自動車用語集 | か・き・く・け・こ
か行
カーエアコン |
エアコンはエア(空気)コンディショーナー(調整機)を略したもの。車室内を快適な状態に保つための冷暖房や換気を行う装置。単に暖房用のヒーターと冷房用のカークーラーを組み合わせただけのものもあるが、マイコンを使って室内をドライバーがセットした温度に保つ機能を持つオートマチック・エアコンディショナーが多くなっている。 |
カーカス |
ケーシングともいい、タイヤの骨格を形成するプライとビード部分を合わせたもので、タイヤからトレッドとサイドウォールのゴムを除いた部分。 |
カークーラー |
車室内の冷房装置。ヒーターと組み合わせてカーエアコンとして使用されることが多い。モーターで駆動され、最も電力を多く消費する部品の一つ。コンデンサーに空気中の水分が付着するので除湿機能があり、ウィンドシールドが曇るのを晴らすのに有効。 |
カーコンポ |
カーコンポーネントステレオを略したもの。アンプ、チューナー、カセットデッキなどの構成部品(コンポーネント)を組み合わせて作られたオーディオ装置。 |
加圧冷却システム |
一般には加圧式ラジエター、密閉式ラジエターと呼ばれる。ラジエターをキャップで密閉して水の沸点を120℃付近まで高め、外気との温度差を大きくして冷却効果の向上をはかったもの。ラジエターキャップにバルブを設け、水温が上がって冷却水の体積がふえて出来た余分な水を収容し、水温が下がった時にもどすリザーバータンクを備えている。 |
カーテシーライト |
夜間にドアを開いたとき自動的に点灯して足元を照明するランプ。後続車にドアが開いていることを知らせる警告灯としての働きもある。カーテシーは優遇、好意の意。 |
ガーニッシュ |
装飾や飾りのこと。クルマでは特にフロントグリルやリヤのコンビネーションランプまわりの飾り板や、ピラーに取り付けて室内の見栄えをよくする覆いなどをいう。 |
カーノック |
着火不整やキャブレターの動揺などによってエンジンの出力に変動が生じ、これが原因となって車体が前後に振れる現象。 |
カーブスライド式シート |
背の低いドライバーが快適な運転姿勢をとれるようにするため、シートスライドのレールを弓形に曲げ、シートが前に来るほど腰の位置が高くなり、膝の位置が低くなるようにしてあるもの。 |
カーボンスーツ |
ディーゼルエンジンから排出される煤。ガソリンエンジンでは混合気が濃すぎる場合に、ディーゼルエンジンでは圧縮された空気と噴霧した燃料が充分混ざらず局部的な不完全燃焼がおこった時に発生しやすい。スーツは燃料やオイルの不完全燃焼によってできる煤の英語。 |
カーボンデポジット |
デポジットは堆積物のこと。ディーゼルエンジンで燃焼室内の壁やインテークバルブなどにこびりついている黒褐色の垢のようなもので、燃料の燃えかすやカーボン(炭素)などが主成分である。ホットスポットとなって異常燃焼の原因となることがある |
カーボンブラック |
炭素を含むガスや油を不完全燃焼させたり熱分解して作られる炭素の微粉末で、その製法や粒子の大きさ、粒子のつながり方(ストラクチャー)などによって多くの種類がある。黒色顔料の材料として古くから知られているが、1906〜10年頃にゴムの補強作用があることが発見されて15年頃から自動車タイヤの補強材としての利用が始まり、ゴムの特性に大きな影響を与える重要な材料として使われてきている。 |
カーボンフラワー |
ディーゼルエンジンの燃料噴射口の回りに花びら状に付着したカーボンのこと。 |
外開弁 |
ディーゼルエンジンの燃料噴射ノズルの弁で、噴射時に燃焼室側に開くタイプのもの。 |
回転数感応型パワーステアリング |
パワーステアリングでエンジンの回転数が上がるにつれてハンドルが重くなるようにし、高速走行時の直進安定性を良くしたもの。スロットルバルブの開閉をリンクによってバルブに伝え、オイルの流れる量をコントロールする仕組みになっており、構造が簡単で安価だが、市街地走行などでコーナリング中にアクセルを踏んでいくとハンドルが重くなっていくなどの不都合があり、主流は車速感応型に変わっていっている。 |
回転数感応式LSD |
LSDで、出力軸の回転数の差によって差動制限トルクが変化するタイプのもの。ビスカスLSDがその代表的なもの。 |
回転対座シート |
通常前向きにセットされているシートが回転し、乗員同士が向かい合って座ることができるようになっている座席。ワンボックスワゴンに多く装備されている。 |
外燃機関 |
蒸気機関やスターリングエンジンの用にエンジン(機関)の外部で燃料を燃やし、発生する熱エネルギーを作動流体(熱を仕事に変える働きをする流体)に伝え、この作動流体の働きによって動力を得る形式のエンジン。内燃機関と対照的に用いられる用語で燃焼機関の一つ。 |
開扉アシスト機構 |
ラゲージコンパートメント・ドアの開閉を楽に行うための装置。セダンではトーションバーのばねの力をドアのヒンジに伝えてドアが楽に動くようにバックドアが大きい場合、シリンダーにガスとオイルを封入した支柱(ガスステー)を使ってドアの重量とのバランスを取っているケースが多い。 |
開弁圧 |
ディーゼルエンジンの燃料の噴射でノズルが開くときの噴射管内の圧力。 |
外面オフセット |
トラックの複輪で、リムの中心面とディスクの外面の間の距離。 |
カウル |
エアボックスパネルのこと。修道士の着る外衣の頭巾から飛行機のエンジンの覆いを意味する航空用語となり、モーターサイクルやレーシングカーの多いもカウルあるいはカウリングと呼ばれるようになった。自動車ではボンネットが単なるエンジンの覆いであった時代にウィンドシールドの下のあたりをカウルトップと呼び、これを略してカウルというもの。 |
カウルサイドパネル |
ダッシュボードの両面にあって、ダッシュボードとフロントピラーをつなぐパネル。 |
カウンターシャフト |
トランスミッションでメインシャフトと並行して置かれ逆方向に回転するシャフトで、副軸あるいは反転軸と訳されている。構造が2種類あり、シャフトを固定してこれに取り付けられたギヤが回転するタイプはカウンターシャフトと呼ばれるが、ギヤをシャフトに固定し、シャフトごと回すタイプはカウンターギヤと呼ばれる。カウンターシャフトを持つ変速機を副軸式トランスミッションという。 |
カウンターステア |
コーナリングに際し旋回方向と逆方向(カウンター)にハンドルを切る装置。逆ハンともいい、この操作を行うことをカウンターを当てる、逆ハンを切るなどという。クルマがオーバーステア状態になった時ドライバーがスピンを回避するため反射的に行う操作だが、あらかじめ後輪の横滑りを予測して行われる操作でもあり、高速コーナリングのためのテクニックの一つである。 |
カウンターフローエンジン |
吸気系と排気系をシリンダーヘッドの片方にまとめ、吸入された混合気が燃焼した後、吸入された側にもどされるように(カウンターフロー)排出される形にしたエンジン。シリンダーヘッドがコンパクトで吸気加熱しやすい利点がある。ターンフローエンジンともいう。 |
加鉛ガソリン |
自動車用ガソリンで、オクタン価を上げるためにアルキル鉛(4メチル鉛、4エチル鉛など)が加えてあるもの。アルキル鉛は猛毒なので、加鉛ガソリンは赤色または青色に着色され、一般のガソリンと識別できるようになっている。またアルキル鉛は燃焼室内で酸化鉛などの無機鉛になって排出されるが、鉛は排気ガス対策に用いられる触媒を劣化させるため、無鉛ガソリンの使用を指定してあるエンジンに加鉛ガソリンを使用してはならない。有鉛ガソリンともいう。 |
火炎伝播速度 |
エンジンの燃焼室内で火炎面が実際に拡がっていく速さで、燃焼速度に混合気の流れる速さと燃焼ガスの膨張速度を加えたもの。 |
過給圧 |
ターボチャージャーエンジンの吸気圧力をいい、大気圧との差を水銀柱高さなどで示す。過給圧が高くなりすぎるとガソリンエンジンではノッキングが発生し、ディーゼルエンジンでは耐久性に問題を起こすのでこれをコントロールする必要がある。 |
過給圧コントロール |
ターボエンジンでは排気ガスのエネルギーで吸気圧を高めるので、放置する不必要に過給圧が高くなってしまう。これをコントロールするのに、余分な排気ガスをウェイストゲートバルブから逃すウェイストゲート方式、吸気量を調整するコントロール、タービンのA/Rを可変にして過給圧を一定にする方式などがある。 |
過給方式 |
エンジンに圧力を高めた空気を送る方式のこと。 |
過共晶アルミブロック |
オールアルミ・シリンダーブロックの一種。シリコンを多く含むアルミ合金材A390(AC9C)を材料としてシリンダーブロックを鋳造すると、シリコンが過共晶となってアルミの中に散在した状態のブロックができる。このブロックのボア部分に、通常行われるメッキと逆方向に電流を流して表面処理(エッチング)すると、シリコン粒子が表面に出て硬い表面を持つシリンダーとなり、シリコン粒子の隙間に潤滑油を満たすと鋳造製ライナーと同じような耐摩耗性が得られる。材料・加工コスト共に高いが、軽量化と同時にシリンダー間の寸法が詰められるメリットがあり、ドイツ製の多気筒大排気量エンジンに採用されている。 |
拡散燃焼 |
ディーゼルエンジンにみられる燃焼形態で、酸化剤(空気)の中を燃料が燃えながら拡がっていく状態をいう。これに対してガソリンエンジンの燃焼のように、あらかじめ混合された燃料が燃え拡がっていく燃焼形態を予混合燃焼と呼ぶ。 |
攪拌抵抗 |
@エンジンの機械損失の要因の一つで、クランクシャフトがオイルパン内のオイルを跳ね上げることによって生じる抵抗。A駆動系で発生するエネルギー損失の一つで、トランスミッションやディファレンシャル内部のギヤやシャフトが潤滑油をかき混ぜることによって発生する抵抗。これを低減するには潤滑を損なわない範囲で出来るだけ粘度の低いオイルを使用することが望ましい。 |
重ね板ばね |
板ばねを2枚以上使用したばねのこと。 |
下死点(bottom dead center) |
レシプロエンジンのピストンの位置を示す用語で、クランクシャフトに最も近い位置のこと。英語の頭文字をとってBDCという。 |
かじ取り装置 |
ステアリングギヤとステアリングリンゲージからなり、クルマの進行方向を変える装置。 |
ガスケット |
部品の接合部分で水、オイル、排気ガスなどが洩れないように密封する働きをするもの。双方の接合面のわずかな凹凸や組付けの誤差を吸収し、気密を保つ。シリンダーヘッドとシリンダーブロックの間に使用されるヘッドガスケット、シリンダーヘッドとマニホールドをつなぐマニホールドガスケットやEGRガスケットなど多くの種類がある。 |
ガスステー |
ドアの開閉を楽に行うための支柱(ステー)で、シリンダーにガスとオイルが封入してある。 |
ガスタービンエンジン |
燃料を連続的に燃焼させ、燃焼ガスをフィンを持つ円盤状の回転体に吹き付けて動力を得る内燃機関。レシプロエンジンに比較して小型軽量で燃焼効率も良いが、路上を走行する場合に1000℃以上の高温排気ガスの処理がむずかしく、低回転域での効率が悪いことなどから自動車用としては実用化されていない。 |
過積 |
積み過ぎ。クルマに定められた値以上の重量を乗せることで、定員以上の人員が乗車したり最大積載量を超える積載を行うことをいう。 |
風切り音 |
クルマが高速で走行するとき、車体の回り、特に乗員に近い部分の突起や段差によって気流が乱されて発生した騒音が、窓やボディパネルを透過して聞こえるもの。 |
加速性能 |
クルマが速度を増す能力で、動力性能の目安の一つ。停止状態からの最大加速を行うときの発進加速性能と、ある速度からの最大加速を行う追い越し加速性能とがある。 |
加速抵抗 |
走行抵抗の一つで、増速に対する抵抗力。速度を増していく力は質量に加速度をかけたものなので、車両総重量にエンジン・駆動系の回転部分相当重量を加え、重力の加速度(g)で割ったものにクルマの加速度をかけて得られる。 |
加速ポンプ |
キャブレターで加速時のエンジンの息つきを防ぐためアクセルペダルと連動して動くポンプで、燃料をフロートチャンバーから汲み上げ、専用の吹き出し口(加速ジェット)から直接ベンチュリーに噴射するもの。この装置がないと、急加速しようとしてアクセルペダルをいっぱいに踏み込んだ時、スロットル弁はすぐに開くが、これによって流れ込み空気の量が増えてベンチュリーからガソリンが吸い出されるまでに時間がかかるので、シリンダーに流入する混合気が一時的に薄くなり、失火が起こってエンジンのパワーが一瞬低下(息つき)し、加速の立ち上がりが悪くなるといった現象が起こる。 |
ガソホール |
ガソリンに10%のアルコールを混入したアルコール混合ガソリンの名称。ブラジルで実用化されており、アメリカでも一部で使用されている。 |
ガソリン |
石油の原油を蒸留した時最初に得られる沸点の範囲が30〜200℃の留分で、自動車用、航空機用、工業用の3種類がある。自動車用はオクタン価の高いプレミアムガソリンと低いレギュラーガソリンに、アルキル鉛の添加の有無によって加燃ガソリンと無鉛ガソリンに分類される。 |
ガソリンインジェクション |
ガソリンエンジンの燃料噴射。同じ燃料噴射でディーゼルエンジンのディーゼル噴射と区別するために用いられる用語。 |
ガソリンエンジン |
燃料としてガソリンを使用する内燃機関。エンジンに要求される性能は、同じ排気量であれば軽く、出力が大きく、燃費が良いことである。 |
偏揺角(かたゆれかく) |
自動車が気流によって受ける力の方向が、クルマの前後方向に対してなす角。クルマが受ける風を前から来る走行風と横から来る横風に分けて考え、それぞれの風力をベクトルと見なしてこれを合成し、この合成風が車の縦中心面に対してなす角度を偏揺角という。通常ギリシャ文字のφ(ファイ)またはψ(プサイ)であらわす。 |
活性炭 |
炭を加工して粒状にし、他の物質を吸着する性質を強めた(活性化)もの。一般に気体や液体に含まれる不純物を除き、精製するのに使われるが、自動車では燃料蒸発ガスを吸着するチャコールキャニスターや室内の空気を浄化するエアピューリファイアなどに使われる。 |
カットスリックタイヤ |
わずかに濡れた路面でレースが行われるとき、ドライ路面用のスリックタイヤに専用の器具(グリービングツール)で溝を掘って作られるタイヤ。路面の水の量が少ない時には狭い溝を数本入れた程度のタイヤが、水たまりが多い場合には幅が広く深い溝を数多く刻んだタイヤが使われる。 |
カットボディ |
車体(ボディ)の構造を分かりやすく示したり、一部分のテストを行うなどの目的でホワイトボディの一部を切り出した(カット)もの。 |
カップリング |
物と物とのつなぎ合わせ部分。軸から軸に動力を伝える部分を指すことが多い。 |
カップルドビーム式サスペンション |
中間ビーム式サスペンション、あるいはドイツ社でコッペルレンケルアクゼと呼ばれ、トーションビーム式サスペンションの一形式でクロスビームがトレーリングアームのピボットと、車軸との中間に置かれているもの。上下動はフルトレーリング式と同じだが、旋回時にはセミトレーリング式と似た動きをするので、両者の長所を兼ね備えている。 |
加倒式ミラー |
物にぶつかると倒れるようになっているミラー。アウターミラーは車側から突き出ているので、万一歩行者や物と接触しても倒れて人や物を傷つけないようになっており、安全基準では前方からフェンダーに沿って力が加えられたとき、25kg以下の力で歪んだり倒れたりするように定められている。車庫入れなど狭いスペースに駐車するときの妨げにならないように折りたためる構造のもの(電動格納式)もある。 |
カバー |
一般に覆いを意味する言葉だが、自動車専用タイヤをタイヤとチューブに分けていうとき、チューブを覆うものとしてタイヤ本体をカバーと呼ぶ。乗用車用タイヤのほとんどがチューブレスタイヤとなった今日ではあまり使われなくなった用語。 |
カバートップ |
トラックの荷台の覆いやバンのルーフで、これを金属、プラスチック、布で作り、着脱が出来るようにしてあるもの。 |
ガバナー |
調速機。機械の回転速度を調整する装置のことだが、自動車ではディーゼルエンジンの燃料の噴射量をコントロールする装置をいう。ディーゼルエンジンは出力を燃料噴射量によって調整するので、アクセルの開度が一定の場合、エンジンの回転速度の上昇に伴って燃料の噴射量を少なくしていく必要があり、この調整をガバナーによって自動的に行う。種類としてメカニカルガバナー、ニューマチックガバナー、コンバインドガバナー、オールスピードガバナー、ミニマム・マキシムガバナーなどがある。 |
カブリオレ |
一頭立て二座席で後ろに折りたためる幌の付いた二輪馬車。転じてルーフが折りたためる幌つきの乗用車のこと。 |
可変A/Rターボシステム |
A/R(エーバイアール)を可変式にし、低回転時に小さく、高回転時に大きくなるようにすれば、ハイパワーでしかも回転の低い領域からレスポンスの良いエンジンを得ることができる。ニッサンVG20ETのジェットターボでは排気ガスの吹き出し口に可動式のフラップを設けてA/Rを調整し、マツダ13Bロータリーエンジンのツインスクロールターボでは排気ガスの流入口を二つに分け、低回転では一方のみ、高回転では両方を使ってA/Rをコントロールしている。ホンダのウィングターボもこの一種。 |
可変吸気システム |
エンジンの回転数に応じて吸気管の数、長さ、径などを変え、主として吸気脈動効果を利用して吸入効率を良くするシステム。各種可変システムの中では、比較的シンプルな構造で大きな効果を上げることができることもあって、各社が競って採用している。 |
可変式ショックアブソーバー |
アジャスタブル・ショックアブソーバーとも呼ばれ、ダイヤル調整式ショックアブソーバーのこと。減衰力可変式ショックアブソーバーを指す場合もある。 |
可変式デュアルインテークマニホールド |
ホンダの4バルブエンジンに採用されている可変吸気システムの一つ。各シリンダーに向かうインテークマニホールドを途中で2本に分け、片方に吸気制御用のシャッターバルブを付けて中低速域ではこのバルブを閉じ、他方の混合気の流速を上げると同時に吸気脈動効果によって充?効率の向上をはかるもの。二つに分けられたマニホールドは一旦一つにまとめられ、再び二つに分かれて吸気ポートにつながれている。 |
可変ステアリングホイール |
ステアリングホイールの角度や長さが、ドライバーの体格や運転姿勢に合うように変えられるようにしてあるもの。角度が変えられるものをチルトハンドルまたはチルトステアリング、長さが変えられるものをテレスコピックハンドルまたはテレスコピック・ステアリングと呼ぶ。チルトは傾くこと、テレスコピックは望遠鏡を意味するテレスコープからきた言葉で、伸び縮みすること。86年の三菱デボネアでは運転席への乗り降りをしやすくするため、ドアを開けるとこれに連動してハンドルが跳ね上がる機構が採用されており、はいチルトステアリングと名付けられている。 |
可変排気システム |
排気ガスの通路を切り替え、排気音を小さくすると同時に排気抵抗を低減するシステム。マフラー内に複数の通路を設け、中低速では排気ガスを長い経路を通して消音効果を高め、高速時には制御バルブを開き、バイパスやテールパイプをフルに使用して排気抵抗を小さくするもの。メーカーごとに装置と呼称が異なっており、トヨタは2ウェイ・エキゾースト・コントロール・システム、マツダはトリプルモード・デュアルエキゾースト・システム、三菱はアクティブ・エキゾースト・システムと呼んでいる。 |
可変排気量エンジン |
4サイクルのガソリンエンジンで、アイドリングや定常運転など負荷のかからない状態では一部のシリンダーを遊ばせ、残りのシリンダーに負荷を集中して燃焼効率を上げ、燃費を良くしようとするもの。三菱のMDエンジン、スズキの3-2気筒可変排気量エンジン、BMWの6-3可変気筒エンジン、GMがキャデラックに採用した8・6・4可変気筒エンジンなどがある。 |
可変ベンチュリー・キャブレター |
ベンチュリーの内径が変化するように作られたキャブレター。吸入空気量によってベンチュリーの大きさを自動的に変化させ、この空気量に見合ったガソリンを供給するシステムで、SUキャブレターやストロンバーグ型キャブレターがその代表的なもの。吸気圧がほぼ一定であることから英語では(constant depression carburetor,constant vacuum carburetor)ともいう。 |
可変補記駆動 |
ウォーターポンプ、ファン、オルタネーターなどの補記の駆動はクランクシャフトの回転をプーリーとベルトによって伝えて行うが、その回転数を制御するシステムをいう。駆動プーリーと従動プーリーのピッチ半径を変えて回転数をコントロールする可変プーリー方式が一般的だが、電磁クラッチで回転を断続する方式や、油圧ポンプを使ってその吐出量で回転数を変える方式もある。 |
噛合損失(かみあいそんしつ) |
噛み合った歯車の歯面のすべりによる摩擦損失によって失われる伝達動力のこと。 |
カム |
周期性のある運動を得るためのメカニズムで、外周をその運動のパターンに適した形に加工したシャフトやプレートを回転させ、これに接触したアームから運動を取り出すようにしたもの。自動車の部品には様々なカムが使われているが、代表的なものはエンジンのカムシャフトに取り付けられているカムである。 |
カムアングル |
カム回転角ともいい、カムシャフト上のカムの回転角度で、4サイクルのレシプロエンジンの場合クランクシャフトの回転角度の二分の一である。 |
カムグランドピストン |
横断面の形がわずかに楕円形になっているピストン。ピストンは、ピンを通すボスの負荷による変件やピンとの摩擦によって、ボス方向への熱膨張がやや大きい。そこでピストンを常温で加工するときにボス方向を短軸とした楕円形にし、温度が高くなったときに真円に近い形になるようにする。アルミ合金ピストンのほとんどがこの形になっている。 |
カムシャフト |
4サイクル・レシプロエンジンで、吸排気バルブを開閉するためのカムが取り付けられているシャフト。吸排気バルブはクランクシャフトが2回転する間にそれぞれ1回ずつ開閉するので、クランクシャフトの半分の速さで回る。鋳鉄を用い、耐摩耗性をよくするためカムの表面だけを硬化してあるのが普通。前端に取り付けられているタイミングギヤによって回され、ディストロビューターを駆動するギヤやフューエルポンプを動かすカムなどが取り付けられている。エンジンはカムシャフトとバルブの位置によってOHC、DOHC、OHVなどに分類される。 |
カムスプロケット |
カムシャフトの先端に取り付けられているスプロケットで、クランクスプロケットとチェーンによってつながれ、クランクシャフトの二分の一の速さで回転する。 |
カムノーズ |
カムの付きだした部分(ローブ)のこと。カムに鼻を意味するノーズを加えて作られた用語。 |
カムプロファイル |
カムの断面(プロファイル)形状のこと。エンジンのカムシャフトではカムの大きさと形によってバルブの開閉のタイミングや開閉の速度と時間が決まる。 |
カラーデザイン |
クルマのエクステリア(外観)やインテリア(内装)などの色彩のデザイン。クルマが置かれる環境にマッチし、見る人、乗る人に心地よさが感じられる色とその組み合わせを選び、配置すること。 |
ガラ音 |
マニュアル・トランスミッションでニュートラルの状態でクラッチをつないだ時に聞こえるガラガラという音のこと。エンジンの回転変動がトランスミッション内のギヤに伝わり、歯が打ちあって音を発するもの。 |
ガラス繊維 |
高温で溶かされたガラスをノズルから引き出して固めた繊維状の材料。一般の有機繊維と比較して伸びが小さく、弾性率の大きい繊維で、耐熱性に優れ、燃えないという特徴を持つ。様々な用途に使われるが、自動車ではFRTP(ガラス繊維強化熱可塑性樹脂)などの他にグラスウールとして断熱材や吸音材に使われている。 |
ガラスリッド |
サンルーフをおおうガラス製のふた(リッド)。 |
加硫(かりゅう) |
ゴムの性質を持つ分子を科学的につなぐこと(架橋)。ゴムの樹の樹液を酸で固めて得られる生ゴムに硫黄を混入して加熱すると、ゴムに特有の弾性を持つ安定した物質が得られることがアメリカのグッドイヤーによって発見された。この手順は硫黄⇒火山という連想からバルカニゼーションと命名され、加硫と訳されている。後に硫黄の分子によってゴムの分子がつながれたことによってゴムの物性が変化したものと分かり、硫黄によらなくてもゴムの分子を架橋することを加硫と呼ぶようになった。 |
渦流(かりゅう)室式ディーゼルエンジン |
副室式ディーゼルエンジンの一種で、副室容積比45〜60%というやや大きめの副室の中に、圧縮行程で主燃焼室から流れ込む空気の強い渦(スワール)を作り、この渦の中に燃料を噴射して完全燃焼をはかる形式のもの。リカルド研究所で開発され、コメットの名称で呼ばれる。 |
ガルウィングドア |
ガルはかもめ。かもめが翼(ウィング)を広げたような形に開くドアのこと。ドアのヒンジはルーフに取り付けられており、ドアは上下に開閉する。ベンツの300SLに採用されて有名になった。 |
カルダンジョイント |
ユニバーサルジョイントの一種で、フックジョイント、クロスジョイント、十字継手とも呼ばれる。カルダンはこのジョイントの発明者で16世紀のイタリア人。十字型のピン(クロススパイダー)の先端にY字型のヨークを向い合せに取り付けた形をしており、簡単な構造で安価にできることからプロペラシャフトやステアリングシャフトなどに多く用いられている。ジョイントに角度をつけると、回転を受ける軸の回転速度が増減するため、二組をセットにして使用することが必要で、この速度変化のことをカルダンジョイントの角速度変動あるいはカルダンジョイントの不等速性という。 |
カルマン渦エアフロメーター |
ガソリンインジェクションに使用されるエアフロメーターの一種で、エンジンに吸収される空気量をカルマン渦の周波数によって測定するもの。カルマン渦は、流体の流れの中に置かれた柱の下流に発生する流速に比例した周波数を持つ渦の列(カルマンボルテックス)のこと。渦の数のカウントには渦の通過を圧力変動としてとらえるものと、渦の圧力をミラーの振動として光でとらえるものとがある。 |
カロッツェリア |
他の自動車メーカーの依頼に応じてクルマのデザインを提供し、試作車を作ったり少数のクルマの生産も行うイタリアの自動車メーカーのこと。 |
間欠ワイパー |
ワイパーの動き方には一般に通常の速さと高速の2段階があり、スイッチを入れると連続して動くのが普通だが、小雨で水滴が少ない時などきれいに拭けず、かえって視界が悪くなることもあるので、一定の時間をおいて間欠的にワイパーを動かす装置が考えられた。休止時間をコントロールできるタイプもある。 |
乾式単板クラッチ |
エンジンの動力を駆動系に伝えたり切ったりする装置であるクラッチのもっとも一般的なタイプで、一枚のクラッチディスク(単板)をばね(プレッシャープレート)でエンジンのフライホイールに押し付けて動力を伝達するもの。クラッチディスクがオイルにひたされている湿式に対して乾式と呼ぶ。 |
慣性 |
惰性ともいい、物体が外力が働かない限り現在の運動状態を続けようとする性質。ニュートンの運動の法則の一つ、慣性の法則からきた言葉。 |
慣性過給 |
吸気管内の気柱の吸気脈動効果を利用してエンジンの体積効率を上げること。インテークマニホールドの径や長さなど形状を適切なものにすると、エンジン回転のある範囲で吸気管内の圧力変動と空気や混合気が流れ続けようとする慣性によってピストンが下死点を過ぎても吸入が続き、あたかも過給を行ったような効果が得られる。 |
カント |
排水のために設けられている路面の横断方向の傾きのこと。曲線路に設けられたカントをバンクという。 |
観音開きドア |
仏壇の観音様を収めた厨子の扉の開け方と同じく、扉を手前左右に開くタイプのドアのこと。前後に向かい合ったドアになっているので運転手が素早くドアを開けるのに便利であった。クラシックカーで馬車の名残として使われ、稀には今日でも大型リムシンに残っている他、四輪駆動車のリヤドアに見られる。 |
き行
キー |
@自動車のカギ。A回転軸と、歯車やプーリーなど動力を伝える部品を結合するもの。軸と歯車やプーリーなどの結合部分に溝(キーみぞ)を加工し、この溝にキーを軽く打ち込んで固定する沈みキー、キーを小ねじで軸に固定し、軸にはまった歯車やプーリーが軸方向に滑り動く滑りキー、軸の端にテーパをつけ、ナットで押さえて使う付け外しの簡単な半月キーなどがある。 |
キーインターロック機構 |
AT車のキーに取り付けられている機構で、インターロックは互いに組み合うことを意味し、駐車した時にシフトレバーをパーキング(P)の位置に入れないとキーが抜けず、キーを抜くとシフトレバーがP位置に固定される仕組み。AT車が駐車中に動かないようにするためのもの。 |
キーシリンダー |
ドア、イグニッションスイッチ、トランクリッド、バックドア、グローボックスに取り付けられ、キーを差し込んで回すことによって施解錠が行われるもの。キーとしてはすべてのキーシリンダーに有効なマスターキーと、ドアとイグニッションスイッチにだけ有効なサブキーの組み合わせとなっているものが多い。 |
キーリング照明 |
夜間、運転席側のドアを開けると、イグニッションキーを差し込む箇所にライトが点灯するようにしたもの。 |
キーレス・エントリーシステム |
エントリーは入ること。キーを用いないで(キーレス)ドアやトランクルームのロックをしたり、ロックを解除するシステム。電波や赤外線を利用したワイヤレス方式やドアにキーボードを設けて暗証番号を入力する方式などがある。設定コードと一致した時のみロック、又はロックが解除される。 |
キーレス・ロック |
キーを使わないでドアをロックすること。内側のロックボタンをオンにした状態で、外側のハンドルを引きながらドアを閉じるとドアがロックされるようになっているもの。 |
機械効率 |
エンジンの機械的な効率を示す指標で、図示仕事に対する正味仕事の比率をいう。図示熱効率と正味熱効率の比率でもある。 |
機械式燃料噴射 |
ガソリンインジェクションで、エンジンに吸入される空気の量に見合った動きをする計量板によって機械的に燃料の制御弁を動かすタイプのもの。燃料の軽量と噴射をメカニカルな装置を使って行うシステムで、かつてキャブレターに代わって燃料供給装置としてレース用エンジンに多く採用された。主要な装置としては、プランジャー形の高圧噴射ポンプによって圧力を高めたガソリンをシリンダー内に噴射するボッシュ直接噴射方式、シリンダーの数だけ穴の開けられた中空ローターの中にシャトルを置き、往復運動のストロークによって燃料の量を調節しながら吸気管への燃料の配分も同時に行うルーカス式、吸気管に設けられた噴射ノズルごとにポンプを設け、噴射される燃料の量をプランジャーのストローク量によってボッシュ・クーゲルフィッシャー式などがある。 |
機械式ブレーキ |
操作力をワイヤーやロッドによってブレーキ本体に伝える機構を持つブレーキ装置。操作力が大きく、各ホイールを同じ力で制動することが難しいので、現在ではパーキングブレーキと使われるだけになっている。 |
機械損失 |
エンジンの図示トルク(混合気の燃焼によってクランクシャフトに伝えられたトルク)とクランクシャフトから取り出される正味トルク(軸トルク)との差。 |
艤装(ぎそう) |
本来の意味は船が進水したあと航海に必要な装備を整えることが、自動車用語としては特に大型自動車に特殊な部品や装置を取り付けることをいう。 |
キックアップ機構 |
プライマリー・スロットルバルブとセカンダリー・スロットルバルブをもつ複合型キャブレターで、エンジンの回転が低く、プライマリー・ベンチュリーのみが作動している状態から、エンジンの負荷が大きくなったり、アクセルペダルが踏み込まれたときにセカンダリー・ベンチュリーのスロットルバルブを強制的に開くメカニズムのこと。キックアップは足で蹴あげることを意味する。 |
キックスターター |
モーターサイクルエンジンの始動方式の一つ。ライダーが足でスターターレバー(クランクアーム、キックアーム)を踏み下ろし、その回転力をクランクシャフトに伝えてエンジンを起動するもの。クラッチを切って始動するプライマリーキック方式と、クラッチを切っていると始動できず、ギヤをニュートラルにし、クラッチをつないだ状態で始動するセカンダリーキック方式とがある。 |
キックスタンド |
バイクや自転車を止めておくとき倒れないように支えるための台や支持棒のこと。 |
キックダウン |
AT車で一定の速度で走っているときに追越しなどで急加速をした場合、アクセルペダルを一杯に踏み込んで(キック)ギヤを一段下に下げる(ダウン)こと。略してKDといわれることもある。追越し(パッシング)のためのギヤを入れるということからパッシングギヤともいう。 |
キックバック |
強い反動のこと。@凹凸の激しい路面を走行するときにハンドルに感じられる衝撃をいう。ラックアンドピニオン式ステアリングが他の形式よりもキックバックが大きい傾向がある。Aかつてエンジンを手動で始動していた頃、クランクシャフトを回したときにエンジンからくる強い反動力をキックバックといっていた。 |
希薄混合気 |
リーンミクスチュア。理論空燃比に比較して含まれるガソリンが少なく薄い混合気のことで、燃費を良くするためには、これをいかにうまく燃焼させるかがカギとなる。 |
逆スラント |
クルマの先端部分を後ろに傾けたスラントノーズと対照的に用いられる用語で、乗用車の先端が前に傾いた形になっていること。 |
逆相操舵(ぎゃくそうそうだ) |
四輪操舵システムで後輪の操舵の方向が前輪と逆(逆相)の場合をいう。クルマの操縦性や小回りが重視される中低速走行時に、一般の前輪操舵の場合に比較して良好な操縦性が得られ、駐車や車庫入れのときにクルマの取り回しがよい。 |
逆バンク |
曲線路で局面の横断方向の傾きがバンクとは逆にカーブの外側が低く、内側が高くなっているもの。 |
キャスター |
@事務用のいすや自動車の整備機器などに取り付けてある足車(キャスターホイール)で、取り付け軸が車の前にあって自由に回転でき、任意の方向に移動できるのが特徴。A車輪のキャスター角。 |
キャスターアクション |
トレールによって生ずるタイヤをまっすぐな方向に進めようとする動き。 |
キャスターオフセット |
クルマの前輪を前から見たとき、キングピン軸の中心線が路面を横切る点と、タイヤの中心線が路面と交差する点との間の距離。 |
キャスター角 |
クルマを横から見て、キングピン軸が鉛直線となす角で、軸の傾く方向が後ろの場合をプラス、前をマイナスとする。キャスター角をつけることによってトレールを生じ、クルマが前進するとタイヤの転がり抵抗によって、キングピン軸回りにタイヤを直進させようとするトルクが働く。この現象をキャスター効果という。 |
キャスタートレール |
クルマの前輪を横から見たとき、キングピン軸の中心線が路面を横切る点と、タイヤの中心線が路面と交差する点との間の距離。この値が大きいとクルマの直進安定性は良くなるが、ハンドルは重くなる。メカニカルトレールともいう。 |
キャストホイール |
鋳造ホイール。アルミニウムやマグネシウムなどの軽合金を鋳造して作られるホイールで、リムとディスクが一体に作られていることからワンピースホイールとも呼ばれる。 |
キャッスルナット |
溝付きナット。ボルトの穴に割りピンを通して固定するために溝が付いているもの。 |
キャド |
コンピューター支援設計(computer aided design)の頭文字CADをとって作られた造語。クルマや部品の設計にあたって、必要な基本的なデータ、計算式などあらかじめ決められている設計要素をすべてコンピューターに記憶させておき、設計者がこれらのデータを駆使し、自身の経験や直観を盛り込んで設計を進める技術あるいは手法のこと。自動車関係だけでなく、一般の工業製品の設計にも広く使われている。 |
キャニスター |
お茶やたばこを入れる小型の金属容器のことだが、自動車ではフューエルタンクで蒸発した燃料ガスを漏らさないようにするために設けられている活性炭を入れた缶(チャコールキャニスター)をいう。 |
ギヤ抜け |
マニュアル・トランスミッションで悪路走行などでシフトが抜けてニュートラル状態になること。ギヤが抜けないように歯にテーパーをつけたり、スプラインに段差をつけたりしてある。 |
ギヤ比 |
ギヤレシオともいい、一対の噛み合ったギヤ(歯車)の歯数の比で、回される方の歯数を回す方の歯数で割った値のこと。ギヤ比が2であれば、回される方のギヤの回転速度は半分になるが回転力(トルク)は2倍になって伝えられる。 |
キャビテーション |
外から加えられた機械的な力によって流体の中に気泡が生じること。流体中に局部的に速度の速い部分ができると、その部分の圧力が下がり、流体の中に溶けていた気体が気泡となってあらわれるもの。ラリーなどの過酷な条件下で使われるショックアブソーバーなどにその例が見られる。 |
キャビテーション・エロージョン |
キャビテーションによって、固体(金属)の表面が損傷を受けること。自動車ではウォーターポンプやクランク軸受などに発生することがあり、エロージョン(侵食)が確認された場合、キャビテーションの起こりにくい構造にしたり、より硬い材料に変更するなどの対策がなされる。 |
キャビンスペース |
客室の広さ。自動車をコンパクトに作っていかに居住空間を大きくするかは開発スタッフの最も苦心するところである。 |
キャブオーバー |
キャブ(キャビン:運転室)がエンジンの上にあるということで、エンジンが運転室や車室の下に置かれているタイプのクルマの総称。 |
キャブ・サスペンション |
キャブオーバートラックでキャビン(運転台)をスプリングとショックアブソーバーを介してフレームに架装し、乗り心地を良くしたもの。 |
キャブレター |
気化器。ガソリンを微粒化して空気と適当な割合で混合し、運転状態に応じてエンジンに供給する装置。一定量のガソリンを蓄えておく部分(フロートチャンバー)とガソリンと空気を混合する部分(ベンチュリー)からなり、霧吹きの原理でガソリンを微粒化する。ベンチュリーの径が一定で空気流量をスロットルバルブによって調整する固定ベンチュリーと、ピストンバルブ(スロットルバルブ)によってベンチュリーの径を変える可変ベンチュリーとがあり、空気を流す方向によって下向きに通風するダウンドラフト、横向きに通風するサイドドラフト、上向きに通風するアップドラフトに分類される。乗用車用エンジンではキャブレターにかわり、ガソリンインジェクションが多くなっている。 |
ギヤボックス |
変速機のこと。アメリカではギヤケース、あるいはトランスミッションと呼ぶが、イギリスでトランスミッションというと、変速機だけではなくクラッチからファイナルドライブまでの駆動系全体をいうのが普通。 |
キャム |
コンピューター支援生産(computer aided manufacturing)の頭文字CAMをとって作られた造語。工場の生産ラインの数値制御、生産管理などコンピューターを活用して工業製品を製造する技術あるいは手法のこと。コンピューターを使った設計システムのキャドと組み合わせたものをキャド・キャム(CAD/CAM)と呼び、現代の工業製品の大量生産に欠かせないシステムとなっている。 |
キャラクターライン |
ボディの主として側面に付けられた凹凸によって作られる線(ライン)をいい、ボディの形にメリハリをつけるために設けられたもの。 |
キャンバー |
中央部分が盛り上がってそりかえっているものやその状態をいう言葉で、自動車関係では@道路の中央部分がやや盛り上がり、路肩が下がっている状態。A翼形をした空力部品の中心部分のそり。弦の長さの百分率であらわされる。B車輪のキャンバー角。Cリーフスプリングの曲がりなど指す。 |
キャンバー角 |
クルマを前から見てタイヤの中心線が鉛直線となす角で、上が開いている状態をプラス(ポジティブ)、下開きをマイナス(ネガティブ)とする。タイヤにキャンバー角が与えられると傾いている方にキャンバースラストと呼ばれる横方向に転がろうとする力が発生するので、これを打ち消すためポジティブキャンバーの場合トーアウトをつけるのが普通。 |
キャンバースティフネス |
キャンバースラストはキャンバー角に比例して増加する。このときの比例定数(単位キャンバー角あたりのキャンバースラスト)のことをいう。 |
キャンバースラスト |
タイヤを傾けて(キャンバー角を与えて)転がしたとき接地面に生じるタイヤの傾いた方向に向かう力(スラスト)のこと。柔らかいサイドウォールを持つラジアルタイヤは、バイアスタイヤに比較してキャンバースラストが小さい。 |
キャンバー摩耗 |
タイヤの異常摩耗(編摩耗)の一種で、タイヤにキャンバー角がつけられたまま長期間走行したかのように、トレッドの片側だけが摩耗すること。 |
キャンバストップ |
サンルーフの一種でルーフが帆布(キャンバス)で作られ、折りたためるようにしてあるもの。電動で開閉できるタイプもある。 |
吸音材 |
音(空気の振動)を吸収する目的で使用される素材。繊維を通気性の良い状態にパックしたものがほとんどで、音を繊維の隙間の空気の粘性によって弱めるもの。クルマにはグラスウールやフェルトが多く使われている。 |
吸音率 |
音を吸収する性質を吸音というが、吸音の大きさを表すのに1からの音の反射エネルギーPoと入射エネルギーPiとの比を引いたものを用いる。吸音率=1-Po/Piである。 |
吸気音 |
吸気管の入り口が開放型になっているエンジンで、吸入行程によって生じる空気の脈動が音となって発散するもの。周波数は吸気管の寸法によってほぼ決まる。 |
吸気温センサー |
エンジンに吸入される空気の温度を検出するセンサー。温度によって電気抵抗が変化するサーミスタを使ったサーミスタ温度計が使用されるのが普通。 |
吸気加熱 |
インテークマニホールド内を流れる混合気を暖めて気化しやすい状態にすること。加熱の仕方にエキゾーストマニホールドの一部(ライザ室)を利用する排気加熱方式と、シリンダーヘッドで高温になった冷却水を使う温水加熱方式がある。排気加熱方式はカウンターフローエンジンに使用される。電熱式もある。 |
吸気干渉 |
干渉は同じ性質をもった波動が出会ったときに、波の位相が同じ所で互いに強め合い、逆の位相のところで弱め合う現象。エンジンに吸入される混合気は吸気バルブの開閉によって密度の高い部分と低い部分を持つ粗密波となって吸入管の中を移動する。二つ以上の吸入管を集めた吸気マニホールドの集合部で各吸入管の混合気の粗密波が干渉することをいい、このために吸入効率が低下することを吸気気筒干渉効果という。 |
吸気系 |
混合機や空気をエンジンに吸入するための装置やシステムの総称。通常、エアクリーナーと吸気マニホールド及びこれらに関連した部品をいう。 |
吸気コントロール |
ターボチャージャーで、過給圧を過大にしないように、設定圧以上になると吸気を逃すシステム。 |
吸気スワールポート |
スワールは渦巻き。吸気ポートの形を混合機がシリンダー内に旋回流となって流れ込むような形にしたもの。 |
吸気脈動効果 |
エンジンに吸入される混合気や空気は慣性により吸気管内を一定の状態で流れようとするが、吸気バルブが開くのは吸気行程の間だけなので流れが堰き止められたり流れたりという脈打った動き、つまり脈動する。気流が止められ、慣性によって気圧が高まった瞬間にタイミング良く吸気バルブが開けば、より多くの混合気や空気をシリンダー内に入れることができる。この原理によってエンジンの出力が上がった時、吸気脈動効果があったという。物理的には脈動を波動と考え、吸入行程によって発生する負圧の波が、吸気マニホールドの集合部や吸気管の先端で反射し、正圧となって戻ってきて吸気行程と同期したときに効果があったとする。 |
吸気レゾネーター |
吸気音を小さくする装置。レゾネーターは共鳴器で、低減しようとする周波数と数式から導かれる寸法・形状のパイプと箱をもつ共鳴器を吸気管とつなぎ、ヘルムホルツの共鳴の原理によって音を小さくする。 |
求心力 |
自動車がある速度で旋回するとき、遠心力の反力として旋回中心方向に働く力で、質量に求心加速度を掛けて求められる。 |
急速グローシステム |
ディーゼルエンジンの起動時に使用されるグロープラグの温度を短時間に高くするシステムでトヨタの呼称。いすずではクイックオンスタート・システムと呼んでいる。ディーゼルエンジンの始動時にはグロープラグに通電してこれが赤熱するまで20〜30秒の待ち時間が必要だが、プラグの温度を急速に上げるシステムによってガソリンエンジンと同じ感覚で始動できるようになっている。 |
急速充電 |
バッテリーの充電を短時間に行うこと。 |
吸入空気量センサー |
エンジンに吸入される空気量はスロットル開度、吸気管内の圧力とエンジン回転数によってほぼ決まるので、それぞれの値を検出するためのセンサーを総称して吸入空気量センサーという。空気量の検出方法は直接検出を行うマスフロー方式と、間接的に検出するスピードデンシティ方式およびスロットルスピード方式に分類される。 |
吸入行程 |
吸気行程ともいい、4サイクルエンジンでシリンダー内に混合気あるいは空気が吸いこまれる行程。排気バルブが閉じ吸入バルブが開かれた状態でピストンが下がるとシリンダー内の気圧が外気より低くなり(負圧)、ガソリンエンジンでは混合気が、ディーゼルエンジンでは空気が吸い込まれる。英語では他に(inlet stroke ,intake stroke,induction stroke,charging stroke,admission stroke)など様々な呼び方がある。 |
キュニョーの蒸気自動車 |
現存する歴史上最古の自動車で、1770年ルイ15世摩下の砲兵将校キュニョーが砲車として作ったもの。全長7.3メートル、2シリンダーの蒸気機関をもち、パリのフランス技術博物館に保存されている。 |
境界潤滑 |
液体や気体によって潤滑を行っているとき、流体膜の厚さが薄く、固体同士が直接接触している状態をいう。 |
境界層 |
一様な流れの中に置かれた物体の周囲の流れを調べると、物体の表面に接する流体は全く動かず、物体から離れるにしたがって流れの速さに近づき、ある程度離れると物体の影響を受けない流れとなる。この物体の表面に近い速度の遅い流れの部分を境界層という。 |
強化ガラス |
安全ガラスの一種で、約600℃に熱したガラスに空気を吹き付けて急冷し、表面に歪みを与えた層を作って、一部分が破損すると一瞬で全体が粒状に壊れるようになっている。ウィンドシールドガラスに用いられ、破損したときにガラスの中央部がやや粗く壊れて視界を確保する部分強化ガラスと、サンドウィンドやリヤウィンドに使われる普通の強化ガラスの2種類がある。 |
狭角4バルブ |
吸排気バルブが20〜25度の狭い角度で向かい合った構造をもつ4バルブエンジン。燃焼室が浅くできるので、周囲にスキッシュエリアをもったコンパクトで圧縮比の高いエンジンを作る手法として注目されている。フォルクスワーゲン・アウディで初めて量産エンジンに採用され、日本でも多く使われている。 |
共振 |
物体(空間)に外部から振動(音)を与えたとき、その物体がある振動数の振動を発する現象。その物体が持つ固有の振動数が、与えられた振動数と同じ時に最も敏感に共振する。共鳴と同じ現象だが、自動車では音が関係する場合のみ共鳴といい、それ以外の機械的、電気的な振動を扱う時には共振というのが普通。 |
強制循環方式 |
水冷エンジンの冷却方式の一つ。ポンプによってエンジン内部とラジエーターの間に水を強制的に循環させる方式で自然循環方式と対照的に用いられる。ほとんどすべての水冷エンジンが強制循環方式で、ポンプはクランクプーリーによりVベルトで駆動される。 |
凝着摩耗 |
真実接触部分における凝着結合の破壊による摩耗。固体の表面はいかに滑らかにしても微小な凹凸があり、固体同士の接触面ではそれぞれの突起部分が高い圧力で凝着している。 |
強度 |
@(strength)学力でいう場合、物に力を加えたとき、破壊する形が変わってそのもの本来の役に立たなくなるときの応力。A(intensity)物理学でいう場合、電場、電流、放射能などの強さ、または大きさ。 |
共鳴 |
共振ともいい、物体自身の持つ固有振動数に近い振動数の刺激を与えられたとき、その固有振動数で振動を始める現象。クルマの振動・騒音が問題となる場合、この現象が関係することが多く、部品や空間の大きさではできるだけ共鳴が起こらないようにする必要がある。共鳴過給システムのようにこの現象をエンジンの出力を上げる手段として利用する例もある。 |
共鳴過給システム |
可変吸気システムで、その一部を共鳴室や共鳴管とし、共鳴(レゾナンス)現象を利用して過給効果を得るシステム。吸気管内の気注は管の長さと音速によってきまる基本振動数をもっており、また気体の振動は密度の濃い節と薄い腹の連続した粗密波である。例えば4サイクルエンジンの吸気バルブはクランクシャフト2回転ごとに1回開くので、吸気管内を流れる混合気や空気はエンジンの回転数によって決まる周波数で振動する。そこで、共鳴室や共鳴管の気注の長さとエンジンの回転数を適当な関係にすれば、吸気管に共鳴現象が起こり、振動の節(密度の濃い部分)が吸入口に来ることになってあたかも過給を行ったような効果生じる。 |
居住性 |
静止状態の車室内の居心地をいい、室内空間の大きさ、カラーリング、内装、シート、視界など様々な要因によって決まる。 |
虚像表示メーター |
メーターの位置にハーフミラー(光を透過させると同時に反射もする鏡)を置き、メーターの表示をこれに反射させてドライバーに虚像を見せるもの。メーターが遠くに見える(遠視点化)ので、前の道路とメーターを交互に見た場合、目の焦点が合いやすいという効果がある。ソアラのスペースビジョンメータークラウンのデュアルビジョンメーター、シルビアのフロントウィンドディスプレイなどに使われている。 |
キングピンオフセット |
クルマを前から見てキングピン中心線が路面と交わる点と、タイヤの設置中心またはタイヤの中心線が路面と交わる点との間の距離。タイヤの接地中心がキングピン中心線の路面の交点より外側にあるのが普通だったが、逆に内側に来るようにしてあるネガティブ・キングピンオフセットやオフセットがゼロに近いセンターポイント・ステアリングが主流になってきている。また操舵したとき、タイヤはキングピン中心線の路面との交点を軸に回転し、キングピンオフセットはこの時の回転半径とほぼ一致するのでスクラブ半径とも呼ばれ、センターポイント・ステアリングをゼロスクラブともいう。なおホイールの中心と、ホイールの中心を通る水平線がキングピン中心線と交わる点との間の距離をホイールセンターでのキングピンオフセットといい、タイヤの接地面におけるオフセットが同じなら、ハンドルへのキックバックや振動などはこの数値が小さいほど少ない。 |
キングピン傾角 |
クルマを正面から見たとき、キングピン中心線が鉛直線に対してなす角度で、ホイールアライメントの要素の一つ。通常クルマに対して下開きになっており、キングピン中心線が路面と交わる点とタイヤの接地面にかかる力の作用点との間の距離(スクラブ半径)はクルマの操縦性安定性に大きな影響を与える。単にキングピン角ともいい、英語では(king-pin axis,kingpin angle,swivel angle,steering axis inclination)とも呼ばれる。 |
キングピン中心線 |
キングピンの軸(アクシス)の中心線。キングピンのないボールジョイントを使うサスペンションではアッパーボールジョイントとロアボールジョイントの回転中心を結ぶ直線をキングピン中心線とする。この中心線はハンドルを切った時にタイヤの回転の中心軸となるのでステアリングアクシスとも呼ばれる。 |
く行
クァイアセント・チャンバー |
浅皿式高圧噴射式と呼ばれる直接燃料噴射式ディーゼルエンジンの燃焼室をいい、低速で使用される大型エンジンに採用されているもの。中央に置かれた8〜12個の多噴孔ノズルから800気圧以上の超高圧で燃料が噴射される。クァイアセントとは燃焼室内に渦流がなく空気が動かないことを意味する。 |
空気過剰率 |
空燃比の理論空燃比に対する比率で、エンジンに吸入される混合気の空燃比を理論空燃比で割ったもの。この逆数を等量比という。燃料を完全に燃焼させるのに必要な空気量に対して実際に供給される空気量の割合。 |
空気室式ディーゼルエンジン |
ディーゼルエンジンで主燃焼室と副室をもち、副室式とは逆に燃料を主燃焼室から副室に噴射する方式のもの。膨張行程は着火が最初に主室で起こり、空気と燃料が副室内に入って燃焼が始まり、その混合気が主室に噴出して完全に燃焼するという経過をたどる。燃焼室まわりの構造が複雑で、現在では使われていない。 |
空気清浄装置 |
空気中の塵(ちり)やたばこの煙などの微粒子を除く装置で、静電気によって微粒子を除く静電式と、フィルターを使う濾過(ろか)式があり、活性炭で臭いをとったり殺菌灯の紫外線で空気を消毒する装置を取り付けたものもある。 |
空気抵抗 |
クルマが走行するときに受ける空気の抵抗力は速度の二乗に比例して大きくなる。例えば60q/hにおける空気抵抗を基準に考えると速度が2倍の120q/hでは4倍の空気抵抗を受ける。普通、クルマの空気抵抗は抗力係数CDで示される。 |
空気ブレーキ |
圧縮空気の膨張力を利用して制動を行うブレーキ装置。空気の流量を調整するだけの力で大きな制動力が得られるが、コンプレッサー(空気圧縮機)をはじめ複雑な装置が必要なので、大型トラックやバスに使われ、乗用車には採用されていない。 |
空気密度 |
1?あたりの空気の質量。20℃1気圧のとき1.205s/?。記号で表す場合にはρ(ロー)を使用する。 |
空車重量 |
空車状態の車両の重量。空車状態とは走行するのに必要最低限の装置と装備を備えた自動車の状態(乾燥状態)をいうが、規格や法規によってやや定義が異なる。ISO及びこれに準拠したJISでは、乾燥状態に、冷却液、タンクに90%以上の燃料、スペアタイヤ、工具などを加えた状態を、道路運送車両法では、冷却液、燃料、潤滑油などを全量入れ、運行に必要な装備をした状態をいう。 |
空走距離 |
自動車の制動試験で、ドライバーがクルマを止めようとしてアクセルペダルから足を離した瞬間からブレーキが効き始めるまでにクルマが進む距離。 |
空調システム |
空気調和システム。車室内の温度、湿度、空気の清浄度や流れを快適に保つシステムの総称で、窓の露や霜を除いて視野を広く保つシステムも含まれる。 |
空燃比 |
空気と燃料の重量比で、エンジンに吸入される混合気の空気量の重量を燃料の重量で割った値で示されるのが普通。A/Fと略されることがあり、混合比とも言う。理論上燃料が完全に燃焼するのに必要な空燃比を理論空燃比といい、レギュラーガソリンでは14.8で、ガソリンエンジンが安定して運転できる空燃比は10〜17といわれる。 |
空燃比制御 |
エンジンに吸入される空気の量に対して燃料の量を変え空燃比をコントロールすること。ガソリンエンジンの場合、燃焼時に火炎の広がる速さ(火炎速度)が最も速く、エンジンの出力が最大となる空燃比は理論空燃比よりも濃い12〜13の空燃比のときであり、燃料消費率は理論空燃比より薄い16前後の空燃比のときに最も低くなる。また排出ガスの成分に含まれる有毒ガスの濃度も空燃比の影響を大きく受ける。そこでエンジンの運転状態をコンピューターに伝えて時々刻々と最良の妥協点(ベストコンプロマイズ)を判断させコントロールを行う。 |
空燃比センサー |
排気ガス中の酸素濃度を検出するセンサー。酸素センサーもこの一種だが理論空燃比付近の酸素濃度しか検出できない。特に希薄燃焼制御をおこなうためにはもっと広い範囲の酸素濃度を検知する必要があり、このために開発された広範囲酸素濃度センサーをいう。 |
空燃比補償装置 |
空燃比制御を行うための装置のこと。 |
クーペ |
屋根の付いた二座席の四輪馬車で、前に御者が乗って馬を走らせるタイプのものをクーペと呼んでいたことから、自動車でも二人乗りで2ドアの乗用車をクーペというようになった。現在では4〜5人乗りでもリヤシート部分のルーフが短く、傾斜の大きいものはクーペと呼んでいる。後窓とトランクに段(ノッチ)のついているノッチドクーペ、これらがなだらかな線で結ばれているファーストバッククーペ、はね上げ式のハッチバックを付けたハッチバッククーペがある。 |
クーラント |
冷却水。冷却システムに使われる熱媒体を一般にクーラントといい、自動車では水冷エンジンの冷却に使う不凍液や防錆剤などを加えた水をさすのが普通。 |
空力騒音 |
クルマの周囲の気流によって発生する騒音の総称。風切り音、吸い出し音、ウィンドスロッブなどがある。 |
空力特性 |
エアロダイナミクスともいい、気流の中に置かれた物体がその気流によって受ける力の総称。自動車の場合、路上を走行するクルマや、風洞内に固定された模型が空気の流れによって受ける力を、上下左右前後の力とモーメント(空力6分力)に分けて考え、これを空力特性と呼ぶが、そのほかに横風安定性や風切り音など空気の流れが関係する現象すべてを含めて言う場合もある。 |
偶力 |
物体の2点に逆向きで平行に働く大きさの等しい力。物体に回転運動を発生させる。 |
クーリングファン・コンピューター |
電動式冷却ファンを制御するコンピューター。エンジンの冷却液の温度とラジエターの周囲の温度を温度センサーによって検知し、冷却ファンを効率よく運転する装置。 |
クーリングファン・モーター |
冷却ファンを駆動するモーターで、直流モーターが使われる。 |
クールエア・インテークシステム |
外気を直接エアクリーナーに導いて吸気系に供給するシステム。エンジンルーム内が高温になっている場合、暖かい空気をエンジンに吸入すると出力が低下するため外気を導入するもの。寒冷時に備えてホットエア・インテークシステムと組み合わせて使われることが多い。 |
クールダウン性能 |
車室内を冷房するとき、エアコンを始動してから快適な温度になるまでの時間をいい、温度低下の速いエアコンほどクールダウン性能が良いという。 |
クールボックス |
エアコンの冷風を利用して飲み物やおしぼり等を冷やす箱。 |
空冷 |
装置や部品を外気によって直接冷やすこと。エンジンの過熱を防ぐためにシリンダーの外側にフィン(ひれ)を付けて冷却する空冷式エンジンが代表的な例だが、他にもオイルパンやディファレンシャルギヤケースの外側に凹凸を付けてオイルを冷やす例もある。 |
空冷式インタークーラー |
インタークーラーの一種で走行中に受ける風を利用して冷却を行うタイプのもの。水冷式の三分に一の熱効率といわれるが、構造が簡単で、スピードが高いほど効率よく冷却ができるためターボエンジンを使用したレーシングカーではほとんどのマシンがこの方式を採用している。 |
空冷式エンジン |
エンジンをある温度範囲に保って運転するためには冷却が必要だが、この冷却をエンジンに直接外気をあてて行うもの。エンジンがむき出しになっているモーターサイクルに多くみられるが、乗用車ではエンジンルーム内に置かれた放熱のためのひれ(クーリングファン)をもつエンジンにファンで強制的に風を送る必要があり、騒音と夏期のオーバーヒート対策が難しいこともあって現在はあまり見られない。 |
クエンチ |
英語で冷やすことを意味し、膨張行程で火災がシリンダーの側面など燃焼室内の比較的温度の低い部分によって冷やされることをいう。特にピストンが上死点に近づいた時にシリンダーヘッドとの隙間が狭くなるスキッシュエリアのあるエンジンではこの部分に火炎が伝播しないことがあり、排出される未燃焼炭化水素が増える結果となる。クエンチ作用によって火炎が伝播しない領域をクエンチエリアという。 |
クォーターウィンドガラス |
サイドウィンドガラスの一つで、クォーターピラーとリヤピラーの間にあり、固定されていて、開閉できないのが普通。 |
クォーターパネル |
リヤフェンダーともいい、後輪を覆う車体外側のパネルのこと。 |
クォーターピラー |
リヤピラーとセンターピラーの間に設けられている柱。ドアに取り付けられている場合もある。 |
クォリファイタイヤ |
カーレースの予選(クォリファイ)専用タイヤのこと。予選の限られた周回数の中でベストタイムを出すために耐久性や発熱などを無視して作られたタイヤで、レース用とほぼ同じサイズ・構造で、トレッドゴムだけをグリップ性能を極限まで高めたものにしてあるのが普通。1ラップの全力走行(フライングラップ)でトレッドゴムは消耗し尽くすことが多い。英語の頭文字をとってQタイヤともいう。 |
駆動系 |
動力伝達系、パワートレインとも呼ばれ、エンジンの出力を駆動輪に伝えるシステム。クラッチ、トランスミッション(変速機)、プロペラシャフト(推進軸)、終減速装置(ディファレンシャルギヤ及びデフキャリア)、ドライブシャフト(駆動軸)などによって構成される。 |
駆動系異音 |
トランスミッションからディファレンシャル到る駆動系から発する異常な音で、ジャラ音、ガラ音、MTガー音などのトランスミッション・ギヤノイズと、ディファレンシャルから発生するデフガタ打ち音やデフガーガー音、4WDのデフやトランスファーが発するガー音などがある。 |
駆動軸 |
エンジンの出力を駆動輪に伝える回転軸をいい、変速機から終減速装置に動力を伝達するプロペラシャフトと、終減速装置から車輪に駆動力を伝えるドライブシャフトとがある。サスペンションの様式によって、取り付けられている装置に対して回転軸の相対的な位置が変化する場合、その両端に双方の軸が交差する角度(交差角)が変化しても回転を伝えることができるユニバーサルジョイントと、軸方向に伸び縮みできるスプラインとチューブが取り付けられている。なおユニバーサルジョイントには軸方向に伸び縮みできるタイプもある。アメリカではプロペラシャフトとドライブシャフトを区別しているが、イギリスではともにドライブシャフトと呼んでいる。 |
クラークサイクルエンジン |
2サイクルエンジンを発明者の英国人クラークにちなんで呼ぶもの。 |
クラウニング |
歯車の歯あたりを均一にするため、歯すじ方向に付けられている歯面のふくらみのこと。 |
グラウンド・エフェクト・カー |
地面効果(グラウンドエフェクト)よってダウンフォースを得、タイヤのコーナリングフォースを大きくしてコーナリングスピードを速くしたレーシングカー。1977年に登場したロータス78によって始められ、80年代前半までF1レースに使われたウィングカーがその代表的なもの。 |
グラウンド・シュミレーション |
風洞実験で模型によって自動車の空力性を調べるとき、実車の受ける地面効果を再現し、実走行に近い空気の流速分布を模擬(シュミレーション)すること。地面(グラウンド)に相当する部分をベルト(ムービングベルト)とし、計測する模型の速度と同じ速度で動かすのが理想的とされるが、固定された路面の地面に近い路面と平行に空気を吹き出したり、地面に多数の穴をあけて気流の一部を吸い込むなどして、流れの遅い境界層の形成を防ぐ方法などもとられている。 |
クラシックカー |
第2次世界大戦以前に作られ、オリジナルな状態が維持されているクルマの総称。製造年次の区切りについては諸説があって明確ではないが、日本とアメリカでは第1次、第2次の両世界大戦の間(1919年〜1939年)に作られた乗用車をいうのが一般的である。イギリスでは1906年の第1回グランプレース以前、あるいは1914年〜1918年の第1次世界大戦以前に作られた自動車をベテランカー、1918年〜1931年の英国の経済恐慌までに作られた自動車をヴィンテージカーと呼んで区別している。 |
グラスルーフ |
サンルーフの一種でルーフの一部がガラスで作られているもの。 |
クラッシャブルボディ |
モノコックボディの乗用車で、衝突に備えてキャビンを頑丈で変形しにくい構造とし、クルマの前後をクラッシュゾーンとして潰れやすく衝撃吸収性の高い構造にして乗員の受けるショックを軽減するように作られたもの。 |
クラッシュ |
@ベアリングメタルの締めしろ。ベアリングメタルの外周と、これを保持するハウジングの内周との寸法差のこと。一般的にはベアリングのキャップ(取り付け側ハウジング)のボルトを規定のトルクで締め付けた後、片側のボルトを完全に緩めたとき、キャップの合わせ面に0.1〜0.2mmの隙間ができる程度が適当とされる。クラッシュハイトともいう。A衝突すること。 |
クラッシュストローク |
自動車が衝突した際の衝突方向の変形量(長さ)のこと。 |
クラッシュゾーン |
クルマが衝突した時につぶれ、その変形によって運動エネルギーを吸収して乗員に対するショックを緩和する部分(ゾーン)。クラッシュブルゾーンともいう。 |
クラッシュワージネス |
クルマの対衝突安全性能のことで、衝突した時に乗員を保護する性能。ワージネスは価値あることを意味するワーシー(worthy)からきた言葉で、航空に耐える(airworthy)、航海に耐える(seaworthy)と同じく耐えるという意味に使われている。 |
クラッチ |
クラッチの一般的な意味はしっかりと握ることだが、機械では動力の伝達を断続する機械要素をいう。自動車の多くの部品にはクラッチが使われているが、普通にクラッチといえばエンジンの動力を駆動系に伝えたり切ったりするための装置のことをさす。エンジン回転のむらを吸収する働きもする。運転席のクラッチペダルによって作動し、構造によって摩擦クラッチ、液体クラッチ、電磁クラッチに分類され、摩擦クラッチには乾式と湿式、単板クラッチと多板クラッチがある。最も普通に使われているのが乾式単板クラッチで、エンジンのフライホイールにばねでクラッチディスクを押し付けて動力をトランスミッションに伝え、クラッチペダルを踏んでこれを切る。 |
クラッチオフセンター |
クラッチの中でクランクシャフトの軸中心と、トランスミッションのメインシャフトの軸中心がシリンダーブロックやクラッチハウジングの加工精度や組み立て精度の関係で一致せず、ずれていること。関係部品がこすれ合ってい音を発したり異常摩耗する原因となることがあるので、クラッチレリーズベアリングに偏心を自動的に修正する自動調心機構を備えた自動調心クラッチレリーズベアリングを使ったクルマが多い。 |
クラッチカバー |
クラッチディスクを多いフライホイールに取り付けられているカバーで、クラッチスプリングとクラッチプレッシャープレートを支えており、このスプリングの力でクラッチディスクホフライホイールに圧着する。クラッチスプリングにはダイヤフラム式とスプリング式があるが、乗用車にはダイヤフラムスプリング式が多い。 |
クラッチ切れ点 |
クラッチペダルのストローク(動き始める点から一杯に踏み込んだ点までの距離)の間でクラッチが切れるポイント。 |
クラッチ切れ不良 |
クラッチはフライホイールにクラッチディスクをプレッシャープレートで押し付ける構造になっているが、プレッシャープレートがクラッチディスクから離れているにもかかわらずフライホイールのクラッチディスクが一緒に回転している状態のこと。クラッチディスクのライニングの滑り抵抗が大きいと発生しやすく、シフトが困難になったりクラッチペダルを踏んでいるのにクラッチが切れなくなる。 |
クラッチジャダー |
ジャダーは振動の一種で、発進するときの半クラッチ状態でクルマが10〜20Hzの周期で前後にゆすられる現象をいう。クラッチディスクの表面で断続した滑り(スティックスリップ)が起こったり、接触不良があったりしたときに発生することがある。 |
クラッチ滑り |
何らかの原因でクラッチディスクのライニングが滑りやすくなっていたりプレッシャープレートが押し付けられる力が弱いとき、急発進や登坂時にクラッチがつながっているにもかかわらずエンジンの動力がトランスミッションに充分伝わらない状態。 |
クラッチつながり点 |
フライホイールとプレッシャープレートの間にあってフライホイールの回転力をクラッチシャフトに伝える円盤状の部品。中心にクラッチシャフトとつながったクラッチハブ、その外側にサブプレートとディスクプレートがあり、これらの間にコイルスプリングやゴムを入れたりフリクッションワッシャーを挟んでエンジンからくる回転方向の振動を和らげる働きもする。この振動(騒音)の緩衝特性をクラッチディスクねじれ特性という。 |
クラッチハウジング |
シリンダーブロックとトランスミッションケースの間にあってクラッチ全体を覆うケースで、鋳鉄やアルミ合金で作られる。エンジンとトランスミッションという重いものを結びつけるので駆動系の剛性に与える影響が大きい。 |
クラッチブースター |
負圧や圧縮空気をつかってクラッチの踏力を軽くする装置。 |
クラッチプレッシャープレート |
クラッチカバーに取り付けられている部品で、クラッチスプリングの力でフライホイールにクラッチディスクを押し付ける働きをする。半クラッチ状態のときに発生する摩擦熱は大部分プレッシャープレートから発散される。 |
クラッチペダル |
摩擦クラッチを操作するためのペダル。ペダルは足を意味するラテン語のpedisに由来する言葉。クラッチとケーブルで結ばれるタイプもあるが、今日ではほとんどのクルマが油圧によってクラッチを動かす。 |
クラッチミート |
ミートは接続することを意味し、摩擦クラッチでペダルを踏んだ力を弛めてクラッチをつなぐ動作をいう。 |
クラッチライニング |
ライニングは内張りのことで、クラッチディスクの両面にはってある石綿などを樹脂で固めて作られた円盤状のもの。フライホイールやプレッシャープレートに接して動力を伝達するので、摩擦熱の影響を受けにくく、耐摩耗性に優れた材料が選ばれる。 |
クラッチリザーバータンク |
油圧クラッチで使われるオイル(フルード)を溜めておく容器で、普通クラッチマスターシリンダーの先に付けられ、液量が分かるように半透明の樹脂で作られている。 |
クラッチレリーズシリンダー |
マスターシリンダー内で油圧を高められたオイルでピストンを動かし、クラッチレリーズフォークを押す油圧クラッチの部品。 |
クラッチレリーズフォーク |
油圧クラッチの部品でクラッチレリーズベアリングを動かすレバー。ベアリングハブを二股(フォーク)で挟むようにセットされており、鋳鉄や鉄板で作られている。 |
グラベルベッド |
砂利床。レースコースに接してコーナーの外側に設けられている砂利(グラベル)の敷かれたエリアのこと。コースアウトしたクルマの減速を目的としたもの。 |
クランキング |
エンジンのクランク軸を回し、エンジンを始動させること。古くは乙字型のハンドルで直接クランク軸を回す機械式もあったが、現在はスターターモーターでフライホイールを回して始動するのが普通。フォーミュラーカーでは圧縮空気や高圧の窒素ガスで駆動する軽量のエアスターターが使われる。 |
クランキング始動 |
エンジンの始動直後にボディが5〜15Hzの低い周波数でユサユサと揺れる現象。始動直後の各シリンダーの圧力変動によるトルク変動によってエンジンがロール方向に振動し、この反力としてボディに振動が発生するもの。 |
クランキングトルク |
エンジンの始動時にクランク軸を回すのに必要な回転力のこと。エンジンを始動するには最初の圧縮校庭で混合ガスを圧縮する力と各部分が動き始める時の摩擦以上の力が必要で、特に低温時には潤滑油の粘土が高く、大きなクランキングトルクが必要である。 |
クランク |
往復運動を運動回転に、逆に回転運動に変えるメカニズムで、自転車のペダルのようなもののこと。レシプロエンジンで混合機の爆発によって得られる往復運動を回転運動に変える軸をクランクシャフトという。 |
クランク角センサー |
ガソリン噴射装置で、主として点火時期の制御に必要なクランク軸の回転角度をチェックするためのセンサー(検知器)。クランクシャフトに取り付けられた外周に歯をもつ鉄製の円盤(パルスホイール)の近くに磁気をおびた鉄芯にコイルを巻いたヘッドを置くと、パルスホイールの回転に伴ってヘッドを通過する歯の数に応じた交流電圧がコイルに発生する。これをパルス信号に変え、クランク軸の回転角度を知るもの。 |
クランクケース |
クランク軸が入っているところで、シリンダーブロックの下部(スカート部)とオイルパンに囲まれた空間をいう。 |
クランクケース・ストレージ方式 |
燃料蒸発ガス排出抑止装置の一つで、燃料タンク内の蒸発ガスがクランクケースに流れるようにしておき、エンジンが作動しているときにブローバイガスとともに吸気系に吸い込ませる方式。 |
クランクケース・ダイリューション |
ブローバイガスによってエンジンオイルが薄められて変質すること。ダイリューションは薄めるという意味。 |
クランクケース・ベンチレーション |
クランクケース内の換気(ベンチレーション)。ブローバイガスを含むクランクケース内の空気を吸気系に送り、クランクケースからブローバイガスが直接外に漏れないようにすること。 |
クランクジャーナル |
クランクシャフトのメインシャフト(主軸)となる部分のこと。ジャーナルは機械用語でシャフト(軸)がベアリング(軸受)で支えられている部分をさす。 |
クランクシャフト |
クランク軸とも呼ばれ、レシプロエンジンでピストンの往復運動を回転運動に変える軸のこと。メインベアリングに支えられており、クランクジャーナルと呼ばれる主軸と、コンロッドが取り付けられるクランクピンとアーム、これと重量バランスを取るためのカウンターウェイトからできている。エンジンの主柱ともいえる部品であり、高炭素鋼で作られ、小さいエンジンには鋳造品もあるが、多くは鍛造品である。 |
クランクスプロケット |
クランクシャフトの先端に取り付けられているスプロケットで、チェーンによってカムシャフトを駆動するタイプのエンジンに使用される。 |
クランクダンパー |
クランクシャフトの先端に取り付けられているトーショナルダンパー。エンジンの膨張行程による回転力がクランクシャフトと共振して発生するねじり振動を抑える働きをする。 |
クランクピン |
クランクシャフトの一部でコンロッドを取り付ける軸のこと。 |
クランクプーリー |
クランクシャフトの先端に取り付けられたプーリーで、これにベルトを掛けて発電機などの補機類を駆動する。 |
グランツーリスモ |
グランドツーリングカーをイタリア語でいったもの。 |
グランドツーリングカー |
ツーリングカーで、特に長距離を快適にドライブするため、高性能エンジンを搭載し、操縦性安定性に優れ、居住性の良いものをいう。グランツーリスモあるいは英語の頭文字をとってGTカーとも呼ばれる。 |
クランプ |
締め具のこと。@部品を取り付け、固定するための締め金。A板金などの手作業をするときに材料の一部をつかむ鋏(はさみ)に似た形の工具。Bしゃこ万力と呼ばれる固定具。Cかすがい |
クリアランスソナー |
超音波センサーをクルマの後方に付けて超音波を発射し、反射して返ってくる往復の時間から後方の障害物との距離を検知し、ブザーやディスプレーによってこれを知らせる装置。バックソナーとも呼ばれる。クリアランスはクルマと壁との間隔を意味する。 |
クリアランスボリューム |
エンジンの燃焼室の体積のこと。 |
クリアランスランプ |
日本では車幅等を意味するが、英語では車幅灯のほかに大型車で夜間、その大きさが分かるように、車体の前後左右の端に近いところに取り付けてあるランプを指すこともあり、その場合(marker lamp,position lampu,side marker lamp)とも呼ばれる。 |
グリース |
減摩油。潤滑油に金属石鹸などの増ちょう剤を加えて常温でのり状になるようにしたもの。温度の高いところでは液状になって潤滑作用を行う。給油の不敏な箇所や高温になる部分の潤滑に使用される。 |
グリースカップ |
グリースが入れられ、潤滑の必要な箇所に取り付けて自動的に給油を行うための容器。 |
グリースガン |
グリースを必要な箇所に注入するための道具。 |
クリープ |
英語でゆっくり進むという意味で、AT車でセレクターレバーがDやRなど走行できる位置にあるとき、アクセルペダルを踏みこまなくてもクルマがゆっくり動くこと。エンジンのアイドリング時にもトルクコンバーターが働いているために起こる現象で、渋滞中にうっかりしていて追突する危険もあるが、ブレーキを弛めるだけでクルマを少し前に進めたり、バックで車庫入れをする時に使うと便利。 |
クリープサージ |
AT車がクリープしてゆっくり動いている状態でエンジンのトルク変動によって発生するサージのこと。サージはクルマが前後方向にガクガクと揺れる現象。 |
グリーンハウス |
温室のことだが、米空軍のスラングとして飛行機のキャビンの意味に使われ、転じて乗用車の車室も意味するようになった。車室のピラーやルーフを含む窓から上の部分に限定していい場合もある。 |
クリスマスツリー |
レースのスタート信号機の意味に使われる。特にドラッグレースのスタートに使われる信号機は、スタート直前に1秒ごとに点灯する3個のアンバー色のランプの下にグリーントレッドのランプが付けられており、クリスマスツリーの名に相応しい。単にツリーとも呼ばれる。 |
グリッド |
格子を意味し、自動車用語としてはレースの格子状に設けられたスタート位置のことで、正しくはスターティング・グリッドという。真横に平行に並ばず、互い違いに斜めの位置に並ぶ場合、スタッガード・グリッドと呼んで区別する。 |
クリッピングポイント |
アウト・イン・アウトのコーナリングを行うときコーナー内側に最も近づくポイント。クリッピングはすれすれに通るという意味のあるクリップからきた言葉。 |
グリップ |
英語でタイヤと路面の摩擦力を表現するのに、しっかりつかむという意味のグリップという言葉を使うが、これが日本語になったもの。アドヒージョンともいう。 |
グリップ走法 |
コーナリングテクニックの一つで、タイヤをスライドさせず接地力(グリップ)をフルに使って走行するもの。ドリフト走行と対比して使われる用語。 |
グリル |
格子あるいは格子状のもの。自動車の部品としてはラジエターグリルや換気用のベンチレーターグリルなどがある。 |
クルーズコントロール |
@低速走行装置。希望する速度にセットすると、ドライバーがアクセル操作をしなくてもその速度を維持してクルマを走行させる装置で、初めてのシステムは1961年にキャデラックにオプションとして装備された。オートドライブ、オートマチック、スピードコントロール、オートクルーズなど様々な呼び方がある。クルーズには自動車で長距離を走行すること。A車速制御に加えて車間距離もコントロールするシステム。先行車との車間距離をセンサーで検知し、スロットルとブレーキをコンピューターで制御して、安全な間隔を保って追随走行することができるもの。 |
クルーズコンピューター・システム |
トヨタの情報表示システムの名称。 |
グルービングツール |
タイヤのトレッドに溝を加工するための電気工具。電気を通すと発熱する特殊な金属の刃とスイッチでできており、刃をゴムに押し付けると通電して刃が熱せられ、ゴムを押し切るようになっている。グルービングは溝を掘ること。 |
グルーブ |
タイヤのトレッド面に刻まれたU字形あるいはV字形の断面をもつ溝のこと。濡れた路面を走行するときの排水とトレッドゴムから生じた熱を放散する機能を持つ。 |
グループA |
競技用のツーリングカー。FISAが定める国際スポーツ法典付則J項に定められる国際的な車両のクラス分けの一つで、4座席以上の大規模生産ツーリングカーをいう。少なくとも5000台の同一規格の車両が連続した12ヶ月間に生産され、FISAの公認を受けていることが必要。速く走るための改造より安全のための改造に重点がおかれている。 |
グループ噴射 |
6気筒以上のガソリンインジェクションで、吸入行程の隣り合う気筒をグループにまとめ、グループごとに燃料の噴射を行うシステム。例えば、6気筒エンジンで3気筒ずつ二つのグループに分ける場合を2グループ噴射、2気筒ずつ三つのグループに分ける場合を3グループ噴射と呼ぶ。同期噴射より噴射弁の駆動回路が簡単。 |
グルーブワンダー |
路面に刻まれたレイングルーブによってクルマの進行方向が乱される現象。レイングルーブの平行に並んだ溝の角とタイヤのトレッドの縦方向の溝のエッジとが干渉して横向きの力が発生し、クルマが振られる。 |
クレイモデル |
自動車のエクステリア(外観)やインテリア(内装)などのデザインを検討するために作られる粘土(クレイ)の模型。実物大あるいは縮小モデルの大体の形を鉄材や木材、発砲スチロールなどで作り、常温では硬いが過熱すると柔らかくなる工業用の粘土を使って精密に仕上げるもので、ときには塗装したり実際に使われる部品が取り付けられることもある。総合的にデザインを検討する場合に作られる。 |
クレーム |
買い手が購入した品物の品質に不満なとき、売り手に対してその不満や苦情を申し述べたり、品物の交換や無償保証修理を請求すること。 |
グレンツァー・インボートジョイント |
トリポード型ユニバーサルジョイントで、ジョイントがスライドし、伸縮するタイプのもの。GIと略される。 |
グレンツァー・エクスターナルジョイント |
トリポート型ユニバーサルジョイントで、ジョイントの左右方向へ動きが固定されているもの。GEと略される。 |
クローズドパターン |
タイヤのトレッドパターン(模様)で溝の部分の少ないもの。 |
クローズドボディ |
箱形の車室をもった車体のことで、車室に固定されたルーフの無いオープンボディと対照的に使われる用語。自動車が普及し始めた1910年代にはエンジンのパワーに重い車体を動かす余裕がなく、ツーリングと呼ばれるオープンボディのクルマだけが作られたが、1920年代に入ると箱形の馬車の流れをくんだ車室のあるクルマが作られ、クローズドボディと呼ばれるようになった。 |
クロースレシオ |
クロースは接近することを意味し、スポーツタイプのクルマやレーシングカーで、エンジンを出来るだけ最高出力回転に近い範囲で使用するため、各段のギヤ比を出来るだけ近づけるように設定したもの。逆に各ギヤ比が離れているものをワイドレシオという。 |
クローバーリーフ・ヘッド |
3バルブまたは4バルブエンジンのシリンダーヘッドで中央にスパークプラグが置かれ、クローバーの葉のようにまわりに吸排気バルブが設置されているもの。 |
グローブボックス |
インストルメントパネルに設けられているグローブ(手袋)などを入れる小物入れ。リッド(ふた)のあるものと無いものがある。 |
グロープラグ |
ディーゼルエンジン燃焼室の予熱装置。ディーゼルエンジンでは空気の圧縮熱によって燃料に着火するので、いきなりスターターを回しても起動せず、グロープラグに通電して800℃以上に加熱し、これに燃料を噴射・着火して始動する。グローは赤熱を意味し、スターターモーターを回す前に予熱スイッチを入れ、警告灯の消灯などで予熱の完了を確認するようになっているのが普通だが、急速グローシステムの開発によってほぼ瞬間的に温度を上げることができるようになり、乗用車用エンジンでは予熱の必要がなくなってきている。 |
グローン |
ディスクブレーキでペダルを弱く踏んだ時に発生することのある200〜300Hzの唸るようなグーグーあるいはギーギーという音のこと。 |
グロス |
光沢や艶(つや)のこと。自動車では塗装面や室内の部品などの光沢をいう。 |
クロスカントリー・レイド |
主として荒野、砂漠、山岳地などを、示された目標物だけをたどって走る冒険的な要素の強い長距離レース。パリ・ダカールがその先駆けとして有名で、パリ・ルカップ、パリ・ペキンなどがあり、ラリーレイドまたはマラソンレイドとも呼ばれる。 |
クロスシャフト |
十字軸。ユニバーサルジョイントに使われる十字型のピン。クロススパイダーと呼ばれる場合が多い。 |
クロススパイダー |
十字軸。ユニバーサルジョイントに使われる十字型のピン。単にスパイダーともいう。 |
クロス掃気 |
2サイクルエンジンの掃気(スカベンジング)を行うのに燃焼室の一方から混合気を入れ、反対側から燃焼ガスを排出する方式。ガスが燃焼室を横切る(クロス)ことから命名されたもので、掃気を効率よく行うため、ピストンヘッドにくさび形のリフレクター(気流を導くもの)が設けられているのが普通。 |
グロスパワー |
グロスは全体のという意味で、運転に必要な付属装置だけをつけたエンジンを台上で運転した時の軸出力のこと。クルマに搭載して使用するのに必要なすべての装置を付け、台上で運転した時の軸出力であるネット(正味の)パワーと対照的に使われる用語。 |
クロスビーム |
建物の支えに使う梁(はり)の中で特に大きな大梁(おおばり)のことで、自動車ではビームの中で比較的大きなものをいう。 |
クロスプライタイヤ |
バイアスタイヤとも呼ばれ、カーカスコードがタイヤの周方向中心線に対してある角度(コード角:通常20〜40度)で交差(クロス)するように、プライを薄いゴムの層を介して交互に貼り合わせた構造をもつタイヤ。重ね合わされたプライが接地面であたかも電車のパンタグラフが動くような形になり、これによってショックを吸収する。ラジアルタイヤに比較し性能特性がマイルドで乗り心地は良いが摩耗は早い。 |
クロスフローエンジン |
吸気系と排気系をお互いにシリンダーヘッドの反対側に配置し、吸入された混合気が燃焼室を横切って(クロスフロー)燃焼ガスとして排出される形にしたエンジン。バルブシートを大きくすることができるので、吸排気効率が良い。 |
クロスフロー式ラジエター |
サイドフロー式ラジエターとも呼ばれ、ラジエターの左右にタンクを置いて水を横に流す方式。ダウンフロー式と比較して、ラジエターの高さを低く出来る利点があるが通水抵抗が大きい。冷却水を一方向に流すのが普通だがラジエターをほぼ中央で上下に区切り、片側の上から水を入れて下から取り出すUターンフローと呼ばれる方式もある。 |
クロスフローファン |
アキシャルファンに対して使われる用語で、流体が羽根車と交差(クロス)して流れるタイプのファンのこと。ターボチャージャーのファンにその例が見られる。 |
クロスメンバー |
車体の強度、剛性を上げるために用いられている部材で、クルマに対して横方向(クロス)に設けられているもの。前部に置かれているフロントクロスメンバーやフロアを補強するフロアクロスメンバーなどがある。 |
クロスリンク式ステアリングリンク装置 |
リジッドアクスルサスペンションに使われるステアリングリンケージで、左右のナックルアームをタイロッド(クロスリンク)で連結し、ピットマンアームの動きを片方のナックルアームだけに伝え、他方のナックルアームも同時に動かす方式のもの。 |
グロメット |
チューブやホースなどがボディや部品のケースなどを貫通する部分に使われるゴムで作られた環状のもの。車室からエンジンルームやトランクルームにワイヤリングハーネスを通すような場合などに使用される大きなものから、チューブレスタイヤ用のリムバルブをリムに固定するときにパッキンとして使われる小さなものまで様々なグロメットがある。いずれも貫通部分の保護や防水などの目的で使用される。 |
け行
計器灯 |
計器盤を証明する灯火。明るさを調整できるタイプのものもある。 |
計器盤 |
メーター類やスイッチ、オーディオシステム、エアコンユニットなどが収納されている部分。 |
軽合金ホイール |
軽量で剛性の高いアルミニウムやマグネシウムなど軽金属の合金を素材として作られたホイールで、それぞれアルミホイール、マグネシウムホイールと呼ばれる。 |
蛍光表示管 |
電子ディスプレイの一種で、三極真空管と同じ原理を使い、フィラメントから放射された電子を、表示するパターンに配置された蛍光体に衝突させて発光させるもの。青緑色発光がほとんどだが、黄橙色や赤色発光もある。真空管なので、他の電子ディスプレイに比較しやや嵩張るのが難点。 |
経済空燃比 |
エンジンを一定の状態で運転しながら空燃比を変えたとき、燃料消費率が最も小さくなる空燃比のこと。普通のガソリンエンジンでは16〜18の範囲にある。 |
形状記憶合金 |
常温で形を変えても、ある温度以上にまで加熱すると元の形に戻る性質をもつ合金。ニッケルチタン系(ニチノール)と銅系の合金がよく知られており、他に鉄や金、銀をベースにしたものなども開発されている。自動車部品用としても採用が検討されているが、量産車への適用は今のところない。 |
軽油 |
原油を蒸留して得られる沸点の範囲が150〜370℃の留分で、ディーゼルエンジンの燃料として使用され、日本では燃料が流動性を失う温度(流動点)によってグレード分けが行われ、気温によって使い分けられている。 |
ケーシング |
@ポンプやトルクコンバーターなど機械を密閉するもの。Aタイヤの骨格を形成するカーカスのこと。 |
ケース・リード |
2サイクルエンジンのリードバルブ吸入方式を略していう。クランクケースに取り付けられているリードバルブを通して混合気を吸入するタイプ。 |
ケーブル |
@繊維や針金をより合わせたロープ。A電線。通常本数をまとめて被覆したもの。 |
ケブラー |
芳香族ポリアミド繊維の一種につけられた名称でアメリカのデュポン社の商標。 |
ケルメットメタル |
軸受に使用される銅と鉛の合金。軸受材料として最も一般的なホワイトメタルに比較して硬く、耐疲労性に優れ、銅の熱伝導の良さと鉛の潤滑作用を兼ね備えていることから高速、高荷重用のベアリングとして使用されている。 |
嫌気性シール材 |
液状ガスケットの一種で、アクリル系の樹脂を主成分とし、酸素のない状態で重合・硬化し、ガスケットとして働くもの。ねじの弛み止めや鋳物の含浸剤などに使われている。 |
減衰力 |
速度に依存し、運動方向と反対向きに働く力。自動車ではこの力をショックアブソーバーの振動を抑制する力、制振力をあらわすのに利用している。速度によって変わるので特にことわらない限りピストンを0.3m/secで動かすのに必要な力としてあらわす。 |
減衰力可変式ショックアブソーバー |
減衰力を変えることのできる(可変)ショックアブソーバーで、弁の開き具合や、オリフィスやポートの大きさを変えることによって減衰力を調整できるような構造のもの。通常ピストン速度の遅い領域をオリフィスで、速い速度領域を弁をコントロールするばねとポートの形状によって制御する。調整方法により、ショックアブソーバーの調整ダイヤルを直接操作するダイヤル調整式、運転席からスイッチによって幾つかの減衰力のレベルが選択できる手動調整式、電子制御によって自動的に減衰力をコントロールする自動調整式に分類される。 |
減速比 |
変速機や動力取り出し装置などの、入力軸と出力軸の回転数の比。エンジンは限られた回転数の範囲で動力を発生するので、クルマが様々な速度で走行するにはギヤを介してエンジンの回転数とトランスミッションの出力軸の回転数とトランスミッションの出力軸の回転数の比、つまりトランスミッションによって減速されるエンジン回転の割合を減速比といい、さらにこの回転がディファレンシャルギヤを経てホイールを回す駆動軸に伝えられたとき、エンジンの主力軸の回転数と駆動軸の回転数の比を総減速比という。 |
こ行
コイルスプリング |
ばね鋼の丸棒を円筒状にまいて作られたばね。力が加わると各部分がねじれて弾性を生じ、丸棒の太さ、巻き数と巻き径でこれをコントロールする。サスペンションに使われるスプリングの主な働きは衝撃力の吸収だがクルマの操縦性安定性、乗り心地や振動騒音特性など基本的な特性を決める重要な部品である。 |
高位発熱量 |
単位量の燃料が完全燃焼したときに発生する熱量で、総発熱量ともいう。 |
光化学スモッグ |
自動車の排気ガスや工場の煙突から排出されるガスに含まれる炭化水素や窒素酸化物が、大気中で強い日光(特に紫外線)の影響を受けて化学反応(光化学反応)を起こし、PANやアルデヒド類など刺激性の強い酸化物(オキシダント)を含むスモッグとなる。これを光化学スモッグと呼び、1940年代中頃に自動車の普及率が高く、地形的にこうした現象が起こりやすいロサンゼルスで発生が認められ、日本では60年代後半から70年代にかけて大きな社会問題となった。 |
光学式カルマン渦エアフロメーター |
カルマン渦エアフロメーターでカルマン渦による圧力変化でミラーを振らせ、この振動を発光ダイオードとフォトトランジスターによって検出するもの。 |
合金化亜鉛メッキ鋼板 |
亜鉛メッキした鋼板を熱処理して表面を鉄と亜鉛の合金にしたもの。 |
剛性 |
物体が力を受けて弾性変形するとき、その変形に対する抵抗の度合いをいい、曲げ変形に対して曲げ剛性、ねじり変形に対してねじり剛性などのようにいう。 |
合成潤滑油 |
化学物質から合成して作られた潤滑油。通常の原油の蒸留によって作られた潤滑油では得られない低温流動性や耐熱性、耐老化性をもち、レーシングエンジンなど特殊な用途に多く使用されている。 |
更生タイヤ |
摩耗したタイヤのカーカスを使用し、トレッドゴムだけを新しくしたタイヤ。摩耗したタイヤのトレッドゴムを削り取り、新たに未加硫ゴムを張り付けて、新品タイヤとして作られたときの金型とほぼ同じ大きさの金型に入れ加硫して作られる。再生タイヤとも呼ばれるが、国内の公式な名称は更生タイヤである。リモールドタイヤ、リトレッドタイヤ、リキャップタイヤともいう。 |
高鮮映性鋼板 |
高級乗用車に使われている塗装表面に反射する映像の歪みを少なくした鋼板。ボディ用の鋼板にはプレス加工がしやすいように細かい凹凸模様が付けてあるが、この模様付けをパルス化したレーザー光によってきめ細かく行い、塗装後の見栄えをよくしたもの。 |
高張力鋼板 |
引っ張り強度が外板に使われる通常の圧延鋼板より大きい鋼板で、熱間圧延によって作られる熱延高張力鋼板と、冷間圧延によって作られる冷間高張力鋼板があり、メンバーやブラケット、バンパーなどに使われている。 |
高度補償センサー |
圧力センサーの一種で、海面高度の違いによる気圧の変化を感知し、エンジンに吸入される空気の密度の変化による空燃費のずれを修正するために使用されるセンサー。 |
勾配抵抗 |
走行抵抗の一つで、自動車が坂を登るときに進行方向と反対向きに働く力。重力の分力で、車両総重量に勾配の正弦を掛けたものとして得られる。 |
降伏点 |
金属の棒を曲げる時、加える力の大きさに応じて棒は曲がるが、ある大きさの力までは力を除くと棒は元の形に戻るものの、それ以上になると曲がりが少し残るようになる。このとき、棒が降伏点に達したという。一般的には、物体に力を加えたときの応力と変形の関係が比例的に変化する弾性限界を超え、変形が始まる点を降伏点と定義し、加えられた力を物体の断面積で割った値などでその大きさをあらわす。 |
後面衝突 |
自動車の後部と他の構造物などの物体との衝突のこと。クルマ同士の場合は追突という。 |
コークボトルライン |
クルマを横から見たとき、コカコーラの瓶(ボトル)のように前後に膨らみをもち、中央部がくびれたシルエットをもつデザインのこと。1960年代のアメリカ車に多く見られる。 |
コーチビルダー |
イギリスで他社のエンジンやシャシーをベースに特別注文のカスタムカーを設計・制作するメーカーのこと。イタリアのカロッツェリアの作るクルマが斬新で流麗なデザインを特徴としているのに対し、高級イメージを強く打ち出している。 |
コーナリング・スティッフネス |
タイヤのスリップ角とサイドフォースの関係において、スリップ角0度におけるサイドフォースの立ち上がり勾配(微分値)をいう。まっすぐに転がっているタイヤの向きを変えた場合に発生する力の大きさの目安となるもので、クルマの操縦安定性に与える影響の大きい要素の一つ。 |
コーナリングパワー |
タイヤのスリップ角とコーナリングフォースの関係をグラフにすると、スリップ角の小さい範囲では直線となる。そこで、@スリップ角1度におけるコーナリングフォースをコーナリングパワーというのが普通だが、慣用で、Aスリップ角0度におけるコーナリングフォースの立ち上がり勾配(微分値)をいう場合や、B直線部分の勾配をいう場合もある。 |
コーナリングフォース |
タイヤがあるスリップ角をもって旋回するとき接地面に発生する摩擦力のうち、タイヤの進行方向に直角に働く成分をいう。スリップ角が一定でコーナリングするとき、円の接線方向に直角で遠心力とバランスした力なので、自動車の運動を論ずる場合にこの力が使われるのが普通。 |
コーナリングランプ |
クルマの旋回方向を照らすランプで、前側面に取り付けられており、ターンシグナルランプと連動して点灯する。保安基準には40m以内の範囲を照射する白または淡黄色の灯火と規定されている。 |
コールドスタート |
排気ガス試験でエンジンが常温の状態(冷えている:コールド)から始動してテストを始めること。通常、エンジンが冷えている状態では空燃比が濃く、燃焼状態も悪い上に浄化装置が十分に働かないのでHCやCOが多く排出される傾向にある。 |
コールドスタート・インジェクター |
電子制御のガソリン噴射で気温が低いときのエンジンのかかりを良くするため、エンジンの温度に応じて始動時にだけサージタンクに燃料を噴射する装置。 |
コールドスティッキング |
エンジンが冷えた状態でピストンリングがリンググループ(溝)に固着していること。 |
コールドタイプ・プラグ |
スパークプラグの先端の放電する部分が受けた熱を発散しやすく、温度が上がりにくい(熱価の高い)タイプのもののことで、冷え(コールド)型のプラグともいう。エンジンの特性や混合気の濃さ、点火時期などの運転条件によっても違うが、高速走行や登り坂走行が多く、回転を上げて使うことの多いエンジンでは燃焼室の温度が高い状態が続くので、プラグは熱が逃げやすいコールドタイプを使う。このタイプのプラグをエンジンを回さない低速走行で長く使うと、放電部の温度が上がらず、不完全燃焼によってできたカーボンが付着して火花が飛びにくくなる。 |
コーンクラッチ |
円錐面(コーン)の摩擦によって動力の伝達を行うクラッチ。同じ大きさで接触面が円盤になっている通常のクラッチと比較して、押し付け荷重が同じ場合、伝達できる動力は大きいが慣性力も大きく、粘度の高い加工や調整が必要。変速機のシンクロメッシュに使われることがある。 |
国際自動車スポーツ連盟 |
FISA(フィザ)。国際自動車連盟傘下で、モータースポーツに関する国際的な取り決めを行う最高機関。各国のモータースポーツを統括する団体(日本はJAF)が加盟している。 |
国際自動車連盟 |
FIA(エスアイエー)。世界各国の自動車連盟が参加している連合組織で、パリに本部がある。日本からは日本自動車連盟(JAF)が加盟している。 |
国際単位系 |
通常SIと略していわれる単位系。国際度量衡総会でメートル条約の加盟国が採用しやすい、国際的に共通な一貫性のある単位として採択されたもので、基本単位、補助単位、組立単位とそれらの10の整数乗倍からなっている。力の単位であるニュートン(N)、圧力や応力の単位パスカル(Pa)などなじみの薄い単位もあり、使い慣れた工学単位系からの移行には抵抗もあるが、自動車技術会ではSI単位の段階的な採用を決めており、将来自動車関係の単位はSIに統一される方向で進んでいる。 |
国際標準機構 |
ISO(イソ)。工学のあらゆる分野で単位や規格の国際的な統一を図ることを目的に結成されている組織。 |
国籍マーク |
クルマが登録されている国を表示するマークで、横長で楕円形のプレートに白地に黒でD(ドイツ)、F(フランス)、GB(英国)などのように略字で示される。特に国境を越えてクルマが移動する機会の多いヨーロッパでは、自国車と他国車の識別を行う必要がある場合を考慮し、このマークの掲示が義務付けられている。日本の国籍マークはJ。 |
コグベルト |
歯付きベルト、歯型ベルト。断面が台形の歯(コグ)をもつベルトで、歯の形に合わせた外周形状をもつ専用のプーリーと組み合わせて使用される。レシプロンエンジンのタイミングベルトがその代表的なものである。グラスファイバーやアラミド繊維の芯をゴムやプラスチックで覆い、成形して作られ、軽量で潤滑の必要のないのが特徴。ゴグドベルトあるいはツースベルトともいう。 |
コックピット |
操縦席。レーシングカーやスポーツカーの運転席。 |
固定型キャリパー |
オポーズドシリンダー型ディスクブレーキのキャリパーのこと。 |
固定ベンチュリー・キャブレター |
可変ベンチュリー・キャブレターに対して使われる用語で、ベンチュリーの変化しない一般的なキャブレターのこと。 |
子供用拘束装置 |
大人用のシートベルトでは拘束できない小さい子供や幼児をシートに固定する装置。 |
コニカルスプリング |
バルブスプリングの一種で、バルブサージングを防ぐため、スプリングを不当ピッチの円錐形にしたもの。 |
コニシティ |
ラテラル・フォースデビエーションの成分の一つで、タイヤを転がしたとき回転方向に関係なく一方向に発生する力。接地面に発生する力が円錐(コーン)を転がしたときのようにタイヤを片方に向けようとする力であることからきたもの。 |
コネクティングロッド |
普通コンロッドと略されている。コネクトは結ぶ、ロッドは棒で連結棒あるいは連接棒とも呼ばれ、ピストンとクランクシャフトを連結するもの。軽量で強度の高いことが要求され、一般のエンジン用は特殊鋼を鍛造して作られるがレース用エンジンではチタンが使われることが多い。コンロッドの両端を、それぞれの大きさから、ピストンとピストンピンでつながれる部品をスモールエンド、クランクシャフトとクランクピンで結ばれる部分をビッグエンドと呼ぶ。 |
小ねじ |
フランス語でビスという言葉で呼ばれるのが普通。めねじを切った穴にねじ込んだりナットと組み合わせて使われ、マイナスドライバーで締め付けるものをすり割りつき小ねじ、プラスドライバーで締め付けるものを十字穴付き小ねじといい、頭の形によって丸、皿、なべなどの種類がある。めねじを使わず穴にねじ込むものはタッピングねじという。 |
コマーシャルバン |
乗用車タイプのバンのこと。ステーションワゴンとほぼ同じ構造のクルマだが、ワゴンは乗員の居住性を重視するのに対し、バンは荷物の運搬に重点を置いて作られた商用車。 |
コミューター |
豊田の登録商標で、通勤や買い物など市街地の近距離専用の小型車のこと。英語では列車で通勤する人を意味し、航空用語では小型機による短距離の定期航空を指す。 |
コムスターホイール |
ホンダのモーターサイクル・チューブレスタイヤ用ホイールの名称。押し出しの高張力アルミで作られたリムにアルミ板材で作られた5枚のスポークを星形に配置してリベットで止めた構造で、コンポジットとスターを組み合わせてコムスターと命名された。量産車にチューブレスタイヤを採用するにあたって、当時のキャストホイールが高価で品質の安定性に問題があったことから開発されたもので、79年のGL500から採用が始まった。 |
ゴムブッシュ |
ブッシュで、二重に作られた金属製の筒や輪の間にゴムを封じ込んだ構造のもの。ラバーブッシュともいう。 |
コメットヘッド |
河流室式ディーゼルエンジンの燃焼室のこと。 |
固有振動数 |
重りを付けたばねに力を加え、この力を除いて自由に動けるようにすると、ばねはその硬さと重りの質量によって決まる固有の振動を始める。この固有振動の1秒あたりの振動数を固有振動数といい、ヘルツ(Hz)であらわす。 |
コラプシブルハンドル |
衝撃吸収式ハンドル。コラプスはつぶれるとかくずれることを意味する。コラプシブル・ステアリングともいう。 |
コラムシフト |
ステアリングコラムに取り付けられたレバーでトランスミッションを操作するやり方。フロアシフトに比較し、ハンドルの近くにシフトレバーがあるので操作は楽だが、リンク機構が長くなるので遊びが大きくなりシフトのフィーリングが良くないのが難点。 |
コールゲートフィン |
ラジエターコアのウォーターチューブに取り付けられ、波型に折り曲げて重ねられている金属のこと。コールゲートは波型をつけること。 |
コロージョン |
腐食。金属が化学的な作用を受けて表面から変質(一般に劣化)していく現象。 |
転がり軸受 |
ベアリングの構造による分類の一つで、内輪と外輪の向かい合った内側に設けられた溝に鋼球を入れたボールベアリング(玉軸受)と、ころを入れたローラーベアリング(ころ軸受)がある。ボールベアリングは主としてトランスミッション、ディファレンシャルなどに、ローラーベアリングはステアリング、ディファレンシャルギヤやアクスル(車軸)などに使用されている。 |
転がり抵抗 |
走行抵抗の一つで、タイヤの転がり抵抗に駆動系の回転抵抗などの損失(伝達効率)やブレーキの引きずりによる抵抗などを加えてもの。荷重、路面状態、タイヤの空気圧などの影響を受け、速度が高くなるにつれて大きくなる。通常、転がり抵抗性能を比較するときの目安としてこの係数を用いる。 |
混合気 |
ガソリンエンジンに吸入される空気とガソリンの混合気。ガソリンの大部分には霧状になって空気中に浮いているが一部は気化している。吸気管に付着し、管壁を伝わって燃焼室に入るガソリンもある。 |
混合給油方式 |
2サイクルエンジンで、ガソリンに潤滑油を混入して給油する方式。2サイクルエンジンでは混合気をクランクケースに吸入するのが普通なので、混合気にオイルを含ませておいて潤滑を行うもの。通常、20〜30:1程度の割合で潤滑油を混入する。ガソリンに対するオイルの量が一定なので、オイルの消費量が多く、排気ガスにHCが多いのが難点。 |
混合潤滑 |
気体や液体によって潤滑を行っているとき、固体同士が接触している境界潤滑と、流体膜によって接触がさえぎられる流体潤滑が同時に起こっている状態のこと。 |
コンシールドワイパー |
ウィンドシールドワイパーで、使用しない時にフードパネルの下に収納されるタイプのもの。前方の視界を良くし、外観をすっきりさせるために高級車に多く採用されている。 |
コンストラクター |
一般に建物や船などを建造する人のことだが、自動車ではレーシングカーの製造者(メーカー)のことをいう。 |
コンソールボックス |
セパレートシートの間のスロアパネルに置かれている箱状のもの。シフトレバーを覆うだけの簡単なものからインストルメントパネルの一部となってオーディオシステムやエアコンの調整装置などが付き、小物入れや灰皿などを取り付けられたものもある。 |
コンタクトブレーカー |
イグニッションコイルに流れる電流を断続してスパークプラグに火花を飛ばすきっかけを作る装置。ディストリビューターのシャフトの回転によって付いたり離れたりする接点(コンタクトブレーカー・ポイント)で電流を断続する。 |
コンタクトブレーカー・ポイント |
ディストリビューターの中にあって、シャフトの回転軸に取り付けられているカムによって電流の断続を行うコンタクトブレーカーの接点(ポイント)のこと。コンタクトポイント、ブレーカーポイントあるいは単にポイントとも呼ばれる。 |
コントローラー |
統制するものを意味し、センサーから入ってくる情報(信号)をメモリーに照らして判断し、アクチュエーターに指令を発する装置で、マイコンが使われるのが普通。 |
コンバーチブル |
直訳すれば変えられるという意味だが、乗用車ではルーフが折りたためる幌付きのクルマのこと。幌が柔らかい帆布や革でできていることからソフトトップとも呼ばれる。 |
コンバインド型パワーステアリング |
リンケージ型パワーステアリングで、コントロールバルブとパワーシリンダーが一体(コンバイン)となってステアリングリンケージの途中に組み込まれているタイプのもの。 |
コンバインドガバナー |
ディーゼルエンジンの燃料の噴射量をコントロールするガバナーの一種で、ニューマチックガバナーとメカニカルガバナーを組み合わせ、低速回転域にはニューマチックガバナーを主として使用し、最高回転の制御にメカニカルガバナーを利用するもの。 |
コンバインド燃費 |
米国でCAFE(カフェ:メーカー平均燃費)を計算するにあたって使用される燃費で、普通にクルマを使ったときの燃費として、都市内走行のシティ燃費55%とハイウェイ走行のハイウェイ燃費45%を合わせ(コンバインド)、両方の燃費の調和平均で計算する。 |
コンパウンド |
混合物、合成物ということから@ワックスに研磨材を入れたもの。塗装の表面の傷を除くのに使われる。Aタイヤのトレッドゴムのこと。 |
コンバックス |
高密度速炎燃焼原理の英語からの造語で、81年のホンダシティに搭載された1231tエンジンの名称。ファンネル(じょうご)形の燃焼室をもち、ボア×ストローク66o×90oという超ロングストロークで10:1という高い圧縮比が特徴。 |
コンビネーションスイッチ |
コンビネーションは組み合わせを意味し、幾つかのスイッチを一つにまとめたもののこと。通常ステアリングコラムに付いているレバーで、ターンシグナルスイッチ、ライトコントロールスイッチ、フロントワイパースイッチなどが一体になっているものをいう。 |
コンビネーションメーター |
速度計、エンジン回転計、燃料計などの計器類やフラッシャー、ハイビーム、各種ウォーニングをまとめて一体に作られたメーター。 |
コンプライアンス |
スティッフネスの逆数。例えばばねをある力Fで引いた時伸びLがFに比例する場合、比例定数をCとすればL=CFの関係が成り立つが、このCをコンプライアンスという。ものの変形しやすさを表し、自動車ではサスペンションのブッシュが柔らかいときにコンプライアンスが大きいというように使われる。 |
コンプライアンス・ステア |
サスペンションはタイヤからの振動を吸収するためゴムのブッシュを介してボディに取り付けられているのが普通だが、タイヤに前後あるいは左右方向に力が加わるとゴムが変形してアライメントが変わり、ハンドルを切った(ステア)のと同じ効果が生じる。形の変わりやすさをコンプライアンスよいうのでこの現象をコンプライアンス・ステアと呼び、1kgfの力が加わった時のステア角deg.であらわす。 |
コンプレックス過給機 |
過給機の一種。円筒の中を両端を開いた蜂の巣状の通路(セル)で区切り、一方に空気の吸入口とインテークポートを、他方に排気口とエグゾーストポートをセットし、円筒をエンジンの動力によって回すと、セル内に吸入された空気がエグゾーストポートから導入された排気によって圧縮され、インテークポートに押し出される仕組みのもの。 |
コンプレッサー |
圧縮機。自動車には様々なコンプレッサーが使われるが、一般にはターボチャージャーやスーパーチャージャーの部品としての圧縮機をいう。ターボチャージャーのコンプレッサーは排気タービンに直結したインペラーというブレード(翼)をもったホイールを回す遠心型コンプレッサーが、スーパーチャージャーでは二個の繭(まゆ)型の断面をもつローターをハウジングの中で回す容積型過給機が多く、いずれもエンジンに吸入する空気を圧縮し、圧力を高める働きをする。 |
コンプレッサー・インペラー |
単にインペラーともいう。インペルは推進するという意味で、インペラーは推進するものということからポンプや扇風機の羽根車を意味するが、ターボチャージャーではコンプレッサーの羽根車の意味だけでなく、これに取り付けられている羽根(ブレード)をさすこともある。 |
コンプレッションリング |
圧力リングともいい、ピストンリングで混合気や燃焼ガスがクランクケースに漏れないようにシールする働きをするもの。気密を完全にし、摩耗を少なくするためコンプレッションリングは2本使われるのが普通で、ピストンの頭に近い方から順にトップ、セカンドあるいはNO.1、NO.2のように呼ばれる。 |
コンプレッションロッド |
サスペンションアームとしてIアームを使うサスペンションで、Iアームの先端とアクスルより後方のボディを結び、ホイールにかかる前後方向の力を後ろから支えるロッド。走行中、タイヤの転がり抵抗によってロッドに圧縮力(コンプレッション)がかかることからこの名がある。 |
コンポジット・プロペラシャフト |
プロペラシャフトは鉄製が一般的だが、CFRP(炭素繊維強化樹脂)やFRTP(ガラス繊維強化樹脂)などの複合材料をチューブに使ったプロペラシャフトが開発されている。軽量であることと、とかく問題になりがちな曲げやねじりの共振点を調整できるという特徴があるが、今のところ高価なことが難点。 |
コンライト |
ランプの点灯、消灯やビームの切り替えを自動的に行うシステム。フォトダイオードなど光センサーを利用し、薄暗くなるとテールランプを、夜間やトンネルに入った際にヘッドランプも点灯する。ビームの切り替えは対向車のヘッドランプを感知して行う。 |
コンロッド |
一般的によく使われるが、コネクティングロッドを略していうもの。 |
コンロッドベアリング |
コネクティングロッドとクランクシャフトを結ぶ滑り軸受。 |