自動車用語集 | さ・し・す・せ・そ
さ行
サージ |
@バルブサージングのこと。Aエンジンのトルク変動によってクルマが前後方向に10Hz以下の周波数で揺れる現象。定常走行中にアクセル操作によるエンジン出力の変化やミスファイアーなどがきっかけとなって起こる微小な振動をいい、急加速や変速によってエンジンに急激なトルクが発生し、駆動系にねじれ振動が起こって、クルマが前後にガクガクと揺さぶられる現象はしゃくりと呼んで区別している。 |
サージタンク |
燃料噴射エンジンで吸気系に吸気脈動が生じないようにインテークマニホールドとスロットルバルブとの間に設けられているタンク。燃料噴射システムでは吸気脈動がエアフローメーターの精度に悪影響を与えることがあり、これを除く必要がある場合に使用される。吸気気筒干渉効果を防ぐ働きもある。サージは周期的な変動のこと。コレクタータンクともいわれる。 |
サーティーンモード |
ディーゼルエンジンを搭載した重量車の排気ガス測定を行う時の運転方法で、13の定常走行からなり、ヨーロッパで規格化されている。 |
サードギヤ |
3速ともいう。前進3段のトランスミッション車ではトップギヤとして走行中最も頻繁に使われるギヤ。前進4段以上のクルマでは追越しをする際の加速に使われることが多いが、低速の走行や登坂、さらに下り坂のエンジンブレーキにも利用される。ギヤ比は前進3段の場合にはエンジンの直結の1、前進4段以上のクルマでは1.3から1.5倍程度が普通である。 |
サーフェス・ボリューム・レシオ |
略してSV比といい、燃焼室の表面積(サーフェス)に対する燃焼室の体積(クリアランスボリューム)の比(レシオ)のことで、エンジンの熱効率を表す指標の一つ。この数値が小さいほど熱エネルギーのロスが小さく、熱効率が高い。この比が計算上最小となるのは半球型燃焼室である。 |
サーペンタインベルト |
エンジンで多数の補機のプーリーをつなぐ曲がりくねった(サーペンタイン)Vベルトのこと。ウォーターポンプ、オルタネーター、パワーステアリングポンプなど多数のプーリーをクランクプーリーで駆動するときに使われる。 |
サーボ機構 |
フィードバック制御系の一種で、@ある系の中にあって、ものの位置やそれが動く速度を自動制御するメカニズム。サーボブレーキがその例。Aサーボモーターのように、制御信号に追随して動くシステム。 |
サーボブレーキ |
サーボは機械装置を操作するとき、その操作と連動する別の動力によって操作力が強められる機構のこと。わずかなペダル踏力で大きなブレーキ力が得られるシステムで、別の動力としてエンジンの吸入負圧を利用するバキュームサーボブレーキと、圧縮空気を利用するエアサーボブレーキがある。 |
サーボモーター |
与えられた制御信号を操作力に変える電動機や油圧モーターのこと。普通のモーターはスイッチを入れたとき一定の回転力を発生するだけで良いが、サーボモーターでは与えられた信号に応じて精度よく頻繁に起動、停止を行うため、大きな起動トルクで瞬時に回り始め、スイッチオフと同時に止まれる応答性が要求される。自動制御には欠かせない部品で、自動車には電気モーターが多く用いられている。 |
サーマルリアクター |
二次空気供給装置のこと。サーマルは熱、リアクターは反応器のことで、エキゾーストポートの近くに取り付けられており、新しい空気を送り込んで排気ガス中のHCやCOを完全に燃焼させる装置。 |
サーミスター |
温度によって電気抵抗値が変化する半導体素子で、熱電気を意味するサーモと、抵抗器を意味するレジスターを結合して作られた合成語。自動車で温度を知る必要のある場合にはもっぱらサーミターが利用されており、外気温、水温、湯温、排気温などのセンサーとして使われている。 |
サーモスタット |
温度を自動的に調整する装置のことで、様々な機器に広く使われている。エンジンの冷却系では、エンジンの始動後出来るだけ早く水温を上げるために用いられ、水温が80℃前後になるまでは冷却水をエンジンからラジエターに流さず、温度が上がると水量が増えるようになっている。サーモバルブとも呼ばれ、温度センサーによってワックスペレット型とベローズ型がある。 |
サイアミーズ |
二つのものを一つにまとめた形のものに付けられる形容詞。二つの吸排気ポートをY字形にまとめたサイアミーズポートやシリンダーを二つ並べたサイアミーズ・シリンダーボアなどがある。シャム双生児からきた用語。 |
サイクルフェンダー |
自転車(サイクル)の泥よけに似た形で、独立してタイヤを覆っているフェンダーのこと。クラシックカーに多い。 |
サイクロイド |
数学用語で、円が直線上を転がるとき、円の周上の一点が描く曲線。ルーレットともいう。 |
最高出力 |
エンジンの出しうる最大の動力。最大馬力ともいい、一分間あたりのエンジン回転数(rpm)が何回転のとき、最高何馬力(ps)の出力が得られるかで示される。エンジンの動力は燃焼ガスの圧力によって発生するので、出力は、荘排気量、ピストンが受ける圧力と回転数に比例して大きくなるが、高回転になると充鎮効率が低下し、エンジン自身の摩擦に消費される馬力が大きくなってそれ以上の出力はでなくなる。したがって、あるエンジンの最高出力は、許容最高回転数と、その時いかに燃焼ガスの圧力を高く出来るかによって決まるともいえる。 |
サイサポート |
サイとは膝と腰の間、つともものことで、シートの全端部分の大腿部を支えるもののこと。この部分の支持が悪いと下半身が不安定になり、強過ぎるとブレーキ、アクセル、クラッチなどの操作がしにくくなるのでドライバーの運転姿勢にマッチした支持の仕方が求められる。サイサポートが調整できるものをサイサポートアジャスターという。腰をサポートするランバーサポートと組み合わせて使われることが多い。 |
再始動性 |
エンジンを止めてからしばらくして再び始動する場合のかかり具合のこと。 |
最小回転半径 |
ハンドルを一杯に切ったまま微速で旋回した時、前輪外側タイヤの中心が描く円の半径。少々車では4.3〜5.0mが普通。保安基準では12m以下となっている。 |
最小燃料消費率 |
エンジン性能曲線に示される燃料消費率の最小値。一般に最大トルク付近で燃料消費率が最小になる傾向がある。 |
サイズファクター |
タイヤ幅とタイヤの外径を加算したもので、主としてアメリカではタイヤの大きさを表す目安として使われている数値。 |
最大安定傾斜角度 |
空車状態の自動車を左または右に傾けた場合、反対側の車輪の全部が接地面を離れるときの、接地面と水平面のなす角度。保安基準では乗用車の場合、左右共35度以下となっており、耐転覆性能を示す目安の一つである。 |
最大積載量 |
道路運送車両法の定義は「保安基準に適合して安全な運行を確保できる範囲内において、積載することができる積載量のうち最大のもの」となっており、車体構造などを変更しても標準車の最大積載量を超えた積載量は認められない。 |
最大トルク |
エンジンによって生じる最大のトルク(回転力)で、kg-mの単位で示され、通常そのトルクを発生するときのエンジンの1分間あたりの回転数(rpm)を合わせて表示する。一般にエンジンの回転数が低い範囲では主としてバルブのタイミングが合わないため、また回転数が高くなると吸排気のタイミングが合わないため、それぞれトルクが小さくなるので、最大トルクを大きくするとトルクの大きい回転数の範囲が狭くなる傾向にある。 |
サイドウィンドガラス |
クルマの側面の窓ガラスの総称。ドアに取り付けられているドアウィンドガラス、クォーターピラーとリヤピラーの間にあって通常開閉のできないクォーターウィンドガラスなどがあり、強化ガラスが使用されるのが普通。旧式のオープンカーで使われたビニール製の取り外しのできる窓はサイドスクリーンと呼ばれた。 |
サイドウィンドワイパー |
サイドウィンドのドアミラーの近くに設けられたワイパーで、1988年のマークUに初めて装備された。窓に付着した水滴によってミラーが見えなくなるのを防ぐためのもの。 |
サイドウォール |
タイヤの側面で、トレッドとビートの間の部分のこと。タイヤサイズや強度、適合規格などが刻印されており、アメリカではこの部分にタイヤの耐スリップ性、耐摩耗性、高速耐熱性の表示が義務付けられている。 |
サイドエアバック |
側面衝突による乗員の負傷を防ぐため、ドアの内側に設けられているエアバック。 |
サイドサポート |
コーナリング時にドライバーの体を支える目的でシートバックの両側を前に張り出したもの。張り出しの程度を調整できるタイプのものもある。 |
サイドスリップ |
直進状態にある自動車のタイヤの横滑り量で、専用の測定機(サイドスリップテスター)上で測定されるもの。通常、乗用車で1mあたり何oかで示され、3o以内にあるのが普通で、以上に大きいとクルマの偏向やタイヤの異常摩耗の原因となることがあり、5o以上あると調整の必要があるとされる。なお、ベンツのSクラスは例外で、アライメントの関係でサイドスリップ推奨値が6.0±5.0oとなっている。 |
サイドドア強度 |
側面衝突事故で、サイドドアが車室内に侵入するのを防ぐためにドアに要求される強度。米国、オーストラリアなどで安全基準の一項目として規制値が設けられている。 |
サイドドアビーム |
側面衝突に対するドアの強度を確保するため、ドアの内部に設けられた補強材。略してサイドビームともいう。1990年代に入って日本でも取り付けるクルマが多くなってきた。 |
サイドドラフト |
ドラフトは通風を意味し、キャブレターで空気を横に通すタイプをいい、マニホールドの比較的短いエンジンに採用されている。ホリゾンタルドラフトともいう。 |
サイドハウジング |
ロータリーエンジンのハウジングで、ローターを横から保持するもの。中央にローター歯車と噛み合う固定歯車が取り付けられ、サイドポート式では吸排気のための穴(サイドポート)があけられている。 |
サイドバルブエンジン |
吸排気バルブがシリンダーブロックの横(サイド)に配置されているエンジン。初期のエンジンの標準的なレイアウトで、バルブはシリンダーヘッドより低い位置に置かれたカムシャフトによって駆動される。インテークマニホールドが曲げて取り付けられていることもあって体積効率が悪く、燃焼室が圧縮比を高めにくい形状となる。Lヘッドエンジン、Tヘッドヘンジンなどがこのタイプのエンジン。 |
サイドフォース |
タイヤがあるスリップ角をもって旋回するときに、接地面に発生する摩擦力のうち、タイヤの中心面に直角に働く成分をいう。スリップ角の小さい範囲ではタイヤの進行方向に直角に働く成分のコーナリングフォースと同じとして扱ってよいが、スリップ角が大きい場合やタイヤに駆動力や制動力が働いているときには区別として扱う必要がある。タイヤのコーナリング性能を論ずる場合にはこの力が使われるのが普通で、横力あるいはラテラルフォースとも呼ばれ、SFと略される。 |
サイドフラッシャー |
サイドターン・シグナルランプとも呼ばれ、ボディ側面に付けられている方向指示灯で、斜め後ろに並んで走っているクルマに進行方向が変わることを伝えるもの。保安基準では補助方向指示灯と呼ばれている。 |
サイドブランチ型サブマフラー |
側面(サイド)に分岐した(ブランチ)空間を設けたマフラーで、空間を共鳴器として利用し、排気音の音質を変えるのに使われている。 |
サイドポート式 |
ロータリーエンジンの吸気ポートをサイドハウジングに設ける方式で、ポートをローターハウジングに設けるペリフェラルポート式と対に使われる用語。ローターの回転方向に対して横から吸気が入るので、高回転時の吸気効率は劣るが過流が起こりやすく、吸排気のオーバラップが少ないので安定した燃焼が得られるという特徴があり、乗用車用ロータリーエンジンでは吸気ポートとしてサイドポート式が、排気ポートとしてペリフェラルポート式が使われるのが一般的である。 |
サイドボディ |
ボディシェルの側面部分のこと。 |
サイドマーカーランプ |
大型車で夜間に大きさが分かるように、車体の前後左右の端に近い所に取り付けてあるランプのこと。 |
サイドメンバー |
車体の側面を構成する部材で、フロントボディピラーからクォーターパネルに至る部分の総称。 |
サイドリング |
トラック用の浅底リムや広幅平底リムに使われている取り外しのできるリムフランジ。 |
サイプ |
タイヤのトレッド面に切られている1o程度の細かい溝のこと。深さはまちまちで、パターンの各部分の硬さを調整するために使われるのが普通だが、スノータイヤやスタッドレスタイヤではパターンの表面を柔らかくして路面の凹凸に添わせ、凍結した路面との接触面を増やして摩擦力を高める働きをする。カーフとも呼ばれる。 |
サイレントシャフト |
三菱のエンジンに採用されているバランスシャフトの名称。 |
サイレントチェーン |
チェーンのリンクプレート(ローラーリンクとピンリンク)のスプロケットと噛み合う側を歯型にし、チェーンがスプロケットに噛み込んだ時に発生する振動・騒音を小さくするようにしたもの。カムシャフトを駆動するタイミングチェーンや4WDのトランスファーなどに多く使われている。サイレントは音のしないという意味。 |
サグ |
エンジンのわずかな息つきのこと。 |
座屈 |
棒や板などの長手方向(軸方向)に力を加えていった場合、横方向に変形する現象。 |
サスペンション |
懸架装置。車体と車輪をつなぐ装置で、路面からの衝撃を吸収するばね、ばねの動きをコントロールするショックアブソーバー、車輪の動きを制御するアームやリンクによって構成される。大別すると、左右の車輪を車軸でつないだリジッドアクスルサスペンションと左右の車輪が別々に動くインディペンデントサスペンションがある。リジッドアクスルサスペンションには並行リーフスプリング式、ド・ディオン式、トルクチューブドライブ式などが、インディペンデントサスペンションにはスイングアーム式、ダブルウィッシュボーン式、マクファーソンストラット式などがあり、特殊なサスペンションとして流体によって力を伝達する空気ばね式や流体ばね式もある。 |
サスペンションアーム |
ホイールの動きをコントロールするアーム(腕)の働きをする部材で、コントロールアームとも呼ばれ、ボールジョイント、ピローボール、ラバーブッシュなどによってボディやアクスルに取り付けられている。A字型をしているAアーム、Iの字の形したIアームなどがあり、鋼板をプレスして作られたものが多いが鍛造品もある。上下で一対になっているアームでは上にあるのをアッパーアーム、下のものをロアアームと呼ぶ。 |
サスペンション・コンプライアンス |
コンプライアンスはものの変形のしやすさのことで、サスペンションの前後左右方向の柔軟性のこと。それぞれ前後コンプライアンス、左右(横方向)コンプライアンスと呼ぶ。 |
サスペンションサポート |
コイルスプリングとショックアブソーバーをボディに支持し、ホイールからのショックや振動を和らげる働きをする装置。防振のためにゴムが入れらている。マクファーソンストラット式サスペンションに多く使用されていることからストラットマウントあるいはアッパーサポートとも呼ばれる。 |
サスペンション・ジオメトリー |
シオメトリーとは幾何学のこと。サスペンションを構成する部品はその寸法形状や位置関係によってその動きが幾何学的に決まるので、部品の配置やアライメント変化、ロールセンターの位置などを総称してサスペンション・ジオメトリーと呼ぶ。 |
サスペンションブッシュ |
サスペンションアームやロッドをボディに取り付けるとき、振動が伝わるのを防ぐために使われるブッシュで、二重になった金属製の筒やリングの間に防振ゴムを入れたラバーブッシュ(ゴムブッシュ)が一般的である。形状によってバルジタイプブッシュやボールブッシュなど、構造によってブッシュの中に液体を入れた液体封入ブッシュや金属の筒を入れたインタリング入りブッシュなどに分類され、力のかかる方向によって剛性が変わるように作られている。 |
サスペンション・マウントラバー |
サスペンションサポートに用いられているゴムのこと。コイルスプリングからの入力とショックアブソーバーからの入力を一つのゴムが受け止める一体型の構造のものと、コイルスプリングからの大きな入力とショックアブソーバーからの小さい振動を別の特性をもつゴムで受け止める分離型の構造のものとがある。サスペンションの性能を左右する重要なパーツの一つである。 |
サスペンションメンバー |
サブフレームとも呼ばれ、サスペンションの骨格となる部材で、アームやロッドなどが取り付けられ、サスペンションが構成される。 |
差動トランス |
差動変圧器。機械的な変位置をこれに比例した電圧に交換する装置。それぞれ一次コイル、二次コイルと呼ばれる一組のコイルを重ね、中心に鉄芯(コア)を通した構造で、一次コイルに一定の交流電圧を加えた状態でセットされている。コアが動くと、動いた距離に比例して二次コイルの電圧が変化するので、これを読み取ってコアの変位置を知ることができる。周囲の空気圧の変化によって動くベローズと組み合わせて圧力センサーとしても利用されている。 |
差動トルク比 |
リミテッドスリップデフで、トルクの高い側と低い側とのトルク比のこと。バイアス比ともいう。 |
サバテサイクル |
オットーサイクルとディーゼルサイクルを合成した理論サイクルで複合サイクルともいい、フランスのサバテが提唱したサイクルのこと。現在のディーゼルエンジンのサイクルがこれに近い。 |
サブコンパクトカー |
米国の自動車分類でクルマをインテリアボリューム(客室と荷物室の容積)によって分けたとき中位の大きさの乗用車をいい、正確ではないが日本のいわゆる中型車がこれにあたる。日本の小型車はミニコンパクトカーに相当する。 |
サブフレーム |
サスペンションメンバーとも呼ばれ、サスペンションやパワートレーン(駆動系部品)を組み付けてフレームやボディに取り付けられているクルマの部分的な骨格をなす部品。振動・騒音が伝わらないようにラバーブッシュウィ介してボディに付けられているケースが多いが、クルマの剛性を確保するため直接に付けられる場合もある。 |
サワーガソリン |
長期間放置されたり高温にさらされて成分の一部が酸化あるいは酸化重合してガム質の増えたガソリン。ガム質はガソリンを蒸発させていったときに最後に残る固形物で、エンジンの機能に悪影響を及ぼす。サワーは酸敗したという意味。 |
三角窓 |
フロントピラーの後ろに設けられている三角形の窓。窓の開閉が回転式になっているものが多く、窓を開けると外気を室内に入れることができることからドアベンチレーター(換気)ウィンドとも呼ばれる。ドアミラーを装備した場合、視野の妨げとなることから現在はほとんど採用するクルマがなくなっている。 |
酸化触媒コンバーター |
排気ガスを浄化する装置の一種で、排気ガスに外気を加えて300℃程度の温度に保った触媒の中を通し、有害なCO(一酸化炭素)とHC(炭化水素)を酸化してそれぞれ無害なCO?(二酸化炭素)とH?O(水)に変えるもの(コンバーター)。触媒は自身は変化しないで他の物質の化学変化を助ける働きをするもので、酸化触媒としては白金又は白金にパラジウムを加えたものが使われる。 |
サンギヤ |
プラネタリーギヤ(遊星歯車)の中央にあるギヤ。その周囲をピニオンギヤがまわり、その外側にリングギヤが置かれた構造になっていることから、ピニオンを遊星(惑星)に見立ててサン(太陽)ギヤと名付けられてもの。 |
三元触媒コンバーター |
三元は排気ガス中の有害な成分CO、HC、NOxを指し、英語のウエイは手段、方法の意味で、これら三つの成分を同時に低減させる装置。排気管の途中に取り付けられ、触媒としては白金とロジウムが使われる。有害なCO(一酸化炭素)とHC(炭化水素)とH?O(水)に変えるには充分な酸素が必要だが、NOx(酸化窒素)を無害なN?(窒素)にするには酸素は邪魔なので、三つの成分を同時に低減させるには混合気を酸素に過不足のない理論空燃比付近にコントロールする必要がある。 |
サンシェード |
サンルーフで直射日光をさえぎるための日除けのこと。 |
3速オートマチック |
最も一般的なATで、D-2-Lの三つのレンジがあり、Dで3速まで、2で2速までの変速が自動的に行われ、Lはギヤが1速に固定されるもの。ギヤ比は1速2.5、2速1.5、3速1.0程度が普通。 |
酸素センサー |
O?(オーツー)センサーともいう。排気ガス中の酸素を検出するセンサーで、空燃比が理論空燃比に対して薄いか濃いかを調べるもの。エンジンに供給される混合気の空燃比が理論空燃比からずれると三元触媒の排気ガス浄化能力が激減する。そこで酸素センサーで排気ガス中の酸素の濃度をチェックし、空燃比が理論空燃比かどうかを連続的に調べ、これによって空燃比をコントロールする。ジルコニア管という科学実験に使う試験管のような形のジルコニアでできた管の外側を排気ガスに、内側を外気に触れるように排気管に取り付け、管の内外の電圧を測定すると理論空燃比付近で電圧が急に変わる現象を利用するジルコニア酸素センサーが広く使用されるが、高純度のチタニアを使うチタニアセンサーもある。 |
3点式シートベルト |
一般の乗用車に最も多く使われているシートベルトで、腰の左右2点と肩の左右いずれかに合わせて3点を支持する形式のもの。腰を拘束するラップベルトと状態を拘束するショルダーベルトから出来ており、両社が一本につながっているタイプの物を連続3点式シートベルト、別になっていて金具で連結するタイプのものを分離3点式シートベルトと呼んでおり、分離式はラップベルトだけを装着することもできる。ラップベルトが腰にかからず骨盤に固定されることが重要。 |
サンドイッチ構造 |
サンドイッチのように二枚の薄い板(フェースプレート)の間に心材(コア)を挟んだ構造のこと。こうすることによって剛性が高く軽量な素材となる。クルマではレーシングカーの車体に利用されることがあり、フェースプレートとしてはアルミ板、コアとしてはハニカム(蜂の巣)構造のアルミが使用されることが多かったが、現在はカーボンファイバーをはじめ様々な新材料が使われるようになっている。 |
サンドイッチ制振パネル |
アスファルトシートを2枚も鋼板で挟んで一体に作られたダッシュパネル(ダッシュボード)。パネルの振動を減衰させ、騒音を低減するもの。 |
サンバイザー |
日よけ。バイザー、サンシェードともいう。運転席と助手席又は運転席の前に取り付けられている直射日光などの眩しい光をさえぎるためのボード。再度ウィンドの法に廻して横からの光をさえぎることもできるようになっているのが普通で、裏には運転席側にチケットホルダーやコーションラベル、助手席側に化粧用ミラーが取り付けられていることが多い。 |
サンプ |
タイヤの伊豆の一種で、主としてタイヤトレッドの局部的な凹凸によるラジアル・フォース・バリエーションによって、タイヤ1回転あたり1回の衝撃力が発生し、サスペンションを経て車体振動や騒音として感じられるもの。サンプはドシンという音のこと。 |
残留応力 |
外からの力を除いた後物体に残っている応力。あるいは外側からの力に関係なく物体内部のひずみによって存在する応力。金属の熱処理や加工を行った後に生じやすく、変形や疲労による強度低下の原因となることがある。 |
サンルーフ |
陽光(サン)を楽しみ泰がオープンカーの通年使用は無理というヨーロッパや日本のような気候条件に合わせ、ルーフの一部または全部を取り外したり開閉できるようにしたものの総称で、キャンバストップ、グラスルーフ、スライディングルーフ、着脱式サンルーフ、タルガルーフ、Tバールーフなど様々なタイプのものがある。コンバーチブル(オープンカー)とはサイドウィンドとリヤウィンドが残ることで区別する。 |
し行
指圧計 |
エンジンの燃焼室の圧力を測定する計器で、ストレインゲージを張り付けた筒が圧力によって変形し、ストレインゲージの抵抗値が変化するのを利用したり、圧電体に圧力を加えるとこれに比例して電圧が大きくなるピエゾ効果を利用したものなどがある。 |
指圧線図 |
エンジンの燃焼室内の圧力(指圧)と容積の関係を図にしてエンジンの作動状態に示したもの。PV線図ともいう。 |
シーケンシャル・ツインターボ・システム |
過給システムの名称で、2基のターボチャージャーを続けて(シーケンシャル)並べ、低速域では一基のみで過給して小さな回転部分の慣性モーメントで過給効率を上げ、高速域では2基をフルに稼働させるもの。回転の切り替えはマイコンによって行われ、低速域から高速域まで滑らかな加速性能が得られるように制御される。 |
シート |
座席。限られた空間と重量の範囲内でいかに安全、かつ快適に乗員を支持できるかがポイントとされる。その配置によってはドライバーシート(運転席)、パッセンジャーシート(助手席)、リヤシート(後席)などに、形状によって長椅子形のベンチシートと個別になっているセパレートシートに分類され、セパレートシートにはシートバック(背もたれ)が肩の高さまでローバックシートとこれより高いハイバックシート、乗員の腰部を包み込むバケットシートなどがある。またその機能によってフロアに固定された固定式、全体又は一部分が前後上下に動かせる調整式、可動範囲の広い変換式に分類され、変換式には座席の向きが変えられる回転式シート、シートバックが前に倒せる折たたみシート、この状態のシートがさらに折りたためる跳ね上げ(ダブルフォールド)シートなどがある。 |
シートアジャスター |
シートを乗員の好む姿勢に調整するために設けられた装置の総称だが、普通シートスライドのことをいう。 |
シートクッション |
乗員のヒップから股(もも)を支持するシートの部分。 |
シートサイド・シールド |
セパレートシートのシートトラックやリクライニング装置を覆うカバー。 |
シートスライド |
ドライバーが最適のドライビングポジションを取るにはシートを前後にずらして調節するのが最も手っ取り早い。そこでシートの下に前後方向にレールを設けてシート滑らせ、ストッパーで一の調整を行う。シートトラック(seat track)ともいう。 |
シートバック |
シートの背中をサポートする部分。 |
シートパッド |
シートの中に入っている詰めもののこと。発泡ゴムが使われることが多い。 |
シートヒーター |
寒冷時にシートを暖めるために組み込まれた装置で、電気毛布や電気カーペットと同様電気を通すと発熱する材料が使われている。 |
シートファブリック |
ファブリックは織物のこと。シートの表面を覆う織物や編み物の総称。素材としてポリエステルを使ったものが多いが高級車にはウールなど天然の素材も使われている。静電気が起こりにくいように加工したのもある。 |
シートフレーム |
シートの骨格で、パイプ、ワイヤー、金属やプラスチックの板で作られた部分。 |
シートベルト |
乗員をシートに固定するためのベルト。世界的に走行中のシートベルトの装着が義務付けられており、束縛感がなく、運転操作の妨げにならず、緊急時にはしっかりと乗員を保持することが求められている。支持する点の数によって2点式からレース用の6点式まであるが、安全上腰と肩を支える3点式以上の装備が望ましいとされている。 |
シートベルト・アンカレッジ |
アンカレッジとは固定しておく所を意味する英語。シートベルトが取り付けられる箇所のことで、各国の法規で数、位置、強度などが細かく規定されている。 |
シートベルト拘束性能 |
衝突や転倒などの緊急時にシートベルトが機能し、どれだけ乗員を保持できるかの性能をいい、尺度としてダミー(機能的な動きを人間に近いものにした人形)の傷害値や移動量などが使われる。 |
シートベルト・タングプレート |
タングは舌の形をしたもののことでプレートは板を意味し、シートベルトのバックルに差し込んでシートベルトを固定するもの。 |
シートベルトバックル |
シートベルトタングプレートを差し込んでシートベルトを身体に固定するための金具。ロック解除ボタンを押すと解除されるようになっている。 |
シートベルトリーチャー |
三点式シートベルトで、乗員が着用しやすいようにベルトを手の届きやすい位置まで移動する装置。手であらかじめセットしておくようにしたものが多いが、電動式もある。 |
シートベルトリトラクター |
シートベルトを巻き取る装置のこと。ベルトをロックしないとNLRとロック機構のついたALR、ELRがある。リトラクトは引っ込める、縮めるという意味の英語。 |
シートリフター |
シートの高さを調節する装置。ハイトアジャスター、バーチカルアジャスターともいう。 |
ジープ |
アメリカンモータースの小型四輪駆動車の商品名だが、同じ形式の軍用の不整地走行を目的に作られたクルマの呼称として一般に使われる。 |
シーラントタイヤ |
耐パンク性能を向上させたチューブレスタイヤで、タイヤのトレッド内壁に通常設けられているインナーライナーと呼ぶ薄いゴム層に加えて、粘着性が強く、軟らかい特別なゴムの層を張り付けてあるもの。このゴム層の働きにより、釘などがトレッドを貫通しても釘の回りをシールし、また釘が抜けても傷口を自然にふさいで空気が洩れない。1975年に国内のタイヤメーカー各社から市販されたが普及しなかった。 |
シーランド比 |
タイヤのトレッド面で溝の部分がトレッド全体のどれだけを占めるかを示す数値。溝の部分を海(シー)、リブやブロックを陸(ランド)に見立ててその比率を示すもので、一般タイヤでは30〜40%が普通だがスノータイヤやラリー用タイヤでは50%以上のものもある。数値が大きく溝の部分の多いパターンをオープン・パターン、小さいものをクローズド・パターンという。ナガティブ比とも呼ばれる。 |
シール |
気体や液体を密封する働きをするものの総称。密封部分が固定されている場合ガスケット、密閉部分に動く余裕のある場合パッキンと呼ばれる。 |
シールドビーム |
光源となるフィラメント、光を反射するミラー、配光を行うレンズを一体にした大きな電球で、ヘッドライトとして使用されることが多い。ミラーがガラスでできているものをオールグラス・シールドビーム、鉄製のものをメタルバック・シールドビームという。 |
シェーク |
スムースな路面を比較的速い速度で走行した時に、ステアリング、シート、ボディなどが上下又は左右に振動する現象。タイヤの触れや重量アンバランスの一次成分が原因となり、エンジン、車体の曲げやねじり、あるいはステアリング系の振れと共振して発生するもので、エンジンの剛体共振による場合70〜80q/h、ボディの車体共振によって起こる場合120q/h以上で発生することが多い。 |
シェークダウン |
新造船や新しく作られた飛行機の試運転の意味から転じて、自動車では試作車が初めて走行すること。特にレーシングカーのサーキットでの初走行をいうのに使われる。 |
シェードバンドガラス |
ウィンドシールドガラスのルーフに近い部分にブルーやブロンズの透明なカラーを付けて視野を妨げないで眩しくないようにしたもの。トップシェードとも呼ばれる。 |
ジェット |
一般には流体が穴(底あり)や孔(底なし)から連続的に噴出することをいうが、自動車ではキャブレターの燃料の通路うに挿入して、燃料の量をコントロールするメタリングジェットのことをいう。 |
ジェットターボ |
ニッサンの可変A/Rターボシステムの名称。 |
ジェネレーター |
発電機のこと。乗用車の電源はバッテリーから供給される12ボルトの直流なので、発電機もかつては直流式が用いられていたが、今日では小型で低回転でも発電できる交流式となり、レギュレーターで12〜14ボルトの直流にしてバッテリーに蓄えられる。ダイナモあるいはオルタネーターとも呼ばれる。 |
シェルベアリング |
すべり軸受の最も一般的な形で、向かい合った二つ割りの半円形のハウジングでベアリングを固定するもの。 |
シェルボディ |
自動車メーカーの組み立てラインで使われる用語で、艤装品の付けられていない塗装前の鈑金だけの車体のこと。ボディシェルと単語の順序が変わると一般的な自動車の車体の意味となる。シェルは貝殻のこと。 |
ジオメトリー |
英語で幾何学を意味するが、自動車ではキャンバー、キャスター、トーイン、トーアウトなどのホイールアライメントのことをいう。 |
ジオメトリー・コントロール |
サスペンションのジオメトリー変化をアーム、リンクなどの配置やブッシュ、ピロボールなどの動きを利用して最適にコントロールし、操縦性安定性の向上を図ること。特にキャンバー変化に注目した場合をキャンバーコントロール、トー変化に注目した場合をトーコントロールという。 |
軸出力 |
正味出力ともいい、レシプロエンジンのクンランクシャフトなどエンジンの動力が取り出される軸の出力で、エンジンが単位時間にどれだけの仕事ができるかという仕事率を表し、軸トルクとエンジン回転数の積に比例して大きくなるが最大値(最高出力)がある。測定には動力計が使われ様々なタイプがあるが、英語ではブレーキ馬力という。軸出力は気圧や気温など環境条件によって変わるので、JIS、DINなど規格によって定められた標準大気状態時の値に補正され、修正軸出力として示される。 |
軸トルク |
レシプロエンジンのクランクシャフトなどエンジンの動力が取り出される軸のトルク。測定には動力計を使い、エンジンの回転に逆らう力、いわばブレーキをかけたときの反力から求められることから、英語ではブレーキトルクという。軸トルクは気圧や気温など環境条件によって変わるので、JIS、DINなど規格によって定められた標準大気状態時の値に補正され、修正軸トルクとして示される。 |
軸流型過給機 |
過給機の一種で、圧縮機に軸流コンプレッサーを使うタイプのもの。 |
軸流コンプレッサー |
圧縮機の一種でジェットエンジンに見られ、回転するローターの周りを円筒状のハウジングで覆い、ローターに取り付けられた数段のコンプレッサーブレード(圧縮翼)と、ハウジングに固定され、コンプレッサーブレードと交互に配置されたステーターブレードによって空気を圧縮する装置。 |
軸流式エアクリーナー |
エアクリーナーを厚みのある円盤状に作り、フィルターエレメントの折り目を同心円形に加工してエアをエレメントの軸に沿った方向に流すタイプのもの。一般的に使われているアコーディオン形の折り目を入れて円筒形に作られたフィルターエレメントに比較して軽く、通気抵抗が小さいという特徴をもつ。 |
軸流タービン |
ジェットエンジンや発電所の蒸気タービンに見られるように、液体を回転軸に平行に流す方式のタービンのこと。タービンは、流体を回転体に取り付けた翼にあて、流体の運動エネルギーを回転運動に変える装置。 |
ジグル弁 |
ラジエターのサーモスタットに付けられている弁で、エンジンに冷却液を入れるときに空気を抜き、暖気中に冷却液がラジエターに流れないようにする働きをするもの。 |
シケイン |
競技車を減速、徐行させる目的でコース上に設けられた障害物のこと。年々平均速度が上昇する傾向にあるので高速サーキットではシケインを設置して平均速度を落とし安全性を高めようとしている。鈴鹿サーキットの最終コーナー、富士スピードウェイの300Rにもシケインが設置された。 |
仕事 |
力の大きさと力の方向への移動距離の積として定義されるもの。これまで一般にkgf・mで示されているが、SI単位では力N(ニュートン)×距離m(メートル)でエネルギーと同じJ(ジュール)であらわされる。ジュールは19世紀のイギリスの物理学者の名前。1kgf・m=9.80665J。 |
仕事率 |
単位時間に行われる仕事のことで、出力、工率あるいは動力とも呼ばれる。さまざまな単位であらわされるが、最初にこの概念を考えたのは蒸気機関で有名なスコットランドのワットで、蒸気機関の動力を炭鉱の排水作業をする馬の動力を基準としてあらわし、500ft・1bf/sを1馬力とした。のちにメートル法が採用されたとき、ドイツ語で馬-蒸気を意味するからPS(仏馬力)が単位として使われ今日に至っている。日本では計量法でSI単位のW(ワット)が使われることになっており、PSも併用されている。自動車用エンジンの仕事率は出力と呼ばれ、このPSが使われるのが普通。一般に従来使われている単位はkgf・m/sで、1kgf・m/s=9.80665W、1HP(計量法で使用が禁止されている)=746W、1PS=735.5Wである。なお1Wは1J/s(ジュール/秒)。 |
自己放電 |
バッテリーが使用しなくても自然に放電し、容量が低下する現象。気温が10℃上昇するごとに放電量は倍になり、長期間放置するとバッテリーの寿命も短くなる。 |
シザースギヤ |
シザースは鋏(はさみ)のことで、ギヤの側面に同じギヤ数の補助ギヤを付け、この歯が噛み合う相手の歯を挟み付けてギヤのガタをなくすもの。ギヤの噛み合い部分にバックラッシュがあると、エンジンの回転の変動の度にギヤのガタ打ち音が発生するので、スプリングで力のかかる方向と逆方向に力を加えておき、常にギヤ本体と補助ギヤでこれを防ぐ装置として考案されたもの。 |
自然循環方式 |
水冷エンジンの冷却はエンジンとラジエターとの間に水を循環させ、エンジンによって暖められた水をラジエターで冷やすことによって行うが、この循環を水の対流を利用して行うやり方。ラジエター内で冷やされると水は下に流れ、ラジエターホースを通って下からエンジンに入り、ウォータージャケット内で暖められて上に行き再びラジエターは入るという循環を繰り返す。外気温や走行条件の影響を受けて冷却水の温度変化が大きく、冷却効率も悪いので現在では使われていない。 |
シックスバルブエンジン |
1気筒あたり吸気用と排気用のバルブを各3個ずつ6個のバルブをもつエンジン。マセラティのV6、2000t36バルブエンジンが有名で、出力261ps/7200rpmといわれ、1個のカムが3本の指をもつアーム(フィンガーアーム)を押さえて3個のバルブを同時に開閉するメカニズムをもつ。中央の排気バルブの冷却が苦しいといわれ、動弁回りの複雑さのわりに得られる効果を疑問視するむきもあり、現在はあまり見られない。 |
シックスポートインダクション |
ロータリーエンジンの可変吸気機構で、一つのローターに二つの吸気ポート(プライマリーとセカンダリー)をもつ吸気システムのセカンダリー側にバルブで開閉する補助ポートを設けたもの。低速回転ではプライマリーポートのみを使用し、高速又は高負荷になるとセカンダリーポートと補助ポートを開放する仕組みになっている。2ローターエンジンで合わせて六つのポートもつことから名づけられた。6PIと略される。 |
シックスモード |
重量車の排出ガス測定を行う時の運転の仕方で、エンジンの回転数とマニホールドの負圧を一定にした3分間の定常運転を六つモード(方法)で行い、それぞれの運転条件でCO、HC、Noの濃度を測定し、平均濃度を求めるもの。 |
シックスライトキャビン |
セダンでサイドウィンドガラスを片側に3枚ずつあるレイアウトのこと。セダンではセンターピラーの前後に1枚ずつ、計4枚のガラスがあるのが普通だが、リヤピラーの前にもう一つ窓を設けて計6枚(シックス)の窓ガラスを設けてあるもの。 |
実験室オクタン価 |
圧縮比が変えられる単気筒エンジン(CFRエンジン)を使って求められたオクタン価。試験方法にリサーチ法とモーター方があり、得られたオクタン価をそれぞれリサーチオクタン価が、モーターオクタン価と呼ぶ。試験条件はモーター方が過酷で、リサーチオクタン価が低速運転時のアンチノック性を表すとされる。同じ燃料で測定するとモーター方によって求めた値がリサーチ法によって求めた値より小さい値となり、その差をセンシティビティという。一般に使用されないがディストリビューションオクタン価もこの実験室オクタン価の一つである。 |
湿式ライナー |
シリンダーライナーでその外側が冷却水に接するタイプのもの。ウェットライナーと呼ばれるのが普通。 |
湿度センサー |
水蒸気の量によって電気抵抗や誘電率が変わる性質をもつ高分子やセラミックを使って湿度を検知するセンサー。リヤウィンドの曇防止を制御する装置などに使われる。 |
室内高 |
車両の中心付近でトンネルのある箇所を避け、床のカーペットの表面から天井の内張りまでの間の垂直最大距離を計ったもの。公式な晩餐会などのため、帽子を着用した女性が乗る機会の多いリムジンなどは、充分な室内高がとってある。 |
室内寸法 |
自動車の車室内の様々な寸法。室内の長さ、幅、高さなどのほかヘッドクリアランス、ニークリアランス、レッグルームと言ったシート周りの寸法も含まれる。 |
室内長 |
車両の中央で、インストルメントパネルの最も出っ張った箇所の先端(付属品は除く)から後席のシートバックの後端までの長さ。同じ長さでも室内のレイアウトによって居住性に違いが出る。 |
室内灯 |
ルーフの中央やウィンドシールドに近い場所に付けられている室内を照明するためのあかり。ルームライトとかルームランプとも呼ばれるがこれは和製英語で、アメリカではドームライト、イギリスではルーフライトと呼んでいる。 |
室内幅 |
車室の中央付近で、シートより上の部分で計った最大幅。数字の上ではわずかな違いが実際のクルマでは大きなゆとりの差として表れることが多い。 |
室内モックアップ |
クルマの開発にあたって、車室内の部品の配置を決めたり、居住性を具体的に検討するために作られる実験大の室内模型のこと。 |
実用燃費 |
定地燃費に対して使われる用語で、自動車で普通に走行した時の燃費。 |
シティ燃費 |
アメリカの都市内を走行した時の燃費の目安として使われるLA4モードでの燃費。 |
自動車技術会 |
自動車技術に関する日本を代表する団体で1947年に設立され、機関誌「自動車技術」をはじめ各種出版物の発行や学術講演会の開催などを行っている。 |
自動車電話 |
自動車から電話が受発信できるようになったのは1979年の東京23区から。受話器を手に持って通話するハンドセット方式と受話器を持たないハンドフリー方式があり、ハンドスリー方式ではスイッチをステアリングホイールまわりに取り付け、マイクをフロントピラーやステアリングパッドに取り付けることが多い。 |
自動消火装置 |
スピードレースに出場するクルマに装備される消火装置で、車載消火装置ともいう。衝撃を感知して自動的にエンジンルームとコクピットに薬剤を放射するもので、消火薬剤としてハロン1301を使うガス式と、ABC粉末を使用する粉末式がある。 |
始動増量 |
燃焼噴射装置で始動時に通常運転時よりも燃料の噴射量を増やすこと。始動後しばらくの間アイドリングを安定させるために行われる。 |
自動調心ベアリング |
ベアリングの一種で、ころがり軸受の外輪軌動面が球面になっていて、ベアリングの中心と軸の中心を自動的に一致させる機能を持ったもの。各種の機械装置に使われるが、自動車ではクラッチレリーズベアリングに採用される。 |
自動調整式ショックアブソーバー |
減衰力可変式ショックアブソーバーで、ショックアブソーバーの減衰特性を電子制御によって走行条件に最も適した状態に自動的に調整するもの。電子制御サスペンションの一部として他のサスペンション要素と併用されるのが普通。 |
始動ハンドル |
エンジンを起動するとき、クランクシャフトを手で回すためのクランク形のハンドル。スターターが故障した時のために装備されていたもので、1960年代になくなった。 |
自動ブレーキ |
前方のクルマや障害物との距離を測定し、決められた値以下になると自動的にブレーキのかかるシステム。研究が進められているが、まだ実用化されていない。 |
自動弁 |
ディーゼルエンジンの噴射ノズルで、常に弁ばねがニードル(軸針)を押しており、噴射管内の圧力がある値(開弁圧)以上になった時に噴射口が開き、ある値(閉弁圧)以下になった時に閉じる仕組みになっているもの。 |
自動変速線図 |
ATの自動変速がどのように行われるかのスケジュール(シフトスケジュール)をグラフで示したもので、横軸に車速やATの出力軸の回転数を、縦軸にアクセルの開度や吸気管の負圧をとり、シフトアップとシフトダウンが行われる点が表示されている。 |
自動変速点 |
ATのシフトスケジュールで、ギヤ比が変わる点のこと。 |
自動防眩ミラー |
夜間、後ろから強い光があたると自動的に反射率が低くなるミラーで、1986年に自動式液晶防眩ミラーがローレルに採用され、1988年のセフィーロにはEC(electro chromic)素子を使ったものがルームミラーとドアミラーに採用された。 |
シフトスケジュール |
ATでは車速、エンジン回転数とアクセルの開度によってギヤの選択が自動的に行われるが、これらの組み合わせがどういう状態の時にギヤチェンジを行うかが決められており、これをシフトスケジュールという。ギヤが変わる点を自動変速点といい、その設定はクルマの総合的な性能に大きな影響を与える。 |
シフトダウン |
シフトレバーを操作してギヤを低速側に入れること。 |
シフトノブ |
ノブは頭の丸い把手のことでシフトレバーの先端についている握りの部分のこと。 |
シフトパターン |
シフトレバーの動かし方のこと。H字型かその変形がほとんどで、横方向をセレクト、縦方向をシフト、セレクトの中央でギヤがフリーになった状態をニュートラルという。バックギヤは前進中に入ると危険なのでこれを防ぐための装置(リバースミスシフト防止装置)が付いているが、シフトパターンもシフトノブを横や下に押したり、ノブについているレバーを引き上げるなど特別の操作をするようになっている。 |
シフトフィーリング |
シフト感ともいい、シフトレバーの操作感のこと。主としてシンクロメッシュの機構と作動の具合によって決まると言われ、シフトノブの位置、重さ、なめらかさ、節度などの手応えや操作音などを総合していう。 |
シフトフォーク |
フォークは木などの又のことで、トランスミッションの中にメインシャフトをまたぐ形で取り付けられているC字形の部品。ギヤやシンクロメッシュについているスリーブの外側に設けられた溝にフォークの先端をはめ込み、スリーブを回転させながら軸方向に動かす働きをする。 |
シフト力積 |
力積とは力と力のかかっている時間を掛けたものでkgf・s(キログラム・秒)の単位であらわされる。シフト力積はマニュアルシフトのシフトのしやすさを操作時間と操作力の積であらわしたもの。この値が小さければ同じ操作時間であれば少ない力でシフトができる。 |
シフトレバー |
チェンジレバー。シフトは米語、チェンジは英語で方向や場所を変える意味からトランスミッションのギヤの組み合わせを変えるために運転席に取り付けられているレバーで(てこ)のこと。 |
シフトロック機構 |
オートマチック・トランスミッション車のシフトロックシステムの一つで、ブレーキペダルとアクセルペダルを踏み間違えないように、発進時にパーキング(P)位置からシフト操作するときにブレーキペダルを踏んでいないとシフトできない機構。 |
シフトロック・システム |
AT車の急発進事故を防ぐためのシステムで、シフトロック機構、キーインターロック機構、リバース位置ウォーニングなどがある。 |
シミー |
ステアリングホイールが回転方向に左右に揺れる現象で、60q/h以下で発生するウォッブル(低速シミー)、高速走行時の起こるフラッター(高速シミー)があり、ホイールの重量アンバランスや操舵系のガタなどが原因となっていることが多い。 |
シム |
隙間を調整するための板。部品を組み付けるときに位置決めを正確に行ったり、組み付けのかたさを調整するのに使われる。1mm程度の厚さより薄いものをいい、比較的厚いものはスペーサーと呼ばれる。 |
地面効果 |
地表面近くを物体が移動することによって生じる現象の総称。自動車の風洞実験の結果を実車走行に置き換える場合に問題になることがある。レーシングカーでは車体の一部に路面との間が狭くなる部分を設け、ベンチュリー効果によってダウンフォースを得るグラウンドエフェクトカーがある。 |
ジャイロ効果 |
高速で回転するローター(回転体)がその回転軸を一定に保とうとする性質。二輪車が基本的に直進し、高速になるほどその安定性が増すのはこの効果によるところが大きい。 |
ジャイロスコープ |
高速で回転する独楽(こま)とその軸を支える3個の輪からなり、この軸が空間に対して常に一定方向を指すように作られている装置。対称に作られた独楽の軸に対して直角な2点で支えた第2の輪を置き、さらにその外側に独楽の軸と第2の輪を支える軸に直角な2点で支えた第3の輪を置くと、独楽は3つの軸に対して自由に動けるようになる(ジンバル)。このようにセットされた独楽を高速で回転させると、独楽の軸は空間に対して常に一定の方向を保つ。この性質を使用してクルマの運動を調べる計測装置をジャイロメーターという。 |
しゃくり |
加減速中にエンジンから急激なトルクが発生した時に起こる前後方向にガクガクと揺さぶられる現象。 |
シャシー |
車台。自動車からボディ(車体)とその付属品を除いた部分、すなわちエンジン、駆動系、サスペンション、ステアリング系、ブレーキ系、走行装置などの総称。現在大型トラックやバスなどで使用されるだけになっている用語だが、乗用車では上に述べた部分からエンジンを除く、いわゆる足回りなどの部分を指す言葉として使われることがある。 |
シャシーダイナモメーター |
略してシャシーダイナモあるいはCDYと呼ばれ、主としてクルマの動力を測定するための装置で、排気ガス測定を室内で行うためにも使われる。ローラー上にクルマの駆動輪を乗せてエンジンの動力によってローラーを回し、走行抵抗を動力吸収装置で、加減速時の慣性抵抗をフライホイールで代用させて実際の路上走行を再現するもの。 |
車速感応型パワーステアリング |
パワーステアリングで車のスピードが上がるにつれてハンドルが重くなるようにしたもの。パワーステアリングの効果が一定の場合、低速でのハンドルの取り回しを良くすると高速走行では軽過ぎて走行が不安定になることから、通常のパワーステアリング・システムに車速を検出する機構と操作力を補うアシスト機構を加え、車速の変化に対応して最適の操舵力が得られるようにしたもの。 |
ジャダー |
中高速走行でブレーキをかけたときにハンドルやインストルメントパネルなどがブルブルあるいはドドドと振動する現象。ディスクローターやブレーキドラムの振れや編摩耗によって液圧が変動したり、サスペンションが振動して発生することが多く、振動数は15〜60Hz程度である。なお低速のブレーキングで発生する25〜100Hzの周波数をもつサスペンションや駆動系の振動をいう場合もある。 |
ジャッキ |
重いものをテコの原理や油圧などを利用して押し上げる道具。ジャッキを使って物を持ち上げることをジャッキアップという。 |
ジャッキアップ現象 |
クルマがコーナリングした時、車体が浮き上がる現象。旋回によってタイヤに発生した横力がサスペンション・ジオメトリーの関係から車体を持ち上げる力として働くもので、スイングアクスル式サスペンションのような形式の懸架装置に起こりやすい。 |
ジャックナイフ |
大型の折りたたみナイフのことだが、自動車用語としては牽引自動車が走行中にコントロールを失ってトラクターとトレーラーの連結部分を軸として折れ曲がることをいい、トラクターの駆動輪がロックしてスライドした時に最も起こりやすいといわれる。ジャックナイフィングあるいはジャックナイフ現象ともいう。 |
シャックル |
リーフスプリングの一端を保持する部品で、二枚の長方形の鋼板の両端に軸を通し、片方にスプリングアイを固定して他方をシャシーに取り付けるもの。シャシーの取り付け方によってシャックルに張力が働くようになっているテンションシャックルと、圧縮力がかかるような配置になっているコンプレッションシャックルとがある。 |
車幅灯 |
夜間の走行中に前から見てクルマの存在が分かるように付けられているライト。クリアランスランプ、スモールライトとも呼ばれる。保安基準では夜間300m前から見えることが必要。ヨーロッパの照明のある道路で、対向車が眩しくないようヘッドライトの使用を禁じている国もあり、車幅灯が補助前照灯として使われることがある。車幅灯を暗くして駐車灯として使われることが多い。 |
シャフトドライブ |
二輪車の後輪の駆動を一般に使用されるチェーンではなく軸(シャフト)を使って行う方式。変速されたエンジンの動力をスイングアームの中に通したドライブシャフトに伝え、ベベルギヤ(傘歯車)によって後輪を駆動するもので、スイングアームの上下動に追随するためユニバーサルジョイントを備えている。チェーンドライブに比較してばね下重量が重く、ショックの吸収性には劣るものの、騒音が低く、ギヤオイルの交換だけでメンテナンスが不要という長所がある。 |
ジャラ音 |
マニュアル・トランスミッションの3速以上のシフト位置で、加速あるいは減速中に聞こえるジャラジャラという音のこと。トランスミッション内で空転しているギヤの歯が打ち合って発生する。 |
ジャリカン |
燃料の携行缶。ジェリカンともいう。英語のオグジュリアリー・フューエル・タンクからきた慣用語。 |
車両重量 |
道路運送車両法で「空車状態における車両の重量」と定義されている。空車状態とは冷却液、燃料、潤滑油などを全量入れ、運行に必要な装備をした状態をいう。 |
車両総重量 |
定員が乗車し、最大積載量の荷物を積んだ状態での車両全体の重量のこと。道路運送車両法では「車両重量、最大積載量、乗車定員×55sを加えたもの」をいう。英語の頭文字をとってGVWと略される。 |
終減速比 |
ファイナルギヤの減速比のこと。ファイナルギヤはリングギヤとドライブピニオンで最終的な減速を行うことから終減速装置ともいい、その減速比は乗用車では2〜6である。 |
10・15モード |
テンモードにかわって1991年から適用の始まった燃費テストの運転方法(モード)で、従来の一般道路を基準としたテン(10)モードに、高速道路の走行を想定した40〜70q/hの加減速を含む15の走行パターンが追加されたもの。 |
集積型点火装置 |
エンジンの点火装置でイグニッションコイル、イグナイター、ディストリビューター、ハイテンションコードを一体化したもので、部品点数を少なくして組み付け工数を減らし、信頼性を高める目的で作られた。 |
充電警告灯 |
バッテリーの端子電圧が異常に低下していることを示すランプ。 |
充?効率 |
異なった大気状態におけるエンジンの吸入効率を表すもので、ある温度と気圧の大気状態で吸入される大気の重量を、標準大気状態で吸入可能な大気の重量で割ったもの。類似した表し方に体積効率がある。 |
摺動式防振ゴムブッシュ |
サスペンションアームの取り付け部分に使用されるブッシュの一種。ブッシュの内筒の外側に樹脂を置いてこの部分の動き(摺動)をなめらかにし、クルマの乗り心地を良くするもの。 |
主運動系 |
エンジンを構成する部品の中で、動力を発生するために往復運動や回転運動を行う主要な部分であるピストン、コンロッド、クランクシャフト、クランクプーリー、フライホイールとその付属品をいう。 |
受光素子 |
光を電気に変える素子(光電変換素子)。太陽電池がその代表的なもの。 |
樹脂バンパー |
@ウレタン、ポリプロピレン、ポリカーボネートなど合成樹脂で作られたバンパーの総称。Aエネルギー吸収バンパー(5マイル:8q/hの衝撃エネルギー吸収)ほどの性能はないが、4q/h程度の速度での衝突では車体が損傷を受けないように、鋼板の補強材の上にポリプロピレンやポリカーボネートなど耐衝撃性の強い樹脂で成形したバンパー。 |
樹脂レンズ |
レンズの素材に要求される高い透明度と成型精度を満足する材料として、これまで使用されてきたガラスに代わって1980年代から樹脂が使用され始めている。ガラスの約1/2の比重で厚さもほぼ1/2でレンズとしての効果を上げることができ、レンズの重量としては1/3〜1/4に軽くすることができるのでコストが安くなれば普及すると予想される。 |
出力 |
一般に機関から取り出される動力や、動力を受け入れた装置から外部に仕事として出てくる動力のことをいうが、自動車ではエンジンの動力、即ちエンジンの単位時間当たりの仕事(仕事率)をいう。 |
出力空燃比 |
ガソリンエンジンで出力が最大となる空燃比で、理論空燃比よりも濃い12.5前後の空燃比のこと。 |
手動調整式ショックアブソーバー |
減衰力可変式ショックアブソーバーで、ダッシュボードやセンターコンソールに設けられているスイッチによって、あらかじめ設定されている数段階の減衰特性の中からドライバーの好みによって任意のものを選べるようになっているもの。アジャスタブルサスペンションとも呼ばれ、電子制御サスペンションに組み込まれている場合もある。 |
シュニーレ式掃気 |
2ストロークエンジンの掃気方式の一つ。シリンダー壁に掃気ポート(口)を設け、ここから排気ポートと反対側のシリンダー壁に向かって新気を送って反転させ、燃焼ガスを排出するもの。ループ掃気あるいは反転掃気とも呼ばれる。 |
潤滑 |
表面が直接に接触しないように固体間に流体の膜(油膜)を作り、固体間のすべり摩擦(乾燥摩擦)を流体摩擦(潤滑摩擦)に変えて摩擦力を小さくすることを潤滑といい、潤滑に用いられる油を潤滑油、油膜を維持するための装置を潤滑装置という。 |
瞬間中心 |
自動車のローリングを論ずる際に使われる言葉で、例えばウィッシュボーンサスペンションの正面図において、車輪の上下運動はアッパーコントロールアームとロアコントロールアームの延長線の交点を中心とする回転運動だが、この交点は車輪の位置によって変わるので、ある瞬間の中心を考え、これを瞬間中心と呼ぶ。 |
ジョイント |
物と物との継ぎ合わせた部分。 |
ジョイントレスベルト |
ラジアルタイヤのベルトで数本のコードを周方向に連続して巻きつけた構造のもの。通常のベルトは簾(すだれ)状に一方向に並べたコードを斜めに裁断し、これをカーカスに張り付けて作られるので継目(ジョイント)がある。レスはないという意味。 |
乗員拘束システム |
クルマの衝突や転覆などの事故に際してシートに座っている乗員を保護し、負傷を防止あるいは軽減するためのシステムの総称。代表的なものはシートベルトとエアバックだが、衝撃を吸収するウィンドシ−ルドや内装、室内の備品などを含めていう。 |
乗員室 |
キャビンともいう。自動車は一般にエンジンルーム、キャビン、ラゲージスペースの三つによって構成され、シートがあって乗員の乗るスペースを乗員室という。 |
衝撃吸収ステアリング |
ドライバーがステアリングホイールにぶつかった時に衝撃を緩和するとともに、車体のフロント部分が衝突した時にステアリングコラムが車室に突き出さないようにするための装置。構造によって、コラムを保持しているブラケットが曲がるベンディング式、コラムやシャフトに設けられているベローズ(蛇腹)がつぶれるベローズ式、二分割したコラムの隙間に挟まれた多数の鋼球が衝撃を吸収するボール式、シャフトの中にシリコンを入れておき、これが小穴から吹き出す時の抵抗を利用するシリコンゴム封入式、コラムの一部が網目になっていてこの部分がつぶれるメッシュ式などがある。 |
常時?合式変速機 |
選択摺動式変速機ではギヤの噛み合わせを変速のつど行うため、ギヤの回転速度をうまく合わせないとシフトが困難だった。これを改良したのがこの変速機で、各ギヤは常時?合わせて空転させておき、スプラインの上をドッグクラッチを滑らせて出力軸とギヤを結合し、変速できるようにしたもの。さらに変速しやすいシンクロメッシュが考案され、この方式は現在ではレーシングカーに使われるだけになっている。 |
上死点 |
レシプロエンジンのピストンの位置を示す用語で、クランクシャフトから最も離れた位置のこと。 |
情報表示システム |
ドライブに役立つ情報を、マイコンを利用して電子表示や音声表示で行う装置。電子表示は時刻、到着予想時刻、走行距離、平均車速、燃料消費量などをデジタル表示し、設定時刻のアラームなどを行うもので、トヨタはクルーズコンピューターシステム、ニッサンはドライブコンピューターシステム、三菱はトリップコンピューターシステムと呼んでおり、メーカーによって若干内容が異なる。 |
正味出力 |
エンジンから出力される軸出力のことで、エンジンの燃焼室の指圧線図から求められた出力(図示出力)からエンジン内部の摩擦損失(機械損失)を引いたもの。 |
正味熱効率 |
エンジンの軸出力から計算される熱効率で、エンジンの出力軸から得られる仕事(正味仕事)をエンジンに供給された熱量で割ったもの。正味仕事は図示仕事からエンジンの運動部分の摩擦によって失われる仕事と補機類を駆動するのに必要な仕事(摩擦仕事)を差し引いたものをいう。 |
正味燃料消費率 |
一般に言われる燃料消費率のことで、燃料消費率を計算するときにエンジン出力として正味馬力を使ったもの。 |
正味馬力 |
エンジンの出力軸から取り出せる仕事率を馬力であらわしてもの。 |
正味平均有効圧力 |
実際にエンジンから得られる仕事(図示仕事からエンジンの運動部分や補機類を動かすのに使われる仕事を差し引いたもの)を行程容積で割ったもの。 |
常用ブレーキ |
普通に使われる足踏み式のブレーキのこと。サービスブレーキ、フットブレーキとも呼ばれる。油圧によって力を伝え、ホイールに取り付けられたドラムやディスクを押して制動する油圧ブレーキが最も一般的である。 |
蒸留性状 |
液体の基本的な性質の一つで、液体混合物を蒸留するときの温度と蒸留される液体の量の関係のこと。蒸留が始まるときの温度(初留点)、半量が蒸留される50%留出温度、留出の終わる終点などがあり、自動車用のガソリンや軽油の性質を示すのに使用され、留出温度が高いほど揮発しにくいことを示す。 |
ショートストローク・エンジン |
ボア・ストローク比が1より小さいエンジン。同じ排気量のロングストローク・エンジンと比較すると、ピストンの平均速度を大きくせずに回転数があげられ、排気量あたりの出力が大きくなるという利点がある。ボアがストロークより大きいのでオーバースクエア・エンジンともいう。 |
触媒 |
自身は変化しないので他の物質の化学変化を助ける働きをするもの。自動車では主として排気ガスの浄化に使用されるものをさす。 |
触媒コンバーター |
石油を燃料とするエンジンの排気ガス中に含まれる有害なCO、HC、NOxを触媒を使って低減させる装置。COとHCを酸化する酸化触媒コンバーターとNOxも処理する三元触媒コンバーターがある。触媒の形によってペレット(小さな粒)を使うペレット触媒コンバーターとモノリス(蜂の巣に似た構造体)を使うモノリス触媒コンバーターに分類される。 |
ショックアブソーバー |
振動を減衰させる働きをするもの。ダンパーとも呼ばれる。文字どおり受け取ると衝撃(ショック)を吸収する(アブソーブ)ものということになるが、ショックを受けとめるのはばねの働きで、ショックアブソーバーはこれをやわらげたり(緩和・制御)、衝撃によるばねの振動を減衰させる仕事をするものである。初期の自動車には摩擦力を利用した摩擦ダンパーが使われたが、今日ではオイルが孔(ポートやオリフィス)を通過するときの抵抗力を使う油圧ダンパーになっており、構造によってモノチューブ式とツインチューブ式に分類される。 |
ショットピーニング |
金属の表面に小さい鋳鋼の粒や鋼線を短く切ったもの(ショット)を空気圧や遠心力を利用して打ちつけ、表面の酸化膜を除くと同時に残留圧縮力を生じさせ、表面を固くすることによって疲れ強さを向上させるもの。ピーニングは金槌の劣った方で打つこと。 |
ショルダー部 |
タイヤのトレッドとサイドウォールの境目の部分で、タイヤを横断面で見たとき肩(ショルダー)に相当することからこのように呼ばれている。特にタイヤのコーナリング性能に与える影響が大きい部分で、丸みを帯びた形状のものをラウンドショルダー、劣っているものをスクエアショルダー、中間のものをセミスクエアショルダーという。 |
ショルダーベルトガイド |
三点式シートベルトで、ウェビング(ベルト)の肩にあたる部分の位置が乗員の体格によって調整できるようにしたガイド。センターピラーに取り付けられていることが多く、ベルトを掛けるハンガー(シートベルトハンガー)を兼ねているものもある。 |
ショルダールーム |
シートに着座した状態で肩(ショルダー)の部分と窓の間の寸法。規格で測定方法が決められている。 |
シリンダー |
英語で円筒を意味し、レシプロエンジンのシリンダーブロックに設けられた筒状の孔をいう。この中をピストンが往復することによってエンジンとしての働きが生まれる。シリンダーには内壁がシリンダーブロックと同じ材料で作られた一体型と、別の材料で作られたシリンダーライナーを嵌め込んだものがあり、一体型ではピストンとの間の気密を保つため内壁が精密に研磨仕上げされ、摩耗を少なくするためクロムメッキが施されることもある。 |
シリンダーピッチ |
エンジンのシリンダーの間隔のことで、ボア径とボア間の壁にあたる部分の厚さの和。 |
シリンダーブロック |
鋳鉄やアルミ合金で作られたレシプロエンジンの中心となる部分で、鋳鉄製はそのままピストンを通すシリンダーとなっているものが多いが、アルミ合金で作られている場合には円筒形の孔にシリンダーライナーが圧入あるいは鋳込まれているのが普通。シリンダーブロックを挟んでシリンダーヘッドとクランクケースが取り付けられ、その三つでエンジンの本体を構成する。エンジンを構成する部分のうち、シリンダーブロックの占める重量の割合は普通の乗用車で約4分の1もあり、アルミ化するなど軽量化がはかられている。 |
シリンダーヘッド |
レシプロエンジンの頭(ヘッド)に相当する部品で、シリンダーブロックの上にガスケットを挟んで組み付けられており、シリンダーとの間で燃焼室の大部分を形成する。吸排気システムとガソリンエンジンにはスパークプラグが取り付けられており、その形状はエンジンの性能をほぼ決める重要な部分。乗用車用エンジンでは冷却効率の良いアルミ合金で作られたものが多い。 |
シリンダーヘッド・ガスケット |
シリンダーヘッドとシリンダーブロックの間に置かれているガスケットで、燃焼ガス、潤滑油、冷却水をシールする。材料と構造によって複合タイプガスケットトメタルガスケットがあり、エンジン性能に合わせて使い分けられている。自動車に使われている各種のガスケットの中でもシビアな環境におかれており、シリンダーヘッドとシリンダーブロックの接合面の気密を保ち、熱による歪みの違いを吸収している。 |
シリンダーライナー |
シリンダーブロックに嵌め込まれた円筒形の鞘(さや)でシリンダーとしての働きをするもの。筒状の管を意味するスリーブとも呼ばれる。アルミ合金で鋳造されたシリンダーブロックにはシリンダーとして鋳鉄で作られたシリンダーライナーが圧入されているのが普通。一体型のシリンダーで、シリンダー壁が摩耗した場合、シリンダーライナーを嵌め込んで再生される場合がある。 |
自励振動 |
ある刺激がきっかけとなって機械系の内部に発生する系自身の振動。 |
進角装置 |
ディストロビューターに付けられている装置で、エンジンの回転が上がるのに合わせて点火時期を早める働きをする。点火時期を早めることを回転の角度を進めると考えて進角という。進角の方法により遠心式進角装置、真空式進角装置、電子進角装置などがある。 |
真空式進角装置 |
進角装置の一種。バキューム進角装置とも呼ばれる。エンジンの回転が上がるとこれに比例して吸気マニホールドの負圧(圧力低下)が強くなることを利用し、負圧でダイヤフラムを動かして進角に使うもの。 |
シングルエキゾースト |
各シリンダーの排気口を1本にまとめたもの。 |
シングル・オーバーヘッド・カムシャフト |
レシプロエンジンで1本(シングル)のカムシャフトがシリンダーヘッドに置かれ、吸排気バルブを駆動する方式のものをいう。バルブをシリンダーの列にそって並べ、カムシャフトで直接駆動するインラインタイプと、吸排気バルブをV字型に配置し、ロッカーアームを介して駆動するクロスフロータイプとがある。 |
シングルキャブレター |
略してシングルキャブといい、エンジンに1個(シングル)のキャブレターが装備されていること。 |
シングルグレードオイル |
SAE粘度番号の一つの番号の規定範囲内に入るオイルで、広範囲の規定値を満足するマルチグレードオイルに対して用いられる用語。 |
シングルバレル・キャブレター |
混合気の通路(バレル)が1本(シングル)のキャブレター。 |
シングルピック |
荷台の覆いがなく、サイドパネルが運転台と一体に作られている小型のトラック(ピックアップ)で、運転室内のシートが1列のものをいう。 |
シングルポイント・インジェクション |
単点噴射。燃料噴射システムで吸気マニホールドの集合部分の一点に燃料を噴射するもの。略してSPIと呼ばれ、各気筒ごとに噴射を行うマルチポイント・インジェクション(MPI)に比較しコンピューター制御が容易で、アイドリング時の微量の燃料供給を精度良く行うことができるという利点がある。 |
シングル・マスターシリンダー |
ブレーキ・マスターシリンダーで圧力室とピストンを1個ずつ備えたもの。 |
シンクロナイザーコーン |
シンクロメッシュの変速歯車に取り付けられている部品で、円錐(コーン)形の面をもち、シンクロナイザーリングの円錐形の摩擦面と接触してギヤの回転速度を一致させる働きをするもの。 |
シンクロナイザーリング |
シンクロメッシュに組み込まれているリング状の部品で、ボルグワーナータイプ・シンクロでは、リングの内面にシンクロナイザーコーンと接触して摩擦力を伝える円錐形の摩擦面をもち、外周にスリーブとつながるスプラインをもつ。摩擦力に耐えられるように特殊な銅合金で作られている。ポルシェタイプ・シンクロでは内側にセットされたブレーキバンドと接して摩擦力を発生するリングをシンクロナイザーリングと呼ぶ。 |
シンクロメッシュ |
シンクロナイザー、同期?合機構とも呼ばれる。シンクロナイズは二つ以上のことが同時に起こることを意味し、トランスミッションのギヤの等速?合装置のこと。シンクロと略されることが多い。トランスミッションのメインシャフトは駆動軸とともに回転し、カウンターシャフトはエンジンで回されているので、ギヤの組み合わせを変えるとき、歯車同士をいきなり噛み合わせると回転速度が合わずギヤが音を発したり(ギヤ鳴り)、歯が欠けたりすることがある。そこでギヤそのものは最初から?合わせておき(常時?合い)シンクロナイザーコーンとかシンクロナイザーリングなどをクラッチとして使ってギヤの回転をほぼ一致させた後、結合スリーブによって双方をロックして回転を伝えるようにするもの。ボールタイプ・シンクロ、ボルグワーナータイプ・シンクロ、ポルシェタイプ・シンクロなどがある。 |
真発熱量 |
単位量の燃料が完全燃焼したときに発生する熱量から燃料に含まれる水分と、燃焼によって生じた水分を蒸発させるのに必要な熱量を差し引いたもの。低位発熱量ともいう。 |
新PPR(new progressive power steering) |
トヨタの車速感応型パワーステアリングの一つで、ステアリング系に油圧による反力圧制御機構を設け、この油圧を車速センサーからの信号によってコンピューター制御し、ドライバーが常に適度な操舵力を感じながらステアリング操作ができるようにしたもの。 |
す行
スイーパー |
二つの小室をつなぎ、浄化を二段に行うタイプの触媒コンバーターで、二段目の小室のこと。前段の触媒で反応しきれなかった有害ガス成分を後段で処理するもので、この部分をスイーパー(掃除人)と呼ぶ。 |
水温計 |
エンジンの冷却水の温度を表示する計器で、温度によって電気抵抗値が変化するサーミスターによって温度を検知するものが一般的。 |
水温スイッチ |
エンジンの冷却系の制御に使用されるスイッチで、冷却水の温度を検知し、あらかじめ設定された温度で接点が開閉するようになっており、水温センサーと組み合わせた電磁石や温度によって磁気特性の変わるサーモフェライトを使うもの、バイメタルをスイッチとして直接使うものなどがある。 |
水温センサー |
冷却水の温度の検出器(センサー)。冷却水がラジエターに入る前の水温の高い部分に取り付けられ、素子には温度によって電気抵抗値が変化するサミスターが使用されているのが普通。 |
吸い出し音 |
高速走行中のクルマの車室から空気が洩れることによって発生する騒音。ドアサッシュが車の側面に生じる負圧によって吸い出され、ウェザーストリップとボディの間に隙間ができ、ここから空気が洩れて吸い出し音となることが多い。 |
水平対向型エンジン |
エンジンをシリンダーの配列によって分類する方法の一つで、福数気筒のエンジンでシリンダーがクランクシャフトを中心に左右に水平に配置されているもの。シリンダーが平ら(フラット)に置かれていることから4気筒エンジンをフラットフォー、6気筒エンジンをフラットシックスと呼ぶこともある。ポルシェ911やスバルレオーネのエンジンが水平対向型としてよく知られている。 |
水冷 |
熱の触媒として水を使用する冷却システム。水冷式エンジンや、スーパーチャージャーのインタークーラーなどに採用されている。 |
水冷式インタークーラー |
エンジン冷却用のラジエター又は専用のラジエターに循環した水を利用するインタークーラー。空冷式に比較して構造は複雑だが、低速でも冷却効果が良いという特徴がある。 |
水冷式エンジン |
エンジンをある温度範囲に保って運転するためには冷却が必要だが、その冷媒として水を使うもの。膨張行程で混合ガスが発生する熱エネルギーの三分の一は運動エネルギーに変換されずエンジン内に残り、放置すれば蓄積された熱によってエンジンの運転が妨げられる。そこでシリンダーの周囲にウォータージャケットを設け、水を循環させて冷却し、この水をラジエターに導いて熱を空中に発散させる。自動車用エンジンの冷却方式としてはこれが主流である。 |
スイングアーム |
スイングは振り子、アームは腕のことで、ある長さをもつ棒で片方を支点とし、他方を動かして使う機械要素。クルマではサスペンションのスイングアームやエンジンのロッカーアームなどに使われている。 |
スイングアーム式サスペンション |
インディペンデントサスペンションの中ではもっとも簡単な構造のサスペンションで、アームがAの字かこれに近い形をしており、Aの字の頂点に車軸を、二本の足を車体に取り付ける形式のもの。スイングは揺れ動くことを意味する。車体への取り付け方によってリーディングアーム式、トレーリングアーム式、スイングアクスル式、ダブルトレーリングアーム式がある。 |
スイングアクスル式サスペンション |
スイングアーム式サスペンションの一種で小型乗用車の後輪に多かったが、現在では使用されていない。デフの左右にユニバーサルジョイントを介して上下に揺動(スイング)できる駆動軸(ハーフシャフト)があり、先端に車輪をとりつけた構造で、シンプルなメカニズムだがスイングの半径が小さいのでタイヤが上下した時のキャンバー変化、トレッド変化が大きくジャッキアップ現象を起こしやすい欠点がある。 |
スーパーエンプラ |
特殊エンプラとも呼ばれ、エンジニアリング・プラスチックといわれる工業用プラスチックに比較して強度、弾性、耐熱性などが上回り、金属やセラミックスに近い特性をもつプラスチックのこと。 |
スーパーストラットサスペンション |
トヨタが91年カローラ用に開発したフロントサスペンションの名称。マクファーソンストラットの下半分をキャンバーコントロールアームとし、これをロアアームで支えた構造となっている。キングピン軸が通常のストラットサスペンションの半分以下で、かつ旋回時のロールによる対地キャンバー変化を小さくしてあることから旋回トレース性が良くなっている。また、キングピン軸がタイヤ中心に近いことから発進、加速時のトルクステアが小さく、操舵力変化が少ない。 |
スーパーソニックサスペンション |
1984年のブルーバードに採用されたサスペンションで、走行中のクルマの姿勢変化を超音波(スーパーソニック)ソナーによって検知し、他のセンサーからの情報も加えて走行状態をとらえ、ショックアブソーバーの減衰力をマイコンによって制御するもの。 |
スーパーターボ |
ニッサンが89年にマーチ用として市販を始めたMA09ERT型のハイブリッド過給1000cc直列4気筒OHCエンジンのことを指す。ルーツ式のスーパーチャージャーとターボチャージャーが直列に配置されている。 |
スーパーチャージャー |
コンプレッサーを用いてエンジンに吸入される混合気の圧力を高める装置の総称で、コンプレッサーを回すのにエンジンの軸出力を使うメカニカルスーパーチャージャーと排気ガスの排出力を使うターボチャージャーがあり、構造によって遠心型、軸流型、容積型に分類される。一般的にはメカニカルスーパーチャージャーのことを単にスーパーチャージャーといっており、レーシングカーや航空機のエンジン用として開発され、一般に自動車にも使われるようになった。過大な空気を供給する機械ということから過給機と呼ばれる。 |
スーパーHICAS(ハイキャス) |
ニッサンの車速感応式四輪操舵システムの名称。HICAS-Uを発展させたもので、ステアリングの切り始めに後輪を一瞬逆位相に操舵してクルマのヨー運動の立ち上がりを良くし、旋回に必要なヨーが発生したあと同位相に操舵することによって安定したコーナリングができるようにしたもの。後輪位相反転制御システムとも呼ばれる。 |
据え切り |
停車状態でステアリングホイールを大きく動かすこと。駐車や車庫入れで使われることのある操作で、走行中の操舵力の10倍以上の力が必要とされる。特にパワーステアリングの場合操舵系に無理がかかりやすい。わずかでもクルマを動かすとかなり楽にハンドルを切ることができる。 |
スカート |
女性のはくスカート状のものということから、@エンジンのピストンの側面下部、すその部分。A車体の下の方に付けられるスカートの形をしたもので、空気の流れをコントロールしたり、水や泥が跳ねるのを防ぐ働きをするもの。 |
スカッフィング |
高い圧力で接触し、通常、オイルで潤滑されている金属の表面の局部的な付着によって起こる傷で、スコーリングあるいはかじりともいう。一般にエンジンピストン回りやカムに見られる傷をスカッフィング、歯車に発生する傷をスコーリングという。 |
スキーク |
走行中にブレーキから聞こえるチーという周波数の高い連続音。 |
スキール |
英語で甲高いキーキー声をいうことから、@タイヤから発生するキーッとかギャーという音のこと。急制動や急激なコーナリングを行ったときにトレッドゴムと路面の間にスティックスリップが起こることによって発生するもの。Aブレーキ系から発生するキーという音で、ドラム、シュー、バッキングプレートなどが共振して発生する。 |
スキッシュ |
英語で押しつぶすことを意味し、燃焼室内で混合気を狭い隙間から押し出すこと。ピストンが上死点に近づいた時に、シリンダーヘッドとの隙間が特に狭くなるような部分(スキッシュエリア)を設けておくと、圧縮行程でこの部分に吸入された混合気が押し出され(スキッシュ)、次の膨張行程で吸い込まれる(逆スキッシュ)ので混合気の燃焼速度が高まり、燃費が良くなる効果がある。ただしスキッシュエリアが大きいとこの部分に火炎が伝播せず、クエンチエリアができる場合がある。 |
スキッド |
タイヤが回転を止めるか、ほとんど止まった状態で滑ること。主に横滑りをいうが、進行方向へのすべりをいう場合もある。タイヤが回転しながら横に滑る現象はドリフトと呼んで区別している。 |
スキッドプレート |
アンダーガードあるいはアンダープロテクターとも呼ばれ、ラリー車など悪路を走行するクルマで、エンジン株や床下の走行装置を路面の突起やはね石から保護するための板(プレート)。アルミニウムやジュラルミンが使われることが多いが、軽くて強靭なカーボンファイバーが使用されることもある。オイルパンを保護するために取り付けられるものはサンプガードと呼ばれる。スキッドは滑り、ひきずりの意味。 |
スクイブ |
電気式エアバッグシステムのインフレーターに仕掛けられている点火装置。通電によってフィラメントが発熱し添加剤に着火する。スクイブは擬音語で、ボッと燃えること。 |
スクエアエンジン |
シリンダーのボア系とピストンのストロークが同じ寸法のエンジンのこと。 |
スクラブ半径 |
クルマを前から見たとき、キングピン中心線が路面と交わる点と、タイヤの接地面にかかる力の作用点との間の距離。 |
スクランブル過給 |
全開加速時に一時的にターボ圧を高くすること。スクランブルは空軍の緊急発進から連想して使われている言葉。 |
スクロールコンプレッサー |
カークラーの冷媒の圧縮を行うのに使われるロータリーコンプレッサーの一種。二つの渦巻きの形をしたガイドが回転の中心点をずらしてセットされており、一方のガイドが固定され、他方のガイドが回るようになっている。渦巻きの外側から冷媒を入れると二つのガイドの隙間が中心に向かって狭くなって行って圧縮され、中心から圧力の高い冷媒が取り出せる。 |
スクロール面積 |
タービンハウジングの断面積のこと。スクロールは渦巻きのことで、ターボチャージャーで排気ガスの通路(タービンハウジング)が渦巻き状になっていることからきた言葉。 |
スケルチ |
タイヤのトレッド形状の丸い、特にクロスプライタイヤに発生することのあるパターンノイズで、トレッドのショルダー部に近い部分が路面を打つことによって出るピシャピシャという感じの音をいう。英語の一般的な意味は水や泥の中を歩く時のビシャビシャあるいはピシャピシャという音のこと。 |
スケルトン型ピストン |
軽量化を徹底するためスカート部分を骨格(スケルトン)構造とし、軽量化と同時に摺動面を出来るだけ少なくしたタイプのピストン。X型ピストンともいう。 |
図示熱効率 |
燃焼室内の圧力(指圧線図)から求められた熱効率で、エンジンに供給された熱量と燃焼室内の圧力によってピストンになされた仕事(図示仕事)の差を供給された熱量で割ったもの。不完全燃焼や冷却損失などによるロスがあるので理論熱効率より小さい値となる。 |
図示燃料消費率 |
燃料消費率の一つで、燃料消費率を計算するときにエンジン出力として図示馬力を使ったもの。 |
図示馬力 |
エンジンの燃焼室の圧力(指圧線図)から求めたエンジンの仕事率を馬力であらわしたもので、エンジンの出力軸から取り出せる正味馬力と、エンジン内部で消費される摩擦馬力を加えたもの。 |
図示平均有効圧力 |
エンジンの1サイクルで燃焼ガスがピストンになす仕事(理論仕事から吸排気に使われた仕事や冷却損失などを引いたもの)を行程容積で割ったもの。 |
スターター |
エンジンの始動装置。スターターモーターのピニオンギヤでフライホイールの周囲に刻まれたリングギヤを回すことにより始動させる。ピニオンはスタータースイッチをオンにすると同時にリングギヤと噛み合うようになっており、マグネチックスイッチの吸引力でピニオンが飛び出して噛み合うピニオンシフト式と、ピニオンの回転による慣性力によって噛み合うベンディックス式(ベンディックス・ドライブ)があるが、ほとんどのエンジンがピニオンシフト式を採用している。 |
スターターモーター |
エンジンを始動するモーターで、イグニッションスイッチにより作動する。モーターが回転し始めると同時にマグネチックスイッチが先端につけられたピニオンギヤを押し、ピニオンがフライホイールの周囲に刻まれたリングギヤと噛み合ってエンジンを回す仕組みになっている。セルモーターとも呼ばれる。エンジンが始動すると逆にエンジンがスターターモーターを回すことになり、過回転で破損する恐れがあり、モーターとピニオンの間に一方向にしか力が働かないオーバーランニングクラッチを入れ、これを防いでいる。 |
スターリングエンジン |
外燃機関の一種で、往復運動するピニオンの両側に気体を密閉した室を設け、一方の室を加熱し、他方を冷却すると室の圧力差によってピストンが低温側に動くという原理を利用して動力を得るもの。 |
スタグネーションポイント |
よどみ点。丸みをおびた物体を流体の中に置いた時の先端で、流速がゼロになっている部品のこと。クルマの正面方向から空気を取り込む場合、圧力が最も高い点なので、空気の吸入口としては理想的な場所である。 |
スタック |
泥や砂の中にタイヤがはまり込んでクルマが動けなくなった状態をいう。 |
スタッドレスタイヤ |
スパイクを用いないのでスパイクタイヤと同等以上の氷雪上性能を有することを目標としたタイヤ。スパイクタイヤによる路面の損傷、騒音、粉塵などが環境問題となったことを契機に開発がすすめられ、スパイク(スタッド)を用いない(レス)タイヤということからこう呼ばれている。スパイクレスタイヤともいう。 |
スタティックマージン |
自動車の静的方向安定性をあらわす量で、クルマの重心位置からニュートラルステアポイントまでの水平距離をホイールベースで割った値。スタティックは動かないということを意味する形容詞、マージンは限界の意。 |
スタビライザー |
アンチロールバーのこと。英語で安定を意味するステーブルからきた言葉で、車体のローリングを少なくするためインディペンデントサスペンションに取り付けられるもの。クルマのステア特性に影響を与え、一般に前輪のスタビライザーを強くするとアンダーステアに、後輪にスタビライザーを取り付けるとオーバーステア傾向になる。 |
スタビリティファクター |
舵角一定で旋回しているクルマの遠心力と求心力及び重心まわりのモーメントの釣り合いから、ステア特性を数式によって求める場合に使われる係数で、クルマの質量をm、前輪と後輪のコーナリングパワーをそれぞれKfとKr、ホイールベースを?とした場合m(Kf+Kr)/Kf Kr ?で計算される数値にスタティックマージンを掛けたものとして得られる。この数値が正の場合はアンダーステア、負の場合はオーバーステア、ゼロの場合はニュートラルステアをそれぞれあらわす。 |
スタンディングウェーブ |
物理で定在波、定常波のことだが、自動車では高速走行中のタイヤで接地部後方に発生する定常波を指す。タイヤがタイヤ自身のたわみによる変形が伝わる速さよりも早く回転すると、変形が重なり合って定常波となる。目視できるほどのスタンディングウェーブが発生するとタイヤの発熱が急速に増加し、短時間でバーストに至る。タイヤ表面に発生する波で、車軸が振れるわけではないので振動は起こらず、ドライバーは感知できない。 |
スタンディング・スタート |
競技車の静止状態からのスタートのこと。走りながらのスタートはフライング・スタートあるいはローリングスタートという。 |
スタントカー |
自動車を使って行う曲技や危険度の高い曲芸、又はこれを行うクルマやバイクのこと。 |
スタンブル |
エンジンの息つきで、出力低下の大きい場合をいう。 |
スチールベスト・ガスケット |
メタルアスベスト・ガスケットとも呼ばれるシリンダーヘッド・ガスケットの一種で、これまで最も多く使用されてきており、軟鋼板の芯金にアスベストと特殊ゴムを圧縮材として用いたもの。アスベストの発癌性が問題となり、他の材料への転換が進んでいる。 |
スチールラジアルタイヤ |
ベルトにスチールワイヤーを使用してあるラジアルタイヤのこと。 |
ステア特性 |
クルマのコーナリング特性をハンドル操作と車の挙動との関係であらわすもの。アンダーステア、オーバーステア、ニュートラルステアの三つに分けられる。一般的には一定の操舵角で旋回し、速度を上げていったときに、旋回半径が大きくなるものをアンダーステア、旋回半径が小さくなるものをオーバーステア、変わらないものをニュートラルステアという。 |
ステアリング |
舵取り装置。タイヤの向きをコントロールする装置全体のことだが、ステアリングホイール(ハンドル)を指すこともある。ステアリングシャフトの回転をリンク機構に伝えるギヤの対応によってリサーキュレーティングボール式、ラックアンドピニオン式、ウォームセクター式、ウォームセクターローラー式などに分類される。 |
ステアリング・インターミディエイトシャフト |
レイアウトの関係でステアリングシャフトを二分割した場合、ステアリングホイールに近い方をステアリングメインシャフト、ギヤボックスとつながった方をインターミディエイトシャフトと呼ぶ。 |
ステアリングオフセンター |
クルマが直進状態にあってタイヤが真っすぐになっているのに、ステアリングホイールが直進位置からずれていること。 |
ステアリングギヤ |
ステアリングホイールの回転運動を直進運動に変え、リンク機構によってタイヤの向きを変える働きをする装置。構造によってラックアンドピニオン式ステアリングギヤ、ウォームセクター式ステアリングギヤ、ボールナット式ステアリングギヤに分類され、それぞれにハンドルを回す腕の力だけで操舵するマニュアル・ステアリングギヤと油圧ポンプの動力を利用するパワー・ステアリングギヤがある。 |
ステアリングギヤ・バックラッシュ |
リサーキュレーティングボール式ステアリングギヤではボールナットの側面の歯(ラック)とセクター(扇形のギヤ)との間の、ラックアンドピニオン式ステアリングギヤではピニオン(小歯車)とラック(歯ざお)との隙間のこと。 |
ステアリングギヤ比 |
ステアリングギヤの減速化。ステアリングホイールの回転角をタイヤの切れ角(向きがどれだけ変わったかの角度)で割って得られる数値で、乗用車では15〜24、トラックやバスでは25〜30くらいが普通。ギヤ比が大きいとハンドルは軽く動くが、応答性はにぶくなる。乗用車のロック・トゥ・ロック(ハンドルを一方から他方に一杯に切った時の回転数)は3〜3.5回転ほどだが、ギヤ比の小さいレーシングカーでは2回転も無いのが普通である。 |
ステアリングギヤ・プレロード |
リサーキュレーティングボール式ステアリングギヤでギヤの隙間をなくし、直進走行時のふらつきをなくすため、歯の側面を押しあうように力を加えておくこと。プレは事前を意味する接頭語でロードは荷重の意味。 |
ステアリング・ギヤボックス |
ステアリングギヤのことをいうのが普通だが、ステアリングギヤの入っているケースを指すこともある。 |
ステアリング・ギヤボックス効率 |
ステアリングギヤの伝達効率のこと。ステアリングギヤのハンドル側からの入力とタイヤ側への出力の比を正効率といい、タイヤ側の軸トルクをハンドル側の軸トルクにステアリングギヤ比を掛けた数値で割ったもので、ギヤがどれだけの割合の力を伝えたかをあらわす。逆にハンドル側の軸トルクにステアリングギヤ比を掛け、タイヤ側の軸トルクの影響をみる目安とする。 |
ステアリングコラム |
ステアリングシャフトが入っている筒状のチューブで、コラプシブルハンドルでは一部分を網状にし、衝撃を受けたときに軸方向に縮むようになっている。コラムは円筒状のものを意味する。 |
ステアリングコラム・カバー |
ステアリングコラムのカバーで、ホイール近くに取り付けられており、ターンシグナルスイッチやキーシリンダーなどを覆うもの。 |
ステアリング・ジオメトリー |
ステアリング機構の部品の配置(ジオメトリー)をいい、各部品の寸法や位置関係を数値で示したものの総称。代表的なものにアッカーマン・ジャントー方式がある。 |
ステアリングシャフト |
ステアリングホイールの操作力をステアリングギヤに伝えるシャフト。路面からステアリングホイールに伝わってくる振動をカットするため、ステアリングギヤとの間にフレキシブルカップリングが取り付けられているものもある。 |
ステアリングセクター |
セクターは扇形のことで、扇の先にあたる位置に刻まれているギヤが、リサーキュレーティングボール式ステアリングギヤではボールナットの側面の歯(ラック)と、ウォームセクター式ステアリングギヤではステアリングシャフトのウォームギヤとそれぞれ噛合い、扇のかなめの位置にあるシャフトによってピットマンアームを動かすもの。 |
ステアリングダンパー |
ステアリングリンケージと車体の間に取り付けられているダンパーで、路面からの衝撃によるステアリング系の急な動きを緩和し、振動を抑えるもの。シミーの発生を抑えることを主な目的として付けられることが多く、シミーダンパーとも呼ばれる。 |
ステアリングナックル |
前輪の中心となる部品で、スピンドル(軸)とナックルアームが取り付けられており、キングピン軸を中心に回転する。クローム鋼などの鍛造品が一般的である。 |
ステアリングホイール |
ハンドルともいう。クルマの進む方向を変えるためドライバーが操作する部品。外側のリング、中央部分のボス、リングとボスを結ぶスポークからできており、ボスやスポークにホーン(警笛)機構を組み込んだものが多い。リングの径が大きいと軽く操作できるが大きく動かす必要があり、径が小さいと素早く回せるハンドリングは重くなり路面からのキックバックも大きくなるので、クルマの性格にマッチした大きさが選ばれる。リングの太さや材質も運転のフィーリングに大きな影響を与える。ステアは舵をとること、ハンドルは握手の意味。 |
ステアリングリンケージ |
ステアリングリンク装置。自動車の進行方向を変える装置の中で、ステアリングギヤからの力をフロントホイールに伝えるメカニズムの総称。リジッドアクスルサスペンションに使われているクロスリンク式、インディペンデントサスペンションに使われる対称リンク式、ラックアンドピニオンリンク式、ハルテンベルガ式などに分類される。リンケージはつながり、連動を意味する。 |
ステアリングロック |
ステアリングホイールの回転をロックして盗難を防止する装置。イグニッションキーを抜くとステアリングシャフトがバーで固定され、電気回路をつないでエンジンを動かしてもクルマの操縦ができないようにしたもの。 |
スティックスリップ |
個体の摩擦面で付着(スティック)と滑り(スリップ)が交互に起こって発生する自励振動で、自動車ではタイヤのスキール、ワイパーのびびり、クラッチのびびり振動などにその例が見られる。 |
ステージ |
舞台を指すのに使われる言葉だが階段という意味もあり、クルマではキャブレターでスロットルバルブが働く通風の段階のことをいう。例えば3バレル2ステージのキャブレターというと、スロットルバルブをもつバレルが3個あって、うち2個のスロットルバルブが同時に動き、1個のバレルだけ働く場合と3個のバレルが同時に働く場合の2段階の通風を行うキャブレターであることを示す。 |
ステーションワゴン |
ワゴンは荷馬車の意味で、セダンの車室を後方に伸ばして荷物を多く置けるようにし、後ろにドアを設けた乗用車のこと。イギリスではエステートカーと呼ぶ。略してワゴンともいい、同じスタイルのバンに対し、乗客の居住性を優先した作りになっている。米英でバンといえば箱形のトラックのことなので、このタイプのバンをコマーシャルバンと呼ぶことがある。大型のワゴンには後ろに折りたたみ式の座席を設けたものもある。 |
ステムシール |
バルブステムとステムガイドの間に入れられているゴム製のシールで、エンジンオイルの漏れ(オイル下がり)を防ぐためのもの。 |
ストイキ |
英語のストイキオメトリック・レシオを略したもので理論空燃比のこと。ストイキオメトリックは哲学のストア派に由来し禁欲的なことを意味するストイックという言葉からきた用語で、文字どおり訳せば燃焼に最小限必要なよいうことになるが、もちろんこの数値よりも小さい空燃比でも燃焼は起こる。 |
ストール |
発進しようとしてエンジン回転を充分上げないままクラッチをつないでしまったときなど、エンジンの発生するトルクが負荷に負けてエンジンが停止すること。AT車ではエンジンの暖気が充分でない時に起こりやすく、アイドリングの設定のないレーシングエンジンでは回転を高く保っていないとストールしやすい。 |
ストールトルク比 |
AT車の発進時のトルク比のこと。トルクコンバーターの入力トルクと出力トルクの比(出力トルク/入力トルク)をトルク比といい、特に出力軸が停止(ストール)している状態でのトルク比をストールトルク比という。乗用車では2.0〜2.6が普通。 |
ストップランプ |
停止灯。ブレーキランプともいい、ブレーキが踏むと点灯する赤色のライト。保安基準では昼間、後ろ100mから点灯していることが分かることが必要とされている。交通信号の赤ランプも英語ではストップライト又はストップランプという。 |
ストップリング |
止め輪。軸にはめられている部品が抜けないようにするために使われる輪の形をしたもの。はめられている部品や軸に溝を刻んでおき、Cの形の輪を、軸用は専用の工具を使って拡げて、穴用をせばめて溝にはめて使う。 |
ストラットバー |
マクファーソンストラット式サスペンションでストラットが前後に動かないように支える棒。 |
ストレッチネス |
アクセルペダルを踏みこんで加速しようとしているのにスピードが思うように上がらない現象。 |
ストローク |
行程のこと。自動車では@ピストンの動く距離。行程長さ。Aピストンの一方向への動きを意味する。 |
ストローク・ボア・レシオ |
レシプロエンジンのピストン行程(ストローク)とシリンダー内径(ボア)の比で、略してS/B比と呼ぶ。エンジンの形状と性能を左右する最も基本的な要素の一つとして重視される。一般に出力はS/B比の平方根に逆比例するので、同じ気筒容積のエンジンで比較するとS/B比は小さいほど出力は大きくなるが、燃焼室の表面積と容積の比(S/V比)が大木なるので冷却損失は増え、燃費は悪くなる傾向となる。 |
スノータイヤ |
ウィンタータイヤともいい、サイドウォールにSNOWの表示のある雪路走行用タイヤ。雪上での浮上性を良くするため幅の広いトレッドをもち、溝に噛み込んだ雪と路面上の雪の間のせん断力や摩擦力によってグリップを得る。溝の深さが半分になるとトレッド溝底に設けられたブラットホームが現れ、スノータイヤとしての使用限度に達したことを示すようになっている。 |
スノーブレード |
寒冷地でワイパーブレードが凍結したり、ブレードに雪が付着するのを防ぐため、全体をゴムで覆ったワイパー。 |
スパークギャップ |
スパークプラグの中心電極とアース電極の間の隙間のこと。 |
スパークディレイ・システム |
ガソリンエンジンで加速時に点火時期を遅らせる装置で、点火時期制御装置の一つ。加速のために多量の混合気が送り込まれたとき、点火時期が同じだと燃焼ガスの温度が高くなって窒素酸化物が増えるのでこれを遅くし、燃焼ガスの温度を下げると同時に燃焼を完全にして排出ガス中の炭化水素も少なくするもの。 |
スパークプラグ |
プラグ、点火プラグ、点火栓、イグニッションプラグなどいろいろな呼び方がある。混合気に電気花火で着火する部品。中心を貫通するプラス電極(中心電極)の回りをセラミックで覆って絶縁し、エンジンに取り付けるねじに外側電極(アース電極)を設けて両電極間にスパークを飛ばす構造となっている。寸法形状と熱価(耐熱性)によって多くの種類があり、エンジンの特性と使用条件にマッチしたものを選択する必要がある。 |
スパーベベルギヤ |
直歯(すぐば)傘歯車。円錐形に開いた傘の形をしており、二枚のまっすぐな歯をもつギヤを直角にかみ合わせ、変速と同時に回転の方向を変える働きをする。ベベルギヤの一種で、かつてはファイナルギヤとして多く用いられたが、今日では使用例がなく、ステアリング系などに見られる程度。スパーは乗馬靴に付ける拍車からきた用語で、拍車の形をした普通の歯車(平歯車)をスパーギヤという。 |
スパイクタイヤ |
トレッドに金属など硬質なピン(スタッド、スパイク)を植え込み、氷上や凍結路でタイヤのグリップを高めることを目的に作られたタイヤ。舗装路を傷め、粉塵による環境汚染の原因になることから世界的に使用が規制されており、日本では1991年3月以降このタイヤの販売はされていない。スタッドタイヤともいう。 |
スパイダー |
蜘蛛(くも)の意味から@ハブなど中心になるものから放射状に棒状のものが配置されている機械部品。A大きさの異なる数種類のボックススパナを十字形につないだ棒の先端に取り付けたホイールレンチ(ホイールナットを弛めたり締めたりするための道具)。Bスポーツカーの主としてドイツにおける呼び方。日本でもかつてダイハツで発売したスポーツカーが「ダイハツスパイダー」という名称だった。 |
スパイラルベベルギヤ |
ベベルギヤの歯の形(歯すじ)を曲線とし、回転をなめらかに伝えるようにしたもの。歯すじとしては円、インボリュート、トロコイドなどが用いられる。同じベベルギヤのスパーベベルギヤに比較して噛み合いの割合が大きく、伝達効率が良いという利点があり、ファイナルギヤとして用いられている。スパイラルは渦巻きの意味。 |
スパッツ |
サスペンションやタイヤの覆いのこと。固定脚の飛行機で脚柱の覆いを指す言葉からきた。 |
スピードスプレッド |
ブレーキの効きの車速による変化のこと。一般にディスクブレーキはドラムブレーキより車速の変化に対するブレーキの効きの変化が小さく、こうした場合にスピードスプレッドが小さいという。 |
スピードデンシティ方式 |
燃料噴射装置で、エンジンに吸入される空気量をエンジンの回転速度(スピード)と、吸気管内の圧力からマイコンで計算して求める方式。デンシティは空気の密度のこと。 |
スピードメーター |
速度計。指針で速度を示すアナログ式と、数字が表示されるデジタル式がある。アナログ式はトランスミッションの出力軸の回転をウォームギヤで取り出し、フレキシブルシャフトでこれをメーターに導く機械式が最も多い。メーター内に自動車の積算走行距離を示すオドメーターと、ボタンでゼロに戻せて、走行距離を表示するトリップメーターが組み込まれているのが普通。保安基準では、指度の誤差は35q/h以上で-10〜+15%の範囲になくてはならない。 |
スピュイング |
キャブレターのフロート室からガソリンが吹き出す(スピュー)こと。フロート室の温度が高いときに急発進や急旋回によってフロートが下がり、ガソリンが多量に供給されてフロート室に充満し、ベンチュリーに吹き出す現象で、エンジン回転が不調になり、ストールを起こす場合もある。 |
スピン |
@コーナリング中に後輪タイヤがグリップを失い、ドライバーがコントロールできない状態で、クルマが重心点を通る鉛直軸回りに回転すること。Aホイールが車軸を中心にして空転するホイールスピンのこと。 |
スピンターン |
ドライバーが故意に後輪タイヤを横滑りさせて車の進行方向を大きく変えるテクニック。後輪を横滑りさせるには、まずハンドルを切ってクルマの向きを変えてヨー運動のきっかけを作り、ただちにサイドブレーキを引いてリヤタイヤをロックさせる方法が最も一般的で、うまくスピンターンを行うにはクルマの速度とハンドル操作、ブレーキのタイミングが合うことがポイント。 |
スピンドル・オフセット |
ホイールセンター高さでのキングピン軸とホイール中心面との距離。この値が小さいとスピンドル(車軸)に前後力が作用してもステアリング軸回りのモーメントが小さいので、ステアリングの保舵力の変化やキックバックが小さく、FF車にとって好ましい特性が得られる。 |
スフェリカルジョイント |
球状の継手のことで、ロッドエンド、ピロボール、あるいはローズジョイントとも呼ばれ、レージングカーのサスペンションのピボットとして多く使用されている継手。中央に軸を通すための穴をもつ球(インナーボール)をこれより大きな球状の環にはめこんで、間にプラスチックのライナー(インターライナー)を入れて遊びをなくすとともに円滑に動くように作られている。 |
スプライン |
軸の周りと円筒の内側に軸方向に歯を刻んで組み合わせ、力を伝える機械要素。軸方向に滑り動く(滑動あるいは摺動)ものと、固定して使われるものとがあるが、自動車ではトランスミッションやプロペラシャフトなど滑動タイプのものが使用される例が多い。歯の側面が平行なものを角形スプラインといい一般機械に、インボリュート曲線を使ったものをインボリュートスプラインといい自動車に多く使われている。 |
スプリットシート |
ベンチシートで、背もたれ(シートバック)が分割されているシート。 |
スプリットピストン |
ピストンの形状の一つで、側圧のかからないボス方向の両側のスカート上部にスリット(ヒートダム)を入れ、熱伝導を防いで熱膨張による変形を少なくし、ピストンとシリンダーのクリアランスを小さく設定できるようにしたもの。スリットの形によってTスロットピストン、Uスロットピストンなどとも呼ばれる。 |
スプリングアイ |
リーフスプリングの両端にある目(アイ)の形に巻いてある部分。スプリングブッシュを入れ、一端をスプリングハンガー(ブラケット)に他端をスプリングシャックルにそれぞれスプリングピンによって取り付ける。 |
スプリング・オフセット |
マクファーソンストラット式サスペンションではコイルスプリングの中にショックアブソーバーを入れて一体にして使うため、レイアウトによってはスプリングの中心とショックアブソーバーの軸の中心を一致させるとショックアブソーバーのピストンロッドに横向きの力がかかってピストンの摺動部分に余分な摩擦力が発生し、乗り心地の低下を招く。そこで摩擦力を出来るだけ少なくするため両車の中心位置をずらして(オフセット)取り付ける。 |
スプリングハンガー |
リーフスプリングを取り付けるブラケットのこと。ハンガーは軸受などの吊り手を指す。 |
スプリングピン |
リーフスプリングをハンガーやシャックルに取り付けるピン。 |
スプリングブッシュ |
スプリングアイの中に入れられる軸受で、トラックやバスではメタル(メタルブッシュ)が使用されるが、小型トラックや乗用車ではゴム(ラバーブッシュ)が使われる。 |
スプリングライナー |
リーフスプリングのばね板の間に入れて摩擦や振動を緩和する緩衝材。 |
スプレーパターン |
ディーゼルエンジンの噴射ノズルから噴出する燃料の拡がり方のこと。噴射形状特性ともいい、燃焼室内で燃焼がどのように進むかを決める重要な要素の一つ。 |
スプロケット |
チェーン用の歯車。OHCエンジンのカムシャフトをチェーンによって駆動する場合に使用されるクランクスプロケットやカムスプロケットが代表的な例。チェーンを駆動する側のスプロケットをドライブスプロケット、駆動される側のスプロケットをドリブンスプロケットと呼ぶ。 |
スペアタイヤ・キャリア |
スペアタイヤを車外に保持する装置。四輪駆動車のリヤドアやトラックの床下に設けられているもの。 |
スペーサー |
間隔をとるために挿入されるもの。間隔を置く必要のある部品を組み付けるときに間に挟んで使われる。 |
スペースセイバータイヤ |
アメリカのグッドリッチ社で開発された折たたみ式の応急用タイヤ。バイアス構造のタイヤで、サイドウォールを折りたたんで一般タイヤの半分ほどの大きさにして収納し、ボンベやコンプレッサーで膨らまして使用する。トランクスペースの小さいスポーツカー用として採用されている。 |
スペースビジョンメーター |
トヨタソアラに使われている虚像表示メーターの名称。 |
スペースフレーム |
四角形や丸い断面の鋼管を溶接して骨格としたフレーム。剛性が高く、軽いので1960年代までレーシングカーによく使われていた。 |
スペシャリティカー |
クーペやコンバーチブルなどスポーツカーのようなスタイリングで動力性能の良いエンジンを搭載しているが、走行性能よりも快適性や居住性を重視したクルマ。64年のフォードマスタングが最初のスペシャリティカーと言われる。英語ではスペシャリティだけで特性品を意味する。スペシャルティカーともいわれる。 |
スペック |
仕様書。通常クルマの設計仕様の詳細のことをいう。 |
すべり軸受 |
平軸受。メタルとも呼ばれ、ベアリングの一種で、潤滑油で覆われた滑らかな面で軸を支える構造のもの。荷重のかかる方向によって、軸に直角な方向(横方向)の荷重を受けるラジアル軸受と、横方向(縦方向)の荷重を支えるスラスト軸受があり、銅合金やアルミニウム合金など軸より軟らかい材料で作られる。代表的なラジアル軸受はレシプロエンジンのクランク軸回りに使われるもので、軸に開けられた油穴から給油、潤滑される。 |
スポイラー |
スポイルは物を駄目にすることを意味し、スポイラーは空気の流れを邪魔することによって車体周辺の気流をコントロールする働きをするもの。ウィングが翼の両面に空気を流して効果を得るのに対して、スポイラーは片面だけ空力効果を求める。取り付けてある場所によって、クルマの前端はノーズスポイラー、ルーフはルーフスポイラー、後端にあるのはテールスポイラーと呼ぶ。 |
スポーツカー |
運転を楽しむために要素を強調し、走行性能を優先して作られたクルマの総称で、ツーリングカーと対照的に用いられる。 |
スポーツ・プロトタイプカー |
車全体を覆うボディをもつ2座席のレーシングカーで、モータースポーツの車両分類ではグループCと呼ばれ、ル・マン24時間レースに出場する車両としてよく知られている。主として耐久レース用のレーシングカーとして長い歴史をもち、1982年からはレース中に使用できる燃料の量だけを規制し、マシンの使用については比較的自由で人気の高いレースだったが91年以降エンジンがF1と同じ規定となり、世界選手権(SWC)への参加台数が少なくなっている。日本では旧規定のマシンによる耐久レース(JSPC)が行われているが、同様に参加台数が減っている。プロトタイプは試作品あるいは先駆けの意。 |
スポーティーカー |
汎用の乗用車に運転を楽しむための装備をほどこし、スポーティーなムードに仕立て上げたクルマ。 |
スポンジブレーキ |
ブレーキペダルを踏んだ時の感じがスポンジ(海綿状のゴム)を踏んだように柔らかいこと。ブレーキ感を数値化した時ペダル踏力をペダルストローク(踏みしろ)で割った値が小さいこと(同じストロークで踏力が小さい場合)スポンジーであるという。逆に硬い場合を板ブレーキということもある。 |
スモークメーター |
エンジンから排出される煙の濃度を測定する計器。排気ガス中の黒煙を濾過し、濾紙に光をあてて反射率を測定する反射式と、黒煙や白煙に直接光をあて、その透過量によって濃度を測定するUTAC式(ユタック:フランスの試験機関)がある。 |
スモールエンド |
小端部。コネクティングロッドのピストンピンが取り付けられる部分のこと。 |
スモールスクラブ |
ホイールアライメントでスクラブ半径が15o以下の比較的小さい値に設定されているものをいう。 |
スモッグ |
煙霧。スモーク(煙)とフォッグ(霧)から作られた言葉。窒素酸化物や炭化水素が強い太陽光線により化学反応を起こすことによって発生する光化学スモッグ(ロサンゼルス型スモッグ)と、暖房などの排煙中の亜硫酸ガスや媒などと霧が原因となって発生するスモッグ(ロンドン型スモッグ)があり、前者は自動車の排気ガスとの関係があると考えられている。 |
スライディングルーフ |
サンルーフの一種で手動または電動でルーフの一部をずらす(スライド)タイプのもの。ルーフの強度をほとんど損なわずに室内が明るくなり、解放感が得られるのが特徴。ルーフと同じ材料で作られる場合が多いが、スモークドガラスで熱線をカットしたタイプのものもあり、これはムーンルーフと呼ばれる。 |
スライドドア |
ワンボックスワゴンやデリバリーバンに多く見られるボディにそって後方に滑らせて(スライド)開くタイプのドア。2ボックスカーとしてはニッサンプレーリーが初めてこのタイプのドアを採用した。開口部が広く、車側のスペースの少ない場所での乗り降りに便利なドア。 |
スラストベアリング |
回転軸の軸方向にかかる荷重(スラスト荷重)を支えるベアリング(軸受)で、鋼球(ボール)を使うスラスト玉軸受、ころを使うスラストころ軸受と、円板形で表面に軸受合金を使うスラストワッシャーがある。 |
スラッジ |
一般にボイラーやタンクにたまった沈澱物、おりのことをいうが、自動車では燃料や潤滑油が変質して出来たかたまりを指すのが普通。フィルターや潤滑系を詰まらせて故障の原因を作る厄介なもの。 |
スラッシュ成形インパネ |
スラッシュ成形によって作られたインストルメントパネルのこと。スラッシュ成形はプラスチックの成型方法の一つで、熱した金型にプラスチックの粉末を入れ、金型に接した部分を融かし、余分な粉末を除いて硬化させた後取り出すやり方。 |
スラローム |
スキーの回転競技をいうスウェーデン語からきた言葉で、クルマを蛇行運転すること。スラロームによってクルマの操縦性安定性を評価することをスラローム試験といい、幾つかのパイロンを置いてコースを設定し、走行ラインのトレースのしやすさや限界通過速度がテストされる。 |
スラントエンジン |
縦型エンジンでシリンダーが車体の上下方向中心線に対して傾くように(スラント)取り付けられているもの。エンジンルーム内の部品の配置や作業性を配慮してエンジン本体はやや傾けて取り付けられているものが多い。 |
スラントノーズ |
スラントは傾けることを意味し、クルマの前の部分(ノーズ)を空気抵抗を小さくするために後ろに傾けたデザインのこと。逆にノーズを前に傾けたものを逆スラントと呼ぶ。 |
スリージョイント・プロペラシャフト |
ジョイント(継手)を3個用いたプロペラシャフト。 |
スリードア車 |
ハッチバックをもつ2ドア車のことで、ハッチバックを第3のドアに見立てたもの。 |
スリーバルブエンジン |
吸気バルブ2本と排気バルブを1本持つエンジン。高回転時の吸入効果を上げ、充?効率を高める目的で開発されたが、4バルブエンジンとコストがあまり変わらず、3バルブを生かせる燃焼室の形状が作りにくいことや、排気バルブが相対的に大きくなって重く、リフトも大きいなど問題点が多く、現在ではほとんど見られなくなった。 |
スリーピースホイール |
ディスクを2枚のリムで両側から挟んだ構造のホイール。ピースは部分品(パーツ)の意。 |
スリービーム前照灯システム |
ヘッドランプに3段階の照準を備え、対向車や先行車の有無をセンサーによって検知して自動的にその切り替えを行うシステム。 |
スリーブヨーク |
伸び縮みするスリーブジョイントをもったY字型のジョイント(ヨーク)のこと。プロペラシャフトのユニバーサルジョイントにつながっている部品で、継手としての働きと同時にクルマの揺れによるプロペラシャフトの伸縮に対応する働きもある。 |
スリーボックス |
エンジンルーム、車室、トランクルームの三つが独立している普通の乗用車のことで、それぞれのスペースを箱(ボックス)に見立てたクルマの分類による表現。 |
スリーリンク式サスペンション |
リンク式リジットアクスルサスペンションの最もシンプルな構造のもので、2本のリーディングアーム又はトレーリングアームとラテラルロッドの3本のリンクによって構成され、ばねにはコイルスプリングが使用されるのが普通。オフロード用の4×4などに使われている。 |
スリーローター・ロータリーエンジン |
ローターを3個並べたロータリーエンジン。4サイクルレシプロエンジンの6気筒エンジンに相当する。マツダコスモに採用された。 |
スリックタイヤ |
スリックは滑らかなことを意味し、レースに使われるトレッドパターンのないタイヤのこと。乾燥したきれいな路面ではトレッドと路面の間の摩擦力はゴムの接触面積に比例するので、溝のないタイヤが最も大きなグリップを示す。ただし水溜りがあるような路面でトレッドと路面の間に水が残るとグリップは極端に低下する。 |
スリッパースカートピストン |
ピストンの形状の一つで、側圧のかからないボス方向の両側のスカート部分を削り、側圧のかかる側の面積を広くしてピストンスラップを小さくしたもの。高速エンジン用に多く採用されている。 |
スリップ角 |
横滑り角ともいい、旋回状態にあるタイヤを上から見たとき、タイヤの進行方向とタイヤ中心面の向きとなす角度のこと。通常のコーナリングでは数度以下で、5度を超えることはまれである。 |
スリップサイン |
和製英語でタイヤのトレッドウェアインディケーター(摩耗表示)のこと。トレッドの溝の一部を規定された深さに浅くしてトレッドが摩耗するとパターンがつながって見えるようにし、タイヤの寿命が限界にきていることを示す。 |
スリップジョイント |
3点式シートベルトの肩の部分にあって上半身を固定するショルダーアンカーに付けられており、ウェピングの方向を変える器具。 |
スリップストリーム |
高速で走行中のレーシングカーの後ろなど、クルマの直後の気流が乱れ、気圧の低くなっている領域のこと。この空間に後続車が入ると空気抵抗が少なくなり、エンジンパワーをセーブして先行車をフォローすることができる。このため、スリップストリームをうまく使うことがレーシングテクニックの一つとなっている。 |
スリップ比 |
タイヤに駆動力や制動力がかかっている状態で、タイヤと路面の間に生じている滑りの程度を表したもので、車速とタイヤの周速の差をタイヤの周速で割った数値。100倍してあらわしたものをスリップ率という。 |
すれ違いビーム |
ヘッドランプで対向車があるときや市街地を走行するときに使うビームで、ロービームともいう。 |
スローイン・ファーストアウト |
コーナリングテクニックの基本の一つで、コーナーには充分減速して入り(スローイン)、ステアリング操作とアクセルワークで加速しながら抜けていく(ファーストアウト)こと。 |
スロージェット |
アイドリングなどエンジンが低速しているときに供給する燃料の量をコントロールする絞りのこと。 |
スロー調整ねじ |
ミクスチャー・アジャスト・スクリューの別な呼び方である。 |
スロート |
翼の揚力を大きくするために付けられている隙間のこと。隙間を作るための小さい翼はスラットと呼ばれる。 |
スロットル・アジャスティング・スクリュー |
スロットルバルブの開度を調整するねじで、アイドリング時にスロットルバルブをれだけ開けておくかを決めるもの。 |
スロットルオープナー |
スロットルリターン制御装置の一つ。減速時にインレットマニホールドに発生する負圧を利用し、ダイヤフラムにつながれたロッドによってスロットルバルブを少し開いた状態に維持するもの。 |
スロットル開度センサー |
スロットルバルブの開き具合を検出するセンサー。バルブの回転軸(スロットルシャフト)の回転量をポテンショメーターや差動トランスを使って電気信号に変え、開度をチェックするのが普通で、スロットルポジション・センサーとも呼ばれる。 |
スロットルスピード式 |
燃料噴射装置で、エンジンに吸入される空気量をスロットル開度とエンジンの回転速度(スピード)からマイコンで計算して求める方式のこと。 |
スロットルノズル |
ディーゼルエンジンの噴射ノズルの一種。ピントルノイズの軸針を改良し、ノズルの口を絞ったもので、噴射初期の燃料をなくし微粒化するようにしたもの。副室式エンジンに多く採用されている。 |
スロットルバルブ |
絞り弁。リンケージやワイヤーによってアクセルペダルにつながれ、ガソリンエンジンに吸入される空気の量をコントロールするバルブで、スロットルは喉を意味するスロートからきた言葉。薄い円板を中央に設けられた軸を中心に回転させて弁を開閉するバタフライバルブと、弁がスライド式に開閉するスライドバルブがある。 |
スロットルボジショナー |
スロットルリターン制御装置の一つ。ポジショナーはある位置をとらせるものという意味で、負圧を感知するスイッチとダイヤフラムを利用して減速時にスロットルばるをアイドル位置よりもわずかに開けた状態に一旦止める装置。アクセルペダルを早く戻したときの混合気不足による失火や、これに伴う未燃焼混合気の排出を防ぐために設けられているもの。 |
スロットルポジション・センサー |
ガソリンインジェクションでエンジンに吸入される空気量を調整する装置。アクセルペダルと連動するスロットルバルブ、バルブの急な動きをコントロールするスロットルリターン・ダッシュポット、バルブの開き具合を検出するスロットルポジション・センサーなどがその主な構成要素である。 |
スロットルボディ・インジェクション |
GMのシングルポイント・インジェクションの呼称である。スロットルボディに燃料が噴射されることから名づけられたもの。 |
スロットルリターン制御装置 |
アクセルペダルを戻したときスロットルをアイドリング位置の直前の状態に止め、しばらくしてから通常のアイドリング状態にする装置。定常運転、あるいは加速中に急にスロットルバルブを閉じると、空気不足になって失火や未燃焼ガスが増えるなどの不具合をしょうじるのでこのような装置が付けられており、スロットルポジショナー、スロットルオープナー、ミクスチャーコントロールバルブなどがある。 |
スロットルリターン・ダッシュポット |
スロットルリターン制御装置に使用されるダッシュポット。ガソリンエンジンでアクセルペダルを戻したとき、スロットルバルブはこれに連動して閉じるが、ある角度になると空気を緩衝材として利用したダッシュポットが働き、アイドル位置までゆっくり戻るようにしてある。 |
スロットルレバー |
スロットルバルブを動かすレバーで、リンケージやワイヤーによってアクセルペダルにつながれている。 |
スワール |
燃焼室内の空気、混合機、燃焼ガスなどの渦巻きのこと。あらゆるエンジンでスワールは重要な役割を果たすが、特にディーゼルエンジンでは圧縮した空気の中に燃料を噴射し、自然発火によって混合気を燃やすので、燃料を完全燃焼させるには空気と燃料がよく混ざる必要があり、吸入、圧縮行程を通じて燃焼室内にいかに強いスワールのできる構造にするかがエンジンを設計する上でのポイントとなっている。また一部のガソリンエンジンでは燃費を良くするため、濃い混合気と薄い混合気を燃焼室に送って濃い混合気に着火し、スワールを利用して薄い混合気と混ぜ、完全燃焼をはかる手法がとられている。 |
スワールコントロールバルブ |
吸気ポート内に設けられているバルブで、バルブの向きを変えることによって吸気ポートをスワールポートとして機能させたり、普通のポートとして使用し、出力の向上と燃費の改善の両立をはかるもの。 |
スワール比 |
スワールの強さを示す指数で、二つの表し方がある。@スワールの回転数とエンジンの回転数の比で表す。吸入行程でピストンが下がり、続いて圧縮行程でピストンが上がる間(エンジンの1回転)にスワールが1回転する場合のスワール比を1とするもの。Aスワールの水平方向の速度成分と垂直方向の速度成分の比であらわす。 |
スワールポート |
吸気ポートで特にスワールの成分を意識して作られた形状のもの。ピストンエンジンで混合気の燃焼を良くするため、吸入される空気や混合気の過流を作ることが考案され、気流の流れを出来るだけ妨げず強いスワールを作る方法として吸気ポートを燃焼室に対して偏心して設けたり、弁の形を工夫する方法(例えばシュラウド弁)が開発された。ディーゼルエンジン用として接線ポートやヘリカルポートなどがある。 |
スワッシュタイプ・コンプレッサー |
カークーラーの冷媒の圧縮を行うのに使われるレシプロタイプ・コンプレッサーの一種。回転軸に対して斜めに取り付けられた板を回すと板の端が軸に平行な往復運動を行う原理を利用し、スワッシュの両側にピストンを設けて冷媒の吸入、圧縮を行う。 |
せ行
静圧 |
流体の流れの中におかれた物体にかかる圧力のうち流れに直角方向の成分。 |
脆化温度 |
脆化とは物体がもろくなることで、物の温度を下げていった時、次第にもろくなって脆性し破壊のはじまる温度のこと。脆性破壊とは、物体が加えた力に比例して変形し、力を抜いて元の形に戻る範囲(弾性変形限界)を超えると一挙に破壊してしまうことをいう。弾性変形が進み、変形が元に戻らなくなった状態の変形を塑性変形というが、脆化温度は物体が塑性変形をしなくなる温度ともいえる。 |
成形ガスケット |
液状ガスケットと対照的に使われる用語で、紙などの繊維や金属、ゴムなどで作られた形のある普通のガスケットのこと。 |
成形ドアトリム |
平面的な平物ドアトリムに対してアームレストなどを一体成形によって組み込んだ立体的なドアトリム。内装が豪華になると同時に有効な利用がはかれる。 |
制振鋼板 |
防振鋼板ともいい、二枚の鋼板の間に合成樹脂を挟んだ構造で、この樹脂の層によって鋼板の振動を吸収し、車室内の騒音を低くするもの。 |
制振材 |
振動を弱め、減衰させる素材。振動のエネルギーは熱エネルギーに変わる。自動車の制振材には各種のゴムが使われることが多いが、フロアに張られているアスファルトシートも制振材として働く。 |
成層燃焼 |
燃焼室内に混合気の濃い部分と薄い部分を作り、着火しやすい濃い部分に点火して全体に燃焼を拡げるやり方。希薄燃焼の最も有効な手段として利用されている。 |
静的アンバランス |
ホイールバランスのうち、回転軸周りの周方向の不釣り合いのこと。 |
静的方向安定性 |
自動車の走行安定性を表す用語。横風を受けたり、片方のタイヤが段差に乗り上げたりなど横方向の外力を受けた場合、ドライバーがハンドル操作をしなくてもクルマ自身が元の進路に戻ろうとする性質をいう。逆に一層進路がずれていく性質を静的方向不安定という。一般に重心が前にあってコーナリングパワーが前輪より後輪が大きいクルマは静的方向安定性が良い。これを量であらわす場合スタティックマージンが用いられる。 |
制動距離 |
自動車の制動試験で、ドライバーがブレーキペダルを踏んでブレーキが効き始めた瞬間から停止するまでに自動車が進む距離で、ブレーキ距離ともいう。この距離にドライバーがアクセルペダルから足を離した瞬間からブレーキが効き始めるまでにクルマが進む距離(空走距離)を加えたものを停止距離という。クルマの制動性能を比較するとき、停止距離に比較してデータのばらつきが小さいことから、この制動距離が使われる場合が多い。 |
制動試験機 |
ブレーキの効きをローラー上でテストする装置。前輪または後輪のブレーキ力を別々に調べる装置と、四輪が同時にテストできる装置がある。いずれもクルマを試験機に乗せローラーを回してブレーキを操作し、ローラーにかかる反力をブレーキ力として測定する。 |
制動時振動 |
ブレーキをかけたとき、ブレーキペダルやステアリングホイール、時にはボディがタイヤの回転数と同じ周期で振動する現象。ディスクローターやブレーキドラムの振れや偏摩耗によって発生することがあり、60〜120q/hで最も起こりやすい。 |
制動トルク |
ブレーキの制動力を摩擦力×力の作用する点(作用点)と回転軸との距離というモーメントであらわしたもの。 |
制動力 |
クルマを減速し、止めるための力。減速する物体の質量×減速度として定義され、タイヤにかかる荷重、タイヤと路面の摩擦係数、速度などの影響を受ける。 |
制動力配分 |
制動力の前後配分。クルマの制動力は四輪が同時にロックするとき最大になるのでこのときの制動力配分を理想制動力配分という。通常、ブレーキをかけると前輪の荷重が増え、後輪の荷重が減るので、フロントに強くブレーキがかかるように制動力の配分の割合は一定になっているが、スポーツカーで高速走行での後輪のロックを防ぐため、油圧制御によって制動力配分を変えられるものもある。 |
正標準燃料 |
ガソリンのオクタン価を測定するのに使用される標準燃料で、オクタン価100のイソオクタン価(2.2.4-トリメチルペンタン)と0のノルマルヘプタンの混合物。オクタン価はイソオクタンの容量%であらわされる。 |
整流板 |
サンルーフの前に付けられている庇(ひさし)状のもので、サンルーフを開けた時に風の流れを整え、風の巻き込みや騒音の発生を少なくする働きをするもの。ウィンドデフレクターともいう。キャブオーバー型トラックのキャビンの屋根に取り付け、空気抵抗を小さくするもの。エアデフレクターともいう。 |
セーフティパッド |
インストルメントパネルを形成する部分で、ウレタンフォームを軟質塩化ビニールで覆って作られたものがほとんど。セーフティ(安全)と呼ばれているが、通常のセーフティパッドでは衝撃エネルギーの吸収はあまり期待できない。 |
セカンダリーカップ |
油圧ブレーキのコンベンショナル式マスターシリンダーのブッシュロッドに最も近いところにあるカップで、リザーバーから供給されるブレーキ液をシールする働きをするもの。 |
セカンダリーシュー |
二番目のシューという意味で、ドラム式のデュオサーボブレーキに使われている二つのリーディングシューを区別 するため、回転方向に 対して先にドラムに接するシューをプライマリーシュー、このシューに押されてドラムに接するシューをセカンダリーシューと 呼んでいる。 |
セカンダリー・スロットルバルブ |
セカンダリーベンチュリーに設けられているスロットルバルブ。セカンダリー吸気バルブとも呼ばれる。 |
セカンダリー・バルブロック |
エンジンが暖まっていない状態ではセカンダリー・スロットルバルブが開かないように(ロック)する機構のこと。セカンダリー・スロットルバルブはエンジンを高回転させる場合に自動的に作動するようになっているが、始動直後でプライマリーベンチュリーにチョークが効いている状態でセカンダリーバルブを開けると、チョークの効果が弱くなるのでこのようなメカニズムが備えられている。 |
セカンダリーベンチュリー |
二つ以上のベンチュリーをもつ複合型キャブレターで、エンジンの回転の低いときには作動せず、高速高負荷時に多量の空気と燃料を供給するために使用されるベンチュリー。通常プライマリーベンチュリーのスロットルバルブ開度が60度以上になるとセカンダリー・スロットルバルブが開き始めるようになっており、このバルブを強制的に開くメカニズムをキックアップ機構という。 |
セカンドギヤ |
2速ともいう。マニュアルシフトで発進後の加速に使われるのが普通だが、ごく低速の走行や急勾配を登坂する時も利用されるシフト位置。ギヤ比は2程度が一般的である。 |
積車状態 |
道路運送車両法で、空車状態の車両に定員が乗車し(一人55s)最大積載量の荷物が積載された状態をいう。 |
セジメンター |
燃料に含まれている水や澱を除く装置で、燃料噴射装置を備えたエンジンに取り付けられているのが普通。燃料噴射ポンプは燃料によって潤滑されるのが一般的で、燃料に水が含まれると油膜が切れてトラブルの原因となるため、フューエルフィルターで濾過できない水や微粒子を除くもの。燃料計に燃料が一時的に滞留する容器を設け、軽油と水の比重の違いを利用して分離する。 |
セダン |
固定したルーフをもち、前後に各1列の座席を備え、間に仕切りがなく、2〜4枚のドアがあって4〜6人の乗員を輸送できる最も一般的な乗用車。セダンはアメリカでの呼称で、イギリスではサルーン、ドイツではリムジン、フランスではベルリーヌ、イタリアではベルリーナと呼ばれる。 |
セタン価 |
ディーゼルエンジンに使用される燃料(軽油)のディーゼルノックの起こりにくさ、着火性のよさを示す数値で、値が大きいほどノッキングが起こりにくく着火しやすいことを示す。ガソリンのオクタン価と同じくノッキングの起こりにくいn(ノルマル)セタンと、ノックしやすいα(アルファ)メチルナフタリンを使用し、双方を適当な割合で混合したものと、セタン価を調べようとするとサンプルをCFRエンジンで比較し、サンプルと同じ耐ノック性を示すnセタンの容量%をそのサンプルのセタン価とする。日本の軽油のセタン価は55〜60程度。ディーゼル燃料の耐ノック性を示すにはセタン指数も用いられる。 |
セタン価向上剤 |
ディーゼル燃料の耐ノック性を向上させる添加剤。セタン価を大きくするためにニトロ化合物や硝酸アルキル化合物などが使用され、セタンブースターとも呼ばれる。 |
セタン指数 |
ディーゼルエンジンに使用される燃料(軽油)のディーゼルノックの起こりにくさ、着火性のよさを示す指数で、燃料の比重と蒸留性状から決められた計算式によって得られる指数。セタン価との間に一定の関係はない。ディーゼル指数ともいう。 |
接線ポート |
スワールポートの一種で、吸気ポートの一端をシリンダーに接するように取り付けてあるもの。過流の強さにバラつきが多く、最近では使われなくなっている。 |
Z軸 |
クルマの運動を三次元で記述する場合、重心点を原点とした上下方向の座標軸をいう。 |
ゼッパ型ユニバーサルジョイント |
等速ジョイントの一種。バーフィールド型ユニバーサルジョイントと類似した構造で6個のスチールボールをインナーレース(溝)とアウターレースで保持し、ボールの接触点でトルクを伝えるが、ボールを保持するジョイントハウジングの形状が異なっている。 |
セパレーション |
一般には分離することを意味するが言葉だが、タイヤの損傷の一つで、タイヤを構成するトレッド、カーカス、サイドウォール、ビードなどの一部が剥離すること。 |
セパレート型パワーステアリング |
リンケージ型パワーステアリングで、コントロールバルブとパワーシリンダーが別々にステアリングリンケージに組み込まれているタイプのもの。 |
セパレートシート |
一人掛けの座席で、ベンチシートと対比して使われる。それぞれの乗員が好みの姿勢で座れるように独立し、リクライニングやシートスライドが自由に調節できるようになっているもの。 |
セミアクティブサスペンション |
アクティブサスペンションが、空気圧や油圧で作動するアクチュエーターを主として使うのに対して、従来のサスペンションで使用されているばねとダンパーを残し、これらのばねレートや減衰特性をコントロールして操縦性安定性と乗り心地のバランスを高いレベルに保つことを狙ったサスペンションの総称。 |
セミインテグラル型パワーステアリング |
パワーステアリングの形式の一つで、インテグラル型と同様ステアリングギヤにコントロールバルブが組み込まれているが、パワーシリンダーは別の箇所に取り付けてあるタイプのもの。フォークリフトなどに多く使われている。 |
セミオートマチック・トランスミッション |
セミは半分を意味し、半ば自動化された変速機ということで、自動変速機で変則を手動で行うものをいう。例としてホンダマチックがある。 |
セミコンソール |
シフトレバーだけをカバーしている小型のコンソールボックスのこと。 |
セミシールドビーム |
シールドビームで、光源の電球を交換できるようにしたもの。 |
セミトランジスター点火装置 |
フルトランジスター点火装置と対比して使われる用語でセミトランジスター点火方式とも呼ばれる。ディストリビューターの回転によってついたり離れたりする接点(コンタクトポイント)にはトランジスターに信号を送るだけのわずかな電流しか流さず、主電流の断続はトランジスターで行って接点の焼けをなくしたもの。略してセミトラともいう。 |
セミトレーリングアーム式サスペンション |
トレーリングアーム式サスペンションで、スイングアームの車体への取り付け軸(揺動軸)が車軸に対して斜めになっている形式のもの。取り付ける角度を小さくするとフルトレーリングアーム式に近い性格となり、角度を大きくとればスイングアクスル式に近い特性を示す。補助リンクを付けて横力や前後力に対するサスペンションの動きを調整したものもある。乗用車のリヤサスペンションに多く採用されている。 |
セミパーマネント型不凍液 |
不凍液の一種で、エチレングリコールとアルコールに染料と安定剤を加えたもの。エンジンの冷却液に30%程度混入して使用される。パーマネント型不凍液と比較すると安価だが、アルコールが除々に蒸発していくので使用途中で補充が必要である。 |
セミファーストバック |
ルーフからリヤエンドにかけての曲線がファーストバックとノッチバックの中間の傾きをもつスタイルのことでセミノッチバックともいう。 |
セミフローティング・アクスル |
半浮動式車軸。リジッドアクスル・サスペンション(車軸懸加装置)をホイールのアクスル(車軸)への取り付け方によって分類するもので、フルフローティング・アクスルがホイールを2個のベアリングでアクスルハウジング(車軸管)の端に取り付け、これをアクスルシャフトで駆動するのに対して、ホイールを直接アクスルシャフト(駆動軸)に取り付けるタイプをいい、乗用車や小型トラックに使用される方式。フルフローティング・アクスルは大型トラックに使用される。 |
セミメタリック・ディスクブレーキパッド |
ディスクブレーキのパッドでスチールウールと金属(主として鉄)粉末を基材として樹脂でかためたもの。耐摩耗性、耐フェード性は良いが、熱が伝わりやすい特徴をもつ。 |
セミリトラクタブル・ヘッドライト |
リトラクタブル・ヘッドライトでヘッドライトの下半分が見えないようになっているもの。 |
セラミックグロープラグ |
急速グローシステムに使用されるグロープラグの一種で、窒化珪素の中にヒーターワイヤーを埋め込んで焼成したもの。 |
セラミックス |
陶磁器、ガラス、セメントなど高い温度で処理して作られた無機材料の総称。とくに精製された材料を用いて精密に作られたものをファインセラミックスといい、ターボチャージャーのローターなど高温で強度の高い性質を利用した構造用セラミックスと、サーミスター温度計など電磁気的な特性を利用した機能性セラミックスとがある。 |
セラミックターボ |
タービンローターがセラミックスで作られたニッサンのターボチャージャーエンジンの呼称で、1985年にフェアレディZに初めて搭載された。高温の排気ガスにさらされるタービンローターを軽くて熱に強いファインセラミックス(窒化珪素)で作り、軽量化によってアクセルレスポンスの向上を図ったもの。 |
セラミックヒーター・チョーク |
自動的にチョークを作動させる装置の一つ。電熱式自動チョークの電熱の代わりにセラミックヒーターを利用するもの。 |
セリアルナンバー |
イヤの製造番号で、サイドウォールに表示されており、自動車のフレームナンバーやエンジンナンバーに相当するもの。セリアルは連続したものの意味で、自動車部品の製造番号に使用されることがある。 |
セルフアライニングトルク |
コーナリング状態にあるタイヤでは、タイヤのねじれにより摩擦力の着火点がタイヤの設置中心より後方にずれているため、設置中心の周りにスリップ角を小さくする方向に働くトルクのこと。英語のアラインはまっすぐにすることを意味し、自分で(セルフ)元の進行方向に戻ろうとする(アライニング)トルクということから復元トルクと訳されている。 |
セルフキャンセル機構 |
ドアが開いた状態で室内のノブをロック状態にし、ドアを閉じてもロックされないようになっている機構。ノブをロックした状態でドアを閉じるとそのままロックされるセルフロック機構と対照的に使われる用語。 |
セルサーボ効果 |
自己倍力効果。モップやほうきの柄を持ち、斜めに地面に押しつけながら前後に動かしてみると押したときの手応えがひいたときの手応えよりも大きいことが分かる。これは押したときの摩擦抵抗によってモップやほうきの先が地面に食い込む力(手を支点とし、モップやほうきの先を力点にしたモーメント)が生じるからで、この原理によって得られる力の増大効果を自己倍力効果という。この現象を利用してブレーキ力を大きくするのがセルフサーボブレーキである。 |
セルフロック機構 |
ドアが開いた状態で室内のノブをロック状態にし、ドアを閉じるとそのままドアがロックされる機構。ノブをロックした状態でドアを閉じてもロックされないようになっている機構をセルフキャンセル機構という。 |
セレーション |
鋸(のこぎり)の歯に似たギザギザの形をしたもののことで、機械では軸の外周に軸方向にギザギザの歯をつけ、他の部品を取り付けたとき回らないようにしたものをいう。身近なものでは水道の蛇口の把手に使われている。 |
セレクターレバー |
セレクターは選ぶ道具という意味。AT車で走行条件に合ったギヤを選ぶためのレバーでMT車のシフトレバーに相当するもの。略してセレクターともいう。普通選べる位置(ポジション)としては前から順にP(パーキング:駐車)、R(リバース:後退)、N(ニュートラル:中立)、D(ドライブ:通常走行用で全ギヤの自動変速)、2(セカンド:登坂やエンジンブレーキ用で2速まで自動変速)、L(ロー:特に駆動力の必要な場合に使用)があり、これらをレンジと呼ぶ。前進中誤ってリバースに入れないようにするため、Rにシフトするときには横につけてあるボタンを押すようになっている。パートタイム4WDに二輪駆動と四輪駆動を切り替えるためのレバーのこと。 |
セレクティブ4WD |
パートタイム4WDのこと。一般道路は二輪駆動で走行し、濡れた舗装路、氷雪路、砂利道などの滑りやすい路面では四輪駆動を選べる(セレクティブ)方式をいう。 |
セレクトロー制御 |
ABSで後輪の左右のブレーキ力が等しくなるように制御する機構の一つ。左右のタイヤが摩擦係数(ミュー)の異なる路面に乗った状態でブレーキをかけると、摩擦係数の低い側のタイヤが先にロックし、クルマが横に振られる。そこでABSの制御を摩擦係数の低い(ロー)側に合わせ(セレクトし)、左右のタイヤの制動力を同じにして安定性を確保するもの。略してローセレともいう。 |
ゼロスクラブ |
キングピンオフセット(スクラブ半径)がゼロに近いホイールアライメントのこと。センターポイント・ステアリングともいう。 |
0-400m加速 |
停止状態から発進して400メートルを走行するのに要する時間でクルマの加速性能をあらわすもの。略してゼロヨンと呼ばれている。 |
センサー |
感知装置。力、光熱、振動、電磁気などを感知し、電気信号に変える装置でメカトロニクスの要素の一つ。自動車には多種多様なセンサーが使われている。 |
センターアーム式ステアリングリンク装置 |
ステアリングリンケージの一つで、車体の中央に固定軸周りに動くアーム(センターアーム)を置き、このアームに左右のナックルアームにつながるタイロッドを連結して舵取りを行う方式のもの。 |
センターキャップ |
ホイールの中央にあるハブ穴を覆うふた |
センターデフ |
センターディファレンシャルを略した表現で前後輪の中央(センター)にある差動装置(ディファレンシャル)のこと。センターといっても別にクルマの真ん中に設けられる装置ではなくミッションについているのが普通。フルタイム4WD方式のクルマは、旋回時に前後輪それぞれの旋回半径が異なるために生ずるタイヤの回転の違いを吸収する差動装置を備えており、これを二輪駆動車に普通の使われるディファレンシャルと区別してセンターディファレンシャルと呼ぶ。この装置だけだと路面の凹凸のため、たまたま1本のタイヤが空転するとクルマは動かなくなってしまうので、これを制限するメカニズムが取り付けられていて、これをセンターデフロック機構という。 |
センターデフ・クラッチ |
駆動力をセンターデフによって前後に配分するタイプのフルタイム4WDで、油圧多板クラッチによって差動制限を行う場合、このクラッチをセンターデフ・クラッチと呼ぶ。 |
センターバルブ式マスターシリンダー |
ブレーキ・マスターシリンダーの形式の一つでポートレス式とも呼ばれる。シリンダーの先端に給油口と弁があって、ブレーキペダルを踏んでピストンがシリンダーの中を進むと弁が閉じられて油圧が上がり、ブレーキをゆるめるとリターンスプリングでピストンが元に戻り、同時に弁が開いてオイルも最初の状態に戻る仕組みになっている。 |
センターピラー |
乗用車の左右中央部にあってルーフを支え、ドアを保持する柱。ピラーは支柱を意味し、BピラーとかBポストとも呼ばれる。 |
センターブレーキ |
主として大型トラックの中央部(センター)に駐車ブレーキとして装備されている制動装置。トランスミッションのメインシャフト後端とプロペラシャフトの間に設けられているドラムブレーキで、デュオサーボ型が一般的。 |
センターフロア式パーキングブレーキ |
ブレーキレバーが運転席と助手席の中央(センター)に設けられているパーキングブレーキで、前席がセパレートタイプのシートに多く採用されている。レバーを引き上げるとブレーキが作動し、ラチェットに付けられた爪によってブレーキがかかった状態で固定される。ブレーキの解除はレバーの先のボタンを押して爪をラチェットから外して行う。 |
センターベアリング |
ターボチャージャーで排気タービンとコンプレッサーを結ぶタービンシャフトを支えるベアリング。回転部分のわずかな重量のアンバランスによる振動を吸収し、超高速回転時の潤滑を完全にするため、ベアリング自身が回転するフローティングベアリング方式が取られるのが普通である。 |
センターポイント・ステアリング |
キングピンオフセットがゼロに近いホイールアライメントのこと。ゼロスクラブとも呼ばれる。操舵するとホイールはタイヤの設置中心を軸に回るので、走行中はハンドルが軽く路面からのキックバックも少ないが、据え切りではトレッド面をこじることになるのでハンドルが重たくなる。 |
センターロック |
ホイールを1個のナットでハブに固定する方式。レーシングカーでタイヤ交換を素早く行うために採用され、ハブの延長部分にねじを切って大きなナットで締め付けるようになっている。スポーツカーでは駆動力がかかった時にナットが締まる方向にねじを切って走行中に弛まないように車の左側を右ねじ(右に回すと締まる方向)、右側を左ねじにしてあるのが普通で、フォーミュラーカーでは逆にブレーキをかけたときに締まるように左側を左ねじ、右側を右ねじにしている。 |
選択式変速機 |
マニュアル・トランスミッションの古い呼称の一つ。 |
選択摺動式変速機 |
歯数の異なるギヤの組み合わせを直接に変えて変速を行う変速機のこと。変速機はトランスミッションと英語で呼ばれるのが普通だが、国内に自動車が普及し始めた大正末頃にはこれを直訳して伝導、あるいは伝導装置と呼んでおり、昭和10年代になってトランスミッションが、つまり速度を変えるためのギヤであるということから変速装置と呼ばれるようになった。変速装置としては様々なタイプのものが作られたが、今日のトランスミッションの原型は滑り歯車式あるいは選択変速歯車式といわれるもので、両方の名前を併せて選択摺動式変速機という名称に落ち着いたと推定される。摺動は滑ること。 |
せん断応力 |
はさみで物を切ったり、鉄板などを切断機できるときに切断面に働く力。固体の内部に重ね合わされた層を考え、それぞれの層が逆向きの力を受けて層の間にすべりが生ずるような変形をずれといい、ずれに伴って層の間に互いに並行で逆向きに働く応力をせん断応力という。 |
全負荷 |
フルスロットルのこと。部分負荷に対して使われる用語。 |
前面投影面積 |
クルマの空力特性をあらわす基準値の一つで、クルマを前から見たときの横断面の面積。詳しく言えば水平面に置かれたクルマの縦中心面に直角な鉛直面に、クルマの最外縁の形状を投影した時にできる図形の占める面積。これが小さい方が空気抵抗が小さい。 |
そ行
騒音 |
ノイズ。好ましくない音。自動車から発生する音の中で、聞く人にとって不必要で、邪魔になる音。 |
騒音レベル |
ノイズレベルともいい、音を騒音計で測定してから得られる値で、デジベル[dB]またはホンで示される。低い周波数の音に対して感度が鈍いという、人の耳の感覚に近づけるように騒音計の回路で音のレベルを修正したものをA特性の補正を行った騒音レベルといい、例えば70dB(A)のように表示される。 |
掃気 |
燃焼室に吸入される混合気によって燃焼ガスを押し出すこと。2サイクルエンジンではいかに効率よく掃気を行うかによってエンジンの性能が左右される。英語のスカベンジングは掃除のこと。掃気流の流し方によってシリンダーの横断方向に流すクロス式、縦方向に流すユニフロ一式、、一方から入った新気が反対側のシリンダー壁で反転して同じ側から燃焼ガスを追い出すループ式の三つのタイプがある。 |
掃気効率 |
2サイクルエンジンにおいて、排気終了時での燃焼室内のガスの全重量に対して吸入された新ガスの重量の占める割合をいい、掃気の効率のよさの目安となるもの。 |
掃気ポート |
2ストロークエンジンのシリンダー壁に設けられている混合気の吸入口(ポート)のこと。2ストロークエンジンでは膨張行程の後燃焼室への新気の導入と燃焼ガスの排出が同時に行われるので、燃焼室を掃き清めるという意味から掃気と言っている。 |
走行安定性 |
走行中のクルマに横風や路面の凹凸などによる外力が働いたとき、それまでの運動がどれだけ保てるかの性能をいい、ドライバーが走りたいラインを維持できなかったり、走行方向の修正が難しいときに走行安定性が悪いという。 |
走行性能曲線 |
走行性能線図ともいい、ある速度で走行している自動車において、タイヤの駆動力と走行抵抗のバランスがどのようになっているかを示すグラフのこと。横軸に車速、縦軸にシフトごとのエンジンの回転数とタイヤの接地部における駆動力が、さらに路面勾配ごとに走行抵抗が示され、各シフト位置でのエンジン回転数と動力性能、最高速度、登坂性能、加速能力などを読み取ることができる。 |
走行抵抗 |
自動車が走行するときに駆動力の反力として生じる抵抗力の総称。ころがり抵抗、空気抵抗、加速抵抗、勾配抵抗などがあり、これらの抵抗力を適宣加算して走行抵抗とする。 |
走行ビーム |
ヘッドランプで対向車のない道路を走行するときに使用するビームで、英語では日本でも使われるハイビーム、メインビームのほかに[upper beam]ともいう。 |
操縦性安定性 |
操縦性はハンドル操作を行ったとき、ドライバーの意思どおりにクルマが動くかどうかという性能を、安定性は運動しているクルマに外から力が働いたとき、それまでの運動がどれだけ保てるかの性能をいう。一般に操縦性が良く、曲げやすいクルマは安定性に欠け、逆に安定性のよいクルマは運動性能が劣る傾向にあり、操縦性と安定性のバランスが程よく取れている場合、操縦安定性の優れたクルマという。 |
層状給気 |
希薄燃焼(リーンバーン)を行うため、供給される燃料が少なく全体として混合気は薄い状態で着火を良くするため、スパークプラグの近くだけ混同気を濃くする給気の方法。 |
総発熱量 |
単位量の燃料が完全燃焼したときに発生する熱量。高位発熱量ともいう。 |
速度感応型パワーステアリング |
車速によって操舵力が変化するタイプのパワーステアリング。アシスト力をクルマの走行速度に応じて連続的に変え、据え切りを行ったり低速で走行する場合にはハンドルの操作力を軽くし、高速走行時にはしっかりした手応えがあるようにしたもの。 |
速度警報装置 |
自動車がある程度を超えたときに警報を発する装置。警報としてはブザー、チャイム、スピーカーによる音声などがある。 |
素子 |
電気回路の中で、それ自身の働きが回路全体の機能に対して本質的な影響を与える個々の構成要素。コイル、コンデンサー、トランジスター、ICなどの総称。 |
塑性 |
物体に外から力を加え、その力を除いたときに元の形に戻らない性質で、元に戻る性質の弾性と対照的に使われる言葉。弾性限界以上の力を加えた場合の物体の変形を塑性変形という。 |
ソフトトップ |
柔らかい帆布や革製の幌をもつコンバーチブルのこと。 |
ソリッドカラー |
メタリックカラーに対比して使われる用語で、樹脂を溶剤に溶かし、着色顔料を加えた普通の塗料のこと。 |
ソリッドディスク |
ブレーキディスクで冷却用の孔が開けてあるベンチレーテッドディスクと対比して用いられる用語で、孔のない円盤でできた普通のディスクのことをいう。ソリッドは中まで固いという意味。 |
ソリッドピストン |
スカートの部分が筒型のピストン。最も単純な形のピストンで機械的な強度が高いので耐久性の重視されるエンジンには向いているが、側面の溝(スリット)がないためピストンスラップが大きい。 |
ソレックスキャブレター |
フランスのソレックス社製のキャブレターで様々なタイプがある。かつてスポーツエンジンの多くにサイドドラフト、ツインチョークのキャブレターが使用された。 |
ソレノイド |
電線を円筒に巻きついたもの(コイル)に電流を流すと磁界が発生し、中に鉄芯を入れておくと電磁石となって円筒の向いた方向に力が発生する。ばねと組み合わせると電流の強さに応じた力で動き、電流を切ると元の位置に戻る装置ができ、これをソレノイドと呼ぶ。電装品には多くのソレノイドが使われているが典型的な例はスターターモーターで、スイッチオンと同時にモーターの先端に付いているピニオンギヤがソレノイドによって押されてフライホイールの周囲に刻まれたリングギヤに噛み込んでエンジンを回し、スイッチから手を放すと電流が切れてピニオンギヤは元の位置に収まる。このソレノイドはスターターモーターのスイッチの働きをするのでマグネチックスイッチと呼ばれる。 |