自動車用語集 | ら・り・る・れ・ろ
ら行
ライザ室 |
吸気加熱を行うエキゾーストマニホールドのインテークマニホールドとの接触部分に設けられた空間。温度の低い状態ではここに排気ガスを導いてインテークマニホールドを暖め、温度が上がるとヒートコントロールバルブによって排気ガスの流入を止めるようになっているのが普通。 |
ライズアップ |
ワイパーが停止するとき、作動中よりも大きな角度でウインドシールドの下端まで動いてから止まり、視界を妨げないようにしてあるもの。 |
ライセンスプレートライト |
番号灯。 |
ライトバン |
荷物室が箱型で運転室と一体になっている小型のバン。 |
ライドレート |
タイヤを含むサスペンションのばね定数。タイヤのたわみを無視したホイールレートと対比して使われる言葉。 |
ラグパターン |
ラグパターン |
ラゲージコンパートメント |
乗用車の荷物室。トランク。 |
ラゲージコンパートメント・ドア |
乗用車の荷物室の蓋。ドアのヒンジにはワンポイント式とリンク式がある。ドアを閉じると自動的にロックされるものが多いが、キーシリンダーの付いたプッシュボタンを操作して、キーでロックしない限り自由に開くことのできるタイプもあり、便利さと盗難防止上の安全性のいずれをとるかによって決められる。解錠はドライバーシートの横にレバーを設け、これとつながれたケーブルで行うタイプのものが一般的だが、電磁スイッチによってロックを解除するタイプもある。 |
ラゲージスペース |
荷物室の広さのこと。長距離走行する機会の多い欧米では、荷物を収納できる空間が出来るだけ広いことがクルマ選びの大切なポイントとなっている。 |
ラゲージトリム |
トランクルーム内の見栄えをよくし、ボディを保護するための内装部品のこと。 |
ラゲージルームランプ |
トランク内を照明するランプ。ラゲージコンパートメント・ドアを開くとスイッチが入るようになっているのが普通。 |
ラジアスロッド |
アクスルとボディを結び、前後力を支える棒。 |
ラジアル型インペラー |
ターボチャージャーのインペラーブレードが、シャフトの中心から放射方向にまっすぐになっているもの。バックワード型インペラーに比較し、シンプルで高回転に向き、製造も容易なのでかつてはこのタイプが主流だった。 |
ラジアル式タービン |
単にタービンと呼ばれるのが普通。ターボチャージャーの部品で、排気ガスの力でタービンホイールを回し、発生した回転力でコンプレッサーを回す。タービンブレードが回転軸を中心として放射状に配置されていることからこのように名付けられた。 |
ラジアル隙間 |
ころがり軸受の半径方向の遊びのこと。軸受のはめ合いや、荷重や温度による隙間の変化などを考慮して適当な大きさに決められている。 |
ラジアルタイヤ |
タイヤの周方向中心に対し、約90度の方向に置かれたプライの上に、15〜20度のコード角をもつ剛性の高いベルトを有する構造のタイヤ。ベルトによってトレッドの動きが拘束されることにより、滑らかな路面ではバイアスタイヤに比較して大きなグリップが得られ、ころがり抵抗が小さく、耐摩耗性も良い。しかし、悪路での乗り心地はバイアスタイヤより劣っており、舗装路での低速走行で繋目からのショックを拾いやすい傾向にある。ベルトとしてレーヨンなどの高分子繊維を用いたテキスタイルラジアルとスチールワイヤーを使ったスチールラジアルがある。 |
ラジアル・フォースバリエーション |
タイヤを車軸と路面の間の距離を一定にして転がしたとき接地面に発生する力の変動のうちタイヤの半径方向の成分をいい、RFVと略して呼ばれる。タイヤの縦振れが大きいとRFVも大きい傾向にあり、トレッドの一部分を削ったり、ホイールとの組み付け位置を変え、縦振れを少なくすることによってRFVを小さくすることが出来る。 |
ラジアルベアリング |
ベアリングのうち主として軸に直角な方向の荷重を支えることのできるもの。軸方向の荷重を支えるベアリングはスラストベアリングと呼ばれる。 |
ラジアル・ランナウト |
タイヤの縦振れ。 |
タイヤの縦振れ。 |
水冷式エンジンで熱を空気中に逃がすための装置。タンクを上下に配置し水を上から下に流すダウンフロー式と、左右にタンクを置いて水を横に流すクロスフロー式があって、クロスフロー式はラジエターの高さを低く出来る利点があるが通水抵抗が大きい。車室内の暖房にエンジンの冷却水を利用する装置で、熱源となる部分。 |
ラジエターキャップ |
ラジエターの蓋。冷却水の注入口の蓋としての働きに加え、現在の自動車エンジンのほとんどに採用している加圧冷却システムでは冷却水の制御も行い、プレッシャーキャップと呼ばれる。 |
ラジエターグリル |
グリルは格子窓で、クルマの前端でラジエターの前にある空気取り入れ口のこと。クルマの顔の一部をなすデザイン上重要な部分である。エンジンルームのレイアウトの関係でラジエターが他の部分にあるクルマでもこの部分は慣用でラジエターグリルと呼ばれる。 |
ラジエターコア |
ラジエターの冷却水を冷やす部分のこと。水を通すウォーターチューブと、プレートフィンという薄い金属板や、コルゲートフィンという波形に折り曲げた金属板を重ねて風を通す仕組みになっていて、熱伝導の良い銅やアルミで作られている。 |
ラジエターサポートパネル |
フロントボディの先端にある骨格部材で、ラジエター、ヘッドランプ、ファーストクロスメンバーなどを保持するパネル。 |
ラジエターシャッター |
ラジエターの通風を制限する装置。冬季にエンジンの冷却液の温度が下がりすぎないようにするためのもの。 |
ラダービーム |
ベアリングキャップとオイルパンレールを一体に作ったもので、クランクシャフトを挟んでシリンダーブロックに取り付けられる。剛性の高いはしご型の構造をしていることからこの名があり、ポルシェのV8、プジョーの直4など、欧州車のエンジンに多く採用されている。 |
ラチェット |
つめ車、のこぎり歯車。のこぎりの歯のように方向性を持った歯と、これに?み合った爪を用い、爪の動きによって歯を一方向に送るか、あるいは逆方向に動かないようにする機構。歯を送る働きをする爪をクリック、逆転を止める爪をポールという。 |
ラックアンドピニオン式ステアリングギヤ |
ステアリングギヤの形式の一種。ステアリングシャフトの先にピニオンを取り付け、棒に歯を刻んだラックに?み合わせてピニオンの回転をラックの横方向の動きとし、ロッドを介してホイールの向きを変えるもの。構造が簡単で軽く、ステアリングの剛性が高いので応答性の良いシャープな操舵感が得られる。 |
ラックアンドピニオンリンク式ステアリングリンク装置 |
ステアリングリンケージの一つで、ラックアンドピニオン式ステアリングギヤの左右の端、または中間部に左右のナックルアームにつながるタイロッドを連結して舵取りを行う方式のもの。 |
ラップ衝突 |
オフセット衝突ともいい、障害物に対するクルマの前面の部分的な衝突のことをいう。 |
ラップタイム |
ある区間を走行するのに要する時間。通常、サーキットのコースを1周するのに要するタイムをいう。 |
ラップドベルト |
動力伝達用のVベルトの一種で、繊維製の芯を入れた台形の断面形状のゴムのベルトをゴム引き布で覆った構造のもの。 |
ラテラル・フォースデビエーション |
タイヤを車軸と路面の間の距離を一定に転がしたとき接地面に発生する力のうち、横向きの成分の平均値。特に剛性の高いベルトを持ち、コーナリングスティッフネスの大きいラジアルタイヤでわずかなユニフォミティの狂いによって接地面に力が発生しやすい。タイヤの回転方向に関係なく一方向に発生するコニシティと、ベルトの最も外側のプライの方向と角度の影響を受けて発生することのあるプライステアとの合力で、クルマの直進性に影響を与える。 |
ラテラル・フォースバリエーション |
タイヤを車軸と路面の間の距離を一定にして転がしたとき接地面に発生する力の変動のうち横方向の成分をいう。 |
ラテラル・ランナウト |
横振れ。 |
ラテラルロッド |
リジッドアクスル・サスペンションで片方をシャシーあるいはボディに、他方をビームアクスルにブッシュを介して取り付けられ、横方向に働く力を支える棒。 |
ラバーエレメント |
ワイパーブレードの刃にあたる部分で、天然ゴムやクロロプレンゴムまたは両者をブレンドしたゴムが使用され、その材質と形状によって拭き性能が左右される。 |
ラバーマウンティング |
ゴム製のエンジンマウンティング。その形によってエンジンの重量が主としてゴムの圧縮力としてかかる圧縮型、せん断力としてかかるせん断型、圧縮、せん断の両方の力のかかる傾斜型などに分類され、傾斜型が多く採用されている。 |
ラフアイドル |
エンジンのアイドリングが一定せず、回転変動や振動が大きい状態をいう。吸気系や点火系の異常によって、シリンダーごとやサイクルごとの燃焼状態が異なる場合に発生することがある。 |
ラフネス |
タイヤの不均一性が原因となって発生し、サスペンションを経て車内に伝わる振動で、滑らかな路面を走行しているときに感じられ、サンプよりも周波数が高い。 |
ラベル燃料 |
アメリカで市販されているクルマのモデルごとの公称燃費のこと。その数値を記入したラベルがクルマに貼られていることからいうもの。 |
ラム圧 |
自動車や航空機などが前に進むことによって空気の取り入れ口に生じる圧力のこと。ラムには詰め込むという意味があり、前方の開口部から空気が押し込まれるときに発生する圧力とも言える。 |
ラムダコントロール |
空燃比フィードバック制御のこと。ラムダは空気過剰率を記号であらわしたもので、理論上燃料が完全燃焼する理論空燃比においてはラムダ=1である。三元触媒を使って排気浄化を行っているエンジンでは、酸素センサーを使って常にラムダが1になるように吸入空気量とエンジンの回転数から計算された適正な燃料を供給にしている。一定の運転状態では問題ないが、エンジン回転数の変化する過渡状態や高負荷時にはラムダの値が1より大きく濃い混合気が必要なので、あらかじめコンピューターに様々なエンジンの負荷状態における最適なラムダ値を記憶させ、空燃比をコントロールして燃費と出力のバランスをとるもの。 |
ラムダセンサー |
酸素センサーのこと。ラムダは燃焼理論に使われる場合、空気過剰率を示し、理論上燃料が完全燃焼する理論空燃比にあってはラムダ=1となる。酸素センサーはラムダをチェックするセンサーであることから、酸素センサーをラムダセンサーと呼ぶ。 |
ランオン |
ガソリンエンジンでスイッチを切って点火を止めてもエンジンが回転を続ける現象。 |
ランキンサイクル・エンジン |
蒸気エンジンの代表的な循環過程であるランキンサイクルを使ったエンジン。作動流体を圧縮するフィードポンプ、これを加熱して蒸気を発生させるボイラー、蒸気の膨張によって仕事を取り出すエキスパンダー、排出された蒸気を凝縮させ液体に戻すコンデンサーからなる。 |
ランドートップ |
ランドーは向かい合った座席を持ち、前半部と後半部が別に折りたためる幌の付いた四輪馬車のこと。自動車ではこれから転じて運転席を屋根のないリムジンで、乗客席の屋根が幌になっていて折りたためるようになっているものをランドートップといい、このために付けられているS字形の金具はランドージョイントと呼ばれる。なお、折りたためなくてもルーフの後ろを革張りにしたものをランドートップということもある。 |
ランナウト |
振れ。特にタイヤの振れをいう際に使われる用語。ホイールに軸を固定し、タイヤを1回転させたときのトレッド中心線の動く量であらわす。縦振れをラジアル・ランナウト、横振れをラテラル・ランナウトと呼ぶ。 |
ランバーサポート |
ランバーは腰のことで、腰の後ろの部分をしっかりと保持して運転操作しやすく、長時間のドライブでの疲労を軽減しようとするもの。ランバーサポートはシート内部に設けた空気袋によって行うようにした装置をエアランバーサポートという。 |
ランプ・ブレークオーバー・アングル |
斜路走破角。クルマのうねりの大きい路面の走破性をあらわす数値の一つで、平面上に置かれたクルマを横から見たとき、クルマの重心点を通る鉛直線がフロアと交わる点と、前輪と後輪のトレッド面をそれぞれ結ぶ線が交差する角度のこと。 |
ランフラットタイヤ |
走行中にパンクし、空気圧がゼロになっても60q/h以下の速度であれば100qは走行できるタイヤ。路上でのタイヤ交換作業が不要でスペアタイヤをなくせるメリットがあり、タイヤメーカーの各社が開発に取り組んでいる。ダンロップがデノボという商品名でヨーロッパで市販しているが、特殊なリムを使用すること、バネ下重量が増大するなどの短所もあり広く普及するには至っていない。国内では身障者用特殊車両に使用されている。 |
ランブルシート |
かつてのロードスターやクーペの後ろに付けられた折りたたみ式の補助席。 |
り行
リアクションチャンバー |
反動室。パワーステアリングのコントロールバルブに隣接した小室で油圧がかけられており、ハンドルを切った時に手応えを感じるようにするためのもの。 |
リーディングアーム式サスペンション |
スイングアーム式サスペンションの一種。リードは先に立つことを意味し、車軸が前にあってスイングアームが後ろからタイヤを保持するようになっているもの。 |
リーディングエッジ |
ボンネットの最先端のこと。この部分が鋭く尖っているといかにも空気抵抗が小さそうに見えるが、気流の剥離が起こり、逆に空力的に不都合なので緩やかな曲線にして空気の流れをスムースにする。 |
リーディングシュー |
ドラムブレーキでブレーキシューをドラム内面に押しつけるとき、ドラムの回転方向に対して先の方にシューの支点を置き、手前を作用点としてドラムに押しつけるタイプ。摩擦力が作用すると、自らの発生する摩擦力によってアンカー回りにシューを一層強く、ドラムに押しつけようとするトルクが発生するので、ブレーキの効きが増すという効果が生まれる。逆に手前にアンカーを置き、先を押しつけるタイプのシューをトレーリングシューという。 |
リーディング・トレーリングブレーキ |
ドラムブレーキで、ドラムの回転方向にブレーキシューを押しつけるリーティングシューと、回転方向と逆方向にブレーキシューを押しつけるトレーリングシューを組み合わせたもの。 |
リード蒸気圧 |
燃料の蒸発のしやすさ、安全性の目安となる燃料の蒸気圧で、気体状態の燃料の量と、液体の燃料の量との比が4:1の場合の蒸気圧を、気温37.8℃で測定した際の数値をいう。蒸気圧の高い燃料はペーパーロックやパーコレーションを起こしやすい。 |
リードバルブ方式 |
2サイクルエンジンの吸入機構で、吸気ポートに薄い金属板を置き、片側を固定して混合気をクランク室側にだけ流し、吹き返しを防ぐ方式。高回転になった時のリードの追随性を良くするためFRPやカーボンファイバーなども使用されている。リードが吸気抵抗となるのが難点といわれているが、バルブの大型、軽量化によって改良され、80年代半ば以降吸気方式の主流となっている。 |
リーフスプリング |
板ばね。板状の弾性体をばねとして使うもの。鋼の板を重ねたスチールリーフが一般的だが、プラスチックを素材としたFRPリーフスプリングも実用化されている。リンクの働きもするのでリヤサスペンションとして多く使われてきたが、乗り心地や走行安定性の面で限界があり、乗用車では主流はコイルスプリングに変わってきている。 |
リーン |
二輪車で車体を傾けることで、コーナリングするときのライディング姿勢をあらわす用語として使われ、リーンイン、リーンアウト、リーンウイズの三つがある。リーンインはバイクより内側に身体を傾けてコーナリングし、マシンを出来るだけ立てて安定性を増すやり方でロードレースに見られ、リーンアウトは逆にマシンを押さえ込む形で回り込む方法でモトクロスのラフロードでの旋回に多く使われる。リーンウイズは最も一般的なコーナリング姿勢でバイクの傾きと身体の傾きが同じで人車一体となった基本姿勢。 |
リーンバーン |
希薄燃焼。理論空燃比より薄い混合気を燃焼させること。安定した希薄燃焼が実現できれば排出ガスの浄化と低燃費が同時に達成できるが、薄い混合気は着火性が悪く、燃焼速度も遅いので燃焼が不安定になり、失火しやすくパワーも出ない。希薄混合気を短時間に安定した状態で燃焼させるため、吸気系の機構や燃焼室の形状を工夫して適度なスワールを発生させ、燃料噴射時期の最適化や層状吸気、強力点火などによって確実な着火を行う方法が開発された。解決の難しい問題は、NOxが最も多い空燃比が理論空燃比より少し大きい側にあり、トルクの必要な加速時や高速走行時にNOxが多く排出されることで、これに対する対策がリーンバーンエンジン開発上のネックとなっている。 |
リーンホースメント |
装置や部品の補強に用いられる補強板やこれに類するもののこと。 |
リーンミクスチュア |
混合気に含まれるガソリンが相対的に少ないこと。 |
リーンミクスチュアセンサー |
トヨタのリーンバーンエンジンで排気ガス中の酸素濃度を検出するセンサーの名称。通常の酸素濃度に比例してほぼ直線的に変化するのが特徴で、この特性を利用して空燃比のコントロールが行われる。酸素センサーと同じジニコニア管を使用し、排気管側の電極と大気側の電極との間に電圧をかけ、酸素濃度の変化を電流の変化として検出するもの。 |
リクライニングシート |
リクラインは横たえること。シートバックが後方に倒せるようにしてある座席。 |
リグルーブタイヤ |
トレッドゴムが摩耗し、溝の浅くなったタイヤで、専用の工具を使って溝を掘り増しするもの。あらかじめ溝の下のゴムを厚く作られた大型タイヤで、トレッド寿命を延ばすために使われることのある方法。 |
リサーキュレーティングボール式ステアリングギヤ |
ステアリングギヤの形式の一種で、ボールスクリュー式あるいはボールナット式とも呼ばれ、乗用車から大型トラックまで広く使われている。リは反復・強意をあらわす接頭語でサーキュレーディングは循環を意味し、ボルトとナットの組み合わせで、ナットの溝の中に多数の鋼球を入れると滑らかに動くようになり、ボルトの回転運動をナットの往復運動に変えることが出来るという原理を利用したもの。ボールナットの側面に歯を付けておき、このギヤがセクターと噛み合ってピットマンアームを動かし、操舵を行う。 |
リサーチオクタン価 |
ガソリンのオクタン価で、実験室オクタン価測定法の一つである。リサーチ法によって求められたもの。軽荷重のファミリーカーのエンジンや低速走行時のエンジンのアンチノック性をあらわすとされ、通常、オクタン価というとこのリサーチオクタン価を指す。 |
リザーバータンク |
液体を満たした系で温度の変化により液体の体積が変わる場合に取り付けられている。ラジエターからあふれた冷却水を収容したり、不足する液を補充するタンクがその例。ブレーキ液、クラッチ液、ラジエター液、パワーステアリングのオイルなど自動車には多くのリザーバータンクがあり、エキスパンションタンクとも呼ばれる。 |
リザーブタンク |
補助タンク。通常、二輪車で、主燃料が空になった際にコックを切り換えて使われる補助燃料タンクをいう。 |
リジッドアクスルサスペンション |
車軸式懸架装置。単にリジッドアクスルとも呼ばれる。両端にホイールを付けた車軸をスプリングを介して車体に取り付けるタイプのサスペンションで乗用車では後軸に多く採用されている。スプリングとしてリーフスプリングを使う平行リーフスプリング式、コイルスプリングとリンクを組み合わせたリンク式、車軸としてクロスビームを使うトーションビーム式など多くの種類がある。構造が簡単で強く、ホイールが上下に動いた際のトレッドやキャンバーの変化は比較的少ないが、重いのでばね下重量が大きく、左右車輪の動きが達成するので乗り心地や操縦安定性の面からは不利。 |
リターダー |
常用ブレーキの補助として使われるブレーキの総称。排気ブレーキ、電磁式リターダー、流体式リターダーなどがあり、トラックやバスなどの大型車に採用されている。 |
リダクションスターター |
普通のスターターモーターではモーターの回転子の先端に付けられているピニオンギヤがフライホイールのリングギヤを直接駆動し、ギヤ比はほぼ10対1となっている。リダクションは減速の意味。高速回転型のスターターモーターを使いギヤでその回転を約三分の一にし、力を強くしてピニオンに伝えてエンジンの始動性を良くする。 |
リッターカー |
排気量がほぼ1リッターのエンジンが搭載されている乗用車。当初排気量900cc台のエンジンのクルマを呼んでいたが、現在ではベース車が1000cc〜1300ccでスポーティーなモデルが1600cc程度までのエンジンを積んだ、各自動車メーカーの最も小型のモデルまで含めていう場合が多くなっている。 |
リッチミクスチュア |
混合気に含まれるガソリンが相対的に多いこと。理論空燃比を基準にいわれるのが普通。 |
リッド |
蓋のことで、トランクルームやサンルーフを覆う蓋を指す用語として使われる。サンルーフのガラス製のものをガラスリッド、金属製のものをメタルリッドと呼ぶ。 |
リテーナー |
ベアリングやオイルシールなどが外れないように支える部品。 |
リトラクタブルヘッドランプ |
リトラクタブルとは引っ込められるという意味。普段フェンダーやフロントグリルなどに収納されており、必要な時だけ覆いを外して点灯するタイプのヘッドライト。ライトのスペースが少なくてすみ、スマートなデザインが可能で、空気抵抗も低減できるというメリットがあり、スポーツカーに多く採用されている。 |
リニアアシスト・パワーステアリング |
ホンダの車速感応型パワーステアリングで、油圧モーターが車速センサーの働きをし、操舵力を決めるシステム。車速が上がるにつれてモーターの回転が速くなって油圧が高まり、その結果ハンドルが重くなるようになっている。 |
リバース位置ウォーニング |
シフトロックシステムの一つで、シフトレバーをバックに入れると警報音が鳴るようになっているもの。 |
リバースギヤ |
クルマを後退させるためのギヤのこと。バックギヤとも呼ばれるがこれは和製英語。 |
リバースステア |
コーナリング中のクルマで、はじめアンダーステアであったステア特性が途中からオーバーステアに変わること。一般にクルマのステア特性は弱いアンダーステアだが、急激なコーナリングを行った場合、主としてアライメントの変化によってオーバーステアに変わることがある。 |
リバースホップ |
リバースギヤで急発進時に起こるホッピングのこと。 |
リバースミスシフト防止装置 |
前進中にギヤがバックに入ると危険なのでシフトの作動メカニズムの中にこれを防ぐ装置が仕組まれており、手動変速機は中立位置からでないとリバースに入らない構造や、チェンジレバーを上に引き上げたり下に押しながらリバースにシフトする構造となっている。自動変速機でもレバーに取り付けられたボタンを押すなどの特別な操作をしないとリバースにシフトできない。 |
リバウンドストッパー |
サスペンションが一杯に伸びたときにサスペンションの動きを規制し、ショックを小さくするために設けられている緩衝材。 |
リバウンドストローク |
ホイールが基準となる位置からばねの伸びる方向に動くことのできる距離。 |
リフトバック |
トヨタのハッチバックの登録商標。 |
リブパターン |
リブは肋骨からきた言葉で、タイヤのトレッドに、横方向に対する滑り止め効果が大きい、まっすぐかジグザクの連続した溝を持つパターン。舗装路用として最も一般的に見られ、他のパターンに比較して濡れた路面での排水性が良く、騒音が低い。 |
リブラグパターン |
タイヤのトレッドパターンでリブパターンとラグパターンの両方のパターンを同時に備えたタイヤ。 |
リフレクター |
反射板。夜間、灯火の消えているクルマを視認しやすくするため、光を当てると赤や橙色の反射光を発するもの。正確にはリフレックス・リフレクターという。 |
リミテッドスリップデフ |
差動制限装置。ノンスリップデフとも呼ばれ、LSDと略される。駆動輪の片側のタイヤがむかるみに入るなどしてグリップを失うと、ディファレンシャルギヤの働きによってタイヤは空回りし、クルマを動けなくなってしまう。この現象を防ぐために、左右の駆動軸の回転速度の違いを制限したり、場合によってはロックするためのメカニズムを備えたデフのことをいう。差動抵抗を発生させるのにギヤやクラッチを使う摩擦式LSDと、回転差を利用する回転数感応式LSDとがあり、摩擦式はさらに予圧式、多板式、トルク比例式などに分類される。 |
リム |
ホイールの一部で、タイヤが取り付けられている部分。タイヤと同様に、国際性の強い自動車部品なので各国に共通した規格が決められており、JIS規格には自動車用、産業車両及び建設車両用、農業機械用がある。形状と構造によって軽自動車や産業車両に多く使われる二つ割りのリム、ほとんどの乗用車が使っている深底リム、トラック用の浅底リムなどに分類される。 |
リムサイズ |
リムの呼びは14×5Jのように、リム径の呼び(インチ)×リム幅の呼び(インチ)フランジの形をあらわす記号であらわされる。 |
リムジン |
運転席と後ろの座席の間が仕切られている6〜8人乗りの運転手付き高級車をいう。 |
リムタッチ |
リムのフランジが路面に触れること。タイヤの空気圧が低い状態でシビアなコーナリングをした時などにタイヤが大きく変形して、フランジが路面に接触することをいう。 |
リムフランジ |
リムの縁に相当する横の部分をいい、タイヤのビード部を側面から支え、リムに保持する働きをするもの。ビードフランジとも呼ばれ、浅底リムや広幅平底リムの取りはずせる側のリムフランジはスプリングフランジあるいはサイドリングとも呼ばれる。 |
リモートコントロール |
フロアシフトでリンクやケーブルを介してシフトを行う方式で、ケーブルを使うシステムをプッシュプルタイプといい、FFのAT車に多く採用されている。リンク機構を使ったシステムはリンケージタイプと呼ばれ、シフトレバーとトランスミッションの位置関係に制限を受ける。 |
リモートコントロールミラー |
アウターミラーで室内からミラーの角度を調整できる構造になっているもの。室内のレバーを動かし、リンク機構によって動きを伝えるリンク式、ミラーの背後に3本のワイヤーを取り付け、これをノブで操作する3線ワイヤー式、2個の小型モーターによって上下と左右にミラーの向きを変える2モーター式がある。 |
リモコンミラー |
リモートコントロールミラーを略していったもの。 |
リヤウインド |
後方の窓のことで、バックウインドとも呼ばれる。強化ガラスが使われるのが普通だが、合わせガラスを使用するクルマもある。 |
リヤウインドワイパー |
リヤウインドに付けられたワイパーで、後方の視界を確保するためのもの。 |
リヤエンジン・リヤドライブ |
エンジンを後ろに置き、後輪を駆動する方式。フロントエンジン・フロントドライブを逆にレイアウトした形なので、FF方式の場合と同じく客室は大きく出来るが、フロントのトランクルームはスタイリング上の制約を受けFF車ほど大きくは取れない。駆動輪にしっかりと荷重がかり、ハンドルは軽く、騒音源のエンジンは後ろにあるのでイージードライブと居住性の観点からいえば優れたレイアウトで、VWビートルで広く普及した。短所は後輪に集中する荷重のためクルマがオーバーステア傾向を持つことで、サスペンションが適切でないと操縦性安定性に問題が起こりやすい。現在はこの方式を採用しているクルマは少なくなっている。 |
リヤコンビネーションランプ |
クルマの後部に付けられているランプ類を一体にしたものの総称。テールランプ、ストップランプ、ターンシグナルランプ、バックアップランプなどのランプや反射板のリフレクターなどからなる。 |
リヤパーソナルランプ |
セダンやリムジンなどの後席に設けられている書類や本を読むための照明。 |
リヤピラー |
乗用車の左右後部にあってルーフとリヤウインドを支える柱。 |
リヤフォグランプ |
安全のためクルマの後ろに取り付けられているフォグランプ。霧や霧雨、吹雪など視界の悪いとき、視認性の良いフォグランプが後ろについていると、後続車にわかりやすいので、安全のためこのような天候の多い地方で装備される。 |
リヤボディ |
ボディシェルの後ろの部分をいう。 |
流体クラッチ |
流体継手とも言われる。ドーナツ形のケースの中に羽根をもったクルマを向い合せにセットしてオイルを満たし、一方を回すとオイルの流れる力によって他方も回転する仕組みの装置。AT車に使われるトルクコンバーターと似たメカニズムなので混同されやすいが、トルコンにはポンプ車とタービン車の間にオイルの流れをコントロールする第三の羽根車がある。初期のAT車や軽自動車に使われたが、回転差が大きいとオイルが乱流を起こし伝達ロスが大きく今日ではあまり使われない。 |
流体式リターダー |
大型車の補助ブレーキとして使われるリターダーの一種。トランスミッションブレーキと呼ばれ、流体クラッチと似た構造のローターとステーターを向い合せに置いてオイルを満たした構造で、ローターを回転させてオイルをステーターに送り込むとローターに回転抵抗を生じてブレーキ力が発生するもの。 |
流体潤滑 |
接触して相対的に運動している固体の間に気体や液体の膜を作り、この流体膜の圧力によって固体表面同士が直接に接触しないようにすること。潤滑しているにもかかわらず流体膜の厚さが薄く、固体同士が直接接触している状態を境界潤滑、接触面の一部が境界潤滑、他の部分が流体潤滑になっている状態を混合潤滑といって区別している。 |
リリーフバルブ |
逃がし弁。流体の圧力を設定された値に保ち、余分な流体をタンクなどに戻す働きをするもの。自動車では油圧ポンプと組み合わせて油圧回路に使われる場合が最も多い。 |
リレーロッド |
アイドラーアームが使用されているステアリング装置のリンク機構で、左右に分割されたタイロッドを結んで力を伝達するロッドのこと。 |
理論空燃比 |
燃料が完全燃焼するのに理論上必要な空気と燃料の重量の比。 |
理論熱効率 |
理論計算上の熱効率で、エンジンに供給された熱量と取り出された熱量の差を供給された熱量で割ったもの。 |
理論平均有効圧力 |
エンジンの1サイクルで理論計算上得られる仕事を行程容積で割ったもの。 |
リングエキスパンダー |
ピストンリングの内側に付けられ、ピストンリングを押し広げてシール効果を増す働きをするもの。 |
リングキャップ |
ピストンリングはリンググルーブにはめ込むためにその一部が切断されており、この部分をリングギャップと呼ぶ。合口が縦に切られているバットジョイント、斜めに切られているアングルジョイント、合口に段が付けられているラップジョイントなどがある。 |
リンググルーブ |
リング溝とも呼ばれ、ピストンの上部周囲に設けられている溝で、ピストンリングを保持する。そこに余分なオイルをピストン内に流す穴が開けられている。 |
リンク式リジッドアクスルサスペンション |
リジッドアクスルサスペンションで車軸をコイルスプリングによって支え、リンクによって位置決めする形式のサスペンションで、平行リーフスプリング式サスペンションのリーフスプリングを、コイルスプリングにすることによってフロアが低くなり、乗り心地が向上する。 |
リンケージ型パワーステアリング |
パワーステアリングの形式の一つで、コントロールバルブとパワーシリンダーがステアリングリンケージの途中に組み込まれているタイプのもの。コントロールバルブとパワーシリンダーが一体になっているものをコンパクト型パワーステアリング、別になっているものをセパレート型パワーステアリングと呼ぶ。バスやトラックにはコンバインド型が多く採用されている。 |
る行
ルーツ型過給機 |
容積型過給機の一種で、圧縮機にルーツ型コンプレッサーを利用する過給機。メカニカルスーパーチャージャーとしては最も長い歴史を持っている。 |
ルーツ型コンプレッサー |
2個または3個の同じ繭の断面形を持つ回転子が互いに向き合って回転し、入口から入った空気の圧力を高めて送り出すポンプ。 |
ループスカベンジング |
2サイクルエンジンで掃気が行われているときに燃焼室内でガスの流れが縦方向のループを描くこと。 |
ループ掃気 |
2ストロークエンジンの掃気方式の一つ。シリンダー壁に掃気ポートを設け、ここから排気ポートと反対側のシリンダー壁に向かって新気を送って反転させ、燃焼ガスを排出するもの。反転掃気あるいはシュニーレ式掃気とも呼ばれる。 |
ルーフトップアンテナ |
ルーフに取り付けられている棒状のアンテナで、回転式のヒンジによってポールの傾きが変えられるようになっているもの。 |
ルーフラック |
屋根の上に荷物を積むための用具。雨どいで荷重を受けるドリップ式と、屋根で支えるカップ式があり、ルーフキャリアとも呼ばれる。 |
れ行
冷間圧延鋼板 |
強度部材以外の車体の大部分に使用されている厚さ0.5o〜1.4oの比較的薄い鋼板で、略して冷延鋼板と呼ばれる。熱間圧延鋼板をロールで冷間圧延し、規定の厚さにして焼きまなし処理を行ったもの。 |
冷却系 |
冷却装置のうち、特にエンジン回りの装置やシステムをいう。 |
冷却装置 |
エンジンや駆動系など機械装置を冷却して運転に適した温度範囲に保つシステム。エンジンは冷却装置によって、冷却水を循環させて冷却する水冷式エンジンと、外気で直接エンジンを冷やす空冷式エンジンに分類される。 |
冷却損失 |
燃料の燃焼によって発生した熱エネルギーのうち、燃焼室やシリンダーの壁面から失われる熱量で、水冷エンジンの場合そのほとんどが冷却液に放熱され、その熱量は全エネルギーの20〜30%といわれる。 |
冷却ファン |
送風機。2〜3枚の金属板や合成樹脂を成形した羽根を回し、ラジエターに通風してこれを冷却する。ウォーターポンプと同じ軸に付けたプーリーで駆動するものと、エンジンと離れた位置に置いて電動モーターで駆動するものとがある。 |
冷却フィン |
空冷式エンジンのシリンダーなど、装置を冷却する目的で付けられているひれ状のもの。 |
冷凍サイクル |
カークーラーに利用されている冷媒の潜熱を利用して低温状態を作るシステム。冷媒ガスはコンプレッサーで高温・高圧の状態となり、コンデンサーでラジエターファンによって冷却され液化する。この液状の冷媒はエキスパンションバルブで膨張し霧状になってエバポレーターに導かれ、ここで周囲から熱を奪ってガス状になりコンプレッサーに戻される。この繰り返しのなかでエバポレーターに風を送って冷気を得るもの。 |
レイノルズ数 |
流体の流れは流体の持つ慣性力と粘性力によって決まることが1883年にイギリスのレイノルズによって発見され、定常的な流れの状態を両者の比であらわしたものをいう。 |
冷媒 |
カークーラーの冷凍サイクルで熱輸送に使われる物質。カーエアコンに使われる代表的な冷媒はフロンR12だが、フロン規制により様々な代替冷媒の開発が急がれている。 |
レイングルーブ |
ハイドロプレーニングが発生しにくいように舗装路面に刻まれている排水用の溝。特に路面のきめの細かいコンクリート舗装の高速道路に多く見られ、幅、深さともに3o程度の溝が20〜30oのピッチでクルマの走行方向に掘られているのが普通。この溝によって横方向のタイヤの滑り抵抗は大きくなるが、クルマが横に振られるグルーブワンダーが発生することがある。 |
レインタイヤ |
濡れた路面を走行するためのレーシングタイヤ。ウェット路面ではタイヤと路面の間の水を効率的に逃し、水膜を切ってトレッドゴムを路面に密着させることが重要。そこでスリックタイヤよりもトレッド幅が狭く、排水性の良いストレートグルーブを持ち、ウェットグリップの良いコンパウンドのタイヤが使われる。 |
レーサー |
一般に自動車、自転車、飛行機など乗り物によって競争を行う人、あるいはその乗り物をいい、特にサーキット走行専用の二輪車またはその乗り手をいうことが多い。なお、レース専用に開発された二輪車で、一般に販売されているものを市販レーサーという。またスタイリングやエンジンにレーサーのイメージを持たせ、一般公道を走行できるようにした量産車はレーサーレプリカと呼ばれる。 |
レーザー |
位相のそろった同じ波長の収束性の良い光あるいはこの光を発生する装置をいい、狭い面積に高い密度の光エネルギーを集中するもの。誘導放出は励起状態にある原子が外から来た光に刺激されて光を出す現象のことで、使われる媒体やその形態によって気体レーザー、固体レーザー、半導体レーザーなどがある。 |
レーザー処理 |
レーザーの高エネルギー密度のビームを用いて材料の加工を行うこと。自動車部品の加工には、レーザー媒体に炭酸ガスを使ったCO?レーザーや固体レーザーの一種であるYAGレーザーで歯車類や車体の薄板鋼板を溶接するレーザービーム溶接や、レーザー光線を熱処理に使うレーザー焼入れなどの技術が利用されている。 |
レーシングカー |
レーサーともいい、競争専用の自動車。クルマの性能とドライバーの運動能力を競うために作られ、一般公道は走れない。 |
レース |
ころがり軸重で、ボールやローラーを挟んでころがる輪のこと。外側のレースをアウターレース、内側のレースをインナーレースと呼ぶ。同時にスタートする参加者がそれぞれの速度を競う競技または競技会のこと。FIA国際スポーツ法典では、速度が順位判定の決定的要素となる競技と定義されている。 |
レーンアウト・ウォーニングシステム |
自動車専用道路でクルマがウインカーを出さずにレーンマークを横切ろうとした時音声でこれを警戒する装置。リヤビューミラーの前に超小型カメラを置き、コンピューターによる画像処理でレーンマークを検出してマークとクルマとの距離を監視し、居眠りやわき見運転によってクルマが走行レーンから外れる危険を防止するもの。 |
レーンチェンジ |
走行車線を変えること。車線乗り移り性能試験をレーンチェンジ試験といい、クルマの操縦性安定性を操舵に対する応答性や車線を変えた後の落ち着きなどで評価する。 |
レオスタット |
調光器。計器類の照明の明るさを調節する装置。 |
レギュレーター |
調整機器の総称。液体や気体の流量を調整する調整弁、回転速度をコントロールする調速機など各種の調整を行う装置をいう。潤滑系の油圧を一定の範囲内に維持するオイルプレッシャー、レギュレーター、LPG自動車でLPGを減圧、気化、調整するLPGレギュレーター、窓の開閉を行うウインド・レギュレーターなどがその例。 |
レクリエーショナルビークル |
再生を意味する言葉からきたもので、スポーツやゲームなど野外のレクリエーションのために主として使われるクルマのこと。オフロードを走るため4WDにしたものや簡単な炊事のできる設備を備えたものもある。 |
レシプロエンジン |
機械の往復運動のこと。ピストンの往復直線運動を円運動に変えるクランク機構を使って、混合気の爆発力を回転運動に変換して動力を得るエンジン。 |
レシプロタイプ・コンプレッサー |
カークーラーのコンプレッサーで、ピストンの往復運動によって冷媒を吸入・圧縮するタイプのもの。容量が大きく、比較的大型の乗用車に使われており、スワッシュタイプ・コンプレッサーがその代表的なもの。 |
レスポンス |
一般に応答や反響のことだが、自動車用語としてはドライバーのアクセル操作に対するエンジンの応答性や、ステアリング操作に対するクルマの反応をいう。 |
レゾネーター |
共鳴器。吸排気系の特定周波数の音を共鳴を利用して低減する装置。吸排気管を低減しようとする周波数と数式から導かれる寸法・形状とするか、あるいはそのような共鳴器を吸気管あるいは排気管へとつなぎ、ヘルムホルツの共鳴の原理によって音を小さくするもの。 |
列型燃料噴射ポンプ |
ディーゼルエンジンの燃料ポンプの一種で、各シリンダーごとにプランジャータイプのポンプを設けて燃料を圧送するもの。現在使用されている列型ポンプはボッシュ社の基本設計によって作られたものがほとんどで、細部の仕様によってA・B・P型などがあり、大型トラックやバス用のディーゼルエンジンはこのタイプを使うのが普通。 |
レッグルーム |
乗員の足元のスペースのこと。室内寸法の一つで、規格によって測定方法に違いがある。リヤの居住性の良否は、このレッグスペースの大きさが重要なファクターとなっている。 |
レッドゾーン |
エンジンの回転数を表示するタコメーターで赤く塗られた部分をいい、指針がこの中にあれば、そのエンジンが許される回転数を超えて回っていることを示す。レッドゾーンに隣り合って手前に黄色に塗られた部分のあるメーターもあるが、この部分はイエローゾーンと呼ばれ、エンジンの回転数が許容限界に近いことをあらわす。 |
レバー比 |
ホイールが上下に動く距離とスプリングの伸縮量との関係を示すもので、ホイールストロークの二乗をスプリングのたわみ量の二乗で割った数値であらわされる。 |
連桿比 |
コネクティングロッドの長さと、クランクアームの長さの比。クランクピンの軸心からピストンピンの軸心までの距離と、クランクシャフトの軸心までの距離の比でもある。 |
連結クランクキャップ |
クランクシャフトのベアリングキャップを連結したもの。通常、シリンダーごとに別に取り付けられているベアリングキャップを一体化し、ベアリングキャップが倒れるのを防ぐ効果を狙ったもの。 |
レンダリング |
建築物の完成予想図の意味を転用した用語で、クルマのアイディアスケッチに雰囲気や材質感なども加えて最終的な完成車として描かれたもの。実物大に描かれたものをフルサイズ・レンダリング、縮小して描かれたものをスケール・レンダリングと呼んでいる。 |
レンチ |
ボルト、ナットやパイプなどをねじる工具の総称。 |
連絡孔面積 |
副室式ディーゼルエンジンで、主燃焼室と副燃焼室をつなぐ通路の断面積のこと。 |
ろ行
ロアアーム |
上下で一対になっているサスペンションアームのうち、下に取り付けてあるもの。ロアコントロールアームあるいはロアリンクともいう。 |
ローエッジベルト |
V字形の溝を持つプーリーをつないで動力を伝えるVベルトの一種で、ゴムや芯材を重ねて作られ、材料の端の一部が露出しているものをいう。 |
ローギヤ |
マニュアルシフトで発進するときに使われるシフト位置。 |
ローギヤード |
ファイナルギヤの減速比を大きくして、同じエンジン回転数で駆動力を強くしたものをいい、減速比を小さくして速度を高めたハイギヤードと対比して用いられる用語。 |
ローズジョイント |
スフェリカルジョイントのことで、ローズ社が英国で最も早くスフェリカルジョイントを製造販売したことから通称名となった。 |
ローター |
回転体という意味から、自身の軸を回転軸としての回転する機械要素。モーターやタービンの中央にあるもの。ロータリーエンジンで燃料ガスの膨張力を回転力に変える三角のおむすび形の部品。レシプロエンジンでピストンとコンロッドの働きをすると同時に、ローターハウジングの中を回転することによって吸排気バルブの働きもする。三角の頂点にアペックスシール、側面にサイドシール、オイルシール、コーナーシール、中心にサイドハウジングに固定される固定歯車が取り付けられている。 |
ローターハウジング |
ロータリーエンジンのハウジング。内面をローターのアペックスシールが気密を保ちながら滑って行き、吸入から排気に至る各行程が同じ箇所で行われるのでハウジングの各部分の温度や受ける圧力が異なるなど使用条件がシビアで、材料の選択と加工に特殊な技術が要求される。 |
ロータリーエンジン |
クランクを用いず、混合気の爆発力をローターによって直接回転力に変えて動力を得るエンジン。自動車用としてはドイツのバンケルによって実用化され、マツダで量産されたものが最も普及しており、繭の形をしたローターハウジングと、三角形のおむすび形のローターとの間に三つの三日月形の作動室が形成され、ローターの回転に伴ってこの作動室の容積が変化し、吸入→圧縮→膨張→排気の行程が連続して行われる。レシプロエンジンと比較し、クランク機構と吸排気バルブ機構がないため小型、軽量でシンプルという特徴を持つが、燃焼室が偏平で完全燃焼が得にくく、シール機構が複雑なためオイル消費量が多い。 |
ロータリーコンプレッサー |
カークーラーのコンプレッサーで、回転運動によって冷媒を吸入・圧縮するタイプのもの。レシプロタイプ・コンプレッサーに対比され、スクロールコンプレッサーがその代表的なもの。 |
ロータリーディスクバルブ方式 |
2サイクルエンジンの吸入機構で、クランクシャフトに直結した切り欠きのある円盤によってクランク室の側面に設けられた吸入口を開閉して行うシステム。切り欠きの角度によって吸気のタイミングをコントロールでき、吸気効率も良いが重量が重く構造がやや複雑になるのが難点とされ、80年代後半から見られなくなっている。 |
ロータリー・トリブレード・カップリング |
トヨタのフルタイム4WDのセンターデフに使用されている継手で、シリコンオイルの中に置かれたトリブレードと呼ばれる3枚羽根の薄いスクリューの形をした円盤と湿式多板クラッチを組み合わせたもの。トランスファーとリヤデフの中間に配置されており、前後輪に回転差が生じるとトリブレードが回転してシリコンオイルに圧力が発生し、ピストンが湿式多板クラッチをつないで自動的にトルク配分を行う。 |
ロータリーピストンエンジン |
ロータリーエンジンのより正確な呼び方。 |
ロータリーリードバルブ方式 |
2サイクルエンジンの吸入機構で、リードバルブ方式とロータリーディスクバルブ方式を併用し、低〜中回転ではリードバルブ方式によって、高回転時にはリードバルブを開いたままにしてロータリーディスクバルブによって吸入を行うシステム。 |
ロードインプレッション |
クルマを一般道路で走らせたとき、ドライバーが受けた感じのこと。自動車専門誌などで新型車などの試乗レポートの意味としてよく使われる。 |
ロードクリアランス |
路面とクルマの底の間の余裕のことで最低地上高と訳されている。グランドクリアランスとも呼ばれ、乗用車では150〜180oが普通。ただしことわりの無い場合、空車状態の数値で示され、積車状態やタイヤの空気圧が低い場合この値より小さくなる。 |
ロードスター |
2座席幌つきの乗用車。 |
ロードノイズ |
道路表面の凹凸によって発生する騒音で、つなぎ目などの突起を乗り越えたときに発生するハーシュネスを含まることもあるが、通常、砂利道や荒れた舗装路を走行するときに速度に関係なく聞こえるゴーという音と、敷石路やレイングルーブのある路面などの一定間隔のある路面を走行した時に、特定の速度でサスペンション系と車体が共振して発生する音をいう。 |
ロードホールディング |
クルマの接地性のこと。タイヤが路面をしっかりとグリップし、安定した走行が出来る感じをいう。 |
ロードレーサー |
サーキット走行専用の二輪車のロードレース用マシン、又はその乗り手のこと。 |
ロードレンジ |
タイヤ強度をあらわすのに使われるアルファベット記号。 |
ロードノア |
ロードノイズの一種で、砂利道や荒れた舗装路を走行するときに速度に関係なく聞こえるゴーという音。タイヤの振動特性、サスペンションの振動特性、車室の音響特性などによって音の大きさや周波数が決まり、ラジアルタイヤでは100Hz以下の周波数で車内音が大きい。 |
ローブ |
カムの出っ張ったバルブを押す部分のこと。 |
ロープロファイルタイヤ |
プロファイルは側面の輪郭を意味し、タイヤの断面が低く偏平な形のタイヤのこと。通常、偏平率が60%より小さいタイヤをいう。偏平タイヤ、ワイドタイヤとも言われ、タイヤの偏平化によってコーナリングフォースの最大値が大きくなると同時に、駆動・制動力によるコーナリングフォースの低下が少なくなるなどタイヤの運動性能が向上する。ただし、トレッド幅が広くなるため、充分な性能を引き出すにはタイヤの対地キャンバー角をゼロ近くに保つことが必要。 |
ローラーチェーン |
まゆ形の2枚の鋼板をそれぞれにローラーをはめた2本のブッシュでつないだローラリンクと、同じ形の2枚の鋼板に2本のピンを備えたピンリンクを交互に並べ、ローラリンクのブッシュの中にピンリンクのピンを通してつないだ構造を持つチェーン。代表的なローラーチェーンは自転車やモーターサイクルに見られ、自動車ではエンジンのタイミングチェーンとして使用されることが多い。 |
ローラーベアリング |
ころ軸受。ベアリングの形式の一つで、内輪と外輪の間にころを入れた構造のもの。レースところの接触なのでボールベアリングに比較して接触面積が広く、大きな荷重に耐え、衝撃にも強い。ころの形に円筒、円錐、球面や針状のものがあり、円錐ころ軸受がアクスルやステアリング系に、針状のころを用いたニードルベアリングがトランスミッションやユニバーサルジョイントに使用されている。ころに円錐を用いた円錐ころ軸受は軸に直角な方向のラジアル荷重と軸方向のスラスト荷重を支えることができる。 |
ローラー・ロッカーアーム |
DOHCエンジンで、カムとの接触部分にローラーベアリングを備えたロッカーアームのこと。ベアリングとしてはニードルベアリングが使われるのが普通で、カムとロッカーアームの摩擦抵抗を小さくし、動力のロスと騒音の発生を低減するもの。 |
ローリング |
走行中のクルマの運動の中でクルマが旋回したり横風を受けたときの横方向への傾きのこと。クルマの中心を前から後ろに串刺しにした軸とすると、この前後軸周りの回転運動の成分をローリングといい、その回転角度をロール角という。 |
ロールオーバー |
クルマの横転、転覆のこと。重心位置が高く、ドレッドの狭いクルマほど転覆しやすい傾向がある。 |
ロールキャンバー |
車体のローリングによってタイヤのキャンバー角が変化すること。リジッドアクスルでは左右のタイヤのたわみの違いによってわずかに発生する程度だが、インディペンデントサスペンションではアクスルやアーム類の配置によってかなりのロールキャンバーを生じる。あらかじめタイヤにネガティブキャンバーを付けておき、コーナリング時のクルマのローリングによってタイヤを成立させて最大の接地面積を得、グリップを増す方法はレーシングカーやスポーツカーによく見られる。 |
ロールゲージ |
転覆時に乗員を保護するために設けられたロールバーを補強し、かごのように作られているもので、ストックカーのようなレーシングカーによく見られる。 |
ロール剛性 |
自動車が旋回するときにロール軸のまわりにモーメントを考え、車体のロールに対する抵抗力、あるいはロールしたときにサスペンションに発生する反力をロール剛性という。ロール剛性が高ければコーナリング時のロール角は小さい。 |
ロール剛性配分 |
クルマのロール剛性がフロントサスペンションとリヤサスペンションのどのように配分されているかをロール剛性の割合で示したもの。車輪の上下運動によってアライメントが変化するためで、アクセルステアもこの一種である。ロールステアによってクルマにオーバーステアが発生した時ロールオーバーステア、逆にクルマがアンダーステアになった時ロールアンダーステアと呼ぶ。 |
ロールステア係数 |
ロールステアが発生した状態でロール角に対するステア角の割合を係数であらわしたもの。クルマのアンダーステアを弱める方向をプラス、強める方向をマイナスで示す。前者をロールオーバーステア、後者をロールアンダーステアという。 |
ロールセンター |
自動車のローリングは車体とサスペンションが相対的にどのように動くかによって決まり、その回転運動の中心点をいう。車体に対してタイヤが上下にどのように動くかを図上に描き、その回転運動の中心点とタイヤの接地中心を結ぶ線がクルマの中心面と交わる点として決まる。ロールセンターは前軸と後軸のそれぞれの左右中心線上にあるが、前後のロールセンターを結ぶ線をロール軸といい、クルマはこの軸を中心にロールする。前軸のロールセンターが後軸のロールセンターより低く、ロール軸は前下がりになっているのが普通。ロールセンターが低いクルマはローリングが大きい。 |
ロール速度 |
クルマがロール軸まわりにロールする速さのこと。ロールレートであらわされるのが普通。 |
ロールバー |
オープンカーやレーシングカーでクルマが転覆した時に乗員を保護するため、頭部より高い位置に付けられている鋼管製の支柱。 |
ロール率 |
自動車のロールの大きさはトレッド、重心高さ、ロールセンター高さ、ばねレートなどによって決まるが、これを旋回横加速度0.5Gあたりのロール角であらわしたもの。 |
ロールレート |
ロール剛性のこと。クルマのロール運動の速さであるロール速度を角速度であらわしたもの。 |
ロッキングアーム |
レーシングカーのインボードサスペンションに用いられるアーム。バルブロッカーアームと同様テコの原理によってホイールの動きを小さくし、ボディ内のスプリング/ダンパーユニットに伝える働きをするもの。アッパーアームがロッカーアームとして使われた例もあるが、現在ではプッシュロッドやプルロッドによって動くようになっているのが普通。 |
ロックアップ |
トルクコンバーターのポンプ側とタービン側を直結することをいう。トルコンはオイルの流れによって動力を伝えるので流体摩擦によってエネルギーロスを生じる。この無駄をなくすため、ポンプ側とタービン側の回転がほぼ同じになった時に両者をロックすることが考えられた。設定された速度以上になるとトルコン内のオイルの流れが自動的に変わり、タービン車に付けられているクラッチがポンプ車のフロントカバーに油圧で押し付けられ、一体となって回転するメカニズムとなっている。 |
ロックウェル硬さ試験 |
金属の硬さを調べる試験方法の一つ。鋼球又はダイヤモンドの圧子の先端を基準荷重でサンプルに押しつけた後試験荷重で押し付け、もう一度基準荷重をかけて2回の基準荷重で表面に出来たくぼみの深さの差を測定して硬さを求めるもの。圧子と荷重によっていくつかのスケールがある。 |
ロッド |
まっすぐな棒またはパイプで、部品を連結して力を伝えるもの。自動車ではアームと同じものとして使われているが、まっすぐなアームだけをロッドと呼ぶ。 |
ロングストロークエンジン |
ボア/ストローク比が1より大きいエンジン。同じ排気量のショートストロークエンジンと比較すると、同じ回転数の時のピストンスピードが速くなるので、低回転で大きなトルクが得られ、使いやすいエンジンだが、最高回転数を高めることが難しい。 |
ロングライフ・クーラント |
長期間使用可能な冷却液。エンジンの冷却液に不凍液や防錆剤、酸化防止剤などを添加し、冷却系の金属の錆を防ぎ、冬季の凍結や夏季のオーバーヒートが起こらないようにしたもの。長期間サービスフリーで使用できる寿命の長い冷却液ということから名付けられた。 |