自動車用語集 | ま・み・む・め・も

ま行

マイナーチェンジ

モデルライフの中間で行われる部分的なモデルチェンジ。車体外板の一部、エンジンや機能部品の部分的な変更や、ラジエターグリル、ランプ類などの変更によってモデルのリフレッシュをはかるもの。

マグネシウムホイール

マグネシウムを素材としたホイールで、略してマグホイールという。アルミホイールより軽いホイールとしてレーシングカーに使用されているが、鋳造が難しく機械加工時に発火しやすいので製造に高度の技術が必要。一体鋳造のワンピースホイールと、ツーピースホイール及びスリーピースホイールのディスクとしてアルミリムと組み合わせて使用されているものとがある。

マグネチックプラグ

オイルパンに溜められた潤滑油を抜くための栓を磁石にしてオイルに含まれる鉄粉を吸着するもの。

マクファーソンストラット式サスペンション

マクファーソンはこのサスペンションを1950年に考案したフォードのエンジニアの名前で、ショックアブソーバーを内蔵し、スプリングを取り付けた支柱を縦に置き、上端をボディに取り付け、下端をロアアームで支える構造のインディペンデントサスペンション。ショックアブソーバーの車体への取り付け点が高いのでアライメントが高いのでアライメントが正確に設定でき、その変化も少なく、路面からの衝撃も広い範囲に分散できる利点がある上に、部品の数が少なく軽量で安く出来ることもあって、中型以下の乗用車の多くがこのサスペンションを採用している。フロントに多いが、リヤにも使われている。短所はショックアブソーバーの摺動部に荷重がかかって滑り抵抗を生じることと、ボンネットの高さが高くなることなど。

摩擦円

タイヤの摩擦力には限度があり、ブレーキをかけたり加速しながらハンドルを切った場合のように、摩擦力を前後方向の摩擦力として使うとその分横向きの摩擦力は小さくなる。つまりタイヤの摩擦力の限界値は全体で一定であるという概念。横力が働いて旋回しているタイヤに駆動力のベクトルを合成した合力に対する反力として摩擦力が発生している。この摩擦力の最大値はタイヤの接地状態や接地面の接地圧力分布などによって決まるが、路面の摩擦係数が同じ場合、合力の向きに関係なくほぼ一定となり、タイヤの摩擦力の最大値をタイヤの接地中心の周りに考えると円となることから摩擦円と呼ばれる。

摩擦クラッチ

摩擦力によって動力を伝達するクラッチ。

摩擦係数

接触している物体が体力によって相対的に動こうとしているか、あるいは動いているとき、接触面でその動きを妨げようとする方向に作用する力を摩擦力といい、その力が接触面に垂直に働く力に比例するとき、比例定数を摩擦係数という。

摩擦仕事

エンジン自身によって消費される仕事。ピストン、ベアリング、動弁系などの機械的な摩擦損失とディストリビューターやポンプなどの補機類を駆動するのに必要な仕事をいう。

摩擦損失

一般に摩擦によって失われるエネルギーのことをいうが、特にエンジン内部で使われる仕事量を指し、摩擦馬力ともいう。自動車の摩擦損失の30〜50%はエンジン内部の摩擦損失と補機類の駆動などエンジン関係で占める。

摩擦馬力

エンジンの運動部分の摩擦や補機類の駆動に必要な仕事率を馬力であらわしたもの。

マスクバンパー

クルマにマスクをかけたように、バンパーをラジエターグリルやフェンダーの一部も含めて一体化したもので、スポーツカーに多く見られる。

マスターシリンダー・サプライポート

ブレーキのマスターシリンダーでシリンダーとマスターシリンダー・リザーバーをつなぎブレーキ液が供給される孔。サプライは供給すること、ポートはシリンダーの孔の意味。

マスターシリンダー・リザーバー

ブレーキ液を溜めておく容器。

マスターシリンダー・リリーフポート

コンペンセイティングポートあるいはリターンポートともいい、コンベンショナル式マスターシリンダーでシリンダーとマスターシリンダー・リザーバーをつなぎ、ブレーキが解除された後ブレーキ液がリザーバーに戻るための通路。リリーフは解除すること、コンペンセイトは補うこと、リターンは返すこと意味する。

マスダンパー

ある系がある固有振動数で振動し、その振動が系に悪い影響をもたらす場合、系に重りをつけて固有振動数を変え、振動を減らす。この重りのことをいう。

マスフロー方式

燃料噴射装置でエンジンに吸入される空気量をエアフローメーターによって直接測定する方式のこと。

まだら摩擦

ピッチングとも呼ばれる摩耗の形態で、ボールベアリングのボール、コロ、レースの表面や歯車の歯面に小さな穴があくもの。主として繰り返し荷重による疲れ破壊が原因といわれる。

マッドガード

泥よけのこと。

マッドフラップ

タイヤがはね上げる泥や小石が後ろに飛ばないようにするためフェンダーの後方に取り付けられている板状のもの。ゴムやプラスチックなどで作られ、駆動輪の後ろに付けられているのが普通だが、特に前輪の駆動力が大きいラリー車では、アンダーボディやリヤサスペンションがはね石になって損傷を受けるのを防ぐため、特に丈夫なものが取り付けられている。

マップランプ

地図や本などを読むためのスポットライト。ルーフに取り付けられているのが普通だが、自在に曲げられるフレキシブルチューブの先にライトを取り付けたタイプもある。ラリー車に装備されている場合ナビゲーションランプと呼ばれる。

マニバーター

エキゾーストマニホールドに触媒コンバーターを取り付けたもの。エンジンルーム内のレイアウトに工夫が必要だが、排気ガスの温度が高い状態で触媒を効率よく働かせることができ、触媒コンバーターを小さく出来るという利点がある。

マニホールド

多岐管、集合管。ガスを一箇所に集めたり分配するためのダクトやパイプをいう。エンジンのエキゾーストマニホールドとインテークマニホールドがその代表的なもの。

マニホールドガスケット

シリンダーヘッドとインテークマニホールドまたはエキゾーストマニホールドの間に使用されているガスケットで、アスベストや非金属材料で作られるソフトガスケット、ソフトガスケットに使われる材料と金属を組み合わせたセミメタルガスケット及びメタルガスケットがある。

マニュアルシフト

マニュアルは手、シフトは方向や場所を変える意味から、手動でトランスミッションを操作する方式。

マニュアル・トランスミッション

マニュアルはラテン語で手を意味する言葉からきたもので、手動で操作するトランスミッションのこと。

マフラー

消音器。エンジンの燃焼ガスを直接外に出すと爆音になるのでこの装置を通して音を小さくする。消音の手段としては、排気管の途中に膨張室を設けて内壁間の音波の反射や共鳴現象を利用して音を減衰させたり、排気ガスの通路に音波との摩擦によって音響エネルギーを小さくする吸音材を入れるなどの方法がとられる。サイレンサーともいう。

摩耗表示

タイヤの使用限度を目視で判断できるようにタイヤのトレッドに設けられているトレッドウェアインディケーターとプラットホームの総称。

マルチグレードオイル

SAE粘度番号の低温粘度と高温粘度の規格をともに満足するオイルのこと。エンジンオイルで5W/30のように表示されているものは、低温側で5W、高温側で30の規格を満足する。SAE粘度番号の一つの番号の規定範囲に該当するオイルに対して低温側で始動性がよく、高温側で摩耗や焼き付きを起こしにくいという広い温度範囲での潤滑性を狙って開発されたもの。

マルチスロットルバルブ

スロットルバルブを各シリンダーの吸気管ごとに設け、スロットルバルブとインテークポートの間隔を短くしてアクセルレスポンスを向上させるもの。マルチは数が多いもの。

マルチディスプレイ

一つの表示装置に多くの情報を表示するシステム。ブラウン管を使って各種のデータやマップなどを表示するシステムがその代表的なもの。

マルチバルブエンジン

1気筒あたり吸排気バルブがそれぞれ2本以上設けられたエンジン。エンジンヘッドの開口面積が広いので吸排気の効率がよく、バルブが軽く動きが良いのでレスポンスの良い高出力エンジンはマルチバルブで、吸気バルブ排気バルブが各2本ずつある4バルブエンジンが多い。4バルブ以上のエンジンとしては1気筒あたり吸気バルブ3個、排気バルブ2個をもつ5バルブエンジンが量産化されており、それ以上となるとマセラティの6バルブV6、極めつけはホンダの楕円形ピストンを持つモーターサイクル用エンジンの8バルブがある。

マルチフューエルエンジン

マルチは多くのを意味し、例えばガソリンとLPGのように2種類以上の燃料が使えるエンジンのこと。ガスタービンエンジンやスターリングエンジンなどでも、石油以外の燃料を含めて何種類かの燃料が使えるエンジンが研究されている。

マルチプルディスク・クラッチ

英語で多板クラッチの意味だが、通常ATの変速に使用されている湿式油圧多板クラッチのことをいう。クラッチディスクとして鋼板に摩擦材を接着したものを使用し、これを何枚も使って伝達トルクを大きくしてある。

マルチポイント・インジェクション

多点噴射。ガソリンインジェクションで各気筒ごとにインジェクターを備え、吸気ポートに別々に燃料を噴射するもの。吸気マニホールドの集合点に噴射するシングル・ポイント・インジェクションと比較してコストは高いが応答性は良くなる。

マルチリンクサスペンション

982年に発表されたベンツ190Eで、5本のリンクによって構成されたリヤサスペンションがマルチリンクサスペンションと命名されて以来、各自動車メーカーが複数のリンクを使用したサスペンションを同じ名前で呼ぶようになったもの。リンクの配置によって前後左右に力がかかった状態でサスペンションが上下動かした時のアライメント変化を最適にし、バランスのとれた操縦性を確保するもので、様々なものがあるが、ダブルウィッシュボーン式サスペンションの変形が多い。

マン燃焼室

ドイツのマン社が開発した直接燃料噴射式ディーゼルエンジンの燃焼室。

み行

ミキシングチャンバー

キャブレターの燃料を微粒化して空気と混合する部分のこと。

ミクスチャー・アジャストスクリュー

アイドル調整ねじ。アイドル・アジャスティングスクリューとも呼ばれ、エンジンがアイドル状態にあるときの混合気の濃度を調整するために、燃料の供給量を規制するねじ。

ミクスチャー・コントロールバルブ

スロットルリターン制御装置の一つ。スロットルバルブの置かれているボアに平行してスロットルバルブの前後を結ぶ空気のバイパスを設け、減速時にスロットルバルブが閉じられると、インレットマニホールドの負圧によってこのバイパスに設けられたバルブが開いて空気を通し、一定時間後にこれを閉じるようにしたもの。

ミストワイパー

ワイパーを1往復だけ動かす装置。ワイパースイッチに取り付けられているコントローラーによって作動し、霧雨や小雨がぱらつく程度の時に使用する。

ミスファイヤー

燃焼室内の混合気が完全な燃焼をしない状態で、失火ともいう。スパークが飛ばない飛火不良、着火の起こらない着火不良、一度出来た火炎が消える火炎伝播不良などがある。

水噴射

燃焼室内に水を噴射すること。蒸発による水の潜熱を利用して燃焼室の温度を下げ、NOxの発生を少なくしたり燃費の向上をはかる。吸気ポートや燃焼室に直接水が噴射される。

ミッドシップエンジン

ミッドシップは船の中央部を意味する言葉で、エンジンが後軸より前にあって後輪を駆動するタイプのクルマのこと。リヤエンジンとはエンジン本体が後軸の前にあるかどうかによって区別する。天秤棒を担いで荷物を運ぶには、棒が長いほど曲がりにくいように、クルマが進路を変えようとするときに前後に重いものがあると運動の妨げとなる。クルマの中央にエンジンと乗員を集めると運動性能が良くなるのでレーシングカーはミッドシップとなっている。一般乗用車としてこのレイアウトを使うと車室が狭くなるので、もっぱらスポーツカーに採用される。

ミッドシップ4WD

ミッドシップエンジン車で四輪を駆動するタイプのもの。ミッドシップエンジン・リヤドライブ車の運動性能をさらに高める目的で開発されたもので、グラベル路や氷雪路など滑りやすい路面でその威力を発揮する。

ミニコンパクトカー

米国の自動車分類で、乗用車をインテリアボリュームで分類したとき最も小さいクルマをいい、正確ではないが、日本小型車がこれに相当する。

ミニマム・マキシムガバナー

M-Mガバナーとも呼ばれ、ディーゼルエンジンの燃料の噴射量をコントロールするガバナーで、低速回転域と高速回転域のみ調速を行うタイプのもの。

ミラーサイクル

過給システムに適用されるサイクルで、1940年代にアメリカ人のミラーによって考案された。吸入行程の途中で吸気バルブを閉じて過給によって圧力を高められた混合気の気入を早めに止め、圧縮比を下げることにより過給エンジンの燃費をはかるもの。

む行

ムーンルーフ

サンルーフのうち、スモークドガラスを使用して熱線をカットするようにしたもの。

無鉛ガソリン

アルキル鉛が混入されていない自動車用ガソリン。オクタン価を上げるためにガソリンに添加されるアルキル鉛は、燃焼室内で酸化鉛などの無機鉛になって排出されるが、鉛は排気ガス対策に用いられる触媒を劣化させるため、無鉛ガソリンの使用を指定してあるエンジンに加鉛ガソリンを使用するのは好ましくない。

無効噴射時間

ガソリンインジェクションで、ニードルバルブを開けるためにソレノイドコイルに電流を流している時間と、実際にバルブが開いている時間の差のこと。

むち打ち症

追突されたクルマの乗員の頭部が瞬間的に後ろに傾き、脊髄を傷め、痛みやめまいなどの症状が出るもの。各国ともにこの障害を防ぐため、クルマにヘッドレストレイントを装備することを義務付けている。

無負荷時回転数

アイドリング時のエンジンの回転数のこと。

め行

メインジェット

フロートチャンバーとエアブリードの間におかれ、エンジンが通常の運転状態にあるときにベンチュリーに供給される燃料の量を決める絞りのこと。

メインシャフト

主軸。駆動系にあって動力を伝える伝動軸。

メインノズル

ベンチュリー内にあってガソリンを供給するパイプのこと。

メインベアリング

クランクシャフトを支持するすべり軸受。

メカトロニクス

メカニズムとエレクロニクスを結び付けて作られた和製英語で、電子によって機械の動きを制御する技術。EFIとか4WSなど自動車の最新電子技術はこのメカトロニクス応用の典型である。メカトロニクスは人体に例えると脳、神経系に相当するコントローラーとインターフェース、目や耳など近くにあたるセンサーと手足の働きをするアクチュエーターから出来ている。

メカニカル・ウインチ

4WD車の前部に取り付けられているウインチで、エンジンの動力をトランスミッションやトランスファーに取り付けられているパワーテイクオフから取り出して使用するもの。

メカニカルオクタン価

エンジンの耐ノック性をあらわすもので、同じ運転条件でどこまで低いオクタン価のガソリンが使えるかを示される。低オクタン価のガソリンでノックしないエンジンをメカニカルオクタン価が高いという。要求オクタン価と似ているが測定方法が異なる。

メカニカルガバナー

機械式調速機。ディーゼルエンジンの燃料の噴射量をコントロールするガバナーの一種で、噴射ポンプのシャフトとともに回転するフライウエイトが、回転速度の上昇に伴い遠心力によって外に広がることを利用し、この動きをリンクによって伝えて燃料噴射量を調整するもの。

メカニカルスーパーチャージャー

スーパーチャージャーのコンプレッサーの動力としてエンジンの軸出力を利用するもの。

メカニック

機械工のことだが、通常レーシングカーの点検、整備、修理などの手作業を行う人をいう。

メタノールエンジン

メタノールを燃料としたエンジンの総称。石油の代替燃料を使うエンジンの一つとして開発され、NOxなど有害な排気ガスが少なくクリーンなエンジンである。メタノールは金属を腐食する性質があるのでタンクやパイプなどの燃料系や排気系に防食加工が必要なことや、排気ガス中の未燃焼メタノールやホルムアルデヒドを除くための触媒コンバーターがいることなどが技術上の問題点。

メタノール燃料

メタノールエンジンの燃料として使われるが、気化しにくく燃焼後の有害物質は少ないものの二酸化炭素はガソリンと変わらないこと、熱量がガソリンの半分しかないこと及び金属を腐食する性質があることなどが問題点とされる。100%メタノールは低温時の始動性やエンジンが温まるまでの回転安定性が悪いので、これを改良するためガソリンを15%混合した燃料も考えられ、M85と呼ばれる。

メタラスティックジョイント

ラバージョイントのこと。

メタリックカラー

金属光沢をもつ塗色。樹脂を溶剤に溶かし、着色顔料を加えた普通の塗料(ソリッドカラー)にアルミ顔料を加えて作られる。

メタリック・ブレーキライニング

ドラムブレーキのライニングの材料としてアスベストを用いず、スチールウールなど金属ファイバーとガラス繊維などアスベスト以外の素材を用いたもの。

メタリングジェット

スロージェット、メインジェット、パワージェットなど燃料の通路に挿入して、燃料の供給量を規制する絞りの総称。

メタルガスケット

シリンダーヘッド・ガスケットの一種で鉄やステンレスの板を単層または積層にして成形したもの。耐圧、耐熱性は良いが金属の弾性だけによってシールするため接合面の仕上げ精度の良いことが必要。主としてディーゼルエンジンに使われている。

メタルグラファイト・ガスケット

シリンダーヘッド・ガスケットの一種でスチールベスト・ガスケットのアスベストの代わりに膨張黒鉛を圧着したもの。

メタル打音

クランクシャフトのベアリングからの発生する音で、クランクシャフト/コンロッドベアリング間の打音と、クランクシャフト/クランクシャフト・ベアリング間の打音とがあり、ベアリングの隙間が大きいときに発生することがある。

メタル担体

金属の薄い板で一体に成形して作られたモノリス担体。セラミックスで作られた担体に比べて速く温度が上がり、始動直後の排気ガス浄化性能が良い。

メタルバック・シールドビーム

ミラーに金属材料を使ったシールドビーム。

メタルパッド

パッドの素材として普通に使用されているアスベストを用いていないブレーキパッド。スチールウールなど金属ファイバーを主原料にガラス繊維などアスベスト以外の断熱材を使うもので、ブレーキの効きは良いが金属粉によりブレーキディスクの損耗が大きいことと、熱伝導が大きいためフェードが起こりやすい傾向にあるので、ブレーキシステムにそれなりの対策が必要。同じ材料をドラムブレーキのライニングとして使ったものはメタリックブレーキライニングと呼ばれる。

メタルリッド

サンルーフを覆う蓋としてメタルを使ったもの。

メナスコ式バンパー

メナスコ社が開発したエネルギー吸収バンパーで、スチール製のバンパーにショックアブソーバーと似た構造のオリフィスをもつピストンとシリンダーからなるアブソーバーを取り付け、オイルがオリフィスを通過するときの粘性によって衝突エネルギーを緩和するようにしたもの。

も行

モーターアンテナ

パワーアンテナとも呼ばれ、電動モーターを使って出し入れできるようになっているアンテナ。ラジオのスイッチと連動し、スイッチを入れるとアンテナが出始め、スイッチを切ると引き込まれるようになっているものが多い。

モーターオクタン価

ガソリンのオクタン価で、実験室オクタン価測定法の一つであるモーター法によって求められたもの。自動車の高速あるいは高負荷走行時におけるエンジンのアンチノック性をあらわすとされ、もうひとつの測定法のリサーチ法で求められたオクタン価より10オクタン程度小さい値となるのが普通。

モード

ファッション業界でよく使われる言葉だが、自動車では排気ガスの測定がおこなわれる際の運転方法など方法、仕方の意味と、電磁波や振動騒音関係の波動の姿態の意味に使用される。

モーニングシックスネス

朝のクルマの動き始めに現れる不調をいうが、特に走り出して最初のブレーキが強く効く症状を指す。

モールディング

クルマを装飾したり、各部分のラインを強調するために取り付けられているメッキや彩色を施された線状あるいは帯状の部品をいい、車体を外傷から守る目的を兼ねたものはプロテクションモールと呼ばれる。

モールトン・ハイドラガス・サスペンション

ハイドロラスティック・サスペンションにダイヤフラムで仕切られ、窒素ガスを封入したガス室を加えた構造のもの。ハイドロニューマチック・サスペンションの一種。

モックアップ

実物大模型。自動車では室内のスペースや内装を検討するために実物の大きさに作られた室内モデルをいうのが普通。

モデラー

クルマのデザインが進められていく各段階で、クレイモデルをはじめ様々な模型を実際に作る人のこと。自動車メーカーのデザイン部門は通常デザイナー、モデラー、エンジニアで構成されている。モデラーの指示によって作業する人をショップワーカーと呼ぶメーカーもある。

モデルイヤー

欧米で燃費や排出ガス規制などの法規の適用にあたって使用される自動車の製造年度。

モデルチェンジ

すでに市販されている自動車のデザイン、エンジンをはじめとした構成部品、付属品などの仕様の変更を行うことで、その規模によって、全面的な変更を行うフルモデルチェンジ、車体の外板のみを変更するフルスキンチェンジ、仕様の一部を変えてリフレッシュをはかるマイナーチェンジ、ごく部分的な変更のみを行うフェースリフトなどがある。

モデルライフ

自動車のある型式の寿命。通常、クルマの新しいモデルの市販が始ってから、同じモデルでフルチェンジを受けたクルマの市販が始まるまでの期間をいう。

モノコック構造

フレームとボディを一体に作った車体で、現在の乗用車のほとんどがこの形式を採用している。軽量な割に車体剛性を高くすることができ、床面が低いという特徴があるが、エンジンやサスペンションをボディで直接指示するため振動や騒音を低く抑えることが難しい。

モノジェトロニック

ボッシュのシングルポイント・インジェクションの呼称。

モノスパイラルベルト

ラジアルタイヤのベルトで、1本のタイヤコードを周方向に連続して巻き付けた構造のものをいう。実際には製造の都合上、数本を並べて同時に巻き付けられている。一定の角度を持つプライを重ねて作られている通常のベルトに比べ接地部分が柔らかくなるので、ベルトの効果を保ちながら接地面積を増やすことができ、グリップ性能が向上するほか、高速走行時の遠心力による変形もしにくく、超高速走行用タイヤに多く採用されている。

モノチューブ式ショックアブソーバー

単筒ガス式ショックアブソーバーとも呼ばれ、1本の筒の中に、特殊な成分の油を満たしたオイル室と20〜30気圧の高圧窒素ガスを封入したガス室とに分けて自由に動く仕切りを置き、オイル室の中に油の通路と弁を持つピストンを設けて減衰力を生ずるものにしたもの。ツインチューブ式と異なってどんな姿勢でも使用でき、オイルとガスが完全に分離されているのでエアレーションは起こらないが全長が長くなるのが難点。

モノリス触媒コンバーター

排気ガス浄化装置の一つ。多数の穴を持つモノリス担体に、自身は変化しないで他の物質の化学変化を助ける働きをする触媒を付着させ、ステンレス鋼板で作られた円筒状の容器に入れて排気ガスを流し、化学反応を起こさせて有害な成分を少なくする装置。触媒コンバーターにはペレット触媒コンバーターもあるが、これに比較しガスの通りが良いので熱容量が小さく、圧力損失が小さいという利点がある。

モノリス担体

モノリスは一本柱の意味で、三角、四角、六角などの断面形状の穴が蜂の巣状に多数あいた柱状のもの。担体は担うもの、土台の意味。マグネシウム、アルミナの酸化物の混合物で無数の微細な穴を持つコージライトと呼ばれる材料からモノリスを作り、これに触媒を付着させたものをモノリス担体といい、モノリス触媒コンバーターとして用いられる。

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