自動車用語集 | は・ひ・ふ・へ・ほ
は行
パーキングブレーキ |
駐車するときにクルマを止めておくためのブレーキで、足踏み式(フットブレーキ)もあるが手で引くタイプのもの(ハンドブレーキ)が多い。手動式のものはサイドブレーキとも呼ばれるがこれは和製英語。乗用車ではワイヤーによって操作力をインターメディエイト・レバー、イコライザーを経て後輪に伝えるようになっているのが普通。常用ブレーキと別の系で作動し、常用ブレーキが故障した時のサポートシステムとして働くので非常ブレーキと呼ばれることもある。 |
パーコレーション |
キャブレターから吸気マニホールドに余分なガソリンが流れ出ること。キャブレターのフロート室のガソリンが、エンジンルームの温度が異常に上がるなどの原因で沸騰し、吸気マニホールドに流れ出して混合気が濃くなる現象でエンジンストールを起こすこともある。 |
パーシャルスロットル |
ハーフ・スロットルのこと。パーシャルは部分的な、不完全なという意味で、スロットルがパーシャルな状態でというような言い方もある。 |
ハーシュネス |
舗装路のつなぎ目や割れ目などの突起をタイヤが乗り越したときに発生する衝撃音を伴う単発的な振動。ラジアルタイヤで30〜60q/hで走行しているときに特に大きく感じられ、高速走行ではあまり感じられなくなるのが特徴。ハーシュネスには粗いという意味の他に不快な音という意味もある。 |
バースト |
タイヤのカーカスが自身の発熱による強度低下や外傷によって突然破裂すること。発熱によるバーストは空気圧の低下に気付かずスタンディングウェーブが発生したために起こるケースが多い。 |
バーティカルアジャスター |
シートを上下させる機構で、シートクッション全体、あるいは前緑や後ろだけを上下させるものの総称。バーティカルは上下方向の意味に使われる形容詞。 |
パート・スロットル |
ハーフ・スロットルのこと。スロットルバルブの一部分が開いている状態をいう。 |
パートタイム4WD |
四輪駆動車で通常は二輪だけを駆動に使用し、必要な時だけ四輪駆動として使う方式。4WDと2WDの切り替えはセレクターレバーにより直接行うやり方と、エンジンの負圧やアクチュエーターを利用するなどして、スイッチの切り替えによって行うものとがあり、AT車ではATの油圧によって多板クラッチを作動させて切り替えるタイプもある。四輪を駆動する必要のない一般走行で二輪分の駆動をやめて回転抵抗を少なくすることが目的だが、駐車時など大きくステアリング操作をしたときに四つのタイヤの回転速度が変わるためにクルマの動きがギクシャクするブレーキング現象を避けるためにも役立つ。 |
ハードトップ |
皮や布で出来た幌のソフトトップに対して金属や樹脂でできた硬いルーフをハードトップと呼ぶ。屋根が脱着出来るタイプもあるが、普通はセンターピラーの無いクーペをいい、開放感とルーフのある安心感が両立する点が特徴。転覆時の安全性を増すためにセンターピラーを備えたハードトップはピラードハードトップと呼ばれる。 |
ハードトップコンバーチブル |
ハードトップでルーフが取り外せるようになっているもの。 |
パートナー・コンフォートシート |
ニッサンの助手席専用シートの名称。助手席に座る人にとって快適な姿勢を研究し、運転席とは異なった形状・構造にしたもの。 |
バーフィールド型ユニバーサルジョイント |
等速ジョイントの一種で、バーフィールド社で開発されたもの。6個のスチールボールをインナーレースとアウターレースで保持し、ボールの接触点でトルクを伝える構造になっている。FF車ではこのジョイントを車軸の固定されたホイール側に使用し、ファイナル側に車軸が伸縮するスライド式トリポード型ユニバーサルジョイントと組み合わせて使われる例が多い。略してバーフィールドジョイントという。 |
ハーフキャップ |
ホイールの中心部分だけを覆うホイールキャップのこと。 |
ハーフシャフト |
インディペンデントサスペンションのホイールを駆動する車軸で、ファイナルドライブとホイールにそれぞれ等速ジョイントで結ばれる。 |
ハーフスロットル |
アクセルペダルがストロークの半分程度踏まれ、スロットルが半開きになっている状態。パーシャルスロットル、パートスロットル、部分負荷などともいう。 |
ハーフトリム |
ドアの一部がトリムで覆われているもの。フルトリムと対比して用いられる用語。 |
パーマネント型不凍液 |
不凍液の一種で、エチレングリコールに染料と安定剤を加えたもの。エンジンの冷却液に30%程度混入して使われる。 |
バイアスタイヤ |
クロスプライタイヤのこと。バイアスはタイヤの製造工程でプライを斜めに切ることから名付けられたもの。 |
背圧 |
エンジンの排気行程中にピストンにかかる排気ガスの圧力のこと。排気管の曲がりが多かったりマフラーの構造が複雑で排気ガスが流れにくいと背圧が大きく、燃焼ガスが排出されにくくなるためエンジンの出力低下が生じる。 |
ハイウェイ燃費 |
米国環境保護庁がアメリカのハイウェイ走行を想定して定めたモードで走行した時の燃費。 |
ハイオクガソリン |
ハイオクタン・ガソリンの略したいい方で、オクタン価の高いプレミアムガソリンのこと。 |
バイオマス・アルコール |
砂糖きびやイモ類、穀物などを発酵させて作られたエタノールのこと。ブラジルでは主として砂糖きびから作られたエタノールが自動車の燃料として使われており、アメリカでも一部で穀物から作られたエタノールがガソリンに混入されて使用されている。バイオマスはある地域の生物の存在量をいう生態学用語だが、一般にエネルギー源としての生物資源を指す言葉に転用されている。 |
ハイカムシャフト |
OHVエンジンでカムシャフトをシリンダーブロックの比較的高い位置においた形式のもの。プッシュロッドを短くできるので動弁系の剛性が高くなり、OHVエンジンとしては高回転で運転が可能となる。 |
排気温センサー |
サーミスターや熱電対など排気温度の測定のために使われるセンサー。排気ガス浄化装置は触媒によって化学反応がおこり、高温になるのでその温度を監視しておく必要がある。 |
排気ガス再循環装置 |
排気ガス中の窒素酸化物を低減する手段として排気ガスの一部を吸気系に再び戻し、混合気が燃焼するときの最高温度を低くしてノックスの生分量を少なくするもの。吸気管に戻される排気ガス中の量のコントロールは、スロットルバルブ付近の負圧や排気管内の排気圧によって制御されるコントロールバルブによって行われる。 |
排気ガス浄化装置 |
排気管から排出される気体や微粒子に含まれる大気汚染物質を少なくする触媒コンバーター、排気ガス再循環装置、二次空気供給装置などの装置の総称。 |
排気加熱式自動チョーク |
自動的にチョークを作動させる装置の一つ。電熱式自動チョークの電熱の代わりに排気ガスの熱を利用するもの。 |
排気干渉 |
排気ガスはマニホールドで集められるが、各シリンダーから排出されたガスは排気口の開閉によって流れに強弱があるので、集め方が悪いと流れの強いところがぶつかり合ってスムースに流れなくなる現象のこと。 |
排気行程 |
シリンダー内の燃焼ガスを排出する行程で、4サイクルエンジンの場合、排気バルブが開き吸入バルブが閉じた状態でピストンが上がりガスを排出する。 |
排気騒音 |
排気系から発生する騒音で、吸排気バルブの開閉に伴う気流の脈動によって生じる脈動音、マフラー内を排気ガスが高速で流れるときに出来る渦などから発生する気流音、配管内の気柱共鳴音、マフラーやパイプの振動によって表面から放出される放射音、過給機から出る騒音などが含まれる。 |
排気ディバイス |
2ストロークエンジンの排気効率を高めるために排気系に取り付けられている装置(ディバイス)の総称。排気マニホールドの集合部に可変バルブを設け、その開き具合をエンジンの回転数に応じて変えるヤマハエグザップやマニホールドに連結管とサブチャンバーを設けたスズキのSPESなどがその例。 |
排気ブレーキ |
エキゾーストブレーキ、エキゾーストリターダーとも呼ばれ、ディーゼルエンジンに使われている補助ブレーキ。エンジンの排気管の途中に設けられたバルブを閉じると排気行程で排出ガスが出にくくなり、エンジンの回転が妨げられる効果をブレーキとして利用するもの。 |
排気脈動 |
排気孔は排気行程の時だけ開き、他のサイクルのときには閉じているので排気ガスの流れに強弱ができる。これを排気ガスの脈打ち、排気脈動という。各シリンダーから排気ガスがタイミングよく次々と排出され、脈動のサイクルがうまく合うと排気がスムースに行われる。 |
ハイギヤード |
トランスミッションやディファレンシャルギヤの減速比を下げ、トータルギヤレシオを小さくすること。トルクよりもスピードを重視する設定で、燃費を良くするためエンジンの回転をあまり上げなくても済むようにする目的と最高速度を上げる目的に利用される。減速比を大きくすることをローギヤードといい、駆動力を重視するクルマに使われる。 |
排気量 |
ピストンの動きによって排除される気体あるいは液体の容積のことで、レシプロエンジンではシリンダーの直径から算出したピストンクラウンの面積×ストローク×気筒数として計算され、エンジンの大きさの目安となる数値。 |
バイザッハアクスル |
ポルシェ928のリヤに使用されているサスペンションの名称。ロアトレーリングアームの先端が短いリンクとラバーブッシュを介してボディに取り付けられており、ラテラルリンクが前後にわずかに動けるようになっている。パワーオフやブレーキングによってタイヤに後ろ向きの力が加わるとブッシュのコンプライアンスによって全体がトーイン方向に変位し、この動きによってコーナリング中のアクセルオフや制動時のクルマの安定性が高まるもので、リンクの動きをコントロールしてクルマの操縦性安定性を良くするマルチリンクサスペンションの先駆けとなった。 |
排出ガス |
排気管から排出される気体や微粒子をいい、水蒸気と炭酸ガスがほとんどだが他に一酸化炭素、窒素酸化物、炭化水素、鉛酸化物、炭素粒子などが含まれる。排気、排気ガス、エキゾーストガス、エミッションともいう。 |
排出ガス規制 |
自動車が排出する有害なガスを法的に規制するもので、排気管から出るガスや煙などの他にブローバイガスや燃料蒸発ガスも対象となる。世界で最初の排出ガス規制は光化学スモッグが問題となった米国カリフォルニア州における1963年のブローバイガス規制で、1970年に成立したマスキー法が有名。日本では1966年のCO規制に始まり、70年代にマスキー法を規範とした厳しい規制が制定され、毎年のように追加、修正が行われていて今日に至っている。現在では世界中のほとんどの国が排出ガスについて様々な規制を行っている。 |
ハイチルトステアリング |
三菱の可変ステアリングホイールの名称。 |
ハイテンションコード |
テンションは電圧のことで、直訳すれば高電圧電線。イグニッションコイル→ディストリビューター→スパークプラグを結ぶ電線で、約1万ボルトの高電圧が放電しないよう特殊な絶縁がされている。電波雑音を低くするためコードに抵抗が入れてある。 |
ハイトコントロール・システム |
クルマの車高を設定された値に保つ車高調整装置。油圧や空気圧を利用して車高の高低が選択でき、一般舗装路では空気抵抗を小さく、操縦性安定性を良くするために車高を低く、悪路では走破性を良くするために車高を高くできるようにした装置が一般的だが、乗り心地を変えないで荷重や路面条件に関係なく車高を一定に保ち、ヘッドランプの照射位置を安定させる目的でも使用される。車高を検知して自動的に設定値を保つ自動車高調整装置をオートレベラーあるいはセルフレベリング・システムと呼ぶ。 |
ハイトセンサー |
車高を検出するセンサー。音や光などの反射を利用し路面と車体の間の距離を測定する。 |
ハイドラマチック |
GMの自動変速機の名称。 |
ハイドロニューマチック・サスペンション |
ハイドロは水を、ニューマチックは空気を意味し、特殊な水溶液や油によって力の伝達と減衰を行い、空気や窒素ガスをばねとして利用するサスペンションの総称。1953年シトロエンに装備されて以来、同じ原理を利用して各社が様々なサスペンションを開発している。前後の空気圧を変えてばねレートを調整し、操縦性安定性と乗り心地のバランスをとるとか、油圧のコントロールによって車高を調整する、油圧計の連携によってアンチロール、アンチスクォート、アンチダイブなどに利用できるなどの利点があり、装置もコンパクトにできるが、精度の高い部品を長期間にわたって機能を一定に保つ技術が必要。 |
ハイドロブレーキブースター・システム |
トヨタのトラクションコントロール・システムTRCと4輪ABSを一体化したシステムの呼称。 |
ハイドロプレーニング |
水の溜まった路面を高速で走行した時タイヤが水に浮き、クルマのコントロールが出来なくなる現象。水深がトレッドの溝の深さより深い場合、ハイドロプレーニングの発生速度はタイヤの空気圧の平方根に比例して高くなる。アクアプレーニングともいう。 |
ハイドロラスティック・サスペンション |
ハイドロラスティックは水を意味するハイドロと伸縮性のあることを意味するエラスティックを組み合わせて作られた合成語。ラバースプリングに囲まれた深鉢形の小室と、これに似た形でナイロン繊維で補強されたゴム製のダイアフラムで作られた小室をバルブを備えた金属板で仕切り、アルコールと防腐剤を混入した水を満たした構造になっており、ダイアフラムがサスペンションアームにつながれている。アームが上下すると二つの小室の間をダンパーバルブを通って水が往復し、ショックアブソーバーの働きが生じると同時に全体がばねとして働く仕組みになっており、前後輪の水をパイプでつなぐと車体のピッチングを、左右をつなぐトローリングを制御することができる。 |
ハイドロリック・バルブリフター |
カムシャフトのカムに接するバルブリフターで、ハイドロリック・ラッシュアジャスターを備えているもの。 |
ハイドロリック・ラッシュアジャスター |
通常、バルブラッシュアジャスターと呼ばれる。オイルで満たされたシリンダーの中に孔の開いたピストンを設けて、この孔を鋼球で塞いだ構造になっており、スプリングによって一定の状態に保持されている。カムのローブがリフターを押すと系全体がバルブシステムを押すが、このときピストンの周囲にわずかにオイルが流れる。つまりオイルが動いている状態で力が伝わるのでバルブリフターは常にカムに密着して動き、ローブの形を正確にトレースする。ローブが通過して力が除かれるとチェックボールが開いてオイルが補充され、スプリングの力によって系は元の状態に戻る。ハイドロリックは水圧を意味する言葉に使われることが多いが、ここでは油圧を意味する。 |
バイパス |
副道、補助管。液体や気体を送るシステムで補助的に使用される経路。 |
バイパスフィルター |
エンジンオイルを濾過するシステムで、系内を還流する潤滑油の一部分だけを濾過する方式のこと。 |
ハイバックシート |
シートバックとヘッドレストレイントが一体になっているシート。 |
ハイパフォーマンスタイヤ |
パフォーマンスは能力、性能を意味し、タイヤに要求される諸機能のうち、高速走行時の操縦性安定性やウェット路面でのロードホールディングなどに重点を置いて作られたタイヤ。レース、ラリーなどモータースポーツ用タイヤのノウハウを注ぎ込んで開発される。 |
ハイブリッドカー |
ハイブリッドは動植物の雑種の意味で、2種類以上の動力源を組み合わせて動力とする自動車のことをいう。 |
ハイブリッド過給 |
ハイブリッドは混成物を意味し、スーパーチャージャーとしてターボチャージャーとメカニカルスーパーチャージャーを併用すること。高出力を得るためターボチャージャーを大きくするとタイムラグが大きくなり、低回転からの急加速におけるレスポンスが悪くなる。この欠点をメカニカルスーパーチャージャーで補うもの。 |
ハイポイドギヤ |
スパイラルベベルギヤの一種で、ファイナルギヤとして用いられ、リングギヤの回転中心線とこれに噛み合っドライブピニオンの回転中心線をずらしてプロペラシャフト、ひいては車室の床を低くできるようにしたもの。噛み合い率が大きく伝達効率は良いが、歯の幅方向にすべり接触をするので潤滑には専用のディファレンシャルオイルを使う必要がある。縦置きエンジン車のファイナルギヤや4WD車のトランスファーとして広く使われている。 |
ハイポイドギヤオイル |
ハイポイドギヤを潤滑するために開発されたオイルで、ハイポイドギヤの接触面における高い荷重と滑り速度に耐えられるように、高圧でも切れない油膜を作る極圧材を加えたもの。 |
ハイマウント・ストップランプ |
ストップランプを補い、後続車にブレーキングを知らせるためのランプで、クルマの後面の上下方向中心より上に付けられているもの。 |
ハイマチック |
トヨタのフルタイム4WDシステムの名称。センターデフに油圧多板クラッチを使った差動制限装置を組み合わせ、ATの制御用油圧を利用してスロットル開度や車速に応じた油圧変化により作動トルクを自動的に制御するもの。 |
ハイメカツインカム |
トヨタのDOHC4バルブエンジンの名称で、2個の吸気バルブは通常のタイミングベルトで駆動されるカムシャフトで作動するが、2個の排気バルブはこの吸気側カムシャフトに取り付けられたシザースギヤで駆動されるもう一本のカムシャフトによって作動する機構になっている。このメカニズムによってバルブ挟み角が狭くなり、燃焼室が小さくなって常用回転域でのトルクが向上し、燃費が良くなると同時に騒音を低減している。 |
バイメタル |
温度の調節を行うスイッチとして利用される素子で、熱膨張率の異なる2枚の金属を張り合わせたもの。周囲の温度が上がると、2種類の金属のうち熱膨張率の小さい側に曲がる。この現象を利用し、バイメタルの先に接点を設けておけば、あらかじめ設定された温度以上または以下になるとオンあるいはオフするスイッチとして使うことができる。メタルとしては青銅とインバーの組み合わせが最も多く用いられている。 |
ハイリフトカム |
スポーツカーやレーシングカー用のエンジンで、吸排気を効率的に行うためバルブリフトが大きくなるように作られたカムのこと。 |
ハイルーフ |
バンやワゴンなどでルーフを高くしてあるクルマのこと。室内容積が大きくなり荷物が多く積めると同時に車室内での移動がしやすい。 |
パイロット噴射 |
ディーゼル噴射でディーゼルノックを防ぐため、着火遅れの期間に微量の燃料を噴射して着火させ、これを火種にしてわずかな時間をおいて噴射される主噴射の燃焼を確実に行わせるやり方。 |
ハウジング |
機械類を包み込んで保持する外枠や囲み、覆い、ケースなどのことをいう。ロータリーエンジンの本体をなす部品で、レシプロエンジンのシリンダーブロックとシリンダーヘッドに相当するもの。内面がペリトロコイド曲線の形をした筒状のローターハウジングと、これを両面から支える側壁からできている。 |
バウンシング |
路面の凹凸によってクルマ全体が上下にバウンドすること。 |
バウンドストッパー |
サスペンションがいっぱいに圧縮されたときにボディとサスペンションの一部が直接ぶつからないようにするために設けられているゴム製の緩衝材。 |
バウンドストローク |
ホイールが基準値からばねの縮む方向に動くことのできる距離。 |
バキュームサーボブレーキ |
エンジンの吸入負圧を利用し、小さなペダル踏力で大きなブレーキ力が得られるシステム。 |
バキュームスイッチ |
エンジンの制御に使用されるスイッチの一つで、吸気系の負圧を検出し、設定された圧力でスイッチのオン・オフを行うもの。ダイヤフラムとスプリングを利用したものが一般的。 |
バキュームセンサー |
圧力センサーの一種で、ガソリンインジェクションに使用され、インテークマニホールドの負圧を電気的に検出し、エンジンに吸入される空気量を測定するセンサー。例えばシリコンの結晶に応力を加えると電気抵抗が変化する現象を利用し、シリコンチップの片面にダイヤフラムを使ってインテークマニホールドの負圧がかかるようにセットし、電気抵抗の変化によって吸入空気量を知る。 |
白煙 |
ディーゼルエンジンから排出される白い煙で、燃料のHCとその酸化物が主成分。始動時や低温時など燃焼状態が悪い場合に出ることがある。 |
爆発行程 |
膨張行程のこと。一般に爆発という言葉は破壊を伴う現象を指すので、エンジンの燃焼室における燃料と空気の混合ガスの急速な燃焼をいうには適当ではないが、習慣的に使用されている。 |
歯車ポンプ |
ギヤを回して油を圧送する装置。二つのギヤの噛み合い部分に閉じ込められた油の圧力が高くなることを利用するもので、エンジンやAT用のオイルポンプとして広く使われる。 |
バケットシート |
身体を包み込むような形に作られた座席で、一人ずつシートが独立しているセパレートシートの一種。バケットは水などを入れるバケツのこと。乗員のサポート性が良いのでスポーツカーやレーシングカーなど特にコーナリング時にドライバーの体の保持が重視されるタイプのクルマに多く装備されている。 |
ハザードフラッシャー |
非常点滅表示等のこと。ハザードは危険、フラッシャーは点滅信号のこと。路上で緊急停止しているときに、他のクルマとの衝突を避けるため、前後左右の方向指示灯と補助方向指示灯が同時に点滅する装置。 |
はしご型フレーム |
シリンダーヘッド内面にバスタブ形のくぼみを設けて燃焼室とし、吸排気バルブを並べて取り付けた形のもの。平らなクラウンをもつピストンと組み合わせて使われ、他の燃焼室に比較し、シリンダーヘッドの製作は簡単だが吸排気バルブがくぼみの中に入ってしまうので、高速域で体積効率が悪くなるのが難点といわれる。 |
パターンノイズ |
タイヤがころがるとき、トレッドと路面の接触や溝内の空気の圧縮、放出の繰り返しによって起こる騒音の総称。 |
発火点 |
空気中で燃料を加熱した時、自然に燃焼の始まる温度。着火温度または自然発火温度ともいう。ディーゼルエンジンには発火点の低い軽油が適している。 |
パッキン |
気密、水密など気体や液体を密封する働きをするもので、密封部分が固定されず、動くゆとりのあるもの。シールの一種。 |
白金プラグ |
スパークプラグの電極に白金のチップを溶接したもので寿命が長いのが特徴。 |
バックアップランプ |
後退灯。バックアップライト、バックランプ、バックライト、リバーシングランプなどとも呼ばれる。ギヤをバックに入れる同時に点灯し、クルマが後退することを表示するとともに、後方を照明するライト。 |
バックシート |
後ろの座席。 |
バックソナー |
超音波センサーをクルマの後ろにつけて超音波を発射し、反射して帰ってくる往復の時間から後方の障害物との距離を検知し、ブザーやディスプレーによって代替の位置を知らせるもの。クリアランスソナーとも呼ばれる。 |
バックファイヤー |
逆火。膨張行程で混合気の一部が燃え残り、排気後の燃焼室に火種として残っている状態で吸気バルブが開いたとき、新しい混合気に着火し爆音を発して燃焼する現象。吸気マニホールドからキャブレターやエアクリーナーにまで火炎が出てくる場合もある。混合気が薄くなりすぎたり、点火時期が狂ったとき、バルブ機構の故障などが主な原因。 |
バックボーンフレーム |
バックボーンは背骨、英語のチューブラーは管を意味し、先が平らなスコップのような形のフレームで、スコップの先に相当する部分にエンジンを搭載し、柄に当たる部分が管状になっていて自動車の背骨として働く。運転席をフレームの横の低い位置につけることができ、剛性も高い。 |
バックミラー |
後方の状況を確認するための後写鏡の総称で、社外に取り付けられているアウターミラーと室内に付けられているインナーミラーがある。アウターミラーをサイドミラー、インナーミラーをバックミラーという人が多いが、バックミラーは和製英語で、英語ではリヤビューミラーまたはドライビングミラーと呼ばれる。 |
バックミラー視界 |
バックミラーで見ることのできる範囲で、法規によってその最低値が決められている。 |
バックモニター |
後方の障害物を確認するために設けられているテレビカメラ/ディスプレーシステムで、ワンマンカーや後方視野の狭い大型車に付けられることが多い。 |
バックラッシュ |
ギヤの接触面の隙間のこと。歯形の加工誤差や組み立て誤差による摩耗や焼きつきなどの不具合を防ぐために必要だが、大きすぎると歯打音の原因となる。 |
バックランプ |
後退灯。英語では背景の照明や逆光線を意味し、後退灯を指す場合にはバックアップランプという。 |
バックレスト |
シートの背中に当たる部分。 |
バックワード型インペラー |
ターボチャージャーのインペラーブレードが、インペラーの回転方向と逆の方向にわん曲したタイプのもので、現在ほとんどのターボチャージャーがこのタイプを採用している。インペラーに複雑な曲げ応力が働くので強度設計が難しく、特殊な鋳造方法が必要だが、出口空気速度がラジアル形に比較して低く均一で、空気量の少ない低回転でも高い効率で働くのが特徴。 |
パッケージトレー |
グローブボックスの下に設けられている棚のようになっている部分のこと。 |
発光ダイオード |
電子ディスプレーの一種で、通電すると電流を可視光線に変え、光を発するダイオード。P型半導体とN型半導体を一つの結晶の中で接合したPN接合ダイオードの中に、電圧を加えるとN領域の電子とP領域の正孔が結合して、再結合発光といわれる発光をするものがあり、この現象を利用したもの。寿命が長く安価だが、輝度が低く、直射日光下では見えにくいのが欠点。エンジン回転数を棒グラフで示すディジタルタコメーターなどに使用されている。 |
パッシブサスペンション |
アクティブサスペンションと対照的に使われる用語で、アクティブサスペンションが路面の状態に合わせてばねやショックアブソーバーの特性を変化させ、いわば路面に能動的に働きかけるのに対して、一定のばね定数をもつばねと、ある減衰特性をもつダンパーによって路面からの入力を受動的に処理する普通のサスペンションをいう。 |
パッシブセーフティ・システム |
自動車事故が起こった時に乗員の負傷を防ぎ、たとえ負傷してもその度合いを出来るだけ軽くする衝突安全のためのシステム。自動車事故を起こしにくくする予防安全のためのアクティブセーフティ・システムと対照的に使われる用語。パッシブセーフティの直訳は受動的安全性。 |
パッシブレストレイント・システム |
受動式乗員拘束装置。パッシブは受動的な、レストレイントは束縛の意味で、乗員が何も操作しなくても衝突や転倒などの緊急時に乗員を保護し、負傷を最小限にとどめるための装置の総称。現在オートマチックベルトとエアバッグシステムが実用化されている。 |
発進加速性能 |
停止状態から最大加速を行うときのクルマの性能で、一定の距離を走行するのに要する時間であらわす方法と、発進して一定の車速に達するまでの所要時間であらわす方法とがある。 |
パッシングギヤ |
AT車で追越しを行うためアクセルペダルをいっぱいに踏み込んでい段下のギヤに入れること。 |
ハッチバック |
乗用車の後ろについているはね上げ式の扉、あるいはこのような扉をもつクルマをいう。ハッチは床や天井などに作られた出入り口や窓、船の昇降口の扉やふたなどを指す言葉として広く使われている。 |
ハッチバッククーペ |
ハッチバックを備えた2ドア2人乗りの乗用車。 |
バッテリー |
蓄電池。ガソリンエンジンでは12ボルト、大型ディーゼルエンジンでは24ボルトの鉛電池が使われており、使用した電気を補充すれば長期間使用できる。容量は放電電流と放電時間の積を加算したものとしてAh(アンペアアワー)であらわされる。電解液の希硫酸入るいをボロボロにするので要注意。 |
バッテリーあがり |
バッテリーの電圧下がり、電装品が動かなくなったと状態をいう。エンジンが回転していても電装品を多く使用し、オルタネーターの発電量よりも多く電気を使うとバッテリーが上がることがある。消費電力の最も多いのはエアコンで、ヘッドランプがこれに続く。電動ファンやウィンドの熱線も電力消費が多いのでこれらを同時に使うときには注意を要する。 |
バッテリー・クイックチャージャー |
バッテリーの充電を短時間に行う装置で、単にクイックチャージャーと呼ばれるのが普通。急速なバッテリー充電は寿命を短くするので普通の充電も行えるようになっており、エンジンにつないで始動を助けるブースと機能を備えているものが多い。 |
バッテリーチャージャー |
バッテリーの電気を蓄えるための装置。鉛蓄電池は希硫酸の中に二酸化鉛の板と鉛の板を入れたもので、鉛イオン、希硫酸の水素イオンと硫酸イオンの働きによってプラス極からマイナス極に電流が流れて電気が起こるという原理を利用したもの。電気を使用すると両極とも徐々に硫酸鉛に変わって希硫酸の濃度が低下し、電気を起こす力が低くなるが、逆向きの電流を流すと両極が元の鉛と二酸化鉛に戻り、起電力を回復する。充電は化学反応なので電流は反応速度に合わせて少しずつ流すようになっている。 |
パッドウェアインディケーター |
ディスクブレーキのブレーキパッドが摩耗し、使用限度に達していることを知らせる装置。パッドに取り付けられている金属片がディスクに触れて音を出す可聴式と、パッドが摩耗すると電気回路が断線したり短絡して警報を発する電気式とがある。 |
発熱量 |
燃料が完全に燃焼したときに発生する熱量で、理論上、総発熱量と真発熱量とに分けられる。総発熱量は高位発熱量とも呼ばれ、総発熱量から燃料に含まれる水分と、燃焼によって生じた水分を蒸発させるのに必要な熱量を引いたものをいう。エンジンの熱効率をいう場合には低発熱量が使われる。 |
バッフルプレート |
マフラーの中を小室に区切る板で、音波の圧力変動や干渉によって音を小さくする効果を得るもの。バッフルは流れを邪魔するものという意味。 |
パティキュレート |
エンジンから排出されるカーボンスーツ、オイルの燃えかす、燃料などの微粒子のこと。特にディーゼルエンジンの排気中に多く含まれる。 |
パティキュレート・トラップ |
排出ガス中のパティキュレートを除くためのフィルター。 |
パドック |
レース場でレースに参加するクルマが集まり、車両の点検整備や車両検査が行われる場所のこと。馬小屋近くの囲い地や馬場を指す言葉から競馬場の下見所の意味に使用され、これが自動車レース場に転用されたもの。普通はピットの裏側のエリアにあり広いスペースが設けられている。 |
ハニカムサンドイッチ構造 |
芯材に蜂の巣に似た構造のハニカムコアを用いたサンドイッチ構造のこと。 |
ハニカムフィルター |
ディーゼルパティキュレートを捕集するフィルタートラッパーで蜂の巣に似た構造のもの。 |
ハニカムフロア |
ハニカムパネルをクルマのフロアパネルに融着結合した構造のフロア。ハニカムパネルは樹脂を含ませた紙を蜂の巣状に成形積層して作られたペーパーハニカムコアを防錆鋼板でサンドイッチし、接着剤で結合したもの。軽量で防音効果の大きい素材。 |
ハニカム・ルーフライニング |
ハニカム構造の車室天井の内張り。樹脂を含ませた紙を蜂の巣状に成形積層して作られたペーパーハニカムコアを、二枚の多孔質材料でサンドイッチし、表皮材を張り付けた構造のもので、ルーフパネルに圧着して使用され、ルーフの補強と防音の効果が得られる。 |
バニティーミラー |
化粧をするための鏡。サンバイザーやグローブボックスのふたの裏側に取り付けてあることが多い。 |
ばね上重量 |
クルマをサスペンションのばねを境として上下に分けたとき、ばねが負担する重量をばね上重量、車軸に取り付けられている部品の総重量をばね下重量という。ばね上とばね下の両方についている部品はその構造によって重量を比例配分し、加算する。 |
ばねかけ式潤滑方式 |
飛洙式とも呼ばれるエンジンオイルの潤滑方式で、オイルパンに溜まっているオイルをクランクシャフトでかきあげ、その飛洙でエンジンを潤滑するもの。潤滑の効率が悪いので現在は使われなくなった。 |
バネリッチシート |
シートパッドに主としてウレタンフォームを使ったフルフォームシートと対比して使用される用語で、ばねを多く使用したシートのこと。 |
パネル |
羽目板など広い面を持つ板のことで、自動車では外面のアウターパネル、ドア内側のドアパネルなど比較的広い面の板状のものをいう。 |
パネルバン |
荷物室がパネルで覆われ一体になっているバン。 |
バビットメタル |
ハワイとメタルの一種で錫、アンチモン、銅の合金。アメリカのバビットによって発明され、優れた軸受材料としてエンジンベアリングに多く使われている。 |
ハブ |
車軸がはめられている穴の周囲の肉厚になっている部分。ホイールを取り付ける部品をいう。 |
ハブオーナメント |
ホイールのハブに付けられている飾りのこと。 |
ハブキャリア |
ハブを運ぶものという意味で、ハブを取り囲んでこれを保持する部品。 |
パラレル・ステアリング |
アッカーマンステアリングと対比して使われる用語で、クルマが旋回するときのステア角が内輪と外輪で差が無い様にステアリングリンケージを設定したもの。アッカーマンステアリングでは内輪のステア角が外輪のステア角より大きくなるようになっている。 |
バランサー |
リムに組み付けられたタイヤの質量のアンバランス量を測定する機器のこと。クルマにタイヤを付けたままで測定が行えるものをオンザカータイプ、クルマから外して測定するものをオフザカータイプという。 |
バランスウエイト |
質量の釣り合いをとるために使用されるウエイト。クルマには回転部分の質量バランスをとるためクランクシャフト、ブレーキドラム、プロペラシャフトなど多くの部分にバランスウエイトが使用されているが、目につきやすいのはホイールバランスを調整するためにホイールに付けられている重り。鉛を主成分とした合金で作られ、リムフランジに金具で取り付けるタイプと、ホイールに貼り付けるタイプとがある。カウンターウエイトとも呼ばれ、エンジンの振動を防ぐためクランクシャフトのピンとジャーナルの間に1気筒あたり1〜2個取り付けられている重り。コンロッドのビッグエンドの往復と回転の慣性力とのバランスをとるもの。 |
バランスシャフト |
レシプロエンジンに取り付けられ、ピストンやクランクシャフトの往復運動によって発生する慣性力や慣性偶力を消す方向の荷重を発生させるための回転軸。エンジンの気筒数や配列によって1本あるいは2本が使われ、クランクシャフトと同方向または逆方向に同じ速度か2倍の速度で回される。 |
バリアブル・バルブタイミング・システム |
可変バルブタイミング。エンジンの運転状態に応じてバルブタイミングやバルブのリフト量などを変え、適正な出力を得ると同時に広い回転域で吸排気効率を高めて燃費の改善を図るシステム。 |
バリアブル・パワーステアリング |
操舵力が変化する速度感応型パワーステアリングと回転数感応型パワーステアリングを合わせていうもの。 |
バリアブルレシオタイプ・ステアリングギヤ |
ボールナット式ステアリングギヤでセクターギヤの中央部分の歯のピッチを小さく、端の部分の歯のピッチを大きくして、直進時にはステアリングホイールの切れを良くし、駐車するときなどハンドルを大きく切る場合には軽く動くようにしたもの。バリアブルレシオはギヤ比が変えられるという意味。 |
馬力 |
仕事率の単位の一つで英馬力と仏馬力があり、日本では仏馬力が使用される。 |
バルーンタイヤ |
1920年代末に開発され30年代に普及した低い空気圧で使用可能な乗用車用タイヤ。それまで空気入りタイヤは3.5〜4.5s/?の空気圧で使われていたが、構造の改良によって2s/?前後で使用できるようになり、風船のように柔らかく乗り心地の良いタイヤということからこのように呼ばれた。 |
バルクヘッド |
隔壁。狭義にはフロントボディと車室を区切る隔壁をいう。 |
バルジ |
一般に膨らみのことをいい、クルマの表面から局部的に張り出した部分のこと。特にエンジンの突出部分を平らなフードでカバーしきれない場合、一部分が膨らませてある場合に使われる用語。 |
バルジタイプブッシュ |
サスペンションブッシュで内筒の中央部分を膨らませたタイプのもの。 |
パルセーションダンパー |
一般に流体の脈動を抑えるものをいうが、自動車ではガソリンインジェクションでインジェクターから燃料が噴射されることによって配管中に発生する圧力変動を防ぐために付けられるダイヤフラムを指す。 |
ハルテンベルガ式ステアリングリンク装置 |
ステアリングリンケージの一つで、片側のナックルアームにつながったタイロッドをピットマンアームによって動かし、このタイロッドの途中に他の側につながるタイロッドを連結して操舵する方式のもの。 |
バルブ |
弁。機械の部分で、気体や液体の系への出入りをコントロールするものをいうが、自動車ではエンジンの吸排気バルブを指すのが普通。 |
バルブアジャストスクリュー |
バルブクリアランスに調整するためにプッシュロッドやロッカーアームに取り付けられているねじのこと。 |
バルブオーバーラップ |
4サイクルエンジンで排気行程が終わり、吸入行程が始まる上死点付近で、吸気バルブと排気バルブが共に開いている期間のこと。吸排気効率を高めるため吸入バルブを早めに開け、排気バルブを閉じるのを遅くするためで、高速型エンジンほどオーバラップを大きくしてある。 |
バルブ狭角 |
バルブ挟み角ともいい、吸気バルブの軸と排気バルブの軸のなす角度のこと。この角度が大きいとバルブの間が広くなり、バルブの径を大きく、吸排気ポートの曲がりを小さくできるので吸排気効率のよいエンジンが得られる。逆にこの角度を小さくし、燃焼室を浅くコンパクトなものとして圧縮比を高め4バルブにすることによって吸排気効率を良くしたエンジンもある。 |
バルブクリアランス |
タペットクリアランスとも呼ばれ、バルブが閉じられた状態のとき、バルブとこれを動かすロッカーアームなどの先との間に設けられた0.1o〜0.3oの隙間のこと。この隙間がないと、バルブが熱で膨張した時に弁座に密着しなくなるなどの不具合が生じる。同じエンジンでは吸入バルブよりも排気バルブのクリアランスを大きくとるのが普通。油圧を利用してバルブクリアランスの自動調整を行う装置をバルブセロラッシュ機構という。 |
バルブ径 |
バルブヘッドの直径。エンジン吸排気効率を高め、出力を増すには少しでもバルブ径が大きいことが望ましいが、径を大きくすると重量が重くなり、冷却が難しくなるという問題が生じる。 |
バルブコア |
タイヤの中に入っているチューブのバルブやチューブレスタイヤのリムに取り付けられているリムバルブの中に入っている芯。小さなコイルばねがバルブを押して空気をシールする構造となっており、心棒でばねを押し戻して空気の注入、排出を行うようになっている。その形状が虫に似ていることからムシとも呼ばれる。 |
バルブサージング |
サージは波うちを意味し、バルブがカムによる作動とは無関係に激しく動く現象。バルブの時間当たりの開閉回数が、バルブスプリングの固有振動数と同じかその整数倍になった時、スプリングの固有振動とバルブの開閉運動が共振して起こり、ひどい場合には関係する部品が破損する。サージングを防ぐため、固有振動数の異なるスプリングを組み合わせて二重にしたり、不等ピッチの円錐形のスプリングが使われることがある。 |
バルブシート |
弁シートあるいは弁座ともいい、バルブのバルブフェースと密着し、燃焼室の気密を保つ部分。バルブの繰り返し衝突による摩耗を防ぐため、焼結合金で作ってシリンダーヘッドにはめ込まれているのが普通。有鉛ガソリンでは燃焼によって生じた鉛化合物がバルブのあたり面に付着して衝撃を緩和する働きをする。 |
バルブシート・リセッション |
バルブシートが摩耗し、くぼむこと。 |
バルブステムエンド |
バルブステムの先端のこと。 |
バルブステムガイド |
バルブガイド、弁ガイドともいい、バルブステムを保持する管。ガイドとステムの隙間はエンジンオイルで潤滑されるが、オイルが多すぎると燃焼室にまで侵入するので、この量をコントロールするためゴム製のオイルシールがつけられている。 |
バルブスプリング |
吸排気バルブを支えるばねで、一般にコイルスプリングが用いられる。バルブヘッドをバルブシートに密着させて気密を保つのに必要な張力を持ち、かつバルブがカムの形状を忠実にトレースできるしなやかさが要求され、材料にはニッケル鋼やシル・クロム鋼が用いられる。 |
バルブスプリング・リテーナー |
スプリングキャップとも呼ばれ、バルブスプリングをバルブに固定する部品。リテーナーを保持するものの意味。 |
バルブゼロラッシュ機構 |
バルブクリアランスを常にゼロに保つ油圧機構の総称。ラッシュは隙間のことで、バルブクリアランスをなくしてバルブとロッカーアームなどを常に接触させ、隙間の無いようにすること。 |
バルブタイミング |
4サイクルエンジンの吸排気バルブの開閉時期のことで、上死点または下死点からのクランクシャフトの回転角度で示される。一般に吸気バルブはエンジンに入る混合気を、慣性を利用して効率よく吸入するため、上死点前15度前後で開き、下死点後50度前後で閉じる。排気バルブは燃焼ガスを速やかに排出するため、下死点前50度前後で開き、上死点後で閉じる。このバルブタイミングのとり方によってエンジンの性格が大きく変わることになる。 |
バルブタイミング・ダイヤグラム |
バルブタイミングをクランクシャフトの回転角度で図示したもの。吸排気バルブの開閉時期やバルブオーバーラップを知るのに便利。 |
バルブフェース |
吸排気バルブの一部でバルブシートと接し、燃焼室の気密を保つ部分で30度から45度の円錐状に作られている。 |
バルブヘッド |
皿の形をしたバルブの頭の部分のこと。 |
バルブボディ |
自動変速機で油圧を制御するために油路を切り換えたり圧力を調整するためのバルブをおさめた油圧制御装置の本体のこと。 |
バルブラッシュアジャスター |
OHCエンジンでバルブクリアランスを常にゼロに保つ油圧機構。バルブラッシュアジャスターを介して、カムがバルブを直接駆動するダイレクト式、バルブラッシュアジャスターが支点となってロッカーアームによってバルブを動かすピボット式、天秤式のロッカーアームで、カムに接する側にアジャスターがついたロッカーアーム式などがある。 |
バルブリセス |
バルブポケットともいい、ピストンクラウンに設けられているくぼみで、ピストンが上死点でバルブと接触しないように設けられているもの。 |
バルブリフター |
バルブを持ちあげるという意味。カムシャフトのカムに接し、カムシャフトの回転運動をバルブを開閉するための往復運動に変える部品。カムの中心とリフターの中心は少しずらしてセットされ、動くたびにリフターが少しずつ回転して接触部分の偏摩耗を防いでいる。 |
バルブリフト量 |
バルブフェースがバルブシートからどれだけ離れているかを示す量。リフト量が大きいほど吸排気効率が良くなる。 |
バルブローテーター |
エンジンの運転中にバルブフェースとバルブシートの接触がいつも同じ箇所にならないようにバルブを回す装置。バルブスプリングとステムを保持するバルブリテーナーに取り付けられており、主として排気バルブに使用される。 |
バルブロッカーアーム |
ロッカーは揺り動かすという意味。OHCエンジンではカムの回転運動を、OHVエンジンではプッシュロッドの上下運動をバルブの先端に伝え、バルブの開閉を行う部品。アームのほぼ中央付近に配置されているシャフトを支点に天秤のような動きをする中支点タイプと、アームの一端を支点にして上下に動くスイングアーム式があり、スイングアーム式には支点をバルブの内側におく内支点タイプと外側におく外支点タイプがある。 |
バルブロッカーシャフト |
バルブロッカーアームの天秤のような動きの支点となる中空のシャフトで、動弁系への潤滑油の通路としても使用される。 |
晴れパターン |
窓ガラスの一部が水滴や霜などで曇っているときに透明な部分をいい、曇っている箇所を晴れ残し部分という。 |
バレル |
一般には樽のことをいうが、機械の円筒や胴の意味もある。自動車ではキャブレターで燃料を微粒化して空気と混合する円筒系の部品を指し、ミキシングチャンバーとも呼ばれる。混合気の通路が1個のものをシングルバレル・キャブレター、二つに分かれているものをツーバレルと呼ぶ。 |
ハロゲンランプ |
フィラメントにタングステンを用いたランプで不活性ガスに微量のハロゲンを加えたガスが封入されているもの。タングステンとハロゲンの原子または分子が結合、分解するハロゲンサイクルによって、明るくて寿命の長いランプとなっている。 |
パワーアンダーステア |
前輪駆動車で、コーナリング中にアクセルオンによって前輪に大きな駆動力を与えたとき、横滑りが大きくなって舵が効かずアンダーステアとなる現象。 |
パワーウインド |
ドアやコンソールボックスに取り付けられたスイッチにより、モーターで開閉される窓。 |
パワーウエイトレシオ |
車両重量をエンジン出力で割った値で、小さいほど加速性能に優れたクルマといえる。 |
パワーオーバーステア |
後輪駆動や四輪駆動など後輪への駆動力配分の大きいクルマで、コーナリング中にアクセルを開けて後輪により大きな駆動力を与えたとき、横滑りが大きくなってオーバーステアとなる現象。コーナリングテクニックの一つとして使用される。 |
パワーオン/オフ |
音はアクセルペダルを踏んでスロットルバルブを開けることで、オフはアクセルペダルを踏む力を緩めてスロットルバルブを閉じること。 |
パワーシート |
電動式シート。シートの位置をモーターを作動させて調整するもの。 |
パワージェット |
高速走行や登坂時などエンジンに高負荷がかかったときに、大量の燃料を送るシステムで、メインノズルに供給する燃料の量をコントロールする絞りのこと。 |
パワーステアリング |
エンジンによって駆動されるオイルポンプの油圧でステアリングホイールの操作力を軽くする装置の総称。作動原理は、圧力を高めたオイルを操舵系と連動するシリンダーに入れ、ピストンの動きによってハンドルの操作力を軽減するもので、パワーシリンダーに入るオイルの量はコントロールバルブによって調整され、ハンドルの操作を速くするほど多く、ハンドル操作を止めるとオイルの流入も止まる仕組みとなっており、通常のハンドル操作と同じ感覚で運転をすることができる。機能によって車速感応型と回転数感応型に、コントロールバルブやパワーシリンダーの形や配置によってインテグラル型、セミインテグラル型、リンケージ型などに分類される。 |
パワーテイクオフ |
エンジンの動力を走行以外の用途に使うためにトランスミッションやトランスファーに取り付けられている動力取り出し装置のこと。 |
パワードリフト |
FR車で後輪に大きな駆動力をかけクルマをドリフトさせること。 |
パワーホップ |
発進、加速時に急にクラッチをつないだり、急激にアクセルペダルを踏んだ時に発生するホッピングのこと。 |
バン |
箱形の荷物室を備えたトラックの総称。運転室と荷物室が一つになっているものをパネルバン、小型のパネルバンをライトバンあるいはデリバリーバンという。乗用車タイプのバンはコマーシャルバンと呼ばれる。 |
半球型燃焼室 |
シリンダーヘッド内面が球の一部分を切り取った形になっている燃焼室。混合気が一方から入り、燃焼ガスが他方へ出していくクロスフロー構造で、クラウンの平らなピストンと組み合わされているのが普通で、大きな吸排気バルブの取り付けが可能だが、圧縮過流が得にくいので工夫が必要とされる。 |
半クラッチ |
クラッチが軽くつながった状態のことでMT車の発進には常にこれを伴う。摩擦クラッチはすらいホイールにクラッチディスクをプレッシャープレートで押し付ける構造になっているのが普通で、半クラッチ状態ではこれらが互いに滑りながらつながっていることになり、多用すると摩擦による発熱や摩耗によってクラッチディスクが損耗する。 |
バンケルエンジン |
ドイツのバンケルによって実用化されたロータリーエンジンのこと。 |
半隋円板ばね |
弓の形をしたリーフスプリングを細長い隋円形の半分と見てこのように呼ぶもの。さらにその半分、隋円の1/4の形のリーフスプリングは1/4隋円板ばねと呼ばれる。半隋円板ばね2組を隋円形に組み合わせたものは全隋円板ばねと呼ばれるが今日では使われていない。 |
ハンチング |
エンジンのアイドリング中に発生することのあるブルッブルッという振動。アイドル回転が数十回転のオーダーで増減する周期的な振動で、特にディーゼルエンジンで起こりやすい。エンジン回転の自動制御システムでフィードバック調整機能が周期的に変化することが原因。 |
反転掃気 |
2ストロークエンジンの掃気方式の一つ。シリンダー壁に掃気ポートを設け、ここから排気ポートと反対側のシリンダー壁に向かって新気を送って反転させ、燃焼ガスを排出するもの。ループ掃気あるいはシュニーレ式掃気とも呼ばれる。 |
半導体 |
電気を通す導体と、電気を通さない絶縁体の中間の性質をもつもの。シリコンやゲルマニウムの純粋な結晶は温度が低いと電流を通さない絶縁体だが、温度を上げると急に電流が流れやすくなる性質を持っており、このような性質を持つ物質を真正半導体と呼んでいる。この真正半導体に微量のインジウムや砒素を加えたものを不純物半導体といい、不純物の混ぜ方によってP型半導体とN型半導体とがあり、両者を組み合わせてダイオードやトランジスターが作られる。 |
ハンドブレーキ |
手で操作するブレーキ。駐車ブレーキはこのタイプが多い。自動変速機でプラネタリーギヤの回転をコントロールするブレーキ。プラネタリーギヤの入ったドラムに沿って帯を巻き付け、アクチュエーターでバンドの内側に張る付けてある摩擦材をドラムに押しつけてブレーキをかけるようになっている。ハンドブレーキの一種で、駆動系の一部に付けられているドラムの回りにブレーキをかけるバンドを巻き付けた構造のもの。 |
ハンドリング |
英語で操縦の意味もあるが、自動車用語としてはコーナリング中のクルマの操縦のしやすさをいう。 |
ハンドル |
一般に手で持って動かす柄や取っ手などのことだが、自動車ではステアリングホイールを指すのが普通。 |
バンパー |
クルマの前後に取り付けられた衝撃緩和装置。素材としてかつてはスチールにメッキを施したものが多かったが、現在は軽量で衝撃吸収性能や復元力に優れたポリウレタンやポリプロピレンなどの合成樹脂が、デザインの自由度が大きいこともあって多く使われている。 |
バンパーエクステンション |
バンパーの下に補助的に付けられているバンパーのこと。 |
バンパー・トゥ・バンパーライン |
クルマの側面、ウエストラインをフロントバンパーからリヤバンパーまでプロテクションモールやボディラインの真っすぐな線で結び、ボディを長く、スマートに見せるもの。 |
ハンプ |
深底リムで、タイヤのビードベースがリムのビードシートから外れにくくするために、ビードシートに設けられているかまぼこ形の突起のこと。 |
バンプストッパー |
ゴムや発泡ウレタン製の衝撃吸収材。サスペンションが可動範囲の限界に近くたわんだときに働き、ホイールからの衝撃がボディに直接に伝わらないようにするもの。マクファーソンストラット式サスペンションではショックアブソーバーのロッドの上端に付けられるほか、サスペンションアームやリーフスプリングなどにも取り付けられている。 |
ひ行
ピーキー |
エンジンから発生するトルクが回転数の狭い範囲で特に大きいこと。エンジンの回転数と軸トルクの関係を示す性能曲線が山形のピークを持ち、その回転数付近では大きなトルクが得られるが、この範囲から外れた領域ではトルクの落ち込みが大きいこという。一般にエンジンの主力を限界まで高めるとトルクカーブはピーキーになる傾向がある。逆に顕著なピークの内トルクカーブをフラットと表現する。 |
ヒーター |
暖房装置。乗用車の室内を温める装置には水冷エンジン車のほとんどが採用している温水式ヒーターと、空冷エンジンに多く排気ガスの熱を利用する排気式ヒーターがある。温水式ヒーターはエンジンの冷却水を還流して熱源とし、小さなラジエターにブロワで空気を送って暖気を得る。 |
ヒーターコントロール |
室内に還流する空気の温度の設定、外気の導入、吹き出し口、風量の切り替えなどを操作する装置。空調装置とワイヤーケーブルで結んで直接操作するものが多かったが、プッシュボタンとマイコンでサーボモーターを動かすものに変わりつつある。 |
ビード |
タイヤをリムに固定する部分の名称。ゴムでくるんだスチールワイヤーを束ねたものと、この部分を補強するゴムから出来ている。ビード部分の内径は締めしろとしてリムの外径よりやや小さく作られており、空気を充填するとき空気圧によって嵌合するようになっている。 |
ヒートインシュレーター |
熱を絶縁するもの。主としてエキゾーストパイプやマフラー、触媒コンバーターといった排気系から出る熱が、フロア、燃料タンク、燃料系やブレーキ系のパイプなどに伝わらないようにするために設けられるものをいい、金属板で出来るのが普通だが断熱材が使われることもある。 |
ビート音 |
高速道路など滑らかな路面を70〜110q/hで走行中に感じられることのある周波数60〜120Hzで毎秒2〜4回聞こえるうなり音。タイヤの不均一性が原因となって発生する振動の高次成分と、エンジンから発生する振動の振動数が近いとき、双方の音が干渉して起こるもの。ビートは繰り返したたくこと。 |
ヒートコントロールバルブ |
始動直後のエンジンに吸入される混合気を暖めて気化を促進する吸気加熱装置に付けられているバルブで、インテークマニホールドをエキゾーストマニホールドと組み合わせて、気温の低い状態では排気ガスによってインテークマニホールドを暖め、温度が上がると自動的にこのバルブが働いて過熱を止めるもの。 |
ビードシート |
タイヤのビードベースが密着するリムの部分。周方向にずれないように、ローレット加工が施されているリムもある。 |
ヒートダム |
ピストンに入れられているスロットや突起で、ピストンの熱の流れを制限し、ピストンの変形を少なくするために設けられているもの。 |
ビーム |
光線、光束。ヘッドランプには対向車の無い道路を走行するときに使用する走行ビームと、対向車があるときや市街地を走行するときに使うすれ違いビームが備えられている。細長い形のもので、いくつかの点で支えられ、曲げの力が働く部材。 |
ヒールアンドトー |
右足の爪先でブレーキを踏みながらかかとを出アクセル操作を行うこと。ダブルクラッチでシフトダウンを行うときに使用されるテクニック。 |
ピエゾTEMS |
トヨタの電子制御サスペンションTEMSのセンサーとアクチュエーターにピエゾ素子を用いたシステム。高周波の路面入力に対応して減衰力の高速切り替えを行うショックアブソーバーに応答性の速いピエゾ素子を使用し、通常走行ではハードな減衰力で操縦性安定性の良いサスペンションを必要な時にソフトな減衰力にし乗り心地を向上させるもの。 |
非回転式ステアリングホイールスイッチ |
84年のセドリック/グロリアに採用されているスイッチシステムで、ステアリングホイールにホーンパッドを固定し、自動速度制限装置やラジオ関係のスイッチを取り付け、信号の伝達に光信号システムを利用したもの。 |
光通信 |
通常、電線によって伝えられる電気信号を光ファイバーを使って伝送するシステム。電気信号は発光素子により光信号に変えられて光ファイバーによって伝えられ、受光素子で電気信号に戻される。電子機器の増加によって自動車のワイヤーハーネスは長く、錯綜したものとなる一方という状況の中で、銅線に比較して軽量で送信量が多く、電磁波の影響を受けないという利点に加え、強靭な上に振動や水の影響を受けないという特徴を持ち、徐々に普及しつつある。 |
光ファイバー |
光通信に使われるプラスチックやガラスで作られた繊維で、光の屈折率の高いコアとこれを囲む屈折率の低いクラッドから出来ており、光はコアとクラッドの境界面で全反射しながらほとんど減衰することなく伝えられる。 |
ひきずりトルク |
駆動系の回転抵抗のことで、負荷がかかっていない状態の駆動系を回転させるのに必要なトルク。トランスミッションやディファレンシャルギヤの噛み合い損失、ベアリングの摩耗損失やブレーキの引きずりによって発生する抵抗、ホイールベアリングの回転抵抗などが含まれる。 |
比重 |
標準大気圧で4℃の水の単位体積当たりの重さを1とし、他の液体や固体の単位体積当たりの重さの比を求めたもの。 |
非常ブレーキ |
常用ブレーキが故障した時にも働くブレーキで、乗用車では駐車ブレーキが非常ブレーキとして使われるのが普通。 |
ビスカスLSD |
ビスカスカップリングを使った差動制限装置で回転数感応式LSDの代表的なもの。ビスカスカップリングは両側のシャフトの回転速度に差が出来ると、シリコンオイルの粘性によって作動回転数に応じた伝達トルクが発生するので、このトルクを利用し、ディファレンシャルギヤと組み合わせて差動制限装置として利用するもの。 |
ビスカスカップリング |
粘度の高いシリコンオイルのせん断を利用してトルクを伝える装置。円筒状のハウジングの中に、丸い孔を開けたアウタープレートとスリットの刻まれたインナープレートと名付けられた薄いドーナツ状の円盤をわずかな隙間を設けて交互に重ね入れ、中心にインナーシャフトを通した構造になっている。円盤は一枚おきにスプラインによってそれぞれのハウジングとインナーシャフトにつながれ、中は粘度の高いシリコンオイルで満たされており、ハウジングとインナーシャフトの回転速度に差が出来ると、円盤の間のシリコンオイルの粘性によって差動回転数に応じた伝達トルクが発生する。この現象が動力伝達装置、差動装置及び差動制限装置として利用される。 |
ビスカスカップリング・ユニット |
ビスカスカップリングを使った装置。 |
ビスカス・トランスミッション |
ビスカスカップリングを動力伝達装置として使った場合の呼称。ビスカスカップリングを一種のトランスミッションとみなしたもの。 |
ヒステリシス・ロス |
固体に繰り返し荷重を加えるときの荷重と変形の関係や、磁性体の磁化の強さと磁場の強さの関係をグラフにすると、いずれの場合も同じ曲線上を往復しないでループを描く。この現象によって失われるエネルギーの損失をヒステリシス・ロスと呼ぶ。失われたエネルギーは熱となる。 |
ピストン |
エンジンやポンプのシリンダーの中を往復し、シリンダー内の流体の圧力を受けて力として外に伝え、逆に加えられた力を流体の圧力に変える働きをするもの。自動車でピストンといえばエンジンのピストンを指すのが普通だが、ピストンはブレーキ系など多くの部品にも使われている。エンジンのピストンは混合気の爆発力をコンロッドを介してクランクシャフトに伝え動力を生み出すもととして働く。爆発による高圧と高温にさらされつつ往復運動をするので強くて軽いアルミ合金が多く使用され、ピストンリングを保持する2〜5本の溝が設けられている。 |
ピストンクラウン |
レシプロエンジンのピストンの上端、燃焼室に向かう面のこと。 |
ピストンスカート |
レシプロエンジンのピストンの側面下部、すその部分。 |
ピストン隙間 |
ピストンとシリンダーの最小の隙間。隙間が小さいほどピストンは安定して動くが、熱膨張による焼き付きが起こりやすくなる。 |
ピストンスピード |
ピストンがシリンダー内を動く速さ。ピストンは往復運動をしており、上死点と下死点で止まり、中央で最高速度になっているのでピストンスピードはシリンダー内の平均ピストン速度、またはある位置における瞬間ピストン速度で示される。 |
ピストン打音 |
ピストンスラップ、ピストンサイドノックとも呼ばれ、ピストンが上死点付近で運動方向を変えるとき首を振るように動き、シリンダー壁に当たって出す音。主としてピストンとシリンダーの間のクリアランスが大きいときに発生する。 |
ピストンバルブ吸気 |
2サイクルエンジンで上下運動を行うピストンを吸気バルブとして利用する方式。ピストンが掃気、圧縮行程によって上昇し、クランク室が負圧になると同時にピストンスカートが吸気ポートを開いて吸気が行われる。構造も簡単で効率のよい吸気方式だが、ポートの開閉のタイミングを高回転に合わせると低回転で吹き返しが起こりやすいなどポートタイミングの設定が難しく、70年代前半まではスポーツモデルに多く用いられたが今日ではあまり見られなくなった。 |
ピストンピン |
ピストンの中にあってピストンとコネクティングロッドのスモールエンドつなぐピン。結合の仕方にピンをピンボスに固定し、コンロッドにブッシュを入れて回すロックタイプ、コンロッドをピンに固定し、ピンをピンボスの中で回すセミフリーティングタイプがある。 |
ピストンピンボス |
レシプロエンジンのピストンの中央にあって、コンロッドのスモールエンドとピストンを結合するピンの入る穴。 |
ピストン焼き付き |
シリンダー内壁とピストンの間を潤滑するオイルの膜がなくなってシリンダーとピストンが直接擦れあい、ピストンが溶けてシリンダーに焼き付いてしまうこと。油膜が切れる原因としてはいろいろなケースがあるが、オーバーヒートしてオイルの粘度が下がってしまったり、許容回転数以上にエンジンを回して油膜が出来なかったなどが考えられる。 |
ピストン・リードバルブ方式 |
2サイクルエンジンの吸入機構で、ピストンバルブとリードバルブを併用した方式。 |
ピストンリング |
レシプロエンジンのピストンの溝に鉢巻のように取り付けられる輪。ピストンがシリンダー内を気密を保ちながら滑り動くように、鋳鉄または鋼製のリングの一部を切り取った形をしており、適度の弾性を持たせてある。燃焼ガスの洩れを防ぐコンプレッションリングとシリンダー内壁とピストンの間を潤滑するオイル料をコントロールするオイルリングがある。 |
非線形スプリング |
ばねに荷重を加えたときの力とたわみの関係をグラフに描いた際に、グラフが直線になるものを線形スプリングといい、直線とならないものを非線形スプリングという。乗り心地を良くするため荷重の小さい範囲でばねをたわみやすくし、荷重が増えたときにはばねを固くして車高の変化が少なくなるようにしたものが普通である。 |
非対称タイヤ |
トレッドパターンがタイヤの中心線に対して対称になっていないタイヤ。一般タイヤのトレッドパターンも意匠やパターンノイズなどの関係から対称にないないものが多いので、クルマへの装着の仕方を特定する必要がある場合にいう。走行中のアライメント変化によってトレッドの接地部分が変化することを利用し、タイヤの駆動・制動性能と旋回性能をともに高める目的で採用されることが多い。回転方向を一定にする必要のあるタイヤはユニディレクショナルパターンのタイヤと呼ばれる。 |
左足ブレーキ |
ドライビングテクニックの一つで、右足でアクセル操作をしながら左足でブレーキを踏むもの。AT車の坂道発進によく使われるが、MT車でもコーナーの直前やコーナリング中にブレーキングによって前輪荷重を増やし、クルマの姿勢を変えるきっかけをつくるテクニックとして使われ、エンジンの回転を出来るだけ高く保ち、スピードを維持しながらのコーナリングが可能である。 |
ビッカース硬さ試験 |
金属の硬さを調べる試験方法の一つ。ビッカース硬さは、ダイヤモンドで作られた四角錐の先端をサンプルに押しつけ、表面に出来たくぼみの対角線の長さを計って面積を求め、加えられた荷重を面積で割って得られる。 |
ピックアップ |
荷台の覆いがなく、サイドパネルが運転台と一体に作られている小型のトラック。運転室内のシートが1列のものをシングルピック、2列のものをダブルピックと呼ぶ。 |
ビッグエンド |
大端部。コネクティングロッドのクランクシャフトに取り付けられる部分のこと。 |
ピッチ音 |
タイヤのパターンノイズのうち、ある基本となる図柄の繰り返しによって発生し、走行速度によって変化する特定の周波数の音圧が大きい音。ピッチには様々な意味があるが、機械では同じ形のものが連続して並んでいるとき、その繰り返しの間隔をいう。 |
ピッチバリエーション |
タイヤのトレッドから発生するパターンノイズのうちピッチ音を小さくする手法の一つ。トレッドのパターンは基本となる図柄の繰り返しによって出来ているが、配列が一定だと走行速度によって変化する特定の周波数の音を発し耳障りなので、繰り返しの間隔を2〜5段階に変え、周波数を分散してホワイトノイズに近づけるもの。 |
ピッチング |
突起を乗り越したときや急ブレーキング時などのクルマの前後の上下運動は、自動車の重心を左右に貫く直線を考えると、この軸の回りの回転運動。船のゆれをあらわす言葉を流用したもの。制動時のピッチングは自動車の先が下がる現象として特にノーズダイブと呼ぶ。 |
ピット |
くぼみや穴を指す言葉で、自動車用語としては、自動車のフロアより下の部分の点検や整備を行うためにガレージに設けられている長方形の穴。自動車レースの行われるコースの脇に設けられ、クルマの整備や給油が行われる場所。 |
ピットマンアーム |
舵取り装置でセクターギヤのシャフトにセレーションを利用して取り付けられ、リンク装置を動かすアーム。 |
ピトー静圧管 |
一様な流れの中に物体を置くと、流れは物体の前でせき止められて上下左右に分かれ、先端に速度ゼロの点が出来る。 |
火花点火 |
エンジンで圧縮された混合気にスパークプラグの放電による火花で点火すること。圧縮点火に対して使われる用語。 |
ピボット |
旋回支軸、せん軸、枢軸などと訳されており、サスペンションアームの先端に取り付けられて自由に回転するジョイントの部分や、ドアの蝶番のように軸の回りに回転できるようになっている部分のこと。 |
ピボットビーム式サスペンション |
トーションビーム式サスペンションの一形式で、クロスビームとトレーリングアームを鋼板でコの字形に一体に作り、コの縦線部分を車体に取り付け、二本の棒の先にタイヤを取り付けたような構造のもの。ビームが車体にピボットの形で付けられていることから命名された。 |
標準合わせガラス |
厚さ0.38oの中間膜を持つ標準的な合わせガラス。 |
表面処理鋼板 |
表面に金属メッキやプラスチックの被覆を行って塗装性、耐腐食性などを良くした鋼板の総称。車体の錆を防ぐ亜鉛メッキ鋼板、排出ガスによる腐食を防止するアルミニウムメッキ鋼板、燃料タンク内部の錆を防ぐターンメッキ鋼板などがある。 |
表面着火 |
燃焼室のホットスポットが火種になってスパークプラグによる点火の前に混合気の燃焼が始まること。 |
ピラー |
支柱のことで、ルーフを支え、クルマの強度の一部を担っている。クルマを横から見て前から順にフロントピラー、センターピラー、リヤピラーと呼ぶ。リヤピラーはクォーターピラーとも呼ばれることがある。ハードトップでは視界を良くし、開放感を得るためセンターピラーが除かれているものもある。 |
ピラーアンテナ |
フロントピラーに取り付けられているアンテナで、ピラーの外側に付けるタイプと中に埋め込んで使用するときに引き出すタイプとがある。 |
ピラードハードトップ |
センターピラーを備えたハードトップのこと。 |
平歯車 |
最も普通に見られる歯車で、軸に平行に歯が切ってあり、平行した2本の軸の間で回転運動を伝えるもの。 |
平物ドアトリム |
ドアトリムで、ハードボードなどの基材にパッドと塩化ビニールのシートやファブリック、カーペットなどを貼り、アームレスト、ポケット、オーナメントなどを取り付けた構造のもの。 |
ビルトアップ・クランクシャフト |
コンポーネントを別に作り、これを組み立てて作られるクランクシャフト。単気筒や2気筒エンジンに多い。 |
ビルトイン・ディスクブレーキ |
常用のディスクブレーキと駐車ブレーキを一体にしたもの。キャリパーのピストンを常用ブレーキとして使うときには油圧装置によって、駐車ブレーキとして使う場合には機械的に作動させるもので、小型の乗用車に使用されている。 |
広幅平底リム |
リムの形状の一つで、トラック・バス用として使われる。片側のリムフランジが取り外せるようになっており、このフランジをサイドリングという。 |
ピロボール |
ジョイントの一種。中央に軸を通すための穴をあけた球をこれより大きな球状の環にはめ、間にプラスチックのライナーを入れて遊びをなくすと同時に滑らかに動くように作られたもの。ステアリング系のジョイントとして多く用いられる。 |
ピンギング |
ノッキングこと。弾丸が当たった時のピシッという音や卓上ベルを鳴らしたときのチンという音を指す。 |
ヒンジ |
蝶番。ドアやボンネットに取り付けられ、蝶番の働きをするもの。 |
ビンテージカー |
イギリスのクラシックカーで、ヨーロッパ経済が繁栄した1918年から1931年の間に作られたものをいう。ビンテージはある年の収穫から採れるワインのことで、特に当たり年の年号を記入して販売されるものをビンテージワインということから転用されたもの。 |
ピントルノイズ |
副室式ディーゼルエンジンに使用されている噴射ノズルの一種で、ノズルの先端の孔にピントルをはめ込み、その隙間から燃料を噴出するもの。 |
ふ行
ファーストアイドル・カム |
ファーストアイドル機構を構成する部品の一つで、カムはスロットルレバーと接触しており、自動チョークでエンジンの暖機が進み、チョークバルブが開いた状態でスロットルレバーを踏みこむと、カムが外れてファーストアイドルが解除されるようになっている。水温が上がっているのに高回転でアイドリングが続いているときに、アクセルペダルをあおると通常のアイドリング状態になるのはこのため。 |
ファーストアイドル機構 |
始動したばかりのエンジンで暖機を速くするためアイドリングの回転数を高めるメカニズム。キャブレターエンジンではチョークバルブが閉じた状態でスロットルバルブを少し開き、EFIエンジンではスロットルバルブをバイパスする空気の量を増やす。 |
ファーストクロスメンバー |
ボディの最先端株にあって左右のフードリッジパネルとラジエターサポートパネルを連結する部材。 |
ファーストバック |
ファーストは速いことを意味し、ルーフからリヤエンドにかけて速さを印象付けるなだらかな曲線を持つスタイルをいい、リヤウインドとトランクの間に段のあるノッチバックと対照的に用いられる用語。空力的に有利な形状であり、スポーティーなクルマに多く見られる。 |
ファーストバッククーペ |
クーペのうち、ルーフからリヤエンドにかけてのラインがなだらかで、いかにも速いイメージを与えるスタイリングのクルマをいう。 |
ファイナルギヤ |
FR車ではプロペラシャフトからの、FF車やRR車ではトランスミッションからの動力を最終的に減速し、トルクを増やしてアクスルシャフトに伝えるギヤで、ディファレンシャルギヤと一体になっており、ギヤ比は4対1前後で、駆動力が重視される実用車では減速比を大きく、スポーツカーなどスピードを重視するクルマでは減速比を小さくしてある。歯車としてはベベルギヤ、ヘリカルギヤ、ハイポイドギヤなどが用いられる。 |
ファイナルドライブ |
終減速機、最終減速装置とも呼ばれる。トランスミッションからの動力を減速して、駆動軸に伝えるファイナルドライブと、これを左右のホイールに振り分けるディファレンシャルギヤと合わせた装置のこと。 |
ファイブドア車 |
ハッチバック車ではクルマの後ろ全体が開閉できるようになっており、これをドアの一つとして4ドアのハッチバックを5ドア車、2ドアのハッチバックを3ドア車という。 |
ファイブバルブエンジン |
1気筒あたり5個のバルブを持つエンジン。四輪では初めて実用化されたのはヤマハがコスワースとF2用として共同開発したV8、40バルブエンジンで、1気筒あたり吸気バルブ3個、排気バルブ2個、計5個のバルブが点火プラグの回りに梅の花の形に配されている。 |
ファイブリンク式サスペンション |
リンク式リジッドアクスルサスペンションの一種で、フォーリンク式サスペンションの4本のリンクを車体の前後方向にほぼ平行に配置し、横方向の位置決めをラテラルロッドやワットリンクによって行うタイプのもの。 |
ファインセラミックス |
セラミックスのうちとくに精製された材料を用いて精密に作られたものをいい、ターボチャージャーのように高温で強い性質を利用した構造用セラミックスと、サーミスター温度計のように電磁気的な特性を利用した機能性セラミックスとがある。 |
ファジー制御 |
一般にシステムの制御は、系の状態をいくつかの物理現象に分けてそれぞれを数値化し、これらの値を理論的な根拠を持って作られた演算式に入れて計算を行い、その結果によってコントロールを行うという手順がとられる。ファジー理論は暖かいと暑いとの境目や、少しとかゆっくりとか言った数値で表しにくい、あいまいな物理現象を、ファジールールという判断基準とメンバーシップ関数と名付けられた演算式によって数値化する手法を体系化したもので、この理論を系のコントロールに用いるものをファジー制御という。通常のシステムの制御と比較してコンピューターのプログラムが膨大なものとなるので、ソフトの開発が重要なポイントの一つとなっている。1965年カリフォルニア大学のサデー教授によって集合論の拡張として提唱された理論を、主として日本の産業界が中心となって実用化したもので、現在では工学分野だけでなく社会科学分野にまで応用範囲が広がっており、今後は自動車の世界にもその応用が進むと思われる。 |
負圧 |
マイナスの圧力ということで、流体の圧力が周囲よりも低い状態のこと。 |
ファン |
回転する羽根車によって気体を送る装置で、ラジエターファンがその代表的なもの。 |
ファンカップリング |
カップリングは継手のことで、冷却ファンとこれを駆動するプーリーの間に設けられ、中にシリコンオイルが満たされている部品。ファン騒音を低減するためファンの回転速度を制限するもので、プーリーがゆっくり回転しているとファンも同じ速度で回るが、回転速度が上がるとファンの風切り抵抗によってシリコンオイルが空回りするという現象を利用するもの。温度によってシリコンオイルの量を変え、ファンの回転速度を制御するものもある。 |
ファンシュラウド |
ファンの冷却効率を良くするため、ラジエターに取り付けられている導風のための覆い。 |
ファン騒音 |
冷却ファンから発生する騒音で、羽根の風切り音が大部分を占める。ファンをエンジンの回転と直結して回すと高回転時の騒音が大きくなるので、ファンカップリングによって最高回転数を制限する。 |
ファンネル型燃焼室 |
ファンネルは漏斗のことで、漏斗を伏せた形の燃焼室。81年にホンダシティに搭載されたコンバックスエンジンに採用された。 |
ファンベルト |
冷却ファンを駆動するためのベルトで、Vベルトが使われることが多い。 |
フィードバック制御 |
ある系において生じた結果として目標値を比較し、両者の差をなくすように結果をもたらした原因を調節すること。エンジンの排気ガス中の酸素濃度をO?センサーによって測定し、燃料の量をコントロールして混合気を理論空燃比に保つシステムや、ホイールの回転状態を調べてブレーキの油圧をコントロールするABSなどがその例。 |
フィーリング評価 |
自動車の操縦性安定性をドライバーの感覚や感性によって評定すること。試験機器による計測によって物理的にあわなせない微妙な差異をドライバーが判断し、対象となる特性の善し悪しやその程度を判定する手段として利用される。 |
フィラーキャップ |
給油口の栓のことをいうのが普通だが、ラジエターやオイルタンクなど容器のふたのことを指す場合もある。 |
フィルター |
濾過器。液体や気体に含まれる異物を除く装置の総称で、ストレーナー、セパレーターとも呼ばれ、濾材を利用して濾過する装置が最も一般的だが、遠心力を利用するものや磁石を使って金属を除くものなどもある。自動車の部品としてはエンジンに吸入される空気を綺麗にするエアクリーナー、エンジンオイルからごみを除くオイルストレーナー、燃料を濾過するフューエルストレーナーなどがある。 |
フィルターエレメント |
フィルターの中にあって異物を除くもの。気体を通す乾式フィルターでは紙や微小な穴を持つ合成繊維などが、液体を濾過する湿式フィルターではワイヤーメッシュやスチールウールが使用される。 |
フィルタートラッパー |
ディーゼルパティキュレートを捕集する装置の一種。多孔質の隔壁によって多数の小室に区切られた筒の中に排出ガスを流し、隣り合う小室の入り口と出口を交互に封じて隔壁の中をガスが通過する際にパティキュレートを捕捉するようにしたもの。ハニカム構造になっていることからハニカムフィルター、隔壁を利用することからウォールフロータイプ・フィルターとも呼ばれる。 |
ブースターケーブル |
バッテリー上がりによってエンジンが始動できず、他のクルマから電気をもらう場合に使用される電線。電極はそれぞれプラスとマイナス同士をつなぐ。 |
フード |
クルマの前部のエンジンルームまたはトランクルームの覆い。 |
風洞実験 |
室内に空気の流れを作り、この気流の可視化により物体のまわりの空気の流れ方を見たり、風速の分布や表面の圧力分布を調べて空力特性を向上させるために行う実験。風洞実験装置は自動車メーカーに不可欠の設備。レーシングカーのボディ形状やシャシーの開発は風洞実験を中心に進められる。 |
フードヒンジ |
フードを開閉するためのヒンジ。ヒンジの回転中心が固定されているワンポイントヒンジと、ヒンジがリンクで出来ているリンク式ヒンジの2種類があり、フードの大きい乗用車にはリンク式が採用されている例が多い。 |
フードリッジパネル |
タイヤハウスとエンジンルームを仕切る隔壁で、フロントサイドメンバーとともにサスペンションを支え、車体剛性を確保する働きもする。 |
フードロック |
フードをボディに固定する機構。スプリングを内蔵しており、車室内のレバーを操作してロックを解除するとフードの先端が2〜3p上がり、フードを開けるにはこの隙間に指を入れてレバーを操作する仕組みになっているのが普通。 |
フールプルーフ |
どんな人でも間違えないようにしてあること。正しい方向以外には動かないとか使い方を間違うと作動しないなど、装置の誤った使い方に対応する機能。 |
フェイスリフト |
自動車のモデルの小規模な手直しのこと。 |
フェード現象 |
光、音、力などが次第に小さくなっていくことをいい、映画やテレビの画面転換に使われる言葉と同じ意味。自動車では長く続く下り坂でブレーキを頻繁に使ったときなどに、ブレーキの摩擦面の温度が高くなって摩擦力が低下し、効きが悪くなってくる現象をいう。 |
フェールセーフ |
装置やシステムが故障したり誤った作動をした場合安全側に働くようにしてあること。異常があった時の自動停止機能をいう場合もある。 |
フェンダー |
泥よけのこと。クラシックカーで自転車の泥よけのように独立してタイヤを覆っているフェンダーをサイクルフェンダーという。一般にフェンダーといえば前輪を覆うフロントフェンダーを指し、後輪を覆うものはリヤフェンダーといって区別する。 |
フェンダーエプロン |
フェンダーの内側にあってホイールとエンジンルームを仕切る部分。泥よけとしての働きと同時にサスペンションからの力も支え、多くの部品が取り付けられえる。 |
フェンダーミラー |
バックミラーで左右のフロントフェンダーに取り付けられているもの。ドライバーから遠い位置にあるので、平面鏡では視野が狭くなるため、凸面鏡になっていて距離感が得にくい。デザイン的にもフェンダーのスマートなラインを損ねることもあって、乗用車では次第に少なくなってきている。 |
フォアラウフ配置 |
ドイツ語で、クルマの前輪を横から見たとき、タイヤ中心がキングピン軸の中心線より前に来るようなキングピン軸の配置をいう。一般にキャスター角が大きく、トレールの小さい前軸に見られる。 |
フォーサイクルエンジン |
サイクルは循環を意味し、ピストンの一方向への1回の動きのことで、ピストンの2往復、4回の動きによって混合気あるいは空気の吸入、その圧縮、混合気の燃焼、燃焼ガスの排気の行程が循環して行われるエンジンのこと。各行程はピストンによって回されるクランクシャフトの2回転ごとに1回起こることになる。 |
フォースバリエーション |
タイヤを転がしたとき接地面に発生する力の変動のこと。タイヤはゴムと繊維の複合材料から出来ており、トレッドゴムの厚さのばらつきや、カーカスを構成するプライの向きの歪み、つなぎ目があることによって車軸と路面の間の距離を一定に保った場合、車軸は数sから数十sの力の変化を受け、振動や騒音の原因となることがある。力の方向を上下左右と分けて考え、半径方向の力の変動をラジアル・フォースバリエーション、横方向の変動をラテラル・フォースバリエーション、前後方向の変動をトラクティブ・フォースバリエーションと呼ぶ。 |
4×4(フォーバイフォー) |
前の4はクルマに付けられている車輪の数を、後の4は駆動輪の数を示す。従って4×4は四輪駆動の四輪車、6×4(シックスバイフォー)は四輪駆動の六輪車のこと。 |
フォーバルブエンジン |
各シリンダーあたり吸排気バルブを各2本ずつもつエンジンで、吸気バルブがやや大きく作られているのが普通。吸排気の流れが良く、燃焼室の中央で点火することもあって出力、燃費両面で優れたエンジンが得られやすい。 |
フォーミュラカー |
タイヤに覆いのない単座席のレーシングカーで、その重量や寸法・形状、エンジンの仕様などがFIAの定める規格に従って作られたもの。主としてエンジンの排気量によって分類され、3,500tで12気筒以下の自然吸気エンジンを搭載したF1カーによるレースは世界最高に位置づけられている。 |
フォームフィルター |
ディーゼルパティキュレート・フィルターの一種で、セラミックスを泡状に成形してフィルターとして使用するもの。 |
フォーリンク式サスペンション |
リンク式リジッドアクスルサスペンションの一種で、FR車のリヤサスペンションに多く採用されており、車軸を4本のリンクで支持する機構を持つもの。クルマを上から見て2本の比較的長いロアコントロールアームをハの字形に、2本の短いアッパーコントロールアームを逆ハの字形に配置したものが多い。アッパーリンクを1本にし、横方向への位置決めをラテラルロッドによって行うタイプもある。 |
フォグランプ |
霧灯。可視光線の中で比較的波長が長く、霧の中での透過性の良い淡黄色のランプをヘッドライトの補助灯として使うもの。上方向の光は遮断し、水平方向前方20〜40mを広い範囲で照明するようにセットされる。保安基準では補助前照灯の一種。 |
フォトダイオード |
光ダイオードとも呼ばれ、光の強弱に比例した電流を流す素子で、カメラの高度測定に多く使われている。 |
フォトトランジスター |
フォトダイオードの電流をトランジスターを加えて増幅し、使いやすくしたもの。 |
深底リム |
リムの形状の一つで、記号DCで示され、リムの中央部分にタイヤの着脱を容易にするための溝が設けられているもの。タイヤのビードベースが密着するビードシートにテーパーが付けられており、乗用車タイヤ用リムではその角度が5度、トラックのチューブレスタイヤ用リムは15度となっているので、それぞれ5°DCリム、15°DCリムと呼んで区別している。また、ビードシートにはタイヤのビードベースが内側にずれにくいように、ハンプと呼ばれるかまぼこ状の断面を持つ帯が設けられている。 |
吹き返し |
燃焼室からキャブレターに混合気が逆流すること。イグニッションタイミングやバルブタイミングが異常になったときに発生することがある。 |
複合型キャブレター |
複数のバレルとステージを組み合わせたキャブレターで、通常プライマリーベンチュリーとセカンダリーベンチュリーからなるキャブレターをいう。低回転ではプライマリー側だけを使用し、高回転になるとセカンダリー側も使ってより多くの空気と燃料をエンジンに送り込むようになっている。 |
複合コーナー |
半径の異なるカーブが同じ方向に二つ以上続いている場合に、コーナー全体をいう。 |
複合サイクル |
オットーサイクルとディーゼルサイクルを合成した理論サイクルで、フランスのサバテによって提唱されたことからサバテサイクルとも呼ばれる。 |
複合タイプガスケット |
シリンダーヘッド・ガスケットでアスベスト、ゴム、黒鉛などの圧縮材を軟鋼板で包んだ構造を持つもの。圧縮材にはアスベストとゴムを用いたスチールベスト・ガスケット、金網をしん金にしたワイヤーウーブン・ガスケット、膨張黒鉛を圧縮材としたメタルグラファイト・ガスケットなどがある。 |
副軸式トランスミッション |
カウンターシャフトを持つトランスミッションのこと。 |
副室 |
子燃焼室。副室式ディーゼルエンジンで、主燃焼室とは別に設けられた小室を指し、燃料を噴射し着火するとこと。 |
副室式ディーゼルエンジン |
ディーゼルエンジンで、シリンダーヘッドとピストンによって形成される燃焼室に隣接してシリンダーヘッドに副燃焼室を設け、この副室に燃料を噴射して着火、燃焼と同時に強い火炎を主燃焼室に噴出するもの。燃焼室の形や空気の吸入の仕方、燃料の噴霧方法によって燃焼をコントロールする方式で、副燃焼室の形により予燃焼室式、渦流室式、空気室式などに分類される。 |
副室容積比 |
副室式ディーゼルエンジンで燃焼室全体の容積に占める副室の容積の割合。 |
複輪 |
自動車の1本の車軸の片側に2個の車輪を付けた状態のこと。1個のタイヤでは荷重を支えることが出来ない場合や悪路の走破性を高めるのに使われる。 |
腐食摩耗 |
主として潤滑材が潤滑を受ける部材を腐食することによって起こる摩耗。 |
不整噴射 |
ディーゼルエンジンの低速回転時に、燃料噴射ポンプからの燃料の供給速度が遅いと噴射ノズルが正常に作動せず、燃料が断続的に噴射される現象。 |
二つ割りリム |
ホイールの一種で、鋼板をプレス加工してリムとディスクを一体に作り、二枚を合わせてボルト・ナットで固定したもの。 |
ブチルゴム |
合成ゴムの一種で、ガス透過性が低いという特徴を持ち、タイヤのチューブとして使われている。イソブチレンとイソプレンの共重合体で、正式な名称はイソブチレン・イソプレン・ラバーという。 |
フックジョイント |
フック式継手。ユニバーサルジョイントの一種で、カルダンジョイント、クロスジョイント十字継手とも呼ばれる。 |
ブッシュ |
一般には機械の部品として穴の内側にはめ込んで摩耗を防ぐ働きをする金属の筒のことをいうが、自動車ではサスペンションの連結部分に使用され、部品として二重になった金属製の筒やリングの間にゴムを封じこみ、振動や衝撃を吸収するラバーブッシュを指す場合が多い。 |
プッシュロッド |
軸方向に押す動きによって力を伝える棒で、カムシャフトをシリンダーブロックの横に配置したOHVのエンジンで、カムの動きをロッカーアームに伝えるロッド。下端にはバルブリフターが、上端にはバルブクリアランスを調整するねじが付けられている。 |
プッシュロッド |
軸方向に押す動きによって力を伝える棒で、カムシャフトをシリンダーブロックの横に配置したOHVのエンジンで、カムの動きをロッカーアームに伝えるロッド。下端にはバルブリフターが、上端にはバルブクリアランスを調整するねじが付けられている。 |
プッシュロッドエンジン |
4サイクルエンジンでカムシャフトをシリンダーヘッドより低い位置に置き、プッシュロッドとロッカーアームでバルブを作動させるタイプのエンジン。 |
プッシング・アンダーステア |
FR車で、コーナリング中にアクセルペダルを踏み込んでいったときにアンダーステアの出る現象。前輪が後輪の駆動力に押されて現れるアンダーステアであることから名付けられたもの。 |
沸騰点 |
液体が標準大気圧で沸騰するときの温度。水の沸騰点は100℃と一定だが、自動車用ガソリンは30〜210℃、ディーゼル軽油は160〜400℃と範囲が広い。 |
沸騰冷却システム |
ウォータージャケット内で水を沸騰させ、水の気化熱を利用して冷却を行うもの。沸騰によって発生した水蒸気はコンデンサーで元の水になり、再びエンジンに戻される。水の大きな気化潜熱を利用するので冷却径をコンパクトに出来るが、装置は複雑になる。 |
フットブレーキ |
足で操作するブレーキ。常用ブレーキと駐車ブレーキがある。 |
フットランプ |
クルマへの乗り降りに便利なように車室内の足元に付けられたランプ。 |
フットレスト |
ドライバーの左足を置くためにクラッチペダルの左隣に設けられている台。ラリーカーやスポーツカーでコーナリング時に左足で踏ん張るための支えとして設けられているが、一般のスポーツタイプのクルマにも付けられることが多い。 |
不凍液 |
水は凍結すると体積が増えエンジンや冷却系を壊すので、冬季には冷却水が凍らないように氷点を低くする薬品を混入する。不凍液にはパーマネント型と、これにアルコールも加えたセミパーマネント型とがあり、冷却液に30%程度混入して使用される。 |
部分燃焼 |
燃焼行程で火炎の伝播が充分に行われないまま行程が終わってしまうこと。 |
フューエルカット |
エンジンへの燃料供給を止めること。スロットルバルブが閉じられると同時にメインラインのガソリン供給を止め、吸気圧が上昇して自然に供給が止まるまでの間に無駄に消費される燃料を節約すると同時に、余分なHCによる触媒の温度上昇を防ぐための装置。定められた速度以上にスピードが上がった時に、それ以上の速度にならないように燃料をカットすること。 |
フューエルセジメンター |
燃料に含まれる水や澱を除く装置。 |
フューエルタンク |
自動車の燃料を入れるタンク。内部を亜鉛メッキなど錆止め処理をした鋼板で作られているのが普通だがプラスチック製もある。エンジンに燃料を供給するフューエルチューブの他に給油時に入る燃料に見合ったタンク内の空気を逃すガス抜きと、タンク内で蒸発した燃料の蒸気を外に逃がさないよう燃料蒸発ガス排出抑制装置につながるパイプが付けられる。 |
フューエルフィルター |
燃料に含まれているゴミを濾過する装置。通常4〜5ミクロン以上の大きさのゴミが除かれる。 |
フューエルポンプ |
燃料をフューエルタンクからエンジンに送るポンプで、ガソリンエンジンではキャブレターを持つ普通のエンジンに多い機械式のメカニカル・フューエルポンプ、燃料噴射式エンジンに使われる電気式のエレクトロニック・フューエルポンプの他、真空式、電磁式などがある。ディーゼルエンジンではプランジャー式やベーン式が用いられている。 |
フューエルメーター |
燃料計、フューエルゲージともいい、フューエルの残量を示すメーターのこと。燃料タンクの中にフロートを浮かべ、これにアームを付けてその位置を電気抵抗の変化で調べてメーターに表示するものがほとんどだが、センサーで電気容量の変化を検知するなどほかの手段によるものも開発されている。燃料が少なくなると警告灯が点灯するようになっているものもある。 |
フューエルリターン |
フューエルポンプからは一定の燃料が送り出されるが、燃料系は約2s/?の圧力に保たれ、余分な燃料はフューエルタンクに戻される。 |
フューエルリッド・オープナー |
燃料タンクの蓋のロックを解除する装置のこと。運転席の近くにレバーを設け、これを操作するとケーブルでつながれた蓋のロックが外れるようになっているのが普通。 |
フュージブルリンク |
電気回路がショートした時などに過大な電流が流れて配線が焼けたり、電装品が壊れるのを防ぐための部品で、バッテリーの近くに取り付けられている。 |
フューズボックス |
電装品に過大な電流が流れるのを防ぐため、決められた以上の電流が流れると瞬間的に解けてこれを遮断するフューズを集めて収納してある箱。フューズは電装品の許容電流に合わせた容量のものがセットされている。 |
プライ |
タイヤのカーカスを構成する平行に並べられたコードの層で、両面をゴムの層で覆い、積み重ねてもコード同士が接触しないように作られている。 |
プライステア |
ラテラル・フォースデビエーションの成分の一つで、ラジアルタイヤのベルトの最も外側のプライの方向によって、ハンドルを切ったのと同じように横向きの力が発生することから名付けられたもの。ベルトはコードを一方向に並べたプライをある角度で裁断し、何枚かを重ねて作られている。すだれ織りのプライを曲げる時、コードの並び方向には簡単に曲げることが出来るが、コードに添った方向にはコードを曲げることになるので曲げにくい。タイヤを転がすとカーカスが曲げられ、プライの曲がる方向によって力のアンバランスが生じて横向きの力が発生する。 |
フライホイール |
クランクシャフトに取り付けられた鋳鉄製のはずみ車で、外周にリングギヤが刻まれスターターモーターのピニオンギヤと噛み合ってエンジンを起動するときにも使われるのが普通。クランクシャフトには混合気の燃焼によって発生した回転力が間隔をおいて伝えられるが、フライホイールは慣性によって一定のスピードで回ろうとするので結果として連続した回転力が得られる。外径が大きく重いほど慣性力が大きくなるのでエンジンの回転数が変わりにくくなり、アクセルの開閉に対して反応が鈍く、レスポンスが悪くなるため、エンジンの性格に合わせて適当な大きさのものが選ばれる。 |
フライホイールダンパー |
トルク変動による回転軸のねじり振動を吸収するダンパーを備えたフライホイール。エンジン側とミッション側の二つに分けたフライホイールの間にスプリングと摩擦機構があり、エンジンの回転変動を吸収して駆動系の振動を抑えるもの。 |
プライマリーカップ |
油圧ブレーキのコンベンショナル式マスターシリンダーのピストンの先端に設けられているカップで、このカップがピストンの中を進んで液圧が発生する。 |
プライマリーシュー |
第一のシューという意味で、ドラム式のデュオサーボブレーキに使用されている二つのリーディングシューを区別するため、回転方向に対して先にドラムに接するシューをプライマリーシュー、このシューに押されてドラムに接するシューをセカンダリーシューと呼んでいる。 |
プライマリースロットルバルブ |
プライマリーベンチュリーに設けられているスロットルバルブ。プライマリー吸気バルブともいう。 |
プライマリーベンチュリー |
二つ以上のベンチュリーを持つ複合型キャブレターで主に使われるベンチュリー。空気の吸入量が少ない低回転時にはこのベンチュリーのみが働き、高回転時になるとセカンダリーベンチュリーも作動する。 |
フライング・スタート |
レースのスタート方法の一つで、陳列を整えながらコースを走行し、止まらずにスタートすること。 |
フライングラップ |
レースの予選走行での飛ぶように速い一周という意味で、予選での全力走行中に他のクルマがいなかったなど、何の支障もなく走れた周のこと。 |
ブラインドコーナー |
見通しのきかないカーブ。ブラインドは前が見にくいこと。 |
プラグくすぶり |
スパークプラグの発火部に混合気の不完全燃焼によって出来た媒が溜まって発火しにくくなり、エンジンがからなくなったり調子が悪くなったりすること。プラグを外してみると発火部が真っ黒になっている。 |
プラグコード |
イグニッションコイル→ディストリビューター→スパークプラグを結ぶ高圧電線。 |
プラグ熱価 |
スパークプラグの耐熱性を示す数値。スパークプラグの温度は燃焼室から受ける熱量とプラグの方熱量のバランスで決まり、このバランスを保って正常な状態で使用できる限度をいう。 |
ブラケット |
建物の柱や壁からつき出して梁や棚を支える腕木とか持ち送りと呼ばれるもののことだが、自動車では車体など比較的大きなものに部品を取り付けたり支えたりするための、つなぎとなる部品のことをいう。 |
フラッシャー |
方向指示灯のこと。 |
フラッシャーリレー |
ランプを点滅させるリレー。ターンシグナルランプを方向指示のために片側だけ点滅させる場合と、故障などによる緊急停車を後続車に知らせるために両側のランプを同時に点滅させる場合に使われる。作動方式に機械式と電気式があるが、トランジスター回路を利用する電気式が多い。 |
フラッシュ・サーフェイス |
車体表面の形が滑らかなこと。特にウィンドシールドからサイドウィンド、リヤウィンドに至るボディの段差を出来るだけ小さくし、気流をスムースに流して渦の発生を防ぎ、空気抵抗を小さくする手法として用いられる。 |
フラッター |
70q/h以上の速度でスムースな路面を走行しているときに、ステアリングホイールが回転方向に左右に細かく振れる現象。タイヤの重量アンバランスが大きかったりユニフォミティが悪いときに、ステアリング系の自励振動あるいは強制振動で、特定の速度で発生するのが特徴。高速シミーあるいは単にシミーと呼ばれることもある。 |
フラットスポット |
タイヤのトレッドの一部分に駐車中の変形が残る現象。走行により熱せられたタイヤコードが変形したまま長時間放置されて曲げられた状態にセットされるために発生し、車が走り出した直後にハンドルやボディに軽い振動が出、5〜15分の走行で自然に無くなるのが普通。ナイロンコードのバイアスタイヤに発生しやすく、ラジアルタイヤには起こりにくい。特に寒冷地では夜間の駐車中にでき、朝動き出したときに気付くことが多いのでモーニングスポットとも呼ばれる。 |
プラットホーム |
氷雪路用タイヤのトレッドパターンの溝に設けられている摩耗限度表示。冬用に作られたスノータイヤやスタッドレスタイヤも溝の深さが新品時の半分になると氷雪路での走行性能が一般タイヤ並みになってしまう。そこでトレッドの周上4箇所以上に溝底の半分の深さにした部分を設けてプラットホームと呼び、この部分が表面に出た時点で氷雪路用タイヤとしての寿命がきたことを示す。その位置がわかりやすいように近くのサイドウォールに矢印が刻印されている。 |
プラットホームフレーム |
フロア全体の剛性を上げてフレームとし、この上にボディを組み立てるもので、VWビートルやルノー4に例が見られる。 |
フラップ式エアフローメーター |
ガソリンインジェクションに使用されるエアフローメーターの類で、可動プレート式、可動ベーン式またはメジャリングプレート式ともいう。一端を軸とし、ばねによって支えられた板を空気の通路に置き、エンジンに吸入される空気がこのフラップを押し開くときの角度をポテンショメーターの抵抗値の変化として検出し、吸入空気量とするもの。構造が簡単だが、中低速時にフラップで吸入空気が絞られることや、急加速時の応答性が悪いことなどが欠点とされ、高度や気温の補正も必要である。 |
プラネタリーギヤ |
遊星歯車。主にATに使用されているギヤで、中央にサンギヤと名付けられた歯車を置き、外周に内側に歯を持つリングギヤを置いて、サンギヤとリングギヤを3個の等間隔に配置されたピニオンギヤでつないだ構造となっているもの。ATでは油圧で作動するクラッチとブレーキを使って、サンギヤ、ピニオンギヤ、リングギヤの三つのうち二つを組み合わせて回転させ、ギヤ比を変えて動力を伝達する。 |
プレネタリーギヤード・センターデフ |
4WDでセンターデフとしてプラネタリーギヤを使ったシステム。状況によってリングギヤとプラネタリーギヤ・キャリアをロックし、前後を直結するようになっているのが普通。 |
プラネタリーギヤ・デフ |
プラネタリーギヤをディファレンシャルギヤとして使用するもの。駆動力をピニオンキャリアから入れてリングギヤとサンギヤからそれぞれ左右の駆動軸に出力し、左右に回転差のある場合にピニオンギヤを回してデフとして働かせる機構がわかりやすく簡単だが、左右の回転が逆になり、トルク配分も異なるので使いにくい。そこでピニオンを2個1組にし、片方をリングギヤ、他方をサンギヤに?み合わせ、リングギヤから駆動力を入れてピニオンキャリアとサンギヤからそれぞれ左右に取り出せば、回転方向が同じでトルク配分もほぼ等しく、差動装置としても働く機構が得られる。 |
フラマグ点火 |
フライホイール・マグネトー点火を略したもの。モーターサイクルの小排気量エンジンに多く使用されている点火方式で、クランクシャフトとともに回転するフライホイールを筒形にして内側に永久磁石を取り付け、中に1次及び2次コイルと断続器、コンデンサーを置いて、フライホイールの回転による電磁誘導によって高圧電流を発生させ、これを点火に利用する。回転が速くなるほど誘導電圧が高くなり、スパークが強くなるのが特徴。 |
フランジ |
部品の端に付けられている鍔のような形をした出っ張り。パイプをつないだり、部品の端を補強するのに良く使われる。 |
フランジャー式マスターシリンダー |
ブレーキ・マスターシリンダーの形式の一つ。シリンダーの上にオイルを溜めるリザーバーが乗った形になっており給油孔がリザーバーの下に開けてあって、ピストンがシリンダーの中を進むとこの孔を塞いでオイルが密閉され油圧が上がり、ブレーキをゆるめるとリターンスプリングでピストンが元に戻り、孔が開いてオイルは最初の状態に戻る仕組みになっている。 |
フリーキャンバー |
リーフスプリングで、荷重のかかっていない状態での反りのこと。弧の中央部分でのスプリングアイの中心を結ぶ線との距離であらわされる。 |
フリーホイールハブ |
4WDの前輪のハブで、フロントアクスルとホイールを機械的に断続するクラッチの働きをするもの。ハブに取り付けられているつまみを回す形式のものと、運転席に設けられているスイッチによって断続するものがある。 |
ブリスター |
火傷の時に出来る水ぶくれのことから、塗装の不具合一つで、塗料が下地から浮き上がって膨れている状態をいい、水や油などの異物が下地についていたり、傷から空気が侵入した時に出来、金属が錆びている場合には腐食ブリスターという。レーシングタイヤのトレッドに見られることがある火ぶくれで、ゴムが自身の発した熱によって分解して気化し、スポンジ状となったもの。走行を続けると表面のゴムが取れて火山の噴火口のような外観を呈する。 |
プリズム式防眩ミラー |
防眩ミラーの一種で、平たい三角形の断面を持つプリズム鏡を使うもの。通常は反射率約80%の裏面反射を使うが、眩しいときにはミラーの角度を変え、反射率約5%の表面反射を利用して後方を確認出来るようになっている。 |
ブリックロードノイズ |
ロードノイズの一種で、敷石路やレイングルーブのある路面などの一定間隔の凹凸のある路面を走行した時に、特定の速度でサスペンション系と車体が共振して発生する音。 |
プリテンショナー |
シートベルト巻き取り機構の一種。前方からの衝突をセンサーが感知すると爆薬などのガス発生装置が作動し、ガスの膨張力を利用してシートベルトのたるみ分を瞬時に巻き取る。衝突から作動終了までに要する時間は100分の2秒程度で、衝突時の乗員の移動量を最小限にとどめて保護する働きをする。 |
フルオート・フルタイム4WD |
センターデフとしてトランスファーとプロペラシャフトの間にビスカスカップリングを配置したニッサンのフルタイム4WDの名称。 |
フルカウンターウエイト |
クランクシャフトのバランスウエイトが各気筒のクランクピンの両側に配置されているもの。コンロッドやピストンなどの重量と釣り合って最も良くバランスが取れるが、全体の重量は重くなる。 |
フルキャップ |
ホイールキャップでホイール全体を覆うタイプのもの。 |
フルコンシールドワイパー |
トヨタのコンシールドワイパーの名称。 |
フルシンクロ |
かつて減速比の大きい一速ギヤにシンクロメッシュの無いものがあり、当時すべてのギヤにシンクロの付いたものを区別してこのように呼んだ。 |
フルスキンチェンジ |
小規模なモデルチェンジで、クルマの基本的な構成や性能の変更はわずかにとどめて、エクステリアを変えてイメージチェンジを図ったもの。 |
フルスロットル |
アクセルペダルを一杯に踏んで、スロットルバルブが全開になっている状態。フルアクセルあるいは全負荷ともいう。 |
フルタイム4WD |
常時四輪駆動ともいわれ、四輪駆動車で四つの車輪が駆動系を介して常に結ばれているシステム。四つのホイールの回転差を吸収しながらエンジンの駆動力が伝えられるシステム。前後軸への駆動トルクの配分が、センターデフと各種の差動制限装置を使って一定の比率で行われる固定配分式4WDと、電子制御の摩擦クラッチやビスカスカップリングを利用し、トルク配分が路面や走行状態で変わる可変配分式4WDとがある。 |
フルドア |
ドアフレームとアウターパネルを一体にプレス成型して作られたドア。 |
フルトランジスター点火装置 |
古くから使われている点火装置にはディストリビューターのシャフトの回転によってついたり離れたりする接点があり、ここでイグニッションコイルに流れる電流を断続してスパークプラグに火花を飛ばすきっかけを作っている。この接点が汚れたり焼けてくると接触が悪くなり、電流が弱くなるので調整が必要となる。この機械的な接点の代わりに磁石とコイルを使ってトランジスターにスイッチの働きをさせ、サービスフリーにした点火装置をいう。 |
フルトリム |
ドアの内側全体がトリムで覆われているもの。ハーフトリムと対比される用語。 |
フルトレーリングアーム式サスペンション |
トレーリングアーム式サスペンションで、スイングアームの車体への取り付け軸が車体の前後中心軸に対して直角に取り付けられている形式のもの。ホイールが上下してもトレッドが変わらず、キャンバーも変化しないのでホイールハウスが小さくて済み、室内を広く出来るメリットがあるが、旋回時に対地キャンバー変化が大きく、ロール剛性が低い傾向にあり、スタビライザーが使われるのが普通。 |
フルハーネス・シートベルト |
レースやラリーなどの競技用車両に装備されているシートベルトで、腰の左右と肩の左右の4点を支持する4点式と、さらに左右の膝の間も支持する5点式がある。 |
フルバンパー |
エプロンやフェンダーの一部なども含めて一体に作られたバンパーのこと。バンパーの素材として近年多く用いられるようになった合成樹脂の、複雑な形状の大型部材を成形できるという特徴を生かして作られるもの。 |
フルフォームシート |
フォームをフルに使ったシートという意味の造語で、シートパッドに主にウレタンフォームを使ったシートのこと。ばねを多く使ったバネリッチシートと区別するのに使われる。 |
フルフラットシート |
シートバックを一杯に倒すと、シートクッションと同じ高さになるシート。 |
フルフローティング・アクスル |
全浮動式車軸。リジッドアクスルサスペンションをホイールのアクスルへの取り付け方によって分類するもので、ホイールを2個のベアリングでアクスルハウジングの端に取り付け、これをアクスルシャフトで駆動するタイプをフルフローティング、ホイールを直接アクスルシャフトに取り付けるタイプをセミフローティングと呼ぶ。フルフローティングはアクスルハウジングの車両の全重量がかかり、セミフローティングではアクスルハウジングとアクスルシャフトが半分ずつ重量を負担することになる。 |
フルフローフィルター |
エンジンオイルを濾過するシステムで、系内を還流する潤滑油の全量を濾過する方式。 |
フルモデルチェンジ |
モデルチェンジの最も規模の大きいもので、デザインの全面的な変更と同時にエンジン、駆動系、サスペンションなどの変更が行われる場合をいう。単にモデルチェンジというとこのフルモデルチェンジを指すのが普通。 |
フルロックアップ・トルコン |
ロックアップはある速度以上でトルコンのポンプ側とタービン側をロックする機構をいうが、コンピューター制御により車速に関係なくロックアップを行うトルコンをフルロックアップ・トルコンという。 |
プルロッド |
軸方向に引く動きによって力を伝える棒。コイル/ダンパーユニットを作動させるメカニズムとしてレーシングカーのサスペンション系に多くその使用例が見られる。 |
プレイグニッション |
何らかの原因でスパークプラグによる点火の前に混合気の燃焼が始まること。 |
ブレーカー |
クロスプライタイヤのトレッドとカーカスの間に置かれるコードの層で両端がビード部分まで達していないもの。カーカスを補強し、剛性を上げるために加えられることがある。 |
ブレーキ液 |
油圧式のブレーキやクラッチの作動液として油圧の伝達に用いられるオイル状の液体。沸点が高く、氷点の低い液体で、温度に対する粘度の変化が少なく、科学的に安定していることが必要で、古くはヒマシ油が使われていたが現在では合成油に変わり、エチレングリコールやグリコールエテールなどが主として使用されている。吸湿性があり、水分によって沸点が下がるので取り扱いに注意が必要。 |
ブレーキ片効き |
ブレーキをかけた際に、左右のブレーキの制動力が異なること。クルマが左右のいずれかに曲がったりハンドルをとられる現象。 |
ブレーキシュー |
ドラムブレーキのブレーキドラム内に置かれた半月形の部品で、表面に摩擦材が張られており、ドラムとの摩擦力によってブレーキ力を発生させるもの。ブレーキドラムへの押し付け方によってリーディングシューとトレーリングシューに分けられる。 |
ブレーキ装置 |
クルマを減速し、止めておく装置の総称。ドラムブレーキとディスクブレーキがあり、用途別では常用ブレーキ、非常ブレーキ、駐車ブレーキ、補助ブレーキに分類される。また制御の仕方ではハンドブレーキとフットブレーキに、操作力の伝え方によって機械式、空気式、油圧式に分類される。 |
ブレーキダストカバー |
ディスクブレーキのキャリパーとディスクの一部分を覆い、ほこりや泥が入るのを防ぐカバー。 |
ブレーキディスク |
ディスクローターともいい、ディスクブレーキでブレーキパッドを押しつけて制動効果を発生する円盤で、ねずみ鋳鉄で作られたものが多く、冷却のための通風孔が設けてあるベンチレーテッドタイプと孔のないソリッドタイプがある。通風孔により、20〜30%温度上昇をおさえ、フェードを防ぐとともにパッドの寿命を伸ばすことが出来る。 |
ブレーキドラム |
ドラムブレーキの部品でホイールと一体になって回転する円筒状のもの。これに内側から摩擦部材を押しつけて制動を得る。鋳鉄で作られたものが多いが、外周にアルミ合金を接合したアルフィンドラムもある。 |
ブレーキ鳴き |
ブレーキから発生する甲高い音のことで、制動中にブレーキ部品の共振によって発生するキーキーまたはチーチーという音をスキール、制動していない状態でブレーキから聞こえるチーという連続音をスキークという。 |
ブレーキパイプ |
ブレーキマスターシリンダーで発生した油圧をホイールシリンダーに導く圧力管で、一般的に二重巻鋼管が使用され、メッキ、塗装、コーティングなどによって何重にも外傷や腐食からの保護対策がなされている。 |
ブレーキひきずり |
ドライバーがブレーキをかける意思がないのに制動力が発生している状態。ひきずりトルクの一部として、回転部分の接触などによってブレーキに制動力が生じている状態。パーキングブレーキの戻し忘れや戻し方が不充分なために、ブレーキかかった状態のまま走行すること。 |
ブレーキブースター |
ドライバーがブレーキを踏む力の他に、エンジンの負圧や圧縮空気などの力を加えて制動力を強くし、ブレーキング時の踏力を軽くする装置。 |
ブレーキペダル |
足で踏んでブレーキを作動させるもの。ダッシュボードの下に吊り下げるペンダントタイプと、オルガンのペダルのようにフロアにヒンジを取り付けて上端を押すオルガンタイプがある。クラッチ、ブレーキ、アクセルの三つのペダルのうち最も大きな力で踏まれるのでほぼドライバーの正面に配置され、AT車では通常の右足だけでなく左足で操作する人もいることが配慮されている。 |
ブレーキホース |
ブレーキ液の油圧を伝えるホースで、車体とサスペンションのように相対的に動く部分に使用されるもの。耐油性のあるゴムチューブに繊維やゴムで作られたカバーを何層も重ねて作られ、高い油圧による膨張を最小限に抑えるようにしてある。 |
ブレーキホップ |
ホップはヒョイヒョイまたはピョンピョンと跳ぶことで、強くブレーキをかけたときに後輪が上下、前後に振れる現象。 |
ブレーキマスターシリンダー |
ブレーキペダルの操作力を油圧に変える装置で、構造によってセンターバルブ式、プランジャー式、コンベンショナル式の三つがある。また圧力室とピストンが1個の普通のものをシングルマスターシリンダー、2系統のブレーキ用としてピストンを縦に2個並べたものをタンデムマスターシリンダーという。 |
ブレーキランプ |
制動灯。ブレーキライト、ストップライト、ブレーキ灯ともいう。ブレーキを踏むと点灯する赤いライト。 |
ブレーキレバー |
パーキングブレーキを操作するためのもの。 |
ブレーキロック |
ブレーキをかけたときに、クルマが動いているにもかかわらずタイヤが回転していない状態のこと。 |
ブレーキング |
ブレーキペダルを踏むこと。ブレーキをかけること。 |
ブレーキング現象 |
センターデフのない4WD車が四輪駆動状態で走行する場合、小さいコーナーを曲がるとき前後輪の回転半径が異なるためブレーキがかかったように走りにくくなる現象。正確にはタイトコーナー・ブレーキング現象という。 |
ブレーキングドリフト |
ドライビングテクニックの一つ。コーナリングの初期に強いブレーキをかけて前輪タイヤの荷重を増やし、リヤのコーナーの外側に振り出して行うドリフトをいう。 |
プレートフィン |
ラジエターコアの放熱を良くするために取り付けられている薄い金属板のこと。 |
フレーム |
クルマの骨組み、骨格で、これにボディ、エンジン、駆動系、サスペンションなどが組み付けられる。フレームを用いない構造の自動車をフレームレス構造といい、モノコックボディがその代表的なものである。フレーム構造の利点は、エンジンや路面からの騒音や振動がフレームを経由してボディに伝わるので、静かで乗り心地の良いクルマが得られること。ただクルマの大きさのわりに重く、フロアが高くなり、車高が高くなるのが欠点。 |
フレームナンバー |
自動車の車体に刻印されている番号で、車種と一連番号からなるもの。一般的には車体番号という。 |
フレキシブルエキゾーストパイプ |
ステンレス製の輪を多数わずかずつ重ねて管状につなぎ、周囲をステンレスの細線の網で包んで作られたパイプ。排気管の一部に取り付け、エンジンの振動を吸収してクルマの騒音・振動を小さくする機能を持つ。 |
フレキシブルシャフト |
機械式のスピードメーターに使われる部品で、トランスミッションの後端に付けられている駆動軸の回転取り出し用のスピードメーターとギヤをつなぎ、自動車の速度に比例した回転を伝えるシャフト。鋼線を巻いて作られた曲げることのできる心棒を樹脂製のパイプで覆った構造になっている。 |
フレキシブルジョイント |
回転軸をつなぐユニバーサルジョイントの一種。接合部分にゴム、皮革、繊維などの変形しやすい材料を使用したもの。構造が簡単で静かに回転するが、結合された軸の角度を7〜10度以上にすることが難しい。 |
プレスドア |
ドアフレームとアウターパネルを一体プレス成形した構造のドア。ドアの表面が滑らかに成形されるので空力的に有利で、デザイン的にもすっきりしている。 |
プレセッション |
歳差運動またはすりこぎ運動ともいわれ、回転している独楽の軸が、その一端を頂点とした円錐を描くような動きをする現象。これは独楽の軸を傾けようとするモーメントが軸に直角な方向に移動することから起こるもので、二輪車の前輪を独楽として見た場合、前進中に二輪車が左に傾くとプレセッションにより前輪を左に向ける力が生じて傾きを元に戻そうとする運動が起こる。 |
プレッシャーウエーブ・スーパーチャージャー |
マツダのコンプレックス過給機の名称。 |
プレッシャーキャップ |
加圧キャップ。加圧冷却システムに使用されるラジエターキャップで、加圧系外にリザーバータンクを持つシステムに使用されるキャップには、系内の圧力が設定された最高圧力になると開く加圧弁と、負圧になると開く負圧弁が設けられている。 |
プレッシャーレギュレーター |
一般に気体や液体の圧力を調整する装置をいうが、普通燃料噴射装置でインジェクターから噴射される燃料の圧力をダイヤフラムを使用して一定に保つ装置を指す。 |
フレッチング摩耗 |
衝動摩耗とも呼ばれ、金属同士の接触面に微小な振動が与えられたときに発生することのある摩耗。摩擦による機械的な摩耗に酸素による腐食も関係することから、フレッチング・コロージョンと呼ばれることもある。 |
プレミアムガソリン |
日本では自動車用ガソリンを販売する場合、オクタン価の高いものをプレミアムガソリンまたはハイオクガソリン、オクタン価の低いものをレギュラーガソリンと呼んで区別している。 |
フロアシフト |
運転席横のフロアに取り付けられたシフトレバーでトランスミッションを操作するやり方で、ほとんどの乗用車がこの方式をとっている。シフトレバーが直接トランスミッションに取り付けてあるダイレクトシフト方式と、リンク機構で結ばれたリモートコントロール方式がある。 |
ブロアム |
リムジンで運転席の屋根のないものをいう。 |
フローティング型ディスクブレーキ |
ディスクブレーキの一型式で、ディスクの片側にピストンとつながったパッドを、反対側にシリンダーとディスクをまたいでつながっているパッドを配置し、ピストンがパッドを押すと反対側のパッドが引き寄せられて、ディスクを挟み付けて制動力を発生するようになっているもの。キャリパーが可動式になっていることから、キャリパー浮動型、ピストンが1個であることからシングルシリンダーキャリパー型ディスクブレーキとも呼ばれる。 |
フローティング軸受 |
ターボチャージャーのタービンシャフトを支える軸受の一種。ベアリングの軸受メタルはハウジングに固定されているのが普通だが、フローティング軸受はシャフトとメタルの間とメタルとハウジングの間にオイルが満たされ、軸受メタルがシャフトとハウジングの間で自由に回転できるようになっている。この構造によって回転部分のわずかな重量アンバランスによる振動を吸収し、油膜が切れることによって発生するトラブルを防ぐことができる。 |
フロート |
キャブレターのフロートチャンバーの中に置かれている浮き。針の形をした栓が取り付けられており、浮力によってチャンバーへの燃料給油口を閉じているが、チャンバー内の燃料が少なくなって液面が下がると燃料給油口と栓の間が開き、隙間から燃料が入ってくる仕組みになっている。燃料タンクの中に置かれている浮き。浮きの位置を電気抵抗や電気容量の変化によってチェックし、フューエルメーターに表示するためのもの。 |
フロートチャンバー |
フロート室。フューエルポンプから送られてきた燃料を一定量溜めておく容器で、燃料が吸い出されるメインノズルに適量の燃料を供給するため、液面の高さをフロートとニードルバルブで常に一定に保つようになっている。 |
フロートマウントワイパー |
1987年のクラウンに装備されたワイパーの名称。部品をアルミ鋳造で作られたフレームに組み込み、ゴムのインシュレーションを介してボディに取り付けたもので、作動音が低いのが特徴。 |
ブローバイガス |
エンジンの圧縮行程と膨張行程でシリンダーとピストンの隙間からクランクケースに抜けるガス。組成は圧縮行程で漏れる混合気が75〜90%を占め、10〜25%が膨張行程で発生する燃焼ガスである。エンジンオイルを劣化させ、エンジン内部を錆びさせる原因となるので以前は速やかに外に出していたが、大気汚染の問題から吸気系に戻すようになった。 |
ブローバイガス還元装置 |
ブローバイガスを吸気系に戻す装置。クランクケースとエアクリーナーをパイプで結んだだけのものと、インテークマニホールドの負圧を利用してクランクケース内のガスを吸いだすようにしたものとがあり、後者はポジティブクランクケース・ベンチレーションと呼ばれる。 |
プログレッシブ・パワーステアリング |
トヨタの車速感応型パワーステアリングの一つ。パワーシリンダーの高圧側と低圧側を可変オリフィスでつなぎ、オリフィスの面積をソレノイドバルブで制御して操舵力が低速時に軽く、速度が速くなるにつれて徐々に重くなることと、進歩したシステムであることを合わせて意味している。 |
プロコン・テン安全システム |
アウディのパッシブセフティ・システムの名称。クルマが前方に衝突した時、ステアリングホイールを前方に引き込み、同時にシートベルトを巻き上げる装置。 |
ブロックパターン |
タイヤのトレッドが独立したブロックから出来ているパターンでスノータイヤやスタッドレスタイヤに多く見られる。雪上やぬかるみでのグリップは良いがブロックが路面をたたく音がやや大きく、偏った摩耗をしやすいのが欠点。 |
プロテクションモール |
車体の保護と装飾を兼ねて付けられているモールディングのこと。 |
プロテクトリブ |
FR車でトランスミッションとディファレンシャルギヤを結び、動力を伝える推進軸。中空の炭素鋼管が使われるのが普通で、両端にユニバーサルジョイントが取り付けられている。絶えずねじりトルクを受けながら高速回転するため長いプロペラシャフトは振動を発生し、破損しやすいのでジョイントを2個または3個用いた分割式が多い。 |
プロペラシャフトこもり音 |
プロペラシャフトのバランス不良やジョイントのガタなどによって発生する100Hz以下の低いこもり音。 |
プロペラシャフト・センターベアリング |
中間軸受。3ジョイント式のプロペラシャフトの中間軸を保持するベアリングで、プロペラシャフトからの振動が車体に伝わりにくいようにゴムなどで支持されている。 |
プロポーショニングバルブ |
ブレーキをかけたとき後輪が早期ロックしないように後輪のブレーキ液圧を調整するバルブ。ブレーキの液圧はブレーキペダルを踏む力、即ちマスターシリンダーの液圧に比例して大きくなるが、マスターシリンダーの液圧がある数値以上になると比例定数が小さくなり、ブレーキの液圧があまり大きくならないようにするもの。前後のブレーキ力の理想的な配分は車重が大きい場合と小さい場合では異なるので、車両重量の変化に応じて作動開始点を変えるシステムもあり、このシステムに使われるバルブはロードセンシング・プロポーショニングバルブと呼ばれ、トラックや一部の乗用車に使われている。 |
ブロワー |
シリンダーに空気を吹き込むという意味からスーパーチャージャーのスラングとして使われる言葉。 |
フロン |
フレオンとも呼ばれる無毒の気体で、圧縮すると容易に液体になることから、自動車関係ではエアコンの冷媒、ウレタンシートやバンパーなどの発泡剤、電子部品の洗浄などに使用されている。科学的に安定な物質なので大気中に放出されると分解されずに成層圏に達し、太陽の紫外線で光分解されると塩素原子を放出してオゾンと反応することがわかった。このため生物に有害な紫外線を吸収するオゾンが広い範囲にわたって少なくなったので、特定フロンの製造・使用は2000年までに全廃されることになったが、各メーカーともそれ以前に使用禁止を決めている。 |
ブロンズガラス |
ティンテッドガラスの一種で、ガラスをブロンズに染めてあるもの。 |
フロン代替物質 |
フロンの代わりに使用される物質で、塩素を含まないハイドロフルオロカーボン、成層圏に至るまでに分解するハイドロクロロ・フルオロカーボンなど各種の化合物が開発されており、成層圏でオゾンを破壊するといわれるフロンが特定フロンと呼ばれるのに対して代替フロンとも呼ばれる。自動車のエアコンの冷媒として使う場合、物性が異なるため、今のところ同じ装置で特定フロンに置き換えて使用することが出来ないのが最も大きな問題となっている。 |
フロントエンジン・フロントドライブ |
エンジンを前に置き、前輪を駆動する方式。エンジンをはじめクルマを動かすシステムが前部に集中しているため室内やトランクスペースを大きく取れることと、前からクルマを引く形で走るので走行安定性が良いという二つの長所から、小型ファミリーカーに最も適したレイアウトとして多く使われている。普及の口火を切ったのは1959年発売のBMCミニ・マイナー。荷重が前輪に多くかかることと、駆動輪を操舵することのためハンドルが重くなり、高速コーナリング中にアクセルをオン・オフすると、荷重移動とタイヤの特性変化によってクルマのコントロールがやや難しくなるという短所をいかに解決するかがポイントといわれる。フロントタイヤの摩耗がリヤに比べて速くなることは避けがたい。一般的にFFとも呼ばれる。 |
フロントエンジン・リヤドライブ |
エンジンを前に置き、後輪を駆動するレイアウト。エンジン−トランスミッション−プロペラシャフト−デフの順で配置され、前輪で操舵し後輪で駆動するというクルマとしては最も簡単で効率的な構造であり、重量の前後バランスがとりやすく、自動車の基本的なレイアウトとして長く使われてきている。乗用車の場合プロペラシャフトを通すため室内がその分狭くなるのが難点。一般的にFRとも呼ばれる。 |
フロントオーバーハング |
前軸の中心から先端までの長さ。 |
フロントグリル |
自動車の前の空気を取り入れ口全体をいう。ラジエターが置かれるのが普通なのでラジエターグリルとも呼ばれ、クルマの顔にあたる部分ということからフロントマスクとも呼ばれる。空気抵抗を少なくする目的もあってバンパーと一体にデザインされ、小さくなっていく傾向にある。 |
フロントサイドメンバー |
フロントボディの骨格をなす部材で、フロントフロアとダッシュボード下部からの横前方に取り付けられており、サスペンションの入力を受け止める構造となっているものが多い。フロントバンパーを支える機能もあり、牽引のためのフックなどもこのメンバーに取り付けられる。 |
フロントビュー |
クルマを前から見たときの外観。正面図。横から見た外観をサイドビュー、後ろから見た外観をリヤビューという。 |
フロントピラー |
ウィンドシールドの両側にあってルーフを支える柱。ピラーは支柱を意味し、AピラーまたはAポストとも呼ばれる。 |
フロントフォーク |
二輪車の前輪を支持し、サスペンションとして働く部材。様々なタイプのものが作られてきているが、今日ではばねとダンパーを組み込んだインナーチューブとアウターチューブが伸び縮みするテレスコピックタイプが一般的で、一部のファミリーバイクにホイールをリンクで支持するボトムリンク式が残っているだけとなっている。 |
フロントボディ |
ボディシェルの前方の部分のこと。 |
噴射時期 |
ディーゼルエンジンで噴射ノズルから燃料が噴出し始める時期。 |
噴射ノズル |
ディーゼルエンジンの燃焼室に燃料を噴射する噴射口のこと。大別して副室式エンジン用で孔が一つの単孔ノズルと直接噴射式用で3〜6個の孔をもつ多孔ノズルがあり、ピントルノズル、スロットルノズル、ホールノズルなど様々なノズルが開発されている。 |
噴射率 |
ディーゼルエンジンで噴射される燃料の量が時間によってどのように変化するかの割合。 |
分配型燃料噴射ポンプ |
ディーゼルエンジンの燃料噴射ポンプの一種で、一つのポンプで燃料の圧力を上げ、各シリンダーにこれを分配する仕組みのもの。列型燃料噴射ポンプに比較しコンパクトでコストも安く、乗用車用ディーゼルエンジンに多く採用されている。代表的な分配ポンプに、二個の向かい合ったプランジャーをポンプの軸と直角方向に動かすルーカス式と、一個のプランジャーが軸方向に動いてポンプとして働くボッシュ式がある。 |
噴霧角 |
ディーゼルエンジンで噴射ノズルから燃料の拡がる角度。 |
分離給油方式 |
2サイクルエンジンで、ガソリンに潤滑油を混入する混合給油方式に対して用いられる用語で、燃料系と潤滑系を別にしたシステム。混合給油方式はエンジンをコンパクトに出来るがオイルの消費量が多く、排気ガスにHCが多いのが欠点で、今日ではレーサーやモトクロッサー以外には見られなくなった。 |
へ行
ヘアピンコーナー |
ヘアピンカーブともいい、女性が髪を留めるのに使うヘアピンに似た形でほぼ180度向きを変えるように曲がった道路のこと。急斜面に設けられた山岳路に多く、レーシングサーキットにも見られる。 |
ベアリング |
軸受。回転または直線運動をする軸を支え、運動を滑らかに行わせる機械部品。荷重のかかる方向によって、軸に直角な方向の荷重を受けるラジアル軸受と、軸方向の荷重を支えるスラスト軸重があり、その構造によってころがり軸受とすべり軸受に分けられる。 |
ベアリングキャップ |
二つ割りのシェルベアリングの片側で、ベアリングを固定する向かい合った二つの半円形のハウジングのうち、軸にかぶせる側のもの。 |
ベアリングノイズ |
駆動系に使用されているベアリングの加工精度の悪いときや、異物が入って傷が生じたときに発生するシューとかシャーという音。 |
ベアリングメタル |
軸受に使用される合金のことをいうが、軸受そのものがベアリングメタルあるいはメタルと呼ばれることもある。自動車用エンジンにはホワイトメタル、ケルメットメタル、アルミニウムメタルなどがある。 |
平均ピストン速度 |
ピストンの動く速さをストロークに時間当たりの往復回数を掛けたものであらわす。ピストンは往復運動をしており、上死点と下死点で止まり中央で最高速度になっているので、ピストンスピードをピストンの平均の速度で示すもの。 |
平均有効圧力 |
エンジンのピストンにかかる計算上の平均圧力で、1サイクルの仕事を行程容積で割ったもの。エンジンの燃焼効率を判断する目安の一つで、エンジンの燃焼行程で行われる仕事には、理論計算上得られる理論仕事、実際にエンジンから得られる正味仕事、燃焼ガスの行った図示仕事の三つがある。それぞれに対して理論平均有効圧力、正味平均有効圧力、図示平均有効圧力が定義される。 |
平行リーフスプリング式サスペンション |
縦置き板ばね式懸架装置。リジッドアクスルサスペンションの最も一般的な形式で、商用車の後輪用として多く使われている。車軸の両側、前後方向にリーフスプリングを置きショックアブソーバーを取り付けた構造で、スプリングが直接車軸を保持しているため発進、制動時にワインドアップやホッピングを起こしやすく、また横力がかかった時のアライメント変化でアクスルステアを生じやすいなど、振動乗り心地や操縦安定性が劣るので乗用車にはほとんど使用されなくなった。 |
平行連動式ワイパー |
ウィンドシールドワイパーを拭きパターンで分類したもので、2本のワイパーがリンクで結ばれて連動し、平行して同じ方向に動くもの。 |
閉弁圧 |
ディーゼルエンジンの燃料噴射で、ノズルが閉じるときの噴射管内の圧力。 |
平面絞り |
ボディのプレス成形を行うとき端の部分に丸みを持たせること。 |
ペイロード |
航空業界では運賃が支払われる有料の荷重をいうが、自動車では最大積載量を意味するのが普通。ただし、その厳密な定義は国によってまちまちで、乗車人員の重量や燃料の量、工具の有無が異なっている。 |
ペースカー |
レース参加者を先導するクルマ。長距離のレースでスタート前に先導車としてコースを1周したり、レース中のアクシデントによって協議の継続が危険になった場合などにコースに入って競技車両を整列させるクルマをいう。 |
ベースバルブ |
ツインチューブ式ショックアブソーバーのピストン室の底に設けられているバルブで、ショックアブソーバーが圧縮されるとき減衰力を発生するもの。 |
ベーパーロック |
液体を使った系で、熱によって液体が蒸気となってある部分に閉じ込められ、系の機能が失われることで、燃料系でフューエルパイプの中に燃料蒸気が溜まり、フューエルポンプが燃料を供給できなくなってエンジンが止まること。油圧式ブレーキのホイールシリンダーやブレーキパイプの中でブレーキ液が気化し、ペダルを踏んでもふかふかしてブレーキが効かないこと。 |
ベーンコンプレッサー |
圧縮機の一種。ベーンは風見や風車の羽根を意味し、羽根状の金属製の板を使用したコンプレッサーのこと。回転軸に偏心したシャフトの回りに軸に平行した溝をいくつか設け、このスリットに出入りできるベーンをセットしてシリンダーの中に入れ、シリンダーの中をいくつかに仕切る。偏心したシャフトを回すと仕切られた小部屋の容積が変化するのでこれを圧縮機として利用するもの。 |
ベーンポンプ |
ベーンを使ったポンプのこと。一般に流体が液体の場合はポンプ、気体の場合はコンプレッサーと呼ばれる。 |
ヘジテーション |
エンジンのもたつきのことでアクセルを踏んでも加速しない現象をいう。 |
ペダル |
踏み板。クルマを操縦するときに足で踏んで操作するもの。アクセルペダル、ブレーキペダル、クラッチペダルなどがある。 |
ペダルストローク |
ペダルを踏み込んだ時に動く距離のこと。 |
ペダル踏力 |
ペダルを踏み込むのに必要な力のこと。 |
ヘッドアップディスプレイ |
ウィンドシールドに速度計やウォーニングライトなどの表示を行うもの。視線の移動が少なく、前方の景色との間にめの焦点距離の変化も少ないので安全で見やすい。 |
ヘッドカバー |
シリンダーヘッドのカバーで、ボンネットを開けるとまず目に入るエンジンの顔であり、シリンダーヘッドを覆う働きと同時にそのデザインも重視される。ロッカーカバー、カムカバーともいわれる。 |
ヘッドクリアランス |
シートに着座した状態で頭頂から天井までの寸法。 |
ヘッドライニング |
天井の内張り。ルーフとの断熱、遮音、室内の騒音の吸収などの機能を持つ天井の内張りには、構造によってはルーフから吊られている吊り天井、内張りの表皮、パッド、基材を一体に成形して作り、室内灯や天井まわりの部品でルーフに固定する成形天井、直接ルーフに貼り付けられる貼り天井などがある。 |
ヘッドランプ |
前照灯。対向車のドライバーに眩しくないようにビームを上下に切り替えられるようになっており、保安基準では、走行ビームの時前方100m、減光またはすれ違いビームの時40m前方の障害物が視認できる明るさのライトの装備が必要。灯火の色は白色または淡黄色と規定されている。 |
ヘッドランプクリーナー |
ヘッドランプの汚れを取り明るくするための装置で、ワイパー方式と洗浄水噴射方式があり、北欧ではクルマに装備することが義務付けられている。 |
ヘッドランプドア |
ヘッドランプの周辺に取り付けられている飾りのこと。 |
ヘッドランプレベリング |
ヘッドランプの光軸の高さを調整する装置。クルマは乗員数や荷物の量によって前後軸の荷重分布が変化し、ヘッドランプの光軸がこれによって上下するため、ランプを固定して取り付けると対向車を眩惑するケースが生じる。そこで、自動あるいは手動によって光軸の高さを補正することが考えられた。 |
ヘッドルーム |
シートの表面から天井までの寸法で、保安基準で測定方法が決められ、800o以上と規定されているが前席で900o、後席で850o前後のクルマが多い。 |
ヘッドレスト |
ヘッドレストレイントを略したもの。頭を休める支え。 |
ヘッドレストレイント |
レストレイントは抑えることを意味し、追突されたときに乗員がのけぞって首を傷めないようにシートバックに取り付けられているもの。保安基準では頭部後傾抑止装置と呼ばれる。シートバックの上に枕のように取り付けられている指し込み方式と、シートバックと一体になっている一体式があり、一体式のものは背の高いシートということからハイバックシートと呼ばれることがある。 |
ベテランカー |
イギリスのクラシックカーで、1906年の第1回グランプリレース以前に作られたクルマ、あるいは1914年〜1918年の第1次世界大戦以前に作られてクルマをいう。 |
ヘテロジニアス |
不均一なこと。ガソリンエンジンに吸入される混合気は均質であることが望ましいが、リーンバーンを行うため濃い混合気に着火して薄い混合気を燃やす場合には混合気がヘテロジニアスであるという。 |
ベベルギヤ |
傘歯車。円錐の表面にそって歯を刻んだ歯車の組み合わせで、歯が直線のものをスパーベベルギヤ、曲線のものをスパイラルベベルギヤと呼び、スパーベベルギヤはワンボックス車のステアリング系などに、スパイラルベベルギヤはファイナルギヤとして用いられている。 |
ヘミヘッド |
半球型燃焼室をヘミスフェリカルヘッドと呼び、これを略していうもの。 |
ヘリカルギヤ |
ヘリカルはらせん状になっていることをいい、歯が周方向に斜めに刻まれているギヤのこと。スパーギヤに比較し、力の伝達が滑らかで音が小さいという特徴があるが、歯の工作が難しい。 |
ヘリカルポート |
スワールポートの一種で、吸気ポートの形を渦巻き状にしたもの。直接燃料噴射式ディーゼルエンジンに多く用いられるが、ガソリンエンジンにも採用されている。 |
ペリトロコイド |
バンケル型ロータリーエンジンで、繭形のローターハウジング内壁面のなす曲線のこと。 |
ペリフェラルポート式 |
ロータリーエンジンの吸排気ポートの配置方式の一つで、ポートをローターハウジングの内周に設けたもの。ポートをサイドハウジングに設けるサイドポート式と対に使われる用語。ポートがアペックスシールによって開閉され、気流の方向がローターの回転方向と同じなので吸排気抵抗は少ないが、シールがポート上を通過するときに両側の作動室がつながるという作動上の特徴があり、吸気ポートとして使った場合、排気行程と吸気行程の作動室がつながるので低回転時には吸気に燃焼ガスが混入して燃焼が不安定になる。乗用車用エンジンの吸気ポートにはサイドポート式が用いられ、レース用エンジンでは吸排気ポートともにペリフェラルポート式が使われるのが普通である。 |
ペリメーターフレーム |
ぺリメーターは平面の周囲のことで、フロア回りを補強部材で囲ったフレーム。他のフレームに比べて軽量でフロアを低くできる利点があるが、剛性が弱いのでボディの強さを増してこれをカバーしてあるのが普通。 |
ベルジアンロード |
ヨーロッパの古い市街地に多く見られる石畳路のこと。フランスの北にあって北海に面した国ベルギーの町に典型的な石畳路が多いことからこのように呼ばれるもの。代表的な悪路として自動車メーカーやタイヤメーカーがテストコースに設け、乗り心地テストや強度テストなどに利用している。 |
ベルテッドバイアスタイヤ |
バイアスタイヤのカーカスの上にベルトを乗せた構造のタイヤ。ラジアルタイヤとバイアスタイヤの中間的な性能が得られるが、中型以下の乗用車に使うと路面からの衝撃を吸収しにくく、運動性能と乗り心地のバランスがとりにくいので今日ではほとんど使われなくなった。タイヤ構造の主流がバイアスからラジアルに変わっていった1970年代に、膨大なバイアスタイヤの製造設備が稼働していたアメリカでバイアスタイヤ用の設備を用いてラジアルに近い性能のタイヤを得ようとして作られたもの。 |
ベルト |
シートベルトやファンベルトなど車には多くのベルトが用いられているが、単にベルトというと、ラジアルタイヤのトレッドとカーカスの間に置かれているコードの層で、両端がビード部分にまで達していないものをいう。トレッド部の剛性を高めラジラルタイヤとしての性能を生み出す部分。 |
ベルトキャッチ・テンショナー |
クルマの衝突時の加速度を感知した時シートベルトを瞬間的に引いて乗員をシートに固定する装置。 |
ベルト式無段変速機 |
自動変速機の一種で、動力の入力軸と出力軸に間隔が変えられる側板をもつプーリーを取り付け、これをスチールのベルトやチェーンで連結した構造のもの。側板にテーパーを付けておけば、プーリーの幅を広くするとベルトが軸中心に近づき、ギヤの径を小さくし歯の数を少なくしたのと同じ効果が得られるという原理を利用し、プーリーの幅を油圧でコントロールして変速を行う。 |
ベルトライン |
サイドボディの中央付近に水平に設けられている線で、車体を低く、前後に長くスマートに見せる効果があり、多くのクルマが採用している。 |
ヘルパースプリング |
補助ばね。重ね板ばねで主として荷重を負担するばねにある値以上の負荷がかかった時、補助的に働くスプリング。積載重量の大きいトラックに使われ、荷物の少ないときにはメインスプリングのみが働き、フル積載時にこのスプリングも働く。荷重の少ないときには柔らかいばねを利用し、乗り心地を良くするもの。 |
ヘルメット |
頭部に打撃を受けたとき、損傷を防ぐと同時にその衝撃を緩和する防止。FRPで作られた被いの内側に発泡スチロール樹脂などの衝撃吸収ライナーを張り付けた構造になっており、世界各国でその材料、形状、構造、性能など詳細な規定が定められている。耳より上の部分だけを保護するハーフ形、顔面を除く頭部全体を被うジェット形、ハーフ形とジェット形の中間のセミジェット形、頭部全体を被い、前面に窓を開けた形のフルフェース形がある。 |
ベルリーナ |
イタリア語でセダンのこと。 |
ベルリーヌ |
フランス語でセダンのこと。 |
ペレット触媒コンバーター |
排気ガス浄化装置の一つ。ペレットは散弾の玉のような小さな球のことで、触媒は自身は変化しないで他の物質の化学変化を助ける働きをするもの。ペレット触媒は直径3oほどで無数の微小な穴を持つアルミナの粒の周りに触媒を付着させたもので、ステンレス鋼で作られた容器に入れ、断熱材で覆って中に排気ガスを通し、有害な成分を少なくする。 |
ベロア |
毛足の短い極細の繊維を植え込んでビロード状に作られた布地。 |
ベローズ型サーモスタット |
ラジエターのサーモスタットの一種。黄銅で作られたベローズの中にエーテルを密封したもので、熱によってエーテルが膨張するとバルブが開き、水圧の影響を受けやすい。 |
ヘロンチャンバー |
S.D.ヘロンが提唱した燃焼室の形状で、シリンダーヘッドを平らにし、ピストンのクラウン中央部にくぼみを設けたもの。周囲に設けることのできるスキッシュエリアと相まって混合気がよくノッキングが起こりにくくなり、圧縮比を高く出来るという特徴を持つ。 |
弁 |
バルブ。機械の部品で、気体や液体の出入りをコントロールするもの。自動車ではエンジンの吸排気バルブを指すことが多いが、タイヤに空気を入れるためのチューブバルブやリムバルブをいうこともある。 |
変速機 |
歯数の異なるギヤの組み合わせを変えて変速を行う装置。手動式のものをマニュアル・トランスミッション、自動式をオートマチック・トランスミッションと呼ぶ。 |
変速ショック |
自動変速機が変速を行った際に感じられるショック。遊星歯車の組み合わせの変化による出力軸のトルク変動が衝撃として感じられるもの。 |
変速比 |
JISでは変速機の入力軸と出力軸の回転数の比であって、走行状態に応じて選択できるものと定義されている。トランスミッションやディファレンシャルギヤによって回転数がどれだけ変えられるのかを示すもの。 |
ペンダントタイプ・アクセルペダル |
下げ飾りのようにダッシュボードから吊り下げられているタイプのアクセルペダル。 |
ベンチシート |
二人以上腰かけられる長椅子型のシート。セダンではコラムシフト車が多かった時代は前席もこのタイプのシートが多かったが、現在は圧倒的にセパレートシートになっており、わずかにタクシー仕様車などに見られるだけになった。 |
ベンチテスト |
エンジンなど自動車の構成部品を作業台に取り付け、稼働させて行う試験のこと。ベンチは長椅子の意味からこれに似た長い作業台や仕事台をいう。 |
ベンチュリー |
流速を測定するベンチュリー管で有名なイタリアの物理学者の名前で、空気の通路を狭く絞ってある部分のこと。流体が狭い通路を流れると流速が速くなり、負圧を生じる原理を利用して燃料を吸い出し、霧化して空気と混合するというキャブレターの働きの中核をなす部分。チョークと呼ばれることもある。レーシングカーでアンダーボディに空気を通してダウンフォースを得るために絞り込んである部分。 |
ベンチレーター |
車室内の換気を行う装置。ラジエターグリルから取り入れた外気をダクトでエアコンや室内に導き、ドア回りやクォーターピラー付近から排出するのが普通。自然換気方式と空調システムのファンを利用する強制換気方式がある。 |
ベンチレーテッドディスク |
内部に冷却用の通気孔のあるブレーキディスク。スポーツカーでは前輪に採用され、一般車でもフェード現象を予防し、ブレーキの効きを良くするため前輪に採用されることが多い。 |
ベンディックススターター |
スターターの形式の一つで、スターターモーターの回転軸が一種のウォームギヤとなっており、スイッチを入れると、このスクリューを軸としたピニオンギヤがスライドしてリングギヤに噛みあう。 |
ベンディングダンパー |
クランクシャフトに発生する曲げ振動を吸収する装置。回転軸と平行にゴムを介してマスとなるスチール製のリングを付け、ゴムのヒステリシスによって振動を吸収するもので、通常トーショナルダンパーと組み合わせ、デュアルモードダンパーとして使用される。 |
ペントルーフ型燃焼室 |
ペントルーフは一方だけに勾配のある片流れ屋根のことで、英語では浅いくさび型や円錐型の燃焼室を指すが、日本では切妻形の屋根に似た形の燃焼室をいう。4バルブエンジンで中央に点火プラグを置き、屋根の勾配の両側に2個ずつの吸排気バルブを配した形が典型的なもの。 |
偏平率 |
タイヤの断面幅に対する高さの比率。アスペクトレシオあるいはアスペクト比ともいう。乗用車用タイヤでは70〜80%が一般的だが、超高速走行用タイヤやレーシングタイヤには30%近いものもある。 |
ほ行
ボア |
丸く掘られた穴の意味から、エンジンやポンプのシリンダーの内径。 |
ボアアップ |
ボア系を大きくすること。 |
ボア・ストローク比 |
ピストンのストロークとシリンダーのボア系の比のこと。この数値が1のエンジンをスクエアエンジン、1より大きいエンジンをボア系よりストロークが長いということからロングストローク・エンジン、逆に1より小さいエンジンをショートストローク・エンジンと呼ぶ。英語ではストローク・ボア比と逆にいうのが普通。 |
ボアピッチ |
多気筒エンジンで各シリンダー間の間隔のこと。シリンダーの中心間の距離。 |
保安基準 |
法律の「道路運送車両の保安基準」のこと。国内で運行される自動車に要求される技術的な基準で、乗車定員、装置、構造または最大積載量の3項目について定められている。違法改造という場合の法はこの保安基準を指すのが普通。 |
ホイール |
車輪または車輪状のもの。ディスクホイールのことをいう場合が多いが、ホイールアライメント、ホイールベース、ホイールアーチなどの複合語ではディスクホイールにタイヤを一体に作ったワンピースホイール、リムとディスクを組み合わせたツーピースホイール、ディスクを二枚のリムで両側から挟んだ構造のスリーピースホイールがある。また各種のランフラットタイヤにはそれぞれ専用のホイールが使用される。 |
ホイールアーチ |
ホイールの着脱を行うためやタイヤの向きを変えたときに邪魔にならないようにマッドガードやサイドパネルに開けられている半円形の開口部のこと。 |
ホイールアライメント |
ホイールがどのように車体に取り付けられているかを示すもので、キングピン傾角、キャンバー角、キャスター角、トーインの四つの要素からなる。クルマを水平面状にまっすぐ前に向けて止めた状態の各要素の値として定義される。アライメントは一列にするという意味。 |
ホイールウエル |
深底リムで、タイヤの脱着を行うために設けられているくぼみの部分のこと。 |
ホイールオフセット |
ホイールがタイヤの中心からどれだけ片寄せてクルマに取り付けられているかを示す数値で、リムの中心面とディスクのハブへのあたり面との間の距離をいう。トラックのダブルタイヤではこのオフセットを内面オフセットと呼び、リムの中心面とディスクの外面との間の距離を外面オフセットと呼んで区別している。 |
ホイールキャップ |
ホイールの覆い。ハブ穴を飾るセンターキャップ、ハブ穴とホイールの取り付けナットなどディスクの中央部分を覆うハーフキャップ、ホイール全体を覆うフルキャップがある。 |
ホイールシリンダー |
油圧式ドラムブレーキでマスターシリンダーからの油圧によってブレーキシューをドラムに押しつける働きをするもの。鋳鉄やアルミ合金製のシリンダーの中に油圧によって作動するピストンが置かれた構造となっており、ピストンがブレーキシューを押すようになっている。 |
ホイールストローク |
ホイールの上下方向の可動範囲。基準となる位置からばねが縮む方向へのホイールの動きしろをバウンドストローク、逆に伸びる方向への動きしろをリバウンドストロークといい、両者を合わせたものをホイールストロークという。 |
ホイールスピン |
車輪が過度に加えられた駆動力によって空回りすること。クルマの走行速度に対して駆動輪の回転速度が大きくなっている状態で、一般にタイヤの接地力が小さくなり、駆動力、横力ともに低下して走行安定性が悪化する。 |
ホイールトレッド |
輪距。左右のタイヤトレッドの中心間の距離。 |
ホイールナット |
ホイールをハブに固定するためのナット。ハブナットともいう。 |
ホイールバランス |
タイヤをホイールに組み込み、空気を入れた状態での質量の釣り合い。バランスの取れていない状態で回転軸周りの周方向の不釣り合いを静的アンバランス、これに回転軸方向の不釣り合いを加えたものを動的アンバランスという。アンバランスのあるタイヤ・ホイールが回転すると遠心力によって振動が発生し、操舵系やサスペンション系と共振するとステアリングホイールの回転方向の振れやボディ振動をもたらすことがある。よって、専用の測定機器(バランサー)でこれを調べ、鉛の重り(バランスウエイト)で修正する。 |
ホイールブレーキ |
アウトボードブレーキとも呼ばれ、車輪の内側に取り付けられている通常のブレーキのことで、ディスクブレーキとドラムブレーキがある。 |
ホイールベース |
前後の車軸の中心間の長さで、自動車の基本的な寸法の一つ。JISでは前後のタイヤ接地中心から縦中心面に下ろした垂線間の距離と定義されている。 |
ホイールリフト |
急旋回や急制動でタイヤが路面から浮き上がること。 |
ホイールレート |
ホイール位置でのサスペンションのばね定数で、サスペンションレートとも呼ばれる。ある荷重条件下で、タイヤのたわみを無視し、ばね上重心とホイールの中心の位置を単位距離近付けるのに必要な重量であらわす。タイヤを含めたホイール位置でのばね定数をライドレートという。 |
ポイントギャップ |
コンタクトブレーカーポイントのギャップのこと。イグニッションコイルに一次電流を流す時間を決める目安となるもので、ポイントのヒール部分がカムの回転によってカムの山の最も高い位置に押し上げられたときのギャップを測定してあらわされる。 |
防眩ミラー |
インナーミラーで、夜間、後続車のヘッドランプの光が眩しいとき、これを和らげる仕組みを持つもの。プリズム鏡を利用するプリズム式、鏡と液晶を組み合わせた液晶式、ミラーの鏡面にEC素子を使用するエレクトロクロミック式があり、手でレバーやスイッチを操作するが、光センサーによって後続車の光を感知し、自動的にミラーの反射率を少なくするようにした自動防眩ミラーもある。 |
方向性パターン |
タイヤの回転方向によって特性が異なり、指定方向にタイヤが回るようにクルマに取り付ける必要のあるトレッドパターン。 |
芳香族化合物膨潤 |
石油から分離されるベンゼンやナフタリンなど分子の中の炭素原子が結合して環を作っている環状炭化水素のことで、一般によい香りがすることから芳香族と呼ばれるもの。6個の炭素原子が正六角形の頂点に配置された構造を持つベンゼンは、有機化合物の基本的な材料としてよく知られている。 |
膨潤 |
ゴム状の高分子物質が溶媒に溶けないでこれを吸収し、体積が増える現象。強度低下を伴うのが普通。 |
防振型プロペラシャフト |
プロペラシャフトの高速ねじり曲げ共振によってデフノイズが発生するのを防ぐ目的で開発されたもので、プロペラシャフトのチューブを二重にして間にゴムを入れ、このゴムを介して駆動力を伝えるようにしたもの。 |
防振鋼板 |
制振鋼板ともいい、二枚の鋼板の間に合成樹脂を挟んだ構造で、この樹脂の層によって鋼板の振動を吸収し、車室内の騒音を低くするもの。 |
防錆鋼板 |
錆を防ぐために表面処理をした鋼板。 |
膨張行程 |
燃焼行程とも呼ばれ、圧縮行程のあと混合気が急速に燃焼し、圧力が急激に高まってエンジンの動力が発生する行程。ガソリンエンジンでは気化した混合気にスパークプラグで点火するとこれが火種となって周囲に燃焼が広がり、ガス化した混合気が燃焼ガスに変わって圧力と温度が急上昇し、ピストンを押し下げる。ディーゼルエンジンでは噴霧された燃料の微粒子が周囲の高温度の空気によって加熱され、酸化反応が起こって自然発火し、これが火炎核となってガソリンエンジンと同様火炎伝播→圧力と温度の上昇という経過をたどる。 |
ポーティング |
2ストロークエンジンの吸入、掃気、排気のタイミングはそれぞれのポートの位置、開口面積、角度などによって決まり、これらの大きさと形状、配置を設定することをポーティングという。 |
ポート |
装甲車や城の壁に穿たれた銃眼の意味から、穴や口のことをいう。 |
ポートタイミング |
2ストロークエンジンの吸気、掃気、排気の各ポートが開閉し、ガスがクランク室と燃焼室に流入あるいは流出するタイミングのこと。掃気と排気のタイミングはピストンの肩の部分がポートを横切るタイミングによって決まり、吸気のタイミングはピストンバルブ吸気の場合、ピストンのスカートがポートを開閉するタイミングによって決まる。リードバルブやロータリーバルブを利用して吸気が行われるエンジンでは、吸入のタイミングを吸気タイミングと呼んで区別している。 |
ポートライナー |
エンジンの排気ポートの内側に取り付けてある遮熱材。排気ガスを温度の高い状態で排気ガス浄化装置に送り、化学反応が起こりやすいようにするために取り付けられているもの。 |
ホーニング |
ホーンと呼ばれる砥石によって孔の内面を精密に仕上げること。シリンダーボーリングを行った後の仕上げ加工などに用いられる。 |
ポーパシング |
ポーパスはいるかの総称で、いるかが泳ぐときのように走行中に車体が上下にうねるような動きをする現象。グラウンド・エフェクトによってダウンフォースを得ているフォーミュラカーに起こることがあり、路面の凹凸によるバウンドなどがきっかけとなって路面と車体との間隔が変わり、ダウンフォースが大きくなったり小さくなったりしてこのような現象となるもの。 |
ボーリング |
シリンダーボーリングを略していうもので、エンジンのシリンダー内面を削って径を大きくすること。現在はあまり見られないが、摩耗したシリンダーを再生するため、あるいは排気量を大きくするために行われたもの。 |
ポールシッター |
ポールはポールポジションのことで、シッターは座る人を意味する。レースの公式予選で1位になり、ポールポジションにつくドライバーのこと。 |
ボールジョイント |
玉自在継手。ボールスタッドと呼ばれる球状の突起を包み込んで自由に動くソケットと接合し、ガタのないようにばねの働きをするものを入れた構造のもの。サスペンションやステアリング系に多く用いられ、ステアリングナックルとアッパーリンクや、ナックルアームとトランスバースリンクのジョイントなど自由に動く継手として利用されている。 |
ボールタイプシンクロ |
コンスタントロード型シンクロとも呼ばれ、シンクロメッシュの一種で、同期噛合機構が開発された初期に用いられたもの。回転速度の異なるギヤを結合するのに一方のギヤに円錐形のシンクロナイザーコーンを取り付けておき、スプライン上にセットされている同じ円錐面を持つシンクロナイザーをセレクターで滑らせて、まず円錐面同士を接触させてその摩擦力によって回転速度を一致させ、そのあと両者の周囲に刻まれた歯を噛み合わせるようにしたもの。セレクターとシンクロナイザーの動きを規制するために、ばねで支えられたボールを使用するのでこの名前が付けられた。 |
ホールノズル |
ディーゼルエンジンの噴射ノズルで、2種類がある。ピントルノズルのピントルを短くして噴射量の精度を上げ、孔づまりを防ぐように改造したもの。多孔ノズルで、球状のノズルの先端に3〜6個の孔をあけ、この孔から燃料を噴射するもの。直接噴射式エンジンに多く採用されている。 |
ボールブッシュ |
サスペンションブッシュで内筒の中央部分が球状になっているもの。 |
ボールベアリング |
玉軸受。ベアリングの形状に一つで、内輪と外輪または2枚の円盤に挟まれた溝に間隔を持つ保持器に支えられた鋼球を入れた構造のもの。軸に直角な方向の荷重を受ける前者をラジアルベアリング、軸方向の荷重を支える後者をスラストベアリングと呼ぶ。レースの形状によって、縦横両方の荷重を支えるアンギュラ玉軸受もある。レースとボールが点接触をしながら転がるので摩擦係数は小さいが、耐圧力はローラーベアリングに劣る。 |
ポールポジション |
公式予選1位のクルマが決勝レースでスタートする位置。スタート後最初のコーナーに対して有利な位置が指定され、最前列に2台以上が並ぶ場合はイン側であることが多い。 |
ホーン |
警音器。エアコンプレッサーを備えたトラックやバスでは空気式のエアホーンが多いが、一般の自動車には電気式のホーンが付けられており、平型と渦巻き型がある。円形の金属板に共鳴板を取り付け、電磁石に心棒を入れたアマチュアで振動させて音を出す。渦巻き型は音道が長いため音がソフトである。 |
ポジション |
位置、状態、立場などを意味し、AT車ではセレクターレバーの位置のことをいう。 |
ポジティブオフセット・ステアリング |
キングピンオフセットで、タイヤの接地中心がキングピン中心線の路面との交点より外側にあるもの。逆に内側に来るようにしてあるものをネガティブ・キングピンオフセット、オフセットがゼロに近いものをセンターポイント・ステアリングと呼ぶ。 |
補助加速ポンプ |
エンジンの冷間時に加速ポンプの働きを助けるためベンチュリーに燃料を噴射する装置。加速ポンプとは別に設けられ、インテークマニホールドの負圧によって作動するダイヤフラムによって燃料が送られる仕組みになっている。 |
補助前照灯 |
ヘッドランプを補うために装備されているランプ。保安基準には白色または淡黄色の1万カンデラ以下の橙火で3個以上が同時に点燈しない構造であることなどが定められている。 |
補助ブレーキ |
常用ブレーキのブレーキ効果を補うブレーキで、例えば排気ブレーキがある。 |
補助変速機 |
オートマチック・トランスミッションで使われる遊星歯車はトルクコンバーターの持つ変速機能を助ける働きをすることからこう呼ばれている。また、マニュアル・トランスミッションでさらに変速段数を増やすために付け加えられたギヤ装置をいうこともある。 |
ボス |
ハブ、軸頭ともいい、ホイール、歯車、プーリーなどの車軸がはめられる穴の周囲の肉厚になっている部分のこと。 |
ホットエアインテーク・システム |
寒冷時にエンジンの暖機を速くするため排気マニホールド付近の暖かい空気をエアクリーナーに導く装置。エンジンルームの温度が高い場合のために外気を導くクールエアインテーク・システムと組み合わせて使用されることが多い。 |
ホットスティッキング |
高温のオイルが変質して出来た堆積物によって、ピストンリングがリンググループに固着してしまうこと。 |
ホットスポット |
系の中で特に温度の高い箇所のこと。燃焼室の一部分にこびりついたカーボンなどの燃えかすに火がついたまま残り、圧縮行程でスパークプラグによる点火の前にここから発火する表面着火の原因となるもの。キャブレターの一部で、吸気加熱を行うために設けられているインテークマニホールドとエキゾーストマニホールドの接触箇所のこと。 |
ホットタイプ・プラグ |
コールドタイプ・プラグと対比して使用される用語で、発火部の熱が逃げにくく、焼けやすいタイプのプラグのこと。焼け型のプラグともいう。市街地の低速走行が多く、エンジン回転をあまり上げない運転に適したプラグで、高速走行を続けると発火部が焼けて点火が早くなり、エンジンの調子が悪くなる。 |
ホットロッド |
市販車をベースとしてエンジンを改造あるいは交換し、意表を突くスタイルで加速性能を徹底的に追求したクルマ。これを作ったり、これに乗る人をホットロッダーと呼ぶ。 |
ホッピング |
発進時や制動時にサスペンションが異常振動を起こしてクルマが上下に飛び跳ねる現象。急発進や坂道発進で急なクラッチミートやパワーオンした際に発生するものをパワーホップ、リバースギヤでの急発進時に起こるものをリバースホップ、ブレーキング時に出るものをブレーキホップという。 |
ボディ |
車体。人が乗り荷物が積まれる部分全体のこと。 |
ボディサイドトリム |
ドアパネルを覆う部材。 |
ボディシェル |
シェルは外郭のことで、車体からボンネット、ドアなど開閉できる部分を除いたものをいう。前部をフロントボディ、後部をリヤボディ、側面をサイドボディ、下面をアンダーボディと呼ぶ。 |
ボディマウント |
フレーム構造のクルマで車体をフレームに固定するための部品。車体を保持しながらフレームからの振動を遮断するため、ばね定数の低いゴムで作られているのが普通。 |
ポテンショメーター |
可変抵抗器。ある長さを持った抵抗に端子を接触させ、端子の位置をずらしたときの電気抵抗値の変化を電圧の変化として取り出すことによって、位置、角度などの機械的な変位を電圧に変換するもの。代表的なポテンショメーターはラジオの音量調整に使用されるボリュームで、自動車ではエンジンのスロットル開度センサーやアクセルレバーの位置のセンサーなどに利用されている。 |
ボトムバイパス |
ラジエターとエンジンの間に冷却水を通すバイパスを設け、サーモスタットの底に取り付けたバルブの開閉によって水量の調整を行うシステム。高温時にはバイパスが閉じ、ラジエターへの還流水量が増えて冷却効果を上げることが出来る。 |
ボトムリンク |
二輪車のフロントフォークの下端にリンク機構が設けてあるもの。 |
ポペットバルブ |
レシプロエンジンのバルブとして広く使われている皿形の弁のこと。きのこの傘の形をしているところから英語ではマッシュルームバルブとも呼ばれる。 |
ホモジニアス |
均質、均一なこと。異質の気体や液体同士が混ざっているとき、全体が均一な状態にあることをいい、不均一な状態をヘテロジニアスと対比して使われる言葉。 |
ホモロゲーション |
量産車が競技に参加するために必要な公認のこと。量産車あるいはその使用の一部を変更した量産車は、FIAまたはJAFで公認を受けないと競技に出場できないことになっており、競技に参加するドライバーはその公認書の携帯が義務付けられている。競技車両として公認されたことをホモロゲートされたという。 |
ポリカーボネートバンパー |
25oの厚さがあれば弾丸も通さないといわれるほど衝撃に強いポリカーボネートをバンパーとして利用するもの。表面が滑らかで美しいのもこの素材の特徴である。 |
ポリダインカム |
カムプロファイルの一種。ポリノミアルカムの断面形状を、カムとバルブの間にあるロッカーアームなどのわずかな変形を計算に入れ、バルブがカムプロファイルにより正しく追随するように修正したもの。 |
ポリノミアルカム |
数学の多項式関数で示される断面形状をもつカムのこと。カムの回転とカムのプロファイルをフォローするバルブの動きの関係をあらわすバルブリフト曲線は多項式で示され、古くから使用されている。 |
ポリマーアロイ |
2種類以上の高分子を物理的あるいは化学的に混合して作られた高分子複合材料のこと。ポリカーボネートとABS樹脂から作られたPC/ABSアロイや、ポリカーボネートとポリブチレンテレタレートから出来たPC/PBTアロイなど、多くのポリマーアロイがフェンダーやバンパー、ホイールカバーなどに使用されている。 |
ボルグワーナータイプ・シンクロ |
シンクロメッシュの一種で、スリーブリングと変速ギヤを直接つながないで、間にシンクロナイザーリングを挟んでクラッチとして使うことを特徴がなく、現在最も多く使用されている。 |
ポルシェタイプ・シンクロ |
ポルシェ社がスポーツカー用に開発したシンクロメッシュで、ドラムブレーキのサーボ機構を応用し、回転速度の異なるギヤとスリーブが接するとシンクロナイザーリングの内側にセットされたブレーキバンドが押し広げられ、サーボ効果によって大きな摩擦トルクが得られるようにしたもの。同期時間が短く、過酷な使用にも対応できる特徴を持つ。 |
ポルシェ・ティプトロニック |
オートマチックシフトとマニュアルシフトのいずれかをドライバーが自由に選択できるようにしたポルシェの自動変速機で、90年に911カレラに採用された。オートマチックシフトはPRND321の7ポジションからなり、Dではコントロールユニットが前進4段のギヤの中から主としてドライバーのアクセルペダルの踏み具合によって最適のギヤを選択する。Dの位置からレバーを左にシフトするとマニュアルシフトとなり、前に押すとシフトアップ、後ろに引くとシフトダウンが行えるようになっており、ATのスポーツ性を高めたシステムとなっている。 |
ボルテックス・ジェネレーター |
空力的な工夫がこらされ、複雑な形をしたフォーミュラカーのフロントウィングのエンドプレートのこと。単なる板状のエンドプレートの場合、後端部分に渦が発生し、これが車体の底面を持ち上げながら後方に流れる。翼端の形状を気流が外側に滑らかに流れるようにすればボディ底面の空気の流れが滑らかになり、安定したダウンフォースを得ることが出来る。 |
ボルテックス・ペア |
トレーリング・ボルテックスのことで、走行中の車体の両側後方に対になって気流の渦が出来ることからこのように呼ぶもの。 |
ボルト |
おねじが刻まれており、ナットと組み合わせて部品の結合や締め付けに使用されるもので、自動車用としては以下のような種類がある。@六角ボルト(頭部が六角形で単にボルトといえばこのボルトを指す)。A植え込みボルト(両側にねじがあり片方を部品に植え込んで使う)。B六角穴付きボルト(円筒にローレットをつけた頭部に六角の穴が開けてあるもの)。Cちょうボルト(羽根の形のつまみを手で回して締めつけるタイプ)。Dさらボルト(締めつけた後表面が平らになるように頭部が皿の形になっている)。 |
ボルトオン |
部品などをボルトとナットによって接合すること、あるいは接合されたもの。溶接と対照的に使われる言葉。 |
ボルト軸力 |
ボルトやナットを締めつけたときにボルトの軸にかかる張力のこと。 |
ボルトメーター |
電圧計。電源となるバッテリーの端子電圧を表示するメーター。 |
ホログラフィック断熱ウインド |
室内に入る太陽光線をなくした窓ガラスの一種。上方からくる太陽光線は遮光するが前方からくる可視光線は透過するという性質を持つガラスをウインドとして使用したもの。このガラスは、レーザー光を感光性ポリマーにあてて作られた干渉縞をもつシートを合わせガラスにしたもので、非等方性ホログラフィック遮光ガラスとも呼ばれる。 |
ホワーリング |
プロペラシャフトが高速回転するときに発生する曲がり振動。ホワールは回転の意味。 |
ホワイトボディ |
自動車の製造工程で、塗装直前の車体のこと。ボディシェルにボンネットやドアを取り付けた状態のもの。 |
ホワイトメタル |
錫、鉛、アンチモン、亜鉛などによって作られる融点の低い白色の合金で、自動車エンジンの軸受の材料として広く使われている。 |
ホン |
音の大きさをあらわす単位の一つ。音の強さは音波の物理的な波の大きさとして安圧レベルであらわすことができ、デジベルという単位が使用されるが、音の大きさは人の感覚に訴えるものなので同じデジベルの音でもその周波数によって大きくも小さくも聞こえる。 |
ホンダマチック |
セミオートマチック・トランスミッションの一種でホンダが1978年に発表したもの。変速用に加工の複雑なプラネタリーギヤを使わず、2軸式のトランスミッションとトルコンを用い、多板クラッチでスターレンジとローの2段を選べるようにしてある。代表的な2速オートマチックのATだったが後にオーバードライブが追加され、通常の3速オートマチックとなった。 |
ボンネット |
帽子の一種からきた言葉で、クルマの前部のエンジンルームまたはトランクルームを覆う蓋のこと。アメリカではフードと呼ばれるが、イギリスでフードというと幌張りのルーフを持つロードスターの幌を指す。運転席からレバーやノブでロックを解除し、指でフックを外して開けるようになっているのが普通。フロントエンジン車の場合ヒンジが後ろにあって前から上に開く前開きと、逆に後ろから前に開く後ろ開きがあるが、前開きはエンジンルームの作業性は良い物の走行中に開いて前が見えなくなる可能性があるとして好まない人もいる。 |
ポンピングロス |
ピストンがシリンダー内を往復するポンプ運動において、混合気の爆発によって生じたエネルギーの一部が、混合気を吸い込んだり、燃焼したガスを排出するのに消費される。それぞれを吸気損失、排気損失といい、合わせてポンピングロスという。 |
ポンプ脈動 |
ポンプには一定の圧力で流体を送る仕組みになっているものもあるが、一般にピストンや羽根車から流体を圧送すると周期的に圧力が変化し脈打った流れとなる。この現象をポンプ脈動という。 |