキの効きのよい側に回ろうとするモーメントが働くが、ネガティブ・キングピンオフセットのクルマでは、タイヤから逆方向にクルマを向けようとするモーメントが発生するので結果として車の姿勢が安定するという効果が得られる。ネガティブスクラブまたは逆スクラブと呼ばれる。 |
熱害 |
高温になりやすい酸化触媒コンバーターなどの排気ガス浄化装置によって、排気系周辺の部品が熱くなったり路上の枯れ草などが焦げたりする現象。熱害を防ぐために排気系にインシュレーターやプロテクターが取り付けられているが、草むらに駐停車する場合には注意が必要。 |
熱可塑性樹脂 |
常温では硬く、熱を加えると柔らかくなる性質を持つプラスチック。加熱して柔らかいうちに形を作り、冷却すれば製品となるので、周囲の温度が高くなることのない環境で使用される部品の材料として多く使われている。塩化ビニル、酢酸ビニル、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレンなどがその代表的なもの。 |
熱間圧延鋼板 |
メンバー、フレーム、ディスクホイールなどに使用されている厚さ1.6o〜6oの比較的厚い鋼板で、800℃以上の温度で熱間圧延されたもの。 |
熱勘定 |
燃料の燃焼によって得られたエネルギーがどのように分配されるかをあらわすもの。燃料が完全燃焼したときに発生する熱量を、軸出力、排気損失、冷却損失、機械損失の4項目に分けて示される。 |
熱機関 |
燃焼機関とも呼ばれ、燃料を燃やすことによって発生する熱エネルギーを機械的な仕事に変える装置の総称。内燃機関と外燃機関とがある。 |
熱硬化性樹脂 |
一般に常温で硬いが熱を加えると一旦柔らかくなり、時間が経過すると硬くなる性質をもつプラスチック。処理前には比較的分子量の小さい材料が過熱によって化学反応を起こし、分子が立体的につながって硬化するもので、化学反応を助けるために触媒や硬化剤が用いられるのが普通。 |
熱効率 |
エンジンの運転に使用された燃料の熱量に対してエンジンが行った仕事の比率。エンジンに与えられた熱量のうち、どれだけが仕事に変わったかでエンジンの効率を示すもので、仕事に変換された熱量を供給された熱量で割って得られる。与えられた熱量は供給された燃料が完全に燃焼したときの発熱量で、このときにできる水は気体の状態のままとして計算される。 |
熱線入りガラス |
合わせガラスの中間膜に微細なタングステン線を埋め込み、通電してガラスを暖め、水滴や霜による曇りを除くようにしたもの。リヤウィンドに使われるのが一般的だが、寒冷地で使用されるラリー車やスポーツカーではウィンドシールドに装備されることもある。 |
熱線式エアフローメーター |
ガソリンインジェクションに使用されるエアフローメーターの一種でホットワイヤー式とも呼ばれる。エンジンに吸入される空気中に電流で熱した白金線の温度を一定に保つのに必要な電流によって空気の流量を測定し、空気量とするもの。通気抵抗がほとんどなく、レスポンスも良いので多くのエンジンがこれに採用している。 |
熱線反射ガラス |
太陽からの熱線(近赤外線)を反射して室内の温度上昇を抑える働きをもつガラスで、金属の薄い膜を付け半鏡のように見えるタイプのものと、屈折率の異なるプラスチックの膜を何枚か張り、光の干渉によって熱線を反射するタイプのものがある。後者は外から見ると方向によって赤みがかった濃い紫色に見える。 |
熱損失 |
エンジンに供給された熱エネルギーのうち正味出力として取り出せず失われるもの。一般に排気ガスとともに失われる排気ガス損失とエンジンの冷却に消費される冷却損失が大きく、エンジン内部の摩擦損失や補機類の駆動による損失のほかにエンジンから放射される熱も含まれる。 |
ネットパワー |
クルマに搭載して使用するのに必要なすべての装置を付け、台上で運転した時の正味の軸出力のこと。エンジンに運転に必要な付属装置だけを付け、台上で運転した時の軸出力であるグロスパワーと対照的に使用される用語。カタログの軸出力はネットパワーで示されるのが普通。 |
熱範囲 |
スパークプラグの機能を発揮させるのに適した温度範囲のこと。プラグの発火部の最適運転温度は450℃〜870℃の間で、これより高い温度では発火部が焼け、早期着火を起こしてエンジンに力が無くなる。逆に450℃以下では濡れやくすぶりという現象によって発火部に煤が溜まって火花が弱くなる。 |
燃焼圧センサー |
シリンダー内の燃焼圧力を検出するセンサー。シリンダー内の燃焼状態を直接に検知して空燃比を精密に制御し、安定した希薄燃焼を得るために開発されたもの。 |
燃焼音 |
シリンダー内での燃料の燃焼によって発生する音で、シリンダー壁やシリンダーブロックが燃焼によって振動するもの。燃焼時の圧力の高いディーゼルエンジンで問題になることがある。 |
燃焼効率 |
燃料が燃焼したときの発熱の効率。 |
燃焼室 |
シリンダーヘッド、ピストン、シリンダーライナーに囲まれ、混合気が気化し燃焼する空間。その形状によってガソリンエンジンでは半球型、多球型、ウェッジ型、バスタブ型、ペントルーフ型など、ディーゼルエンジンでは過流室式、空気室式、子燃焼室式などに分けられる。一つの部屋からなるものと、セルあるいは副燃焼室と呼ばれる小室を備えているものとがあるが、通常これらの小室も燃焼室に含まれる。 |
燃焼速度 |
混合気に火炎が拡がって燃焼していく速さで、火炎面に直角方向の速度であらわす。混合気の組成、圧力、反応速度などが決まるとほぼ一定の値を示し、燃料と空気中の酸素が混ざる速さと、燃焼反応の速度のいずれか遅い方の速度によって決まる。 |
燃焼変動 |
燃焼室における混合気の燃焼状態がシリンダーごと、サイクルごとに変化する現象。主として混合比やシリンダー内の混合気の混ざり具合の乱れによって発生し、エンジンの出力が変わることから、大きな燃焼変動があるとクルマが前後に振れるサージが発生することがある。 |
燃焼率 |
混合気の燃焼の進み具合をあらわす量で、混合気全体の質量に対する燃焼した部分の質量の割合(燃焼室量割合)が、単位時間当たりどれだけ変化するかで示される。 |
粘度 |
流体の変形に対する抵抗、ねばる性質を粘性といい、その度合いを粘度という。流体中の流れの異なる部分に働くせん断力は境界面の面積とずれの速度に比例する。このときの比例定数を粘度と定義するもので、燃性率あるいは粘性係数とも呼ばれる。 |
粘度指数 |
潤滑油の粘度の温度依存性をあらわす指数で、値が大きいほど温度による粘度の変化が少ないこと示す。40℃と100℃における動粘度(粘度を密度で割ったもの)から決められた計算式によって算出される。 |
粘度指数向上剤 |
潤滑油の粘度指数を大きくする薬剤のこと。自動車に使用される潤滑油の粘度指数は大きい(温度による粘度変化が少ない)ほうが使用しやすいので、ポリイソブチレンやポリアルキルメタクリレートなど分子量数万の高分子化学物が粘度指数向上剤として添加されている。 |
燃費 |
燃料消費。自動車の走行によって消費される燃料の量で、走行距離を使用した燃料の量で割り、燃料1リットルあたりの走行キロ、又は1ガロンあたりのマイルで示される。 |
燃料蒸発ガス |
燃料系から蒸発して大気中に放出される燃料の蒸気のこと。 |
燃料蒸発ガス排出抑制装置 |
フューエルタンク内で蒸発する燃料蒸気には炭化水素が含まれ人体に有害なので、これが大気中に放出されないようにする装置。活性炭を使うチャコールキャニスター方式、燃料蒸発ガスをクランクケースに導くクランクケース・ストレージ方式、エアクリーナーに導くエアクリーナー・ストレージ方式などがある。 |
燃料消費率 |
エンジンの経済性を示す尺度で、単位時間に単位出力当たりどれだけの燃料を消費するかであらわされる。燃料消費率を計算するときにエンジン出力としてどのような数値を使用するかによって図示燃料消費率と正味燃料消費率があり、カタログなどには正味燃料消費率が示されている。エンジン性能曲線に軸出力、軸トルクとともに図示される。 |
燃料清浄剤 |
燃料に添加され、エンジンの吸気系に付着した汚れを落とす働きをする薬品で、界面活性剤(合成洗剤)が主成分。石油を精製しガソリンにする段階で添加されるが、フューエルタンクのガソリンに加えて使うものもある。 |
燃料ヒーター |
ディーゼルエンジンに使用される軽油を暖める装置。寒冷時に軽油中の成分の一部が固まってフューエルフィルターの目詰まりを起こすことがあり、燃料ライン中にヒーターをおいてこれを防ぐもの。 |
燃料フィードバック・コントロール |
空燃比フィードバック・システムとも呼ばれ、ガソリンエンジンの排気ガス浄化システムの一つ。 |
燃料噴射装置 |
圧力を高めた燃料を吸気マニホールドまたは燃焼室に噴射する装置で、ガソリンエンジンは吸気マニホールドに、ディーゼルエンジンは燃焼室に噴射するものがほとんどで、単に燃料噴射という場合ガソリンエンジンの燃料噴射を指し、ディーゼルエンジンの場合ディーゼル噴射と呼ばれることが多い。燃料の軽量と噴射を機械的なメカニズムを使って行う機械式と、マイコンを利用して電気的に行う電子制御式とがあり、新しく開発されるガソリンエンジンはほとんどが電子制御式になっている。 |
燃料噴射ポンプ |
ディーゼルエンジンに供給する燃料の圧力を高めるポンプ。ディーゼルエンジンでは高圧の燃焼室に燃料を噴霧するため、副室式で100〜300気圧、直接噴射式では200〜400気圧に噴射圧を高める必要があり、噴射ノズルと直結したポンプから燃料が圧送されるのが普通で、ポンプとしてはシリンダーごとにプランジャーを備えた列型燃料噴射ポンプと、一つのポンプで圧力を上げた燃料を各シリンダーに送る分配型燃料噴射ポンプがある。 |
の行
ノーズ |
クルマの先端部分のこと。 |
ノーズスポイラー |
クルマの先端に設けられているスポイラーのこと。気流によってノーズを抑え、前輪の荷重を増やすと同時にボディの下にはいる空気量を減らす目的で付けられる。フロントエンジン車ではエンジンの下の気流が低下するのでラジエター→エンジン→床下へと流れる空気量が増え、エンジンの冷却効率が良くなる。フロントスポイラー、エアカットフラップ、チンスポイラー、エアダム、エアダムスカートなど様々な呼び方がある。 |
ノーズダイブ |
ブレーキをかけたときクルマの先端が路面にもぐりこむように下がる現象。 |
ノーズボックス |
フォーミュラーカーの車体の先端部分のこと。F1では高強度カーボンとエポキシレジンのコンポジット材が使用されており、正面衝突時の衝撃からドライバーの足を保護するため、定められた基準値以上の強度をもつことが要求されている。 |
ノズル・ミューエフ特性 |
ディーゼルエンジンの噴射ノズルの特性の一つで、ニードルの上昇量とノズルの開口面積との関係をいい、縦軸に開口面積を、横軸にニードルの上昇量をとったグラフで示される。 |
ノッキング |
ガソリンエンジンの異常燃焼、及びこれに伴って発生する音のこと。ガソリンエンジンの膨張行程はまずプラグのスパークによって火炎の核ができ、この核を中心に火炎が周りに広がっていくという経過をたどる。このとき、プラグから離れた部分の混合気が燃え始め部分の混合気の熱と圧力によって自然発火し、燃焼室全体のガスが瞬間的に燃焼する現象をノッキングという。キンキンやカリカリというものを打つような音を伴って起こり、ひどい場合には高温と高圧によってバルブの損傷やピストンの焼きつきの原因となることがある。ディーゼルエンジンのノッキングはディーゼルノッキングと呼ばれ、発生の形態が異なる。 |
ノック界 |
ノック音の出始める限界。混合気はノッキングが発生する直前の状態で最も効率よく燃焼することから、エンジンの点火時期を少しずつ早くし、ノッキング発生寸前の点火時期を調べて最適点火時期を決める。 |
ノックコントロール・システム |
エンジンの点火時期はノッキングが発生する直前がベストであることから、ノックセンサーによってノッキングを検出し、ノッキング発生の直前の状態になるよう点火時期を自動的にコントロールするシステム。 |
ノックス |
排気ガス中に含まれる窒素酸化物のことで、混合気中の窒素ガスと結合しにくい安定した気体だが、混合気が高温で燃焼するときに一部が酸化して一酸化窒素となって排出され、外気中でさらに酸化されて二酸化窒素となる。排気ガス中の窒素酸化物は95%が二酸化窒素、3〜4%が一酸化窒素である。二酸化窒素は刺激臭の強い有害な気体で光化学スモッグの主原因となるといわれる。ノックスの発生は燃焼温度、圧力とともに最高になる理論空燃比付近で最も多く発生するので、これを少なくするにはエンジンの圧縮比を小さくしたりEGRによって燃焼温度を下げるなどの対策がとられる。 |
ノックセンサー |
ノッキングによって発生する振動を検出するセンサー。ターボエンジンの熱効率を上げるには出来るだけ圧縮比を高い状態で点火することが望ましいが、圧縮比を上げるとノッキングが発生する。そこでノッキングによる振動を磁歪効果を利用した可速度計や圧電素子によってその発生を検知して点火時期を遅らせる。 |
ノックダウン |
一般には打ち倒すほどの強い殴打を意味する英語だが組立式の品物の意味もあり、自動車用語としては、完成車をまとった部品単位に分解し梱包して送り、現地で組みつけを行う輸出方法をいう。分解の程度の小さいセミノックダウンと、大きいコンプリートノックダウンとがある。 |
ノックバック |
ディスクブレーキのローターの変形によってキャリパーピストンが押し戻され、ブレーキペダルのストロークが大きくなる現象。 |
ノックピン |
二個以上の部品をつないで一緒に穴をあけ、棒でつなぐもの。まっすぐな平行ピン、両端で太さの異なるテーパーピン、C字型の断面でばねの働きもするスプリングピンなどがある。ノックは打つことで、穴に打ち込んで使用されるピン。 |
ノッチバック |
自動車のスタイルの一つで、リヤウィンドとトランクリッドの間が曲がっていて段のある形になっているものをいう。後席乗客の頭上のスペースが広く、トランクルームが大きく開けられる利点があり、セダンに多く採用されている。 |
ノンアスベスト |
原材料にアスベストを用いないこと。安価で耐久性に優れていることからガスケットやブレーキシューなどの素材として長く用いられてきたアスベストは発癌性があると言われ、徐々に使用されなくなっており、従来アスベストだった素材や部品にアスベストを採用していないことを明示するのに使われる言葉。アスベストフリーともいう。 |
ノンターボエンジン |
ターボチャージャーの付いていない自然吸気エンジン(ナチュラリー・アスピレーテッドエンジン)のこと。 |